佐賀デビューの明け3歳馬による争いで、2014年に3歳オープンの一般戦としてスタートし、昨年準重賞に、そして今年から重賞に格上げとなった。
トゥールリーはここまで9戦して馬券圏内を外したのが中央芝に挑戦したフェニックス賞のみ。重賞では九州ジュニアチャンピオンを制し、ネクストスター佐賀が3着、カペラ賞が2着。いずれも負けても勝ち馬からコンマ6秒以内の差と、地元佐賀では崩れることがない。ほかに重賞で上位入着経験があるのは、カペラ賞でトゥールリーから7馬身離されて3着だったカシノルーカスのみというメンバーでは、中心は揺るぎない。
相手筆頭はデッドフレイ。アルデバラン特別では唯一、直線でトゥールリーに食い下がって1馬身半差。今回は初めての中距離1750メートル戦で、その能力を発揮できるかどうか。
前述のとおりカシノルーカスはカペラ賞で3着。この馬も前走、2歳-2組の一般戦ではあるものの、トゥールリーに2馬身半差で2着と健闘した。
フークファンタジーは、重賞ではカペラ賞での5着が最高という成績だが、11月のベテルギウス賞ではカシノルーカスに5馬身差をつけて圧勝。続く前走フォーマルハウト賞は8着だったが、遠征馬相手だっただけに佐賀デビュー馬限定のここでは見直したい。
サガノオウマサンはここまで7戦して3着以内を外したのが一度だけで、ここ2戦はトゥールリー相手に3着。ここでも馬券圏内は狙えそう。
ロトプレシャスはデビューから2連勝。ただ前走1400メートルの勝ちタイムが重馬場1分31秒2タイムで、このメンバーで勝ち負けするには1秒以上タイムを詰める必要があり、さらなる上昇が求められる。
◎10トゥールリー
◯3デッドフレイ
▲6カシノルーカス
△11フークファンタジー
△1サガノオウマサン
△12ロトプレシャス
佐賀若駒賞の出走表はこちら
ブリーザフレスカは昨年重賞3勝。デビュー3年目だった塚本征吾騎手の出世馬となった。前走東海菊花賞は5着だったが、先着された馬は今回不在で、このメンバーに入れば能力上位は間違いない。
このレース連覇を狙うのがメルト。その後はやや落ち込んだかA2特別で1勝を挙げたのみだが、強力遠征勢多数の笠松グランプリでは東海地区最先着の4着、さらに前走東海ゴールドカップトライアルでは、のちに東海ゴールドカップでハナ差2着好走のナリタブレードの2着。ここに来て復調気配だけに連覇も期待できる。
浦和から転入初戦のゴールドレッグスは、南関東B2で常に好走という実力なら、ここでも通用する。3歳時に旧名古屋競馬場は経験しているが、あとは初コースに対応できるかどうか。
ロードランヴェルセは、重賞初挑戦となった笠松・オータムカップでは7着だったが、その後、名古屋のA級特別で好走続き。今回一線級が少ないメンバーだけに上位争いも可能。
昨年2着だったブンブンマル、昨年の笠松・くろゆり賞2着だったファルコンウィングらも争覇圏。
◎8ブリーザフレスカ
◯5メルト
▲3ゴールドレッグス
△1ロードランヴェルセ
△7ブンブンマル
△9ファルコンウィング
名古屋記念の出走表はこちら
ヘッチャラは2歳シーズンから世代重賞にはほとんど皆勤の出走を続け、3着以内を外したのは障害を越えて勢いをなくしてしまったばんえい菊花賞(9着)だけ。しかしながら2着、3着ばかりでなかなか勝ちきれず、ようやく重賞初制覇となったのが、昨年3月、4歳で出走したポプラ賞で、8月にははまなす賞も制した。柏林賞、銀河賞も、ともに勝ったキングフェスタと同重量のトップハンデで2着、3着。障害も確実に越えてくるだけに、勝てずとも連軸としては信頼できる。
重賞では4着が最高という成績のツガルノヒロイモノだが、ここの来ての充実ぶりがすばらしい。昨秋はオープン特別4連勝で、特に12月11日のターコイズ特別では、重量差があったとはいえ、アオノブラック、メジロゴーリキ、インビクタら、帯広記念有力馬を相手にして勝った。前走3着で連勝は止まったが、勝ったのがメムロボブサップで、一般戦のオープンならあまり参考にならない。勢いでは最上位だが、1番枠がどうだろう。日によって馬場状況が変わるので当日になってみないとわからないが、ヤングチャンピオンシップでは1番人気となった1番枠のアヤノダイマオーが前半から流れについていけない感じだった。今の時期に1番枠はリスクがあるので対抗まで。
世代最強のキングフェスタは2歳シーズン、3歳シーズンともに二冠で、4歳シーズンはここまで二冠を制し三冠に王手をかけている。ただ銀河賞のあと、オープン特別やドリームエイジカップでは、ツガルノヒロイモノやヤマカツエースに先着を許しているという近況。大一番で本来の力を発揮できるかどうか。
ヤマカツエースも重賞タイトルは2歳時のヤングチャンピオンシップだけだが、柏林賞3着に、銀河賞2着。さらにドリームエイジカップでも古馬一線級相手に3着と健闘。押し出されて△だが能力差はない。
3歳時にばんえい大賞典、はまなす賞を連勝したクリスタルコルド、ばんえい菊花賞2着があるヤマノコーネルらも連下なら。
◎3ヘッチャラ
○1ツガルノヒロイモノ
▲7キングフェスタ
△8ヤマカツエース
△5クリスタルコルド
△6ヤマノコーネル
天馬賞の出走表はこちら
中央オープンで好勝負していた実力で転入してきたアラジンバローズは、佐賀に遠征して鳥栖大賞を制し、名古屋の東海菊花賞では2着に敗れたものの、勝ったアンタンスルフレはその後南関東に移籍して2600メートルの金盃トライアルを制したという長距離での好調馬。前走A1A2特別はゴール前でサンビュートにアタマ差まで迫られたが、それも北海道から転入した古馬トップホース。2キロの斤量差があったことを考えれば着差以上の強さだった。今回トップハンデとはいえ、その前走と同じ58キロなら問題にはならないだろう。
3歳時はまるまる休養がありながら見事復活を遂げたツムタイザン。復帰してからはほとんど勝ち負けという成績を続けて徐々にクラスを上げ、ついに昨夏、摂津盃を制し、2歳時以来のタイトルとなった。ただそのときが55.5キロで、前走園田金盃で惜しくも2着が56キロ。その間格下相手の特別戦を58キロで制しているが、今回57.5キロを背負ってどうだろう。
昨年のこのレースが重賞初制覇で、連覇を狙うのがアキュートガール。その後勝ち星がないとはいえ、園田金盃では勝ったスマイルミーシャに0秒6差、3着ラッキードリームにアタマ差4着ということでは復調気配と見ていいだろう。昨年より2キロ重くなるが、前走園田金盃と同じ54キロで、状態アップなら勝負になる。
エイシンビッグボスは一時期短距離路線で善戦していたが、昨秋久々の1700メートルとなった姫山菊花賞では7番人気ながらラッキードリームに1馬身半差2着。前走園田金盃は4着アキュートガールから離された5着だったが、今回ハンデ55キロなら上位食い込みの可能性も。
六甲盃、摂津盃、姫山菊花賞で掲示板のナムラタタ、中央2勝クラスから転入して2連勝のあとの前走でアラジンバローズの3着だったトリプルスリルらも連下争いなら。
◎11アラジンバローズ
○5ツムタイザン
▲3アキュートガール
△6エイシンビッグボス
△7ナムラタタ
△2トリプルスリル
新春賞の出走表はこちら
荒れる印象のある帯広記念......。だが、それは少し前までのことのようで、10年前の2014年から18年までの5年間では1番人気は3着が1回あるだけ。18年こそ3連単19,800円でわりと落ち着いたが、それ以前の4年間は4万円台〜30万円台という配当だった。ところが19年以降は1番人気が毎年連対し、もっとも人気薄でも6番人気が3着に入っただけ。3連単でも3万円が最高配当で、4桁配当も2回あった。昨年はアオノブラック、メムロボブサップという7歳2強の決着で、3着にも同じ7歳で6番人気のコマサンブラックが入った。
そして今回も、メムロボブサップ930kg、アオノブラック920kgという、明けて8歳になる2強の重量は前年と同じ。果たしてそこに食い込む馬はいるのかどうか。
昨年6番人気ながら3着で高重量戦に適性を示したコマサンブラックを狙ってみたい。今シーズンは勝ち星が遠く重賞でも5着が最高という成績だったが、ここに来てオープン2組とはいえ2連勝。ようやく調子を上げてきた。
前述のとおり2強が10kg差の設定ならアオノブラックに有利となるのだろう。
過去の傾向からもメムロボブサップの930kgは厳しいと見て昨年も軽視したのだが、それで2着は驚かされた。今年も勝つまではどうか。
そのほか重賞実績のある馬では、馬場が重くなればメジロゴーリキだが、軽くなればインビクタの出番。帯広地方は、大晦日が雪予報で、元日、2日とも晴れ予報となっているが果たして。終日氷点下という今の気温では2日くらい晴れが続いても重い馬場にはならないと思うのだが。
今シーズンの古馬重賞で3着2回と充実を見せたコマサンエースにも一発があるかもしれない。
あらためて5頭出走している最強8歳世代VSメジロゴーリキという構図。
◎5コマサンブラック
◯7アオノブラック
▲4メムロボブサップ
△6メジロゴーリキ
△3インビクタ
△8コマサンエース
帯広記念の出走表はこちら