サクラヒメは明け3歳時の黒ユリ賞こそ最下位だったが、その後一気に力をつけ、ここ1年では競走中止となった柏林賞を除いて同世代の牝馬には先着されていない。前哨戦の紅バラ賞は、トップハンデで最下位だったミソギホマレを別とすれば、40〜50kgも軽い相手に障害先頭から持ったままの楽勝だった。柏林賞での競走中止は、オーシャンウイナーとの接戦となって、ゴール前で力尽きて転倒。そのときと同じ700kgは紅バラ賞で楽勝しているし、ばんえいダービーで710kgまでは経験しているだけに、今回の720kgも問題にならないだろう。
この時期の4歳牝馬でオープン馬はめずらしく、過去10年のこのレースを見ても出走しているのはわずか2頭。2015年のキサラキクが2着で、2019年にはミスタカシマが勝った。つまりこのレースでオープン格付けの馬は強い。それが今年は2頭。サクラヒメと、もう1頭はミソギホマレ。紅バラ賞ではトップハンデで最下位だったが、710kgで銀河賞を勝っているのだから牝馬同士ならやはり強い。
アアモンドカズミはB3からB2に昇級しての出走。7戦連続連対中と、ここにきて力をつけているだけに一気の相手強化でも勝負になる。
サクラシュンカも充実ぶりが目立つ1頭。3走前、軽量の疾風賞こそ5着だったが、それを除けば6月18日以降3着以内を外していない。
ブルーレジーナは前々走の紅バラ賞は8着だったが、第2障害まで単独先頭でレースをひっぱり積極的に攻めての結果。前走はその効果があって障害ひと腰先頭で2着。状態上向きだ。
近走成績がいまひとつのアバシリサクラだが、2歳時にナナカマド賞のタイトルがあるだけに、690kgなら侮れない。
◎8サクラヒメ
○4ミソギホマレ
▲6アアモンドカズミ
△7サクラシュンカ
△1ブルーレジーナ
△2アバシリサクラ
クインカップの出走表はこちら
門別でのJRA認定勝ちから転入したネオシエルは、ここまでは佐賀で1戦したのみ。盛岡に遠征した南部駒賞では北海道、船橋からの遠征馬に次いで3着に入った。その先着した2頭は、続いて盛岡芝のジュニアグランプリにも遠征して、ともに上位に入着したように南部駒賞はレベルの高い一戦だった。今回の鞍上はホッカイドウ競馬のシーズンが終了したばかりで当地で期間限定をはじめる石川倭騎手。これまでも佐賀では20%を超える高い勝率を記録しており、今シーズンの期間限定騎乗でも注目となりそう。
ネオシエルの佐賀転入後の3戦で手綱をとってきた山口勲騎手だが、今回はミヤノウッドリーに騎乗する。これまでの成績は6戦5勝、2着1回。九州ジュニアチャンピオンは競走除外となったが、出走していれば断然人気になったと思われる。前走1750メートルのベテルギウス特別を勝っているという距離経験はアドバンテージになりそう。
ミヤノウッドリーが不在となった九州ジュニアチャンピオンを1番人気で制したのがイチノコマチ。中央芝の挑戦を除けば、ここまで6戦3勝、2着3回とオール連対。先着されたのは、ミヤノウッドリーに2回と、モーモーレッドに1回。ここは◎○が高いカベとなりそう。
九州ジュニアチャンピオンで2、3着だったモーモーレッド、ニューホライゾンも、イチノコマチとはそれほど差はなさそう。
門別からの転入初戦を9馬身差で圧勝したブレイブアモーレ、デビュー8戦目での初勝利が8馬身差の圧勝だったアストライオスまで、10頭立てで7頭も印をつけてしまったという混戦。とはいえ◎○が中心で、以下は連下争い。
◎7ネオシエル
○3ミヤノウッドリー
▲2イチノコマチ
△6ニューホライゾン
△4ブレイブアモーレ
△8モーモーレッド
△9アストライオス
カペラ賞の出走表はこちら
ライトニングブルーは門別のデビュー戦、フレッシュチャレンジを勝ったのみだが、栄冠賞はゴール前で先頭に立ってほとんど勝ったと思ったところ、大外を強襲した馬にわずかにとらえられて2着。続くオープンでも2着に好走した。その後の前2走は着外だったが、レベルの高いところでの争い。今回のメンバーに入れば能力上位は間違いない。
地元筆頭はフジラプンツェル。デビューから5戦全勝で望んだ南部駒賞は1番人気に支持されるも遠征馬相手に4着に敗れたが、そこを勝った北海道のエイシンケプラー、2着だった船橋のナイトオブバンドは、その後、芝のジュニアグランプリにも再び遠征し、それぞれ5着、2着に好走したからやはりレベルが高かった。今回も北海道から5頭が遠征してきたが、南部駒賞と比べるとメンバーは楽になっった。リベンジを期待できそう。
キューティロメラは門別でのデビュー戦となった7月のフレッシュチャレンジでは1000メートル59秒7という抜群のタイムで圧勝。続くウィナーズチャレンジでも2着に好走し、エーデルワイス賞JpnIIIでは13着に敗れたものの、ここまでキャリア3戦だけにまだまだ成長の余地はありそう。
エイシンエイトは遠征した園田プリンセスカップで3着。一度左回りのコースを経験し、今度は広い盛岡の1400メートルなら能力を発揮しそう。
レモンアイカーは、重賞や中央芝挑戦では結果が出ていないが、デビュー2戦目の2歳オープンでは雨で水の浮く馬場で1000メートル1分0秒5という好タイムで3着。今回の盛岡競馬場では雨予報が出ており、馬場を味方に久々に好走の可能性も。
◎3ライトニングブルー
○5フジラプンツェル
▲1キューティロメラ
△10エイシンエイト
△8レモンアイカー
プリンセスカップの出走表はこちら
南関東から4頭、東海から2頭の遠征があっての9頭立て。地元馬には厳しい戦いになりそう。
中央3勝クラスから大井に移籍したウラノメトリアは、その初戦となった、今回と同じ2600メートルの金盃トライアルで4馬身差の完勝。本番の金盃では10着だったが、金盃トライアルの勝ちタイムより速いタイムで走っていた。2400メートルの東京記念トライアルでは半馬身差の2着に入り、本番の東京記念では大井記念から連勝となったランリョウオーにコンマ7秒差の4着なら好走といえる。2000メートルを超える距離の適性の高さに注目だ。
タイサイは中央オープンから昨年秋に大井に移籍。今年6月には園田に遠征した六甲盃では、兵庫最強のジンギと好勝負を演じての2着。しかし続いて遠征した佐賀・鳥栖大賞では1番人気に支持されるも差のある5着だったように、能力は高いが負けるときはあっさりというタイプ。中心としては狙いづらいが、あっさり勝ってもおかしくないということでの対抗評価。
中央3勝クラスから川崎に移籍したアイアムレジェンドは、南関東での成績では◎○にやや劣るが、イヌワシ賞を連覇。金沢コースに適性を示しているだけに、ここでもという可能性は考えられる。
実績的に南関東から遠征のここまで3頭の勝負となりそう。
名古屋から遠征のアンタンスルフレは、ここ2戦の名古屋、笠松の重賞での連続2着は評価できるものの、浦和在籍時はB1B2クラスあたりで勝ちきれずという実績。昨年の中日杯で3着という地元のフューリアスとともに、上位3頭のどれかが凡走したときに馬券圏内の食い込みがあるかどうか。
◎6ウラノメトリア
○9タイサイ
▲2アイアムレジェンド
△5アンタンスルフレ
△3フューリアス
北國王冠の出走表はこちら
昨年までの1900メートルから競馬場移転によって2100メートルに距離延長となり、12月に行われる名古屋グランプリJpnIIは逆に2500メートルから2100メートルとなって、そのトライアルとしての位置づけが明確になった。南関東から4頭、いずれもダート長距離で実績を残している馬たちが遠征してきた。
地元のウインユニファイドは10歳にして充実という言葉が適当かどうかわからないが、トリトン争覇で重賞初勝利を果たすと、佐賀に遠征しての鳥栖大賞では大井や兵庫からの遠征馬を相手に4コーナーで先頭に立つと後続を引き離して5馬身差の圧勝。そこから2カ月の余裕をもって臨む一戦。地元でその強さをあらためて示したいところ。
相手は船橋のトーセンブル。今年のオグリキャップ記念ではウインユニファイドに3馬身差をつけて完勝。昨年は園田2400メートルの六甲盃を制すなど2000メートルでも距離不足という感じで長距離で能力を発揮する。今回はウインユニファイドの地元でどうか。
コバルトウィングは船橋2200メートルを含め目下4連勝。前走がA2B1特別勝ちだが、トーセンブルがしばらく南関東のオープンクラスでは勝ち星から遠ざかっているという状況だけに、この馬の成績でも十分通用しそう。
タカジョーはオグリキャップ記念がトーセンブルから差のある9着で、その後も南関東ではC1特別を連勝したまで。ただ金沢に遠征してのイヌワシ賞では3着に健闘しており、連下争いまでなら。
今年2月の梅見月杯ではウインユニファイドや遠征勢を負かしているトミケンシャイリだが、今回は4月以来の休み明けでどうか。
近走やや苦戦が続いているシュプレノンは2000メートルを超える距離ではたびたび好走があり、軽視はできない。
◎9ウインユニファイド
○2トーセンブル
▲8コバルトウィング
△1タカジョー
△3トミケンシャイリ
△7シュプレノン
東海菊花賞の出走表はこちら