今年も十勝産駒が強い。2歳一冠目のナナカマド賞を勝ったのは、釧路産のショウチシマシタだったが、実際に1位入線はダイコクパワーで、これがゴール前で勢い良く伸びてきていたソウクンボーイのコースに完全に入ってしまい5着に降着となった。この2頭がトップハンデの570キロを背負ってのレースだっただけに、やはり実力では上位ということになる。ナナカマド賞で差のない2着だったコウシュハウンカイは、十勝産駒特別で4着だったため、残念ながらここには出てこられない。12月9日の2歳A-1戦は、そのコウシュハウンカイが勝ち、ソウクンボーイがゴール前で再び差を詰めて2着、3着にショウチシマシタ、やや離れて4着にダイコクパワーという結果。ただ7.7%の軽い馬場で行った者勝ちというレース。障害で一瞬遅れたダイコクパワーの巻き返しに期待する。相手はもちろんソウクンボーイ。
穴的なところではコブラウンカイが狙い目。ナナカマド賞は8着で、その後のA-1戦でも10秒以上の差をつけられて負けているが、9月の青雲賞では、コウシュハウンカイ、ダイコクパワーに先着しての2着。釧路産駒特別でも、10キロ差があったとはいえ、ショウチシマシタ相手に完勝している。
ショウチシマシタは、ナナカマド賞を繰り上がりでの勝利となったあとも好走。ただ今回の600キロはいかにも厳しい。
2着続きのヨシムネが上位争いまで食い込めるかどうか。
◎ダイコクパワー
◯ソウクンボーイ
▲コブラウンカイ
△ショウチシマシタ
△ヨシムネ
北海道からエーデルワイス賞JpnIII・2着のピッチシフターが名古屋に転入してきた。馬主が変わったというわけでもなく、グランド牧場のオーナーブリーディングホースで、2歳時に北海道でこれほどの実績を残していれば、中央や南関東に転厩させるのが普通だと思うのだが、名古屋へというのはどんな狙いがあるのだろう。転入初戦はいきなり古馬に格付けされA級5組の一般戦を2番手から抜け出して完勝。今回は重賞で勝ち負けをしている馬が何頭かいるというメンバーだが、おそらくその上のレベルをいっていると思う。
エイシンルンディーは、前走プリンセス特別でカツゲキドラマと競り合って惜しくもハナ差の2着。カツゲキドラマといえば、グランダム・ジャパン2歳シーズンの女王を目指して大晦日の大井に遠征する。エイシンルンディーにとっては、「鬼のいぬ間に...」というところだが、今度はピッチシフター相手に先行して押しきれるかどうか。
ユーセイクインサーは、ここまで5戦4勝、2着1回とまだ底を見せていない。デビュー2戦目の2着は、その後にゴールドウィング賞を制したウォータープライドに先着されてのもの。当時より力をつけている。
そのウォータープライドは、プリンセス特別では前2頭から3馬身離されての3着。逆転まではどうか。
チョットチョットは、6戦して3着を外していないという堅実な成績。重賞初挑戦となるが、前走では兼六園ジュニアカップを制しているホウライジェントルの2着と好走した。
マユノプーリンは、準重賞のジュニアクラウンでエイシンルンディーに1馬身半差の2着。その後の前々走で初勝利を挙げ、ややムラ駆けな面があるだけに、力を発揮できれば上位争いも。
◎ピッチシフター
◯エイシンルンディー
▲ユーセイクインサー
△ウォータープライド
△チョットチョット
△マユノプーリン
今年ここまで勝ち星がないスーニが復調気配だ。JBCスプリントJpnIは3着だったが、直線を向いて単独で2番手に抜け出したときのレースぶりには見どころがあった。2010年から11年にかけても長いスランプがあり、そのとき復調気配を感じさせたのがさきたま杯JpnIIIの3着で、まさに今回のJBCスプリントのようなレースをしていた。その後プロキオンステークスGIII8着のあと、昨年のこのレースまで4連勝。ここで1年ぶりのリスタートとなるかどうか。59.5キロは楽ではないが、昨年はそれでも強い勝ち方を見せた。
オオエライジンにはダートグレード初制覇の期待がかかる。前々走JBCスプリントJpnIで厳しいペースを経験。結果は勝ち馬から2秒離されての6着だったが、勝負どころの3コーナー手前では内から進出して先団にとりつき、一線級相手のペースにも対応できるところを見せた。前走地元の園田金盃は3コーナー手前で後続が後退すると、あとはハミがかからなかったという。今回はハンデ戦で、昨年と同じ54キロ。この1年の上積みがあれば、スーニ、セイクリムズンが相手でも昨年以上の結果も期待できる。印は対抗だが、馬券的には頭も。
セイクリムズンのこの秋3戦は、春の4連勝の勢いがない。昨年はスーニより1.5キロ軽い58キロで2着だったが、今年はスーニと同じ59.5キロを背負う。地元ともいえる岩田騎手はもちろん大きなアドバンテージだが、春の調子が取り戻せているかどうか。
ティアップワイルドは中央のダートオープンで4勝の実績。地方でも大井・東京スプリントJpnIIIでの2着があるが、中央のトップ2とハンデ差1キロでは、ちょっと厳しいように思う。
ダイショウジェットは、前々走の南部杯JpnIでエスポワールシチーの2着など、9歳でも衰えはない。毎度のことだが、前が競り合って終いを生かせる展開になるかどうか。
◎スーニ
◯オオエライジン
▲セイクリムズン
△ティアップワイルド
△ダイショウジェット
高知には一時期2歳馬がほとんど入厩せず、その間この金の鞍賞は休止となっていたが、2010年の元旦に明け3歳の重賞として復活し、その秋からは再び2歳重賞として行われている。今年はフルゲート12頭立てとなり、その全馬が北海道か中央からの移籍馬とはいえ、こうして2歳重賞を復活させたところなどは、さすが高知競馬だなと思う。
マインダンサーは、北海道時代はJRA認定戦で3度の2着があり、転入後は古馬C2級特別で苦戦しながらも、前走2歳1組戦では8馬身差の圧勝。素質も実力も最上位だ。
アラマサシャープも門別のJRA認定戦で2着3着続きで勝ちきれず。高知移籍後は古馬C3の一般戦を勝って前走2歳戦では5馬身差圧勝。臨戦過程ではマインダンサーのほうが上だが、まだ底は見せていない。
サハリは前走北海道からの転入初戦でマインダンサーに8馬身差をつけられての2着。ただ3着馬には7馬身差をつけた。門別ではフレッシュチャレンジ勝ちがあり、素質面では上記2頭に劣らない。転入2戦目での上積みがあれば差はないかもしれない。
12月9日の2歳2組戦で上位を争った3頭、マイネルテゾーロ、サンラスカル、ピエールフィンガーが▲までの3頭に続く勢力だが、その中では笠松への遠征を経験したサンラスカルを上位にとる。
◎マインダンサー
○アラマサシャープ
▲サハリ
△サンラスカル
△マイネルテゾーロ
△ピエールフィンガー
今後への期待も込めて、3歳のエスワンプリンスを本命とした。母は佐賀所属として門別まで遠征してエーデルワイス賞GIIIを制したエスワンスペクター。九州ダービー栄城賞を圧勝し、大井に遠征した黒潮盃でも差のない3着と好走した。ロータスクラウン賞は体調が万全ではなく薄氷を踏むような勝利で、その後笠松グランプリに遠征予定だったが回避となっていた。久々に佐賀から全国区での活躍が期待できる馬だけに、順調に成長してほしい。
デュナメスは実力がみとめられながらも重賞では惜しいところでなかなか勝てず、前走九州大賞典がようやく念願の重賞タイトルとなった。昨年の中島記念では3歳のウルトラカイザーに4馬身差をつけられての2着で、今年も3歳馬が手強い相手となりそうだ。
レイズミーアップは、北海道から戻って3戦2勝、2着1回。そのうちデュナメスとの対戦では1勝1敗。勝ったときは2キロ軽く、負けたときは同斤量。1キロ差の今回はどうか。
九州大賞典で2着のタニノウィンザー、3着のメイホウホップらは今回もどこまで迫れるか。
◎エスワンプリンス
○デュナメス
▲レイズミーアップ
△メイホウホップ
△タニノウィンザー