グランシュヴァリエが高知県知事賞初挑戦となる。遠征競馬がほとんどのため、2010年の転入以降、高知ではここまで10戦して8勝、2着1回。交流の黒船賞JpnIIIを別とすれば、地元馬に負けたのは1回だけ。高知県知事賞どころか、地元重賞も今回が初出走。ほかには重賞勝ち馬が3歳のヒロカミヒメと、福山時代のムサシボーのみというメンバーだけに、ここは負けられない一戦。
相手は3歳牝馬のヒロカミヒメ。黒潮菊花賞を制し、古馬相手の黒潮マイルチャンピオンシップでもそれほど差のない4着と好走。前々走では連勝中のコスモワッチミーに半馬身差とせまる2着があった。ここでグランシュヴァリエと好勝負できるようであれば、来年が楽しみになる。
3番手以下は比較が難しい。セトノジャーニーは、前々走のA-2戦が高知での初勝利。ポッピイはこの秋に転入して勝利はないが、前走A級戦で2着と好走。ベルモントパッシオは、遠征しての重賞経験がある。前走そのベルモントパッシオに5馬身差をつけて勝ったバンブーマンユーは、勝ち方がフロックっぽかった。
◎グランシュヴァリエ
◯ヒロカミヒメ
▲セトノジャーニー
△ポッピイ
△ベルモントパッシオ
△バンブーマンユー
東海ゴールドカップといえば、かつては東海地区のチャンピオン決定戦ともいえるレースだったのが、交流が進んだ最近では、有力馬が他地区のレースを使うことも多くなり、やや微妙な位置づけになりつつある。チャンピオン決定戦といえたのは、2001年にミツアキサイレンスが勝ったあたりまでか。その後も2004年にミツアキタービン、2010年にヒシウォーシイが勝っているが、そのほかの年は印象が薄い。今年のメンバーにも重賞勝ち馬はノゾミカイザー、エーシンアクセランと2頭いるが、ともに最近ではA2でも勝負にならず、全盛時の力は期待できそうもない。
中心には、連戦連勝で出世してきたエーシンサンダー。前走笠松グランプリは7着だったが、オープンクラスがほとんどいない今回のメンバーなら勝負になる。
トーホウカイザーは、中央準オープンから名古屋に転入し、A1~A2の特別で3、1、2着。前走の2着も、今年7月の名港盃を制したミヤジメーテルに3馬身差。このメンバーなら十分勝ち負けになる。
中央時はダート重賞にも出走したエイシンダッシュ、北海道から転入して2連勝のエーシンマギー、中央500万下からの転入初戦となったA3特別を勝ったサイモンロードらがどんな走りをするかにも注目。
◎エーシンサンダー
◯トーホウカイザー
▲エイシンダッシュ
△エーシンマギー
△サイモンロード
この秋、さらに力をつけた3歳のロッソコルサに期待する。僅差3着の桂樹杯に続いての古馬との対戦となった青藍賞では、カミノヌヴォーと叩き合ってアタマ差の2着。1番人気のトーホクキングには1馬身半差をつけて先着した。その後に不来方賞、ダービーグランプリと岩手3歳二冠を制した。村上忍騎手は、すでに桐花賞5勝を挙げていて歴代2位。菅原勲騎手の9勝に近づくことができるかどうか。勝てば桐花賞は3年連続で3歳馬の勝利となる。
ジョーモルデューは、前走北海道からの転入初戦で1番人気に支持されたものの、人気薄の逃げ馬をとらえきれず半馬身差2着。連闘で臨む大一番だが、重賞で常に掲示板を確保していた道営時代の実績なら、ここでも十分勝負になる。
みちのく大賞典以来勝ち星がないトーホクキングだが、その後の重賞でも常に上位争い。
昨年2着のコアレスランナー、北上川大賞典を制したマイネヴィントらもそれほど差はない。
◎ロッソコルサ
◯ジョーモルデュー
▲トーホクキング
△コアレスランナー
△マイネヴィント
今年も十勝産駒が強い。2歳一冠目のナナカマド賞を勝ったのは、釧路産のショウチシマシタだったが、実際に1位入線はダイコクパワーで、これがゴール前で勢い良く伸びてきていたソウクンボーイのコースに完全に入ってしまい5着に降着となった。この2頭がトップハンデの570キロを背負ってのレースだっただけに、やはり実力では上位ということになる。ナナカマド賞で差のない2着だったコウシュハウンカイは、十勝産駒特別で4着だったため、残念ながらここには出てこられない。12月9日の2歳A-1戦は、そのコウシュハウンカイが勝ち、ソウクンボーイがゴール前で再び差を詰めて2着、3着にショウチシマシタ、やや離れて4着にダイコクパワーという結果。ただ7.7%の軽い馬場で行った者勝ちというレース。障害で一瞬遅れたダイコクパワーの巻き返しに期待する。相手はもちろんソウクンボーイ。
穴的なところではコブラウンカイが狙い目。ナナカマド賞は8着で、その後のA-1戦でも10秒以上の差をつけられて負けているが、9月の青雲賞では、コウシュハウンカイ、ダイコクパワーに先着しての2着。釧路産駒特別でも、10キロ差があったとはいえ、ショウチシマシタ相手に完勝している。
ショウチシマシタは、ナナカマド賞を繰り上がりでの勝利となったあとも好走。ただ今回の600キロはいかにも厳しい。
2着続きのヨシムネが上位争いまで食い込めるかどうか。
◎ダイコクパワー
◯ソウクンボーイ
▲コブラウンカイ
△ショウチシマシタ
△ヨシムネ
北海道からエーデルワイス賞JpnIII・2着のピッチシフターが名古屋に転入してきた。馬主が変わったというわけでもなく、グランド牧場のオーナーブリーディングホースで、2歳時に北海道でこれほどの実績を残していれば、中央や南関東に転厩させるのが普通だと思うのだが、名古屋へというのはどんな狙いがあるのだろう。転入初戦はいきなり古馬に格付けされA級5組の一般戦を2番手から抜け出して完勝。今回は重賞で勝ち負けをしている馬が何頭かいるというメンバーだが、おそらくその上のレベルをいっていると思う。
エイシンルンディーは、前走プリンセス特別でカツゲキドラマと競り合って惜しくもハナ差の2着。カツゲキドラマといえば、グランダム・ジャパン2歳シーズンの女王を目指して大晦日の大井に遠征する。エイシンルンディーにとっては、「鬼のいぬ間に...」というところだが、今度はピッチシフター相手に先行して押しきれるかどうか。
ユーセイクインサーは、ここまで5戦4勝、2着1回とまだ底を見せていない。デビュー2戦目の2着は、その後にゴールドウィング賞を制したウォータープライドに先着されてのもの。当時より力をつけている。
そのウォータープライドは、プリンセス特別では前2頭から3馬身離されての3着。逆転まではどうか。
チョットチョットは、6戦して3着を外していないという堅実な成績。重賞初挑戦となるが、前走では兼六園ジュニアカップを制しているホウライジェントルの2着と好走した。
マユノプーリンは、準重賞のジュニアクラウンでエイシンルンディーに1馬身半差の2着。その後の前々走で初勝利を挙げ、ややムラ駆けな面があるだけに、力を発揮できれば上位争いも。
◎ピッチシフター
◯エイシンルンディー
▲ユーセイクインサー
△ウォータープライド
△チョットチョット
△マユノプーリン