ホウライジェントルがデビュー2戦目から3連勝中。前走は金沢に遠征した兼六園ジュニアカップを逃げ切りだった。とはいえスタートでは押して押してようやくハナを奪ったという感じで、馬は横を向いたりしていた。頭の高い走りで、直線ではフラフラするなど、まだまだ力を出し切っていない。それでいて直線で突き放したのだから、まじめに走れるようになればさらに高いレベルでの活躍も期待できそうだ。
デビュー戦でホウライジェントルを負かしたのがウォータープライド。しかし2走前のJRA認定競走では、ホウライジェントルに3馬身差離されて返り討ちに遭った。ウォータープライドの敗戦はこの1戦のみだけに、まだ勝負付けは済んでいない。それにしても父マイネルラヴ、母父タイキシャトルとは、なんとも興味深い血統だ。タイキシャトルの引退レースとなったスプリンターズSは、最終レース後に引退セレモニーが予定されていたこともあって、まず負けないだろうというほどの人気を集めていたのだが、それを見事に空気をまったく読んでいないかのごとく差し切ったのが、7番人気のマイネルラヴだったのだ。
アイビスティは、道営でのデビュー5戦目に初勝利を挙げ、転入初戦となった前走2歳1組特別を逃げ切り勝ち。馬主の瀬戸口勉さんは、かつてJRAの調教師としてオグリキャップやネオユニヴァース、メイショウサムソン(アイビスティの父)など多くの活躍馬を育てた。そして現在アイビスティを管理している瀬戸口悟調教師は、瀬戸口勉さんの弟という関係だ。
ルードは、兼六園ジュニアカップでホウライジェントルの2着だったが、その後前走の2歳1組特選を勝利。コスモカリヨンも、2連勝中と好調。この2頭も上位食い込みを狙う。
◎ホウライジェントル
○ウォータープライド
▲アイビスティ
△ルード
△コスモカリヨン
福山デビュー馬のみによる重賞で、デビューから6連勝のカイロスが断然。一方で出走10頭のうち半数が未勝利という、この時期の福山の2歳戦はまだまだ層が薄いという印象。
そのカイロスだが、前走はイワミノキズナに最後半馬身まで迫られたが、4コーナーまで先頭で持ったまま。そこでイワミノキズナに一気に来られて慌てた面があった。それでもゴールでは余裕があった。まだまだ力の差はありそうだ。父サウスヴィグラスは相変わらず地方競馬では大活躍で、25日のエーデルワイス賞JpnIIIを勝ったハニーパイ、翌26日の九州ジュニアチャンピオンを勝ったロマンチックも、やはりサウスヴィグラス産駒だった。
同厩舎のイワミノキズナは、デビュー2戦目に3着があるが、そのほかではカイロス以外には先着されていない、事実上のナンバー2。前走のようなレースぶりなら、いずれ逆転できるかもしれない。
あとは6戦2勝、2着4回というメイライト。先着されたのが、デビューからの2戦がカイロスで、3走前と2走前がイワミノキズナという上記2頭のみ。
それ以外の馬たちは、上記3頭に1秒以上の差をつけられて負けている馬ばかりで、ちょっと力の差がある上に、その負けた馬たち同士での比較は難しい。
◎カイロス
○イワミノキズナ
△メイライト
いいかげんギンガリュウセイに本命を打ち続けると笑われそうだが、今回はひいき目なしにも狙える一戦。ばんえいグランプリを5番人気で制し、この時期になって力を発揮できるようになってきた。今回、王者カネサブラックが別定30キロ増なのに対し、ギンガリュウセイの別定10キロ増、すなわち20キロ差はかなり有利だ。北見記念は一昨年2着、昨年1着と相性のいいレースでもある。
もう1頭、重量的にチャンスなのはフクドリ。岩見沢記念で2着があり、そのときが勝ったカネサブラックと10キロ差だったが、今回フクドリは別定増量がないためカネサブラックとは30キロ差。北見記念は、古馬の新興勢力の活躍が目立つ重賞で、それは今回のカネサブラックのようにここまでに賞金を稼いだ既存の実力馬が重量を背負わされるため、別定増量が少ない馬にチャンスが生まれるから。今回、そのパターンにハマるのがフクドリだ。
そのほか、エンジュオウカンとテンマデトドケ以外は、いずれも馬券にからむ実力とチャンスはあると見る。
◎ギンガリュウセイ
◯フクドリ
▲キタノタイショウ
△カネサブラック
△シベチャタイガー
△ナリタボブサップ
△ホクショウダイヤ
ロッソコルサは、芝の桂樹杯でクビ+クビ差の3着。前走青藍賞はカミノヌヴォーにアタマ差の2着で、1番人気のトーホクキングには先着した。古馬重賞で互角の争いをしているのはこの馬だけ。3歳馬同士なら断然の実力だ。
コスモブジーは中央未勝利から快進撃の5連勝。まだC級格付けだが、ここ2戦は2着馬に2秒以上の大差をつける圧勝。底を見せていない。デビュー戦は芝1800メートルだったが、その後は1400メートル以下の距離を使われてきただけに、一気の距離延長がどうか。
期待されながら古馬との対戦で結果を残せていないのがアスペクト。岩手ダービーダイヤモンドカップを制し、初めての古馬との対戦となった一条記念みちのく大賞典は逃げたものの早めに力尽きて10着。そしてその後は惨敗続き。同世代同士の対戦に戻って巻き返せるかどうか。
ラブミーアゴーは、ビューチフル・ドリーマーカップこそ北海道や南関東からの遠征馬が上位を独占するレベルの高いレースで6着に敗れたが、その後はA級二・三組の一般戦で上位争い。3歳同士なら馬券圏内は十分狙える。
ユウキタカラオーも中央未勝利からの転入で、B級の一般戦で3連勝のあと、B1特別で2着。今後も楽しみな存在だ。
◎ロッソコルサ
◯コスモブジー
▲アスペクト
△ラブミーアゴー
△ユウキタカラオー
大井から転入後、A級一組から重賞まで、4戦して3着を外していないコパノマユチャンから。前々走は芝の桂樹杯を勝利。前走OROカップは3着だったが、先着された2頭は南関東からの遠征馬だった。距離的には、JRA時代にも大井時代にも1200m戦の経験が豊富なだけに、ここでも対応できるはず。第1回として行われた昨年はラブミープラチナが勝ち、馬主のドクター・コパさんにとってはこのレース連覇がかかる。
ダイワマックワンは、なんといってもJRAオープンの実績。前走OROカップは3番人気で8着と期待を裏切ったが、この距離でこそ力を発揮できるのではないか。
ヒカルジョディーは、JRA時代は芝の短距離のみを使われ、準オープンまでクラスを上げた。移籍後は今年のトウケイニセイ記念を10番人気で制覇。シーズンがあけてからもシアンモア記念2着のほか、ダートだが1200mの特別・早池峰賞を制すなど、やはり距離は短いほうがいい。前走OROカップ5着から距離短縮で巻き返しなるか。
マツリダガッツは、今シーズンJRA1000万条件から転入して、まだ勝ち星はないものの、芝の桂樹杯で2着と好走。こちらは逆に距離短縮が微妙なだけに、それがどう影響するか。
スーパーワシントンはJRA準オープンから転入し、岩鷲賞で3着はあるものの、そのほか好走はA級二組まで。やや格下だが、今回のメンバーなら馬券圏内も狙える。
◎コパノマユチャン
◯ダイワマックワン
▲ヒカルジョディー
△マツリダガッツ
△スーパーワシントン