フェブラリーステークスGIで久々に強いレースを見せたテスタマッタか、このレース連覇を狙うシビルウォーかという対戦だが、ここまでダートのオープン以上で直接対決が6度あり、いずれもテスタマッタが先着。特にテスタマッタは、昨年の東京大賞典GIから久々に岩田康誠騎手が手綱をとるようになって、すべて3着以内という安定した成績。対戦成績からも、実績からも、テスタマッタが上位だ。
シビルウォーに逆転の余地がないわけではない。夏に活躍しているように、暖かくなってきて調子を上げ、前走マーキュリーカップJpnIIIのレースぶりからは、さらに力をつけたように見える。グレード別定の今回はテスタマッタより1キロ軽くなるのもプラス。
ピイラニハイウェイは、昨年はかなり離されての4着だったが、今年になって佐賀記念JpnIIIで重賞初制覇を果たし、ダイオライト記念JpnIIでは一線級相手にハイペースを控えて接戦の2着に持ち込んだ。ここ一番での勝負強さがある。
JRA勢で唯一重賞タイトルがないのがメイショウタメトモだが、昨年は川崎記念JpnI2着にこのレースでも2着。有力2頭が中団で牽制し合えば、この馬の粘りこみという可能性も。
ダイシンオレンジは近走のレースぶりがいまひとつ。調子次第で連下があるかどうか。
◎テスタマッタ
◯シビルウォー
▲ピイラニハイウェイ
△メイショウタメトモ
△ダイシンオレンジ
昨年までとJRA認定競走のシステムが変わり、新馬戦や未勝利戦ではなく、2歳オープンクラスのレースがJRA認定競走として指定されることになった。
ここはやはり芝で2連勝のハカタドンタクだろう。前走は8頭立て7番手という位置取りから、直線を向いてムチを入れられると、外から前の馬たちを並ぶ間もなく交わし去った。2歳のこの時期で上がり3ハロン35秒1は速い。ここまでの2戦ともに芝1000メートルで、今回は1600メートルに距離が伸びるが、父フレンチデピュティ、母父ダンスインザダークという血統から、また直線で前をまとめて交わしたというレースぶりからも、むしろ距離が伸びて力を発揮するだろう。
ダートで2連勝がマイケイボス。前走盛岡ダート1200メートルは、後続を引きつけての逃げから、直線追い出されるとあっという間に突き放した。素質馬であることは間違いなく、あとは初めての芝がどうか。レースぶりから距離延長は心配なさそう。
マンセイグレネードは芝で1戦して2着のみという成績だが、ダッシュよく飛び出して逃げると、直線ではオールマイウェイにとらえられて6馬身離されたものの、上がり36秒台をマークしているのでそれほどばてているわけではない。タイム的にも盛岡芝1000メートルで1分を切っているのはハカタドンタクとこの馬だけ。2戦目の上積みがあれば好勝負だが、距離適性としては父サクラバクシンオー、母父リアルシャダイのどちらに出るのかが気になるところ。
ドクトルバロンは、前走でハカタドンタクに2馬身半差2着と食い下がった。ダートは3戦していずれも1秒以上の差をつけられての敗戦だが、デビュー戦以来となった芝で好走を見せただけに、ここでも上位争いに加わりそう。
芝のデビュー戦をまずまずのタイムで2着に入ったラブミーマックスにも可能性はありそう。
◎ハカタドンタク
◯マルケイボス
▲マンセイグレネード
△ドクトルバロン
△ラブミーマックス
プロキオンステークスGIIIを3番人気で6着に敗れたテイクアベットの巻き返しに期待したい。レコードで逃げ切ったトシキャンディを追いかけ、ゴール前で失速したものの、それでもコンマ3秒差。人気2頭が末脚勝負の脚質のためうしろにいて、逃げたトシキャンディもなかなか脚が鈍らないという展開で、難しい判断を強いられた。このときは2キロ差あった斤量差が、今回は1キロに縮まるというのもテイクアベットには有利だ。
昨年はクラスターカップJpnIIIに出走(3着)したラブミーチャンが、今年はこちらを狙ってきた。昨年末、同じ佐賀1400メートルで行われたオッズパークグランプリ2011を楽勝している相性のいい舞台ということもあったようだ。外枠だけに、トシキャンディ、テイクアベットの3番手あたりからどんなレースを見せるか。
トシキャンディは、前走プロキオンステークスGIIIが単勝万馬券での逃げ切り。それが実力なのかはまだちょっとうたがってかかりたい。人気が集中するようなら、馬券的には軽視したい。
スーニは好不調の周期が大きく、昨年同様ここで復活とまではどうか。とはいえ、JRA勢はほかに2頭のみで、地方勢では勝負になりそうながラブミーチャンだけというメンバーなら、馬券圏内は十分に狙える。59.5キロのトップハンデだが、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーで克服しているだけに、これは問題ない。
アドマイヤダンクは、中央ではダートのオープンで走っていたという実績。佐賀に転入後しばらくは勝ちきれないレースが続いたが、ここ4戦はオール連対と調子を上げてきている。本来の力を取り戻せていれば上位に食い込んでもおかしくはない。今回は岩永千明騎手が手綱をとる。
◎テイクアベット
◯ラブミーチャン
▲トシキャンディ
△スーニ
△アドマイヤダンク
昨年までは荒尾競馬場で行われていた九州産馬限定の交流戦だが、荒尾競馬の廃止にともない、今年からは佐賀競馬場での開催となった。
JRA勢は500万クラスでも勝負になるかどうか微妙なメンバーばかりの中で、テイエムハエンカゼは1000万クラスで勝ち馬から1秒前後の差でまずまずの好走。本来であれば3歳馬による九州産馬交流として行われていたたんぽぽ賞が、荒尾廃止直前の2歳12月に行われ、そのレースを快勝。地方のダートも問題なくこなす。
テイエムヨカドーがこのレース6度目の出走となる。ここまでの成績は、1勝、2着2回、3着3回。中央1000万以下、地方オープンという条件なので、1000万条件を卒業した直後に船橋に移籍し、2010年からは地方所属としての出走。昨年限りで引退というプランもあったが、年末の東京シンデレラマイルを勝ったことで今年も現役続行となった。昨年はメモリアルイヤーとの一騎打ちで1馬身振り切られたが、今年はテイエム同士の一騎打ちとなりそう。
カシノエルフは、テイエムハエンカゼが勝ったたんぽぽ賞で2着。近走は500万クラスでなんとか掲示板という実力で、トライアルのえびの特別を勝ってここに臨む。
もうひとつのトライアル、大隅特別を勝ったのがカシノピストン。過去2回出走した霧島賞では8着、4着という結果で、近走は500万クラスでやや苦戦。テイエム軍団2頭に対してカシノ軍団が食い込めるかという争いにもなりそう。
地元佐賀勢では、吉野ヶ里記念で2着と好走したカミノチカラ。霧島賞には過去3回出走して6着が最高という成績で、上位争いまでは厳しいか。
◎テイエムハエンカゼ
◯テイエムヨカドー
▲カシノエルフ
△カシノピストン
△カミノチカラ