西日本の各地区から楽しみなメンバーが遠征してきた。そのぶん、地元福山勢にとっては厳しい戦いになりそうだが。
兵庫のパーフェクトランの実績が断然だ。JRA準オープンから兵庫に転厩し、3連勝で六甲盃を制覇。前走、兵庫大賞典は2着だったが、勝ったのがオオエライジンでは相手が悪すぎた。
笠松のエーシングレーソロは、こちらはJRA1000万下から転厩してA2特別とA1特別を連勝。特に前走は、シルバーウインド、スウィングダンス、マルカハンニバルら、重賞常連組をあっという間に置き去りにするという強い内容。重賞初挑戦でのタイトルを狙う。
グランシュヴァリエは積極的に遠征を続け、さすがにダートグレード級では苦戦を強いられるようになってきたが、地方同士の重賞ならまだまだやれる。3月には福山・ファイナルグランプリを圧勝しているだけに、上記2頭をまとめて負かす可能性も十分。
リワードレブロンは、黒潮菊花賞を制して高知県知事賞3着、二十四万石賞3着など重賞実績がありながら、前走福山のB1B2特別で1番人気に支持されながら3着。実力的には重賞でも十分やれるはずで、再度福山コースで巻き返しを狙う。
レイズミーアップは、道営から昨年暮れに佐賀に転厩してオープン特別を3勝。このメンバーに入ってどこまでやれるか。
地元の期待は、前走福山記念2着のグラスヴィクターだが、ファイナルグランプリでグランシュヴァリエに7馬身ちぎられているだけに、ほかに有力馬が多数遠征してきているこのメンバーで、馬券圏内を確保できるかどうか。
◎パーフェクトラン
◯エーシングレーソロ
▲グランシュヴァリエ
△リワードレブロン
△レイズミーアップ
△グラスヴィクター
前哨戦の駿蹄賞を勝ったアウヤンテプイの強さが目を惹いた。2番手追走から3~4コーナー絶好の手応えで前をとらえ、直線抜け出すと後続を寄せつけずという強い内容。これまでの成績を見ても、デビュー戦では4着に負けたものの、中央挑戦と船橋の平和賞を除けば、負けたのは新緑賞での2着のみ。金沢、福山からそれぞれ地元のダービーに相当するレースの勝ち馬が遠征してきているものの、実力的には東海勢同士の争いとなりそうで、やはりこの世代ではアウヤンテプイの重賞戦線での安定ぶりが目立つ。
相手には牝馬のマーメイドジャンプ。重賞ではなかなか勝ちきれないレースが続いたが、ここにきて東海クイーンカップとのじぎく賞を連勝。グランダム・ジャパン3歳シーズンでも、関東オークスJpnIIを残して2位につけている。その関東オークスにも登録はあるが、こちらを使ってきた。ゴールドジュニアではアウヤンテプイに完敗だったが、前走のじぎく賞でメイレディを相手にしなかったレースぶりには相当な充実ぶりがみてとれる。おそらく好位でアウヤンテプイをマークして、真っ向勝負を挑む。
そのほかでは駿蹄賞上位組が有力。オーリーライアンは、駿蹄賞で唯一、ゴール前アウヤンテプイに迫って1馬身半差の2着。ここまで8戦4勝、2着3回。唯一連対を外したのは金沢に遠征した2歳時の兼六園ジュニアカップで、名古屋・笠松ではオール連対。今回もアウヤンテプイに迫る場面がありそうだ。
駿蹄賞4着のブライトシンプーは、前走古馬とのA4B2特別で勝利。この馬も力をつけている。
ヴィグラスサウンドは駿蹄賞で逃げて3着。直後でアウヤンテプイにマークされる厳しい展開で、それで2馬身半差なら今回も馬券圏内は狙える。
金沢のアルドラは、2歳時には惜しいところで重賞を勝てなかったが、全日本2歳優駿JpnI(10着)や浦和・桜花賞(7着)に遠征して力をつけ、金沢のダービーにあたる北日本新聞杯を勝利。さらに前走は古馬相手にも2着と好走。2歳時の兼六園ジュニアカップではアウヤンテプイに4馬身離されての2着があり、相手も力をつけているだけに、その差を縮めているかどうか。
◎アウヤンテプイ
○マーメイドジャンプ
▲オーリーライアン
△ブライトシンプー
△ヴィグラスサウンド
△アルドラ
デビューから5連勝で1冠目の菊水賞を圧勝したポアゾンブラックの中心は動かせない。デビュー前から常に脚部不安がつきまとい、追い切りでもまだ一度も目いっぱい追われたことがないという。兵庫チャンピオンシップJpnIIは大事をとって回避し、この3冠目を狙ってきた。エーシンユリシーズが出てきていれば強敵になっただろうが、転入馬は菊水賞で3着以内に入らなければこの兵庫ダービーへの出走資格がなく、菊水賞を回避したために休養中。JRAに戻るという噂もある。重賞実績馬が、ほかには牝馬のメイレディしかいないというメンバーなら負けるわけにはいかない。昨年もオオエライジンが無敗でここを制したが、秋以降の直接対決が楽しみになる。
相手には牝馬のメイレディ。グランダム・ジャパン3歳シーズンでは、最終戦の関東オークスJpnIIを残して目下のところトップ。2歳暮れの園田ジュニアカップではポアゾンブラックに1馬身差まで迫った経験があるが、逆転まではどうか。
トライは、2歳9月のデビュー6戦目以降、兵庫同士の対戦に限れば9戦連続連対中。前走兵庫チャンピオンシップJpnIIも地元最先着だった。ポアゾンブラック、エーシンユリシーズとの対戦でも2着と好走歴があるだけに、今回もどこまで迫れるか。
エクサイティングは園田ユースカップ、菊水賞でともに3着。ケンスターハーバーは兵庫若駒賞2着に、笠松に遠征したゴールドジュニアでも2着。ユキノスカイナイトは菊水賞で4着。このあたりが3着争いとなりそう。
◎ポアゾンブラック
○メイレディ
▲トライ
△エクサイティング
△ケンスターハーバー
△ユキノスカイナイト
北海道の3歳三冠の最初の二冠、北斗盃と北海優駿は、休み明けや南関東から戻ってきた馬が多く、またこの二冠は距離がまったく異なることから例年予想が難しい。
が、今回は、トライアルを1番人気にこたえて勝ったニシノファイターで順当に決まりそうな気がするがどうだろう。2歳時は川崎に遠征した鎌倉記念を9番人気で勝ち、平和賞4着、全日本2歳優駿8着。それ以来の休み明けとなったトライアルは、ハイタッチを1馬身半差でしりぞけて完勝という内容だった。
相手にはそのハイタッチ。一冠目の北斗盃3着に続いて、トライアルで2着。血統的にさらなる距離延長はちょっと不安材料。
アベニンプレジャーは、今回の出走馬中6頭が出走した5月23日の3歳オープンを1番人気で勝利。初の1700メートル戦でも問題なくこなした。馬場状態の違いがあるとはいえ、ニシノファイターが勝ったトライアルとタイム比較でどうだろう。
フレンズアートは同じ5月23日の1200メートルの3歳オープンを勝利。北斗盃では勝ったロクイチスマイルに半馬身差に迫る2着で、一気の距離延長をこなせばチャンスもありそう。
◎ニシノファイター
○ハイタッチ
▲アベニンプレジャー
△フレンズアート
岩手のこの世代の2歳時はアスペクトがどんだけ強いんだという期待が大きかった。若駒賞を10馬身差で圧勝し、南部駒賞は接戦だったとはいえ、北海道から遠征の3頭をまとめてしりぞけた。ところが冬の間は南関東に移籍して結果が残せず、岩手に戻って初戦を制したものの、それが3歳B1での辛勝ではあまり強くは推せない。
ならばやはり中心となるのはロッソコルサ。デビューした中央では新馬戦を勝ったのみだが、岩手に転入後はスプリングカップ、七時雨賞と、ここに至る3歳戦線の王道を連勝。2歳時の実績馬アスペクト、エスプレッソらとは未対戦だが、それらが3歳になってさらに成長という感じもないことから、やはり本命はこの馬。
相手にはトーホクアロー。今回が16戦目とキャリア豊富だが、デビュー4戦目以降は4着を外さない堅実な成績。七時雨賞2着はロッソコルサから1馬身差で、3着のグリーンダイヤーには6馬身差がついていた。父がウイングアローで、今後距離が伸びて逆転の可能性も。
アスペクトは、断然人気で臨んだ正月の金杯でまさかの7着惨敗。2歳時の力が戻ればここをあっさり勝ってもおかしくはないのだが。
ファイトホーマーは、その金杯を9番人気で勝利。今回はそれ以来5ヶ月ぶりの実戦。金杯のレースぶりが本物かどうか、今回が試金石となりそう。
エスプレッソは、2歳時はアスペクトの2番手だった存在。巻き返しなるかどうか。
◎ロッソコルサ
○トーホクアロー
▲アスペクト
△ファイトホーマー
△エスプレッソ