リーヴザネストに重賞制覇のチャンスが巡ってきた。中央未勝利から昨年夏に名古屋に転入し、ここまで21戦して3着をを外したのは、昨年大晦日の尾張名古屋杯での4着のみ。前走、くろゆり賞では4コーナーで前とやや離れた5番手あたりから直線鋭い伸びを見せ、勝ったフジノアサハタに1馬身半差まで迫った。重賞勝ち馬が昨年のイヌワシ賞を勝ったエーシンエヴァンのみというメンバーなら期待が膨らむ。
ベルモントパッシオは、中央1勝から今年名古屋に転入して着実にクラスを上げ、初のA1特別挑戦となった7月のルビーオープンでマルカハンニバルの2着。重賞初挑戦となった名港盃では、勝ったキングスゾーンからコンマ4秒差の3着。そして前走ペリドットオープンでA1特別初勝利。キングスゾーンやマルカハンニバルなど、重賞で常に勝ち負けを争うクラスのメンバーがいないここなら、この馬にもチャンスは十分。
エーシンエヴァンは、昨年のイヌワシ賞(金沢)を制し、今年も地方同士の重賞なら常に掲示板確保の堅実派。くろゆり賞は、2着のリーヴザネストから2馬身差の3着。前走イヌワシ賞は、勝ったジャングルスマイルが強すぎたにしても、2着のナムラアンカーから1秒5も離された。近走の成績からは上記2頭と比べるとやや劣勢。ただすんなり好位につけて追走できれば粘り込む可能性はある。
中央から転入初戦の馬が2頭、セイウンワキタツと、エイシンフレンチ。ともに中央でのクラスは準オープンで、芝を中心に使われ、しかもレースは違うが前走の出走が4月24日と、共通点が多い。違いといえば、セイウンワキタツが1400メートル前後を中心に使われていたのに対し、エイシンフレンチは2000メートル以上が中心だったこと。地方のダートをこなして、全盛期に近い力を発揮できれば、当然勝負圏内。どこまで仕上がっているか。
マルヨシロワインは、大井から転入して4戦。前走のA2特別が初勝利で、徐々に力をつけているだけに、連下争いには加わってくる可能性はある。
◎リーヴザネスト
◯ベルモントパッシオ
▲エーシンエヴァン
△セイウンワキタツ
△エイシンフレンチ
△マルヨシロワイン
過去12回で笠松勢が5勝。07年は馬インフルエンザの影響で地元金沢所属馬のみで争われたことを考えると、笠松勢は11回のうち半数近くを勝利と強さを示している。今年もその笠松勢が強そうだ。
マーメイドジャンプはデビューから2連勝。前走の2歳1組戦は、向正面から3番手以下を引き離し、メモリーホワイトとの一騎打ち。マーメイドジャンプのほうは終始楽な手ごたえで、直線でメモリーホワイトを置き去りにすると7馬身差をつけた。その勝ちタイムが1分30秒0。タイムが出やすい不良馬場だったことを割り引く必要はあるが、たとえば笠松で10月に行われている重賞・ジュニアクラウンの勝ちタイムが近年は1分29秒台後半から30秒台であるところを見ると、マーメイドジャンプの勝ちタイムも重賞級であることがわかる。目一杯には追われてなかっただけに、展開次第ではさらにタイムを詰めることは可能だろう。
相手も笠松でアウヤンテプイ。認定新馬戦は4着に負けたものの、その後2連勝。特に前走は名古屋への遠征で、1番人気オーリーライアンとの一騎打ちを制し、3着に大差をつけた。まだまだ伸びシロがありそうな、可能性を感じさせるレースぶりだった。ちなみにアウヤンテプイという馬名はどういう意味かと思ったら、南アメリカのギアナ高地にあるテーブルトップマウンテンのうち最大の山で、意味は「悪魔の山」だそうだ(Wikipediaより)。
そのアウヤンテプイに1馬身差で2着に敗れたオーリーライアンも力差はない。展開次第では逆転も可能だろう。
地元金沢勢では、2戦してともに2着のシンカンイチコ。初戦で負かされた相手のドーリーガール、2戦目のドリームパワーは、目下のところともに2戦2勝という素質馬(ドーリーガールはすでに地方登録抹消)。その2頭と、ともに差のないレースをしていただけに、今回出走してきた地元勢では最有力と見てよさそう。
デビュー2戦目を好タイムで制した名古屋のグレンダウザー、デビュー3戦目を快勝した地元金沢のアルドラあたりにも可能性はありそう。
◎マーメイドジャンプ
◯アウヤンテプイ
▲オーリーライアン
△シンカンイチコ
△グレンダウザー
△アルドラ