メンバー中、重賞タイトルがあるのは、笠松のコロニアルペガサスと地元福山のワイエスオジョーの2頭。なかでも今回のメンバーならコロニアルペガサスの実力が断然と見る。1月の園田クイーンセレクションは、直線で単独先頭に立ったエレーヌが完全に勝ったかというレースだったが、そのエレーヌが突然内によれて落馬の不運。代わって直線抜け出して勝ったのがコロニアルペガサスだった。幸運の重賞勝ちという面もあるが、2着に敗れた新春ペガサスカップもレベルの高いレースだった。勝ったパラダイスラビーダは2歳時のゴールドウィング賞と合わせて重賞2勝。ラブミーチャンを別格とすれば、今年の東海地区の3歳世代で重賞を複数勝っているのはパラダイスラビーダしかいない。新春ペガサスカップ3着のタンブリングダンスは、重賞タイトルこそないものの、重賞では常に善戦を続けている。今回の相手関係なら、勝つのはコロニアルペガサスだろう。
2番手以下は評価としてやや離れるが、筆頭は同厩舎のプティフルリール。過去の成績を見ると二桁着順も多が、惨敗はいずれも中央遠征やレベルの高いメンバーが相手。地元のレースでは堅実に掲示板を確保していて、牝馬同士の今回は当然上位争い。コロニアルペガサスとは、厩舎が同じというだけでなく、馬主も同じ(有)ホースケアさん。幻の園田クイーンセレクション勝ち馬エレーヌも同じ馬主さんで、金曜日(3月5日)の名古屋・スプリングカップでは直線叩き合いの末、タンブリングダンスをアタマ差でしりぞけた。おそらくスプリングカップと、この若草賞を使い分けてきたのだろう。
メンバー中もう1頭の重賞勝ち馬は、前走福山プリンセスカップを制した地元のワイエスオジョー。福山のこの世代の牝馬同士では、ビクトリーヒマワリ、ムツミクリークと勝ったり負けたりで、この3頭が連下候補。
◎コロニアルペガサス
○プティフルリール
▲ワイエスオジョー
△ビクトリーヒマワリ
△ムツミクリーク
東海地区の3歳世代と言えば、JRA桜花賞を目指しているラブミーチャンが断然だが、それに続くのが、ラブミーチャン以外で唯一重賞を2勝しているパラダイスラビーダ。で、昨年のJBC当日、ゴールドウィング賞でそのパラダイスラビーダと接戦を繰り広げたのがタンブリングダンス。逃げ粘るパラダイスラビーダに4コーナーで並びかけ、3番手以下を離しての叩き合いとなったが、わずかにアタマ差及ばなかった。しかしタンブリングダンスはその後2歳1組特別を2連勝。明け3歳初戦の新春ペガサスカップでは1番人気に支持されたが、再びパラダイスラビーダに敗れて3着。ゴールドウィング賞と同じように4コーナーで外から並びかけようとしたが、淀みのないペースで脚を使わされ、直線では突き放されてしまった。しかし今回は、そのときの2着馬コロニアルペガサスも不在で、このメンバーなら負けられないところ。
相手筆頭はエレーヌ。前々走、園田クイーンセレクションでは、直線を向いて完全に抜け出し、勝利は間違いないと思ったところ、馬が何かに驚いたか、急にラチ沿いによれて騎手が落馬。幸い、人馬ともに大事には至らず、仕切り直しとなった前走、地元笠松の3歳1組特別は、3番手追走から持ったままで直線先頭に立つと、楽々と後続を突き放した。北海道時代はJRA認定のルーキーチャレンジを勝ったのみだが、移籍後笠松では2戦2勝。落馬しなければ勝っていたであろう園田クイーンセレクションも含め、未知の魅力はたっぷり。
そのほか、近走好走している好調馬も多いが、これまでの対戦成績からいずれもタンブリングダンスとは差がありそう。やはり北海道出身で、名古屋に移籍後6戦3勝いずれも3着以内というラッキーサンライズ、同じく北海道からの移籍組で、ライデンリーダー記念3着のホワイトロマンあたりが連下候補。
◎タンブリングダンス
○エレーヌ
▲ラッキーサンライズ
△ホワイトロマン
笠松から2頭、福山から1頭の遠征があるが、地元兵庫勢が強力だ。
ゆったり流れる2400メートルならチャンストウライの末脚に賭けてみたい。昨年7月のオッズパークグランプリ2009は、1400メートルの忙しい流れに追い通しで持ち味を発揮できず。しかもこのときは鞍上が主戦の下原騎手ではなかっただけに度外視してよさそう。2400メートルで争われた5月の兵庫大賞典は、4コーナーまで先頭のアルドラゴン、ぴったり2番手のベストタイザンを、直線で抜き去り2馬身差をつけた。今回は、11月の楠賞以来4カ月ぶりになるが、自主能検にも参加して乗り込みも十分。
アルドラゴンは園田2400メートルを4戦3勝で、一度の敗戦はチャンストウライに差された兵庫大賞典。ダートグレードを除く地元兵庫ではたしかに3着を外さない安定した成績だが、チャンストウライも同じ条件で3着を外したのは先のオッズパークグランプリ2009のみ。アルドラゴンが勝ってもまったく不思議はないが、年齢的なこともありチャンストウライを中心にした。
ハスフェルは、園田金盃で最後方追走から大外をまくって勝利。1番人気に支持された新春賞は、キーポケット、カラテチョップの一騎打ちから離された5着。今回も展開次第という面はありそうだ。
バンバンバンクは、11月の楠賞でチャンストウライ、キヨミラクルと接戦を演じたものの、わずかの差で3着。その後も善戦しているとはいえ、現状では上位2頭と差がありそう。
他地区勢では、前々走のウインター争覇2着の笠松・エイシンヴァイデンだが、笠松に来て3戦、まだ勝ち星がないだけに、連下に食い込めるかどうか。
◎チャンストウライ
○アルドラゴン
▲ハスフェル
△バンバンバンク
△エイシンヴァイデン