08年の帝王賞JpnIでフリオーソからわずかコンマ4秒差で4着など、ダートグレードで一線級を相手に善戦してきているマルヨフェニックス。いつかどこかでダートグレードのタイトルをと期待されながら6歳になった。最近では中央のダート路線も格段に層が厚くなり、地方で行われるJpnIIIでも軽いメンバーになるということがほとんどない。それゆえ昨年などは2歳、3歳の限定戦を除き、地方馬がダートグレードを勝ったのはダイオライト記念JpnIIのフリオーソ、浦和記念JpnIIのブルーラッド、それにクイーン賞JpnIIIのユキチャンの3戦のみ。今回の名古屋大賞典JpnIIIも決して楽なメンバーとはいえないが、マルヨフェニックスにとっては地元ともいえる名古屋でなんとかタイトルを獲りたいところ。登録のあった佐賀記念JpnIIIを回避し、前走地元笠松のオープンでほとんど追うところなく楽勝しているだけに、おそらく調子を上げて臨んでくるのだろう。今回は応援の意味も込めての本命。
実績最上位はアドマイヤスバル。白山大賞典JpnIIIのときは「10回目でようやく重賞を勝てました」と中尾秀正調教師が喜んでいたように、昨年6歳秋で重賞初制覇という遅咲き。しかしその後はJBCスプリントJpnIでスーニに3/4馬身差の2着。ジャパンカップダートGI・5着は、勝ったエスポワールシチーは別格の強さだが、2着のシルクメビウスとはコンマ2秒差で、その後東京大賞典JpnIを制すサクセスブロッケンとはハナ差だった。距離が違うとはいえ、JBCスプリントで名古屋の小回りコースを克服している経験は大きい。
▲にはロールオブザダイス。実は先週のグリーンチャンネル「地方競馬最前線」の予想では、補欠のフサイチピージェイを▲にしていた。ダイオライト記念JpnIIから連闘になるロールオブザダイスとマコトスパルビエロが回避して繰り上がると思ったからだ。マコトスパルビエロはそのとおり回避したものの、ダイオライト記念で離れた6着と結果を残せなかったロールオブザダイスは連闘で臨んできた。前々走佐賀記念JpnIIIとダイオライト記念JpnIIは不良馬場に泣いた。今週、名古屋地方は月曜日夕方から火曜日朝まで雨予報になっているのが心配だが、馬場が回復すれば巻き返しも期待できる。
昨年の関東オークスJpnII、スパーキングレディーカップJpnIIIの連勝が圧巻だったラヴェリータだが、その後はスタートでの出遅れなどで思うようなレースができず、勝ち星から遠ざかっている。前走エンプレス杯JpnIIでは久々に好スタートを切ったもののブラボーデイジーとの接戦に敗れて2着。牡馬との対戦では昨年5月の昇竜ステークス以降、結果が出ていないので、ここでも頭までは難しそう。
佐賀記念JpnIIIでは重賞初出走で勝利となったラッシュストリートは、不良馬場でマイペースの逃げという展開がはまった感じだっただけに、ここは連下まで。
◎マルヨフェニックス
○アドマイヤスバル
▲ロールオブザダイス
△ラヴェリータ
△ラッシュストリート
タニノウィンザーの連覇で間違いないだろう。08年に転入以来、地元荒尾ではほとんど敵なしという成績。特に昨年の九州記念からは佐賀でのレースを除けば4連勝。今回は、近走結果を残せていなかったり、格下の相手がほとんどなだけに負けられないところ。
相手は難しいが、A級で近走着外ばかりの馬よりも、格下でも好調馬を狙ってみたい。というわけで相手筆頭は3連勝中のテイエムメデテカ。4歳でまだ経験も浅いだけに、ここで好勝負となれば将来的にも期待できそう。
タニノウィンザー以外で実績最上位はテットウテツビ。昨年10月の九州記念では、タニノウィンザーとの接戦で惜しくもアタマ差の2着。ただ、その後勝ちきれないレースが続いている上に、前走はB級特別でテイエムメデテカから1秒6も離される6着。9歳だけに上積みは難しいだろうが、昨年秋ごろの力が戻っていれば上位争いも。
B級で上位争いの力があるテイエムモッコス、C-1組で2連勝のエムテイボーイあたりは、上位争いまでは厳しいだろうが連下なら。
◎タニノウィンザー
○テイエムメデテカ
▲テットウテツビ
△テイエムモッコス
△エムテイボーイ
チャンピオンカップ、イレネー記念とくると、いよいよばんえい競馬も終盤という雰囲気になってくる。
この3歳世代、現時点ではナナカマド賞を制したテンマデトドケの力が抜けている。2歳二冠目のヤングチャンピオンシップは、トップハンデとはいえすでに克服済みの重量差で当然勝つものと思われたが、雪の軽馬場もあり、一瞬先に障害を抜けられたホクショウバトルに逃げ切られ、アウルメンバーもとらえられず、まさかの3着に敗れた。週末にかけて雨や雪もほとんど降らないであろう今回は、負けるわけにはいかない大一番。近3走の連勝も常にトップハンデでのものだけに、定量戦の今回はさらに磐石のレースを見せてくれるだろう。大河原和雄騎手には、このレース連覇と5勝目がかかる。
相手は、ヤングチャンピオンシップを制したホクショウバトルか、ナナカマド賞2着のミスタートカチか。ここ3戦、いずれもテンマデトドケが勝ったレースで一緒に走っていて、ミスタートカチが常に先着しているものの、ハンデはホクショウバトルが5キロ重かった。ここは大一番での一発に賭けるホクショウバトルを相手筆頭に。馬券的にはミスタートカチへの2点までだろう。
格下だが2連勝中のアウルメンバー、前走若駒特別でテンマデトドケの2着と好走したミタコトナイの2頭が勢いでどこまで迫れるか。
◎テンマデトドケ
○ホクショウバトル
▲ミスタートカチ
△アウルメンバー
△ミタコトナイ
中島記念上位馬による争いになるだろうが、今回はその中島記念で1番人気に支持されながら3着に敗れたミヤノオードリーを見直してみたい。昨年3歳時のロータスクラウン賞は、向正面から一気のロングスパートで大差の圧勝。以降は古馬オープンとの対戦でも堂々のレースぶりで、負けたのは中島記念のみ。当時の負担重量は、勝ったヘイアンレジェンドより2キロ軽く、今回は同斤量となるため、単純にその比較だけではミヤノオードリーには厳しそう。しかし、年明けの九州オールカマー、オープンをともに接戦ながら勝っているように、明け4歳の充実期で力をつけていると見る。
ヘイアンレジェンドにとっても負けられない一戦。中島記念に続き、年明けの前々走鶴見岳特別でもワンパクメロに土をつけた。明けて6歳、佐賀の環境に慣れてきたのか、中央から転入した昨年秋よりも力をつけている。
ただ、ミヤノオードリー、ヘイアンレジェンド、ともにうしろからまくってくるタイプだけに、展開に左右される面はありそうだ。
不気味なのは中央から転入後3連勝のカシノマルス。一線級との対戦は初めてだが、勢いで一気に突き抜ける可能性もある。
中島記念で差のない4着だったアルカライズは、前走のオープンでもミヤノオードリーに半馬身差の2着。上位争いにからんでくる力はある。
ビーファイターは、道営から転入初戦となった前走九州オールカマーでミヤノオードリーにクビ+半馬身差の3着。実力的にはそれほど差はなさそう。
◎ミヤノオードリー
○ヘイアンレジェンド
▲カシノマルス
△アルカライズ
△ビーファイター
笠松競馬の今年度最終日となるこの日、「パクじぃファン感謝祭」と題し、関連する協賛レースが7レース行われる。
「パクじぃ」とは、27歳の現役誘導馬ハクリュウボーイの愛称。笠松競馬場を訪れたことのある方ならご存知のことと思うが、ハクリュウボーイは最終レースの誘導を終えるとスタンド前の一般エリアに入ってきて、ファンと一緒に写真を撮ったり、直接触れ合うこともできる。この日は記念セレモニーが行われ、プレゼントもあるようなので、近くの方(近くでない方も)は、笠松競馬場に足を運んでみてはいかがだろうか。
この日のメインは古馬によるマーチカップ。重賞勝ち馬はヒシウォーシイ、トミノダンディ、オリオンザクロノスの3頭だが、近走は必ずしも順調という馬ばかりでもなく、馬券的にはどこからでも狙えそうだ。
中心は、昨年2着の雪辱と、重賞初制覇がかかるエーシンアクセラン。重賞勝ちがないとはいえ、2着2回、3着2回と惜しいレースはしてきている。昨年秋、4連勝で臨んだ笠松グランプリは6着だったが、その後は5戦していずれも3着以内と堅実な成績。その中には、目下重賞3連勝中のマイネルアラバンサや、ダートグレードでも善戦しているマルヨフェニックスら強豪との対戦もある。今回のメンバーなら、いよいよ重賞勝ちのチャンスが巡ってきたと見てよさそう。
強敵となりそうなのは、昨年11月の東海菊花賞を制したヒシウォーシイ。その後はあまり結果が残せていないが、いずれも強敵相手。こちらも近走に比べれば相手が楽になった。名古屋の1900メートルは3戦2勝で、その2勝はいずれも重賞。相性のいい舞台だけに巻き返したいところ。
そのほかでは、前走東海クラウンでエーシンアクセランに2馬身半差2着のエイシンハンコック、中央から転入2戦目のスプリングサンテ、同じく転入4戦目のエーシンエヴァンあたりに一角崩しの可能性。
◎エーシンアクセラン
○ヒシウォーシイ
▲エイシンハンコック
△スプリングサンテ
△エーシンエヴァン