4連覇を狙うトモエパワー。今シーズンの古馬重賞(牝馬限定を除く)8戦で勝ち星を分け合ったカネサブラックとフクイズミ。松井浩文厩舎3頭の争いと見る。
なかでも、昨年ばんえい記念に初挑戦して2着だったカネサブラックは、今シーズン重賞5勝と、その充実ぶりには目を見張るものがある。今回は第2障害が昨年の170センチから10センチ低くなって160センチになったとのこと。力勝負のトモエパワーに対して、早めにレースの主導権を握りたいカネサブラックにとっては有利だろう。
とはいえこの1トンのレースなら、トモエパワーにもチャンスは十分。昨シーズンは1勝も挙げられずに臨んだ大一番。さすがに1トンに対する備えは十分で、圧巻のレースだった。対して今シーズンは450万円未満混合で2つの勝ち星を挙げた。北見記念や帯広記念で勝負にならずにここに臨むという状況は昨年と変わらない。過去のばんえい記念勝ち馬の中でも、これほど1トンのみに特化して強い馬はめずらしい。今回もその強さを発揮できるかどうか。調教師となった西弘美騎手に替わって、息子の謙一騎手がばんえい記念初挑戦でどんなレースを見せてくれるか。
松井浩文調教師が1年前に公言したとおり、最強牝馬のフクイズミがいよいよばんえい記念初挑戦となる。上位2頭に対して980キロへの適性ということでは不安はあるが、牝馬としては常識破りの強さで帯広記念を連覇。昨年は900キロ、今年は890キロを引いての勝利だった。障害をどういうタイミングで越えられるかがポイントになるが、この重量でも追い込みを見せられるのかどうか楽しみなところではある。
ナリタボブサップは、一昨年6着、昨年7着。そのレースぶりからは、トモエパワーやカネサブラックを逆転するのは難しそう。3連複・3連単の馬券がないだけに、馬券を買うとすれば複勝か。
ニシキダイジンは、今シーズン重賞で3着2回、4着2回と上位争いにからんだ。ばんえい記念は昨年4着。しかし勝ったトモエパワーからは38.9秒も離されていた。ナリタボブサップと同じく3着が精一杯だろう。
おそらく上位3頭に人気が集中するだろうから、馬券的にはカネサブラックから馬単でトモエパワー、フクイズミへの2点。
◎カネサブラック
○トモエパワー
▲フクイズミ
△ナリタボブサップ
△ニシキダイジン
近畿・中国・四国交流のファン投票による福山のファイナルグランプリ。08年の兵庫ダービー馬バンバンクが遠征してきた。
中心は、その唯一の遠征馬バンバンバンク。兵庫のトップクラスで上位争いをしている実力はこのメンバーなら最上位。昨年末から年明けにかけての重賞は3、2、3着とあと一歩のところで勝ちきれなかったものの、相手はチャンストウライやカラテチョップなど全国レベルの実力馬。重賞勝ちは昨年1月の新春賞以来遠ざかっているが、久々のタイトル奪取といきたいところ。
地元福山勢の筆頭はナリタブラック。昨年春に中央から転入以降、地元福山では11戦5勝、2着4回、3着1回。一度の大敗はイイデケンシンなど強豪相手の瀬戸内賞のみときわめて安定した成績。前走、園田に遠征した六甲盃はバンバンバンク(5着)に先着する3着で、バンバンバンクを負かすならこの馬だろう。
重賞初挑戦だが、シルキーハヤテには未知の魅力。08年秋に中央未勝利から転入後、31戦24勝、2着5回のほかは、3着と4着が1回ずつ。近走はA4~A2を4連勝中で、ここで一気に突き抜ける可能性もある。
昨年10月の福山菊花賞で久々の重賞勝ちとなったナムラベンケイ、09年4月の福山桜花賞以来重賞勝ちから遠ざかっているクラマテングは、かつての力が出せれば上位争いも。
◎バンバンバンク
○ナリタブラック
▲シルキーハヤテ
△ナムラベンケイ
△クラマテング