マイネルアラバンサが人気になりそうだが、明け11歳でもマサアンビションを狙ってみる。近走の着順を見ると大きな数字もあるが、09年はダートグレードを除けば12戦して実に9連対。いずれもオープン特別や重賞での実績だ。1400メートルを中心に使われているため、たしかに距離は不安だが、1900メートルは6戦3勝と決して悪い成績ではない。しかも負けている3戦のうち2戦が名古屋大賞典JpnIIIだから、ダートグレードを除けば1度しか負けていないことになる。しばらく重賞では目立たなかったベテランの戸部尚実騎手は、昨年11月以降に名古屋競馬場で行われたダートグレード以外の重賞を3戦全勝。さらに元旦の新春盃もディスパーロで制した。その勢いにも乗ってみたい。
相手筆頭は、やはりマイネルアラバンサ。中央準オープンから転入して、東海菊花賞3着、1600メートルのオープンで1着。中央時は芝のみを使われていたが、ダートでも問題なさそう。
勢いならゴールドネオ。中央500万から転入後5戦して2連勝中と調子を上げてきている。
サンキストゴールドは重賞では今ひとつの成績も、オープンでは常に好走しているだけに、連下なら食い込む可能性も。
重賞9勝の実績を誇るウイニングウインドも、さすがに最近は勢いがなくなってきたが、東海菊花賞ではマイネルアラバンサとアタマ差の4着。このメンバーなら、まだまだ上位を狙える。
4歳になったダイナマイトボディは、東海ダービー以降の好成績はすべて牝馬同士のレース。今回、古馬の牡馬と初の対戦では厳しいのではないか。ただやはり52キロは魅力で、マイペースで逃げられれば粘れる可能性も。
◎マサアンビション
○マイネルアラバンサ
▲ゴールドネオ
△サンキストゴールド
△ウイニングウインド
△ダイナマイトボディ
※サンキストゴールドは出走取消となりました。
12月2日の園田金盃は、JRAに移籍した小牧太、岩田康誠、赤木高太郎の3騎手が勢揃したこともあって見ごたえのあるレースだった。中でもハスフェルの赤木騎手は、最後方追走から3~4コーナー大外をまくってきて直線抜け出すという豪快な勝ち方で圧倒した。
今回ハスフェルは、その園田金盃からプラス1キロの57キロ。直線追い込んで3/4馬身差まで迫ったバンバンバンクは据え置きの56キロ。ハスフェルには前回展開が見事にはまったことも考えて、今回はバンバンバンクを中心にする。昨年54.5キロで制したこのレース以降勝ち星がないが、秋からは復調気配で惜しいレースを続けている。縁起のいいこのレースで連覇といきたいところ。
園田金盃では早め先頭から3着に粘ったキヨミラクル、4着のカラテチョップも差はない。この2頭も据え置きの55キロ。展開次第で、上位4頭は着順が変わってもおかしくない。
別路線組では牝馬のキーポケット。昨年は福山牝馬特別、兵庫サマークイーン賞と、牝馬同士の重賞を2勝。牡馬一線級との対戦ではちょっと足りない感じだったが、12月9日のA1特別では牡馬を相手に最後方から3~4コーナー大まくりで直線抜け出した。このメンバーでも上位食い込みを狙う。
◎バンバンバンク
○ハスフェル
▲キヨミラクル
△カラテチョップ
△キーポケット
福山菊花賞を58キロでレコード勝ちしたナムラベンケイを狙う。その後のA1特別2戦は4、6着と負けているが、いずれも他馬より3キロ以上重い58キロを背負ってのもの。54キロで出られる今回は断然有利。08年に続いてこのレース2勝目の期待も大きい。
ナリタブラックは福山菊花賞で3/4馬身差2着。続く東海菊花賞では、勝ったヒシウォーシイからは離されたものの、他地区勢では最先着となる5着。今の福山のレベルを考えれば好走といっていいだろう。その後のA1特別で1、2着と好調、重賞初制覇がかかる。
好調といえば、A3、A2、A1と3連勝で臨むのがクラマテング。福山菊花賞は6着惨敗だったが、春の福山桜花賞を制しているだけに、距離の心配はない。昨年のこのレースは明け4歳になったばかりで9着に敗れたが、古馬として充実した今回なら、昨年のようなことはないだろう。
以上3頭の争いとなりそうだが、兵庫から転入後5戦目となるミラクルタイザン、福山菊花賞3着のサンディナナらも馬券圏内なら。
◎ナムラベンケイ
○ナリタブラック
▲クラマテング
△ミラクルタイザン
△サンディナナ
ナリタボブサップは今シーズン15戦して3着を外したのが2回ときわめて安定した成績。しかし重賞には5回出走して2着3回、3着2回と、常に上位争いだがまだ勝ち星がない。今回、別定のプラス10キロも十分に克服可能なだけに、ここで重賞を勝っておきたいところ。年末にはかなりの雪が降り、おそらく乾いた重い馬場にはならないはず。高重量戦でゴール前が甘くなるこの馬にとって、軽めの馬場はプラスとなる。一昨年に続いてこのレース2勝目を狙う。
フクイズミは昨年のこのレースを880キロで制したときには驚かされた。ばんえいグランプリ以降勝ち星がないものの、3着2回に4着3回と常に善戦はしている。今年も負担重量は変わらないだけに、有力といえそうだ。ただあまりに軽い馬場になると、前に行った馬が止まらず、末脚不発という場面はあるので注意しておきたい。
昨年のこのレース2着のニシキダイジンは、その後、ばんえい記念4着、ばんえいグランプリ3着、岩見沢記念3着、北見記念4着と、勝ちきれないまでも重賞で堅実な成績。前が止まらない馬場なら早め障害から上位争いも十分に可能。
高重量戦なら先行できるトモエパワーも、ばんえい記念4連覇に向けてそろそろ一線級相手に結果を出したいところ。
スーパークリントンは今季特別で1勝を挙げたのみだが、高重量戦では常に警戒が必要。
カネサブラックは今シーズン重賞4勝があるため別定30キロ加増で、ナリタボブサップとは20キロ差。さすがにこれで来たら化け物級。ばんえい記念初制覇に向け、ここは無理をしないと見て見送る。
◎ナリタボブサップ
○フクイズミ
▲ニシキダイジン
△トモエパワー
△スーパークリントン
ロックハンドスターは南部駒賞を制したあと、川崎の全日本2歳優駿JpnIへは遠征せず、余裕をもってこの金杯で岩手の2歳シーズン3冠を狙ってきた。ここまで7戦5勝だが、ダートに限れば4戦全勝。南部駒賞では北海道から遠征してきたモエレクリューガーを1 1/4馬身差でしりぞけた。水沢1600メートルは南部駒賞と同じ舞台で、既存勢力が相手ならまず負けないだろう。
しかし強敵が現れた。南部駒賞2着モエレクリューガーのかたきをとるべく、北海道のシーズン終了後、岩手に移籍してきたのがモエレデフィニット。8月のイノセントカップはクビ+クビ差で大接戦の3着。その後、未来優駿サッポロクラシックカップを勝った。前走転入初戦の水沢1400メートルを勝利。距離は200メートル延びるが、一度馬場を経験しているのはプラスだ。しかしモエレデフィニットは未来優駿サッポロクラシックカップでモエレクリューガーを負かしているとはいえ、マイル以上の距離適性ではクリューガーのほうが上と思われ、それを負かしているロックハンドスターはここでも負けないと見る。
モエレデフィニットには未知の部分もあり、崩れたときに相手となりそうなのがセイントネイティブ。デビューから12戦して勝ち星こそないが、昨年8月の若鮎賞以降すべて2着か3着という成績。ロックハンドスターとの接戦もあり、完全に勝負付けがすんだ相手よりもこの馬のほうが可能性はありそう。前走寒菊賞でダイメイジュエリーのクビ差2着も評価できる。
若駒賞、南部駒賞でそれぞれロックハンドスターの2、3着のリュウノボーイや、寒菊賞でダイメイジュエリーの3着があるダークライあたりが続く存在。
◎ロックハンドスター
○モエレデフィニット
▲セイントネイティブ
△リュウノボーイ
△ダークライ