昨年は同じ1000メートルの北斗盃を勝ってここに臨んだ3歳牝馬ラブストレングスが7番人気ながら快勝。今年も50キロで斤量有利な3歳牝馬から狙ってみたい。
南関東から戻ってきたクラフィンライデンだ。東京2歳優駿牝馬ではネフェルメモリーに突き放されての2着だったが、いまやネフェルメモリーと言えば圧倒的な強さで南関東牝馬2冠を制した別格と言ってもいい馬。クラフィンライデンは年明け以降結果を残せていないが、短い距離に戻るここなら先行して粘ってくれるだろう。
これといって抜けた存在がないメンバーの中で、短距離ならアドミラルサンダーの経験と適性に期待してみたい。このレースは過去3年で2、3、3着と堅実に結果を残している。
実績なら2歳時にダートグレードを制したモエレソーブラッズが最上位。距離適性には疑問が付くが、今シーズン初戦を制してここに臨むというのは好感が持てる。
開催がスタートしてまだ4週目だけに、伏兵の台頭も十分に考えられる。アストラルフォースは格下だが、昨年の道営スプリントで4着と好走。南関東からの再転入初戦を惨敗したゴールドコインは、昨年の秋に旭川の1000メートル戦で3連勝した実績がある。
◎クラフィンライデン
○アドミラルサンダー
▲モエレソーブラッズ
△アストラルフォース
△ゴールドコイン
高知では近年、2歳新馬の入厩がほとんどなく、サラブレッドの2歳馬による重賞・金の鞍賞も2002年の12月を最後に行われていない。したがってこの黒潮皐月賞が、この世代における地元で争われる最初の重賞ということになる。
メンバーを見渡すと、ダートグレードに挑戦した馬がいるかと思えば、未勝利馬もいたり、メンバー間にはかなりの力差がありそうだ。
格付け最上位はグランシング。ホッカイドウ競馬から転入初戦となった元旦の3歳1組戦を勝って古馬格付けとなり、その後は3着を外さない堅実な走りでクラスを上げてきた。前々走のC1特別に続いて前走B2特別も勝利。この時期の3歳馬としては、抜けた存在と言ってもいいだろう。さすがにホッカイドウ時代にJRA認定レースを勝っているだけのことはある。
2番手にベルエキップ。3歳1組戦から古馬E級まで3連勝し、兵庫チャンピオンシップJpnIIに遠征。さすがにそこでは相手が強く、最下位に敗れたが、地元の同世代が相手なら上位争いも可能。勝ち星はなかったがこの馬もホッカイドウ競馬からの転入組。祖母は笠松で一時代を築いた最強牝馬マックスフリートで、帝王賞2着があるミラクルオペラの近親という血統だ。
3番手にガーランド。この馬もホッカイドウ競馬からの転入馬で、2歳時に未勝利戦を勝ったものの、JRA認定レースには勝てなかった。ここ4戦は3歳の上位クラスで2、2、1、1着という成績。グランシングの実力が抜けていそうだが、勝ち負けにからめる可能性があるのはここらあたりまでだろう。
ファンドリプライドは中央からの転入組。転入後の3歳戦では6戦3勝、2着1回という安定した成績。ただ、ガーランドとは3度対戦したうち2度先着されていて、分が悪い。
コスモエコロジーは中央からの転入初戦を快勝。高知ではまだこの1戦のみで、未知の魅力はある。
◎グランシング
○ベルエキップ
▲ガーランド
△ファンドリプライド
△コスモエコロジー
母の日ということで昨年新設された牝馬重賞カーネーションカップ。オープン馬が710キロで、クラスが1つ下がるごとに10キロ減という別定戦。
で、牝馬の重賞といえばトカチプリティー。牡馬との重賞では苦戦続きも、牝馬重賞では大活躍。昨年のこのレースでも2着で、ヒロインズカップは、ここ5年連続出走で3勝、3着1回、4着1回。ここも当然有力な1頭で、前走に引き続いて今年デビューしたばかりの長澤幸太騎手が手綱をとる。長澤騎手はデビューからわずか4カ月足らずで、すでに32勝。2009年(暦年)のリーディングでは、ベテランに混じって9位につけているというのは立派というほかない。いきなり重賞制覇のチャンスが巡ってきた。
連覇を狙うニシキユウも期待のできる1頭。昨年も、今年と同じトップハンデで710キロだっただけに、マイナス要因はない。今シーズン初戦となった前走・大雪賞を制して好調だ。
クラスが下がって690キロと負担重量に恵まれたのがエンジュオウカン。昨年10月、1年5カ月ぶりに復帰すると、混合500万からオープンまでいきなり4連勝。その後もオープンクラスで善戦を続けてきた。それが今回20キロ減で出られるのだから有利。今シーズンから手綱を取っているのは鈴木恵介。昨シーズンは終盤に勝ちまくり、自身初のリーディングを獲得。その勢いも心強い。
この3頭の争いとなりそうだが、中心はエンジュオウカン。今年1月のヒロインズカップはトカチプリティーの2着だったが、このときはトカチプリティーと同重量。今回20キロもらっているだけに、逆転の可能性はひじょうに高い。
そのほかでは、昨シーズン、オープンでたびたび上位に食い込んでいるギャンブラークイン。人気薄での好走も目立つ馬だけに、ここでも一発の可能性はある。
◎エンジュオウカン
○ニシキユウ
▲トカチプリティー
△ギャンブラークイン
地元岩手勢は8頭のうち6頭が前哨戦の赤松杯組で、南関東から3頭が遠征してきた。
ショーターザトッシは、前走1番人気で制した赤松杯が南関東からの転入初戦。重賞タイトルは07年のサンタアニタトロフィーのみだが、転厩直前まで南関東のオープンや重賞戦線で善戦していた。今回南関東から遠征してきた3頭より実績的には明らかに上で、この馬が堅い中心となりそうだ。
相手筆頭は船橋のリュウノキングダム。重賞では昨年3歳時の戸塚記念4着が最高だが、その後も堅実な成績を残し、着実にクラスを上げてきている。いずれ古馬オープンで活躍する力はありそうだ。
トウケイニセイ記念で重賞初制覇を果たし、今季初戦の赤松杯で3着のアンダーボナンザも引き続き好調。
岩手の別路線組では、ケイジーウォリアに勢いがある。昨年12月から6戦連続で水沢のマイルを使われ、1勝、2着3回、3着4着各1回。ダートのマイル戦は14戦して5勝、2着6回という得意の舞台だ。重賞初挑戦で一発があるかどうか。
ソーユアフロストは桐花賞で1番人気に推されながら10着と人気を裏切ったが、冬季休催明けのA級一組戦を勝ち、前走の赤松杯でも2着と、ここでも上位を狙える位置にはいる。
◎ショーターザトッシ
○リュウノキングダム
▲アンダーボナンザ
△ケイジーウォリア
△ソーユアフロスト
ここまで地元福山で出走可能な重賞をすべて制しているアグリヤングが断然。すでに古馬A4格付けで、さすがにそこに入ると厳しいが、同世代相手ではここまで9戦して負けたのは1度だけ。1800メートルもキングカップで6馬身差の圧勝があるだけに、よほどのことがない限り負けることはないだろう。
相手筆頭はムツミイングランド。若駒賞、キングカップはいずれも2番人気での2着で、前に立ちはだかっているのはアグリヤングのみ。アグリヤングが2歳時に唯一敗戦(3着)したレースでは、2着と先着している。そのレースを勝ったハードフォーレルは、すでに兵庫に転出しているだけに、福山の現3歳世代ではアグリヤングに先着した唯一の存在でもある。前走古馬B4特別でも3着と好走しているだけに、可能性としては小さいかもしれないが、逆転できるとすればこの馬だろう。
牝馬では、福山プリンセスカップを勝って、若草賞で地元最先着3着のマルサンジョイが実績最上位だが、上昇度でモエロナツコに期待。若草賞ではマルサンジョイに交わされたもののクビ差で4着、続く前走3歳馬による広島県馬主会会長賞は1番人気にこたえての勝利だった。
ダンディーホークは2歳7月のデビュー戦を勝って以来勝ち星がないが、ヤングチャンピオン2着、若駒賞3着、キングカップ3着と、重賞では上位に食い込む力がある。勝ち負けまでは難しそうだが、3連単などの連下としては押さえておく必要がありそうだ。
◎アグリヤング
○ムツミイングランド
▲モエロナツコ
△マルサンジョイ
△ダンディーホーク