しばらく勝ったり負けたりの混戦が続いていた高知の古馬戦線だが、ようやく力関係が定まってきて、大晦日の高知県知事賞は1、2番人気での決着だった。
ところでいきなり話はそれるが、29日、川崎競馬場の多摩川オープンに出走したポートジェネラルは見せ場たっぷりのレースだった。赤岡騎手が果敢に先行し、直線ではエースオブタッチ、マズルブラストという南関東でもトップレベルの両馬の叩き合いからは離されたものの、3着に粘った。
ポートジェネラルは、中央1000万下から転入し、元旦のA2戦を9馬身差の圧勝。続くA1特別でもロマンタッチに3馬身差をつけて逃げ切ち勝ち。そして臨んだ川崎遠征だった。雑賀正光調教師だけに、今後も他地区に遠征を続けるのだろうか。高知に戻ればもちろん中心視される1頭だろう。
さて、黒潮スプリンターズカップだが、高知県知事賞を断然人気で制したトサローランには逆らわないほうがいいような気がしないでもないが、ここは1300メートルということもあり、ロマンタッチのほうを狙ってみたい。
なかなか人気になりにくい馬で、高知県知事賞こそ人気どおりの2着だったが、重賞初制覇のトレノ賞は5番人気、建依別賞は8番人気で2着、珊瑚冠賞は7番人気で2着。人気より確実に実力はある馬。ムラ駆けなのはたしかだが、一発があるならトレノ賞と同距離のここだろう。
安定感では、やはりトサローランのほうが一枚も二枚も上。連勝の中心にするならこちらかもしれない。
スパイナルコードは一線級相手だとなかなか勝てないが、珊瑚冠賞、高知県知事賞ともに3着と好走した実績がある。
マリスブラッシュは、近走重賞やA級特別では結果を残せていないが、昨年の覇者だけに気になるところ。
それで気づいたのだが、昨年は1400メートルだったものが、今年から1300メートルに距離短縮されたのね。
◎ロマンタッチ
○トサローラン
▲スパイナルコード
△マリスブラッシュ
キングスゾーンが久々に地元名古屋に戻ってきた。昨年5月のかきつばた記念JpnIII(4着)以来の出走となる。今回は遠征馬が兵庫の準オープンから1頭のみで、ほとんど東海勢同士の対戦ならダートグレード勝ちの実績は最上位。
もう1頭の中心は同枠に入ったムーンバレイ。前走名古屋記念の8馬身差は圧巻だった。
この2頭、07年の佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIでは1着、3着という実績もある。どちらを上にとるかだが、近走の好調ぶりからムーンバレイとしたい。重賞勝ちは前走の名古屋記念でようやく3つ目だが、ダートグレードに挑戦を続けていたためで、地方勢同士の重賞なら力が違う。
相手はもちろんキングスゾーン。地方同士の重賞は、距離が短くまさかの3着に敗れた7月の福山・オッズパークグランプリ2008以来。今回から所属が元の原口次夫厩舎に戻った。
明け10歳ながら一発がありそうなのはマサアンビション。兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIに2年連続挑戦して6着。昨年はキングスゾーンに先着している。
笠松転入後12連勝で注目を集めたストライクリッチは、その後笠松1400mの重賞で4、2着。重賞初勝利の期待がかかるが、ムーンバレイ、キングスゾーンが相手では前2走よりも厳しいレースになりそうだ。
◎ムーンバレイ
○キングスゾーン
▲マサアンビション
△ストライクリッチ
7戦6勝、2着1回のギオンゴールドが断然。唯一の敗戦となった九州ジュニアチャンピオンは、2番手を追走して入れ替わり先行勢にからまれる厳しい展開。それでも直線を向いて単独抜け出したが、道中後方を追走していたパスカルにゴール寸前でクビ差交わされてしまった。今回は牝馬同士の対戦に加え、前走古馬B1B2を勝っている実力は、このメンバーでは抜けている。
ところでこのギオンゴールド。荒尾の九州ジュニアグランプリを勝ったときにたまたま取材に行っていたのだが、九日俊光調教師は重賞を勝ったことよりも、「顔の扇、見てよ。北海道のハートの馬と同じゴールドヘイローなんだけどさ」と強くアピールしていたのが印象的だった。重賞2勝目は確実だろう。
相手は勝負付けが済んだメンバーより、新興勢力。ダフィーフェントンは1300mのデビュー戦を大差勝ち。その後はJRA認定競走2着、3歳2組戦を差し切り勝ち。ギオンゴールドに持ちタイムで劣るのはしかたないとして、1400mで1分31秒1はその他のメンバーとの比較なら上位。初距離だが、血統的には距離延長は歓迎。
サンワードヒミコは中央から転入後2連勝。コスモゲータイトは転入初戦こそ差をつけられての3着だったが、その後2歳7組を勝利、3歳3組でも0秒1差の3着。ともにまだ底を見せていない楽しみはある。
◎ギオンゴールド
○ダフィーフェントン
▲サンワードヒミコ
△コスモゲータイト
14日の園田クイーンセレクションの結果は残念だった。というよりちょっとショックだった。
ライデンリーダー記念まで重賞3勝、1番人気に支持された笠松のニュースターガールはゴール前差を詰めるも3着。そこまで8戦連続連対で重賞2勝、名古屋のダイナマイトボディは好位を追走したものの7着という結果。この2頭は相当強いと思っていたのだが、兵庫で重賞勝ちがないというメンバーを相手に完敗だった。今年の東海地区3歳世代は、もしかしてレベル的にそれほど高くはないのかなあという気もしてきたが、巻き返しに期待したい。
そのニュースターガールとダイナマイトボディも登録していたゴールドジュニアだが、さすがに両馬とも連闘はしてこなかった。というわけで、その2頭に続く馬たちの争いとなる。
ライデンリーダー記念でニュースターガールの1馬身半差2着だったブラックポイントにチャンス。10月のゴールドウィング賞はダイナマイトボディから2.4秒も離された4着だったが、ここにきて力をつけてきた印象。笠松・名古屋のこの世代の重賞は、ここまですべて牝馬が勝利。2強が回避したことで、ようやく牡馬の出番となりそうだ。
ジュニアクラウンを制しているブルーベリーだが、前走11月のサラ・プリンセス特別は2着とはいえ、勝ったニュースターガールからは6馬身も離されていた。実績は認めるものの、ここで中心にするほどの力はないように思う。
ジュニアクラウンで1番人気に支持されながら2着に敗れたレトリーブは、カルラネイチャー産駒らしくムラ駆けの印象。単穴という意味では、ブルーベリーよりむしろこちらのほうが可能性はありそうだが、前走新春ペガサスカップ同様惨敗の可能性も。
ジュニアクラウン、ライデンリーダー記念ともに3着のキングゴールドオー、前走そのキングゴールドオーにハナ差2着のカキツバタロイヤルあたりが、2強不在なら上位食い込みのチャンスはある。
◎ブラックポイント
○ブルーベリー
▲レトリーブ
△キングゴールドオー
△カキツバタロイヤル
デビューから7戦6勝、福山の2歳重賞を2戦とも制しているアグリヤングが断然。初の1600メートル戦となった3走前で3着に敗れているものの、その後の1600メートル戦を2連勝。特に前走は、今回と同じようなメンバーを相手に5馬身差をつける圧勝だった。重賞3勝目は間違いなさそうだ。
相手筆頭はムツミイングランド。デビューから7戦4勝、2着2回。唯一連対を外す4着だったのが重賞のヤングチャンピオンで、勝負弱さがあるのかもしれないが、アグリヤングは別格としても、この馬の安定度も目立つ。
デビュー戦を勝って以降、勝ち星から遠ざかっているダンディーホークだが、ヤングチャンピオン2着のほか、2歳(3歳)1組戦で常に上位争い。
福山2歳優駿、ヤングチャンピオンともに3着で、ここまで8戦して5着以下が一度もないマルサンジョイも連下争いなら。
◎アグリヤング
○ムツミイングランド
▲ダンディーホーク
△マルサンジョイ