マーキュリーカップは、ダートグレードの中でも特に中央勢が圧倒しているレース。ここ5年は3着までを完全に独占されている。地方勢は、水沢で行われていた時代にメイセイオペラが勝ったのみだ。
盛岡に替った00年は2着に新潟のエビスヤマト、3着に高知のミストフェリーズが入ったが、1番人気のスマートボーイが暴走ぎみに逃げたことで超ハイペースとなり、勝ったオースミジェットですらゴール前は歩いているような感じだった。エビスヤマト、ミストフェリーズは縦長の展開の最後方、ほとんどレースとは関係ないようなところを追走したのが幸いし、直線だけで追い込んできた。
展開が味方したその年を例外とするなら、盛岡コースで行われるようになってからは、地方勢ではあのトーホウエンペラーが01年に3着したのみということになる。
しかし中央勢が強いとはいえ、人気、実績どおりの決着となることはほとんどなく、ひねって考える必要がある。過去に1、2番人気での決着は、メイセイオペラが勝ったときのみしかない。
昨年、近走まったくの不振だったクーリンガーは6番人気での勝利だった。今年で言えば、クーリンガーもそうだが、GI勝ちのあるストロングブラッドあたりも安易に見限るわけにはいかない。
中心は、おそらく1番人気になるのだろうが、今年に入って平安ステークス、東海ステークスでともに3着と堅実に走っているシャーベットトーン。
中央勢では、前走初の準オープンで惨敗だったメイショウアズーロ以外は馬券にからめておきたいところ。
地方勢では、前走みちのく大賞典を勝ったテンショウボス、同3着のサイレントエクセルに可能性がありそうだが、メイセイオペラやトーホウエンペラー級でないと馬券にからめないことからも、かなり厳しい戦いを強いられそうだ。
中央勢の人気薄を入れた3連単ボックスで、百倍〜数百倍程度の配当になればラッキーというあたりを狙ってみようかと。
◎シャーベットトーン
○クーリンガー
▲エイシンロンバード
△ストロングブラッド
△テンショウボス
盛岡名物、芝2400メートルの重賞。00年から02年までは芝1600メートルで行われていたが、03年から現在の2400メートルとなった。
それ以降の過去4年では、04年と05年にサイレントグリーンが連覇。昨年は2着に敗れたが、芝のスペシャリストであることは間違いない。3歳時には不来方賞2着という成績はあるものの、重賞タイトルはこのせきれい賞のみ。それどころか、04年4月の水沢・エクセレントA1A2がダートでの最後の勝利で、それ以降は芝コースでしか勝っていない。特に盛岡芝2400メートルに限ると、7戦5勝、2着3着各1回というほぼ完璧な成績。仮に岩手に芝コースがなければ、この馬は今どこでどうしているだろうかと思ってしまう。
前々走、芝1700メートルのあじさい賞は見せ場なく5着に敗れたが、前走、芝2400メートルのかきつばた賞では、中団追走から徐々に位置どりを上げ、直線を向いて先頭に立つと、後続を楽々と6馬身突き放しての圧勝。この距離への適性の高さを示した。
そもそも1800メートル以下の芝では勝ち星がないだけに、前々走あじさい賞での敗戦もあまり気にする必要はないだろう。盛岡芝2400メートルが舞台なら、サイレントグリーンが軸で間違いない。
相手になりそうなのは、やはり、あじさい賞、かきつばた賞を使ってきた組。この2戦で着順が入れ替わっていて比較が難しいが、相手筆頭にはあじさい賞を勝っているタイキリオンを指名する。前走かきつばた賞では1番人気に推されながら4着に敗れているが、これは3コーナーからサイレントグリーンを必死に追いかけて直線バテたもの。距離的な不安はあるものの、展開次第では逆転もあるかもしれない。
以下は、あじさい賞、かきつばた賞の好走組で、ナイキアヘッドとマルタカキラリー。
そして南関東から4頭が遠征してきた。いずれもB級あたりで頭打ちの感じで、唯一コスモダークがA2、A3あたりで走ってはいるものの、昨年6月にB1特別を勝って以来、勝利から遠ざかっていて、これも実力的にはB級と考えるべきだろう。昨年のこのレースにも南関東から4頭の挑戦があり、1頭を除いてはオープンクラスで走っていたものが、このせきれい賞では最高着順が4着だった。それだけに、南関東勢にとっては今年はさらに苦戦を強いられそうだ。近走好調で、芝に適性がありそうなトネノキングを押さえておく程度でいいだろう。
◎サイレントグリーン
○タイキリオン
▲ナイキアヘッド
△マルタカキラリー
△トネノキング