東海桜花賞というと、中京の芝2000メートルで行われていたころが懐かしい。
芝で行われた最後は95年で、勝ったトミシノポルンガは前年からの連覇だった。その前年の94年には、東海桜花賞を制したあと、同じコース、同じ距離で行われるJRAのテレビ愛知オープンに出走。東海桜花賞の勝ちタイムが2分03秒4だったので、中央勢が相手でこの持ちタイムでは厳しいかとも思われたが、中団から鮮やかな差し切り勝ち。勝ちタイムは1分59秒7というもので、一気に4秒近くもタイムを縮めての快勝だった。
トミシノポルンガは、当時水沢で行われていたダービーグランプリなども制したが、中央との交流の窓口がようやく開かれ始めた当時としては、むしろ芝での活躍のほうが印象的。宝塚記念などにも挑戦したが(10着)、現在のようなレース体系だったらコスモバルクのような活躍をしていたのではないかと思われる。
さて、現在はかきつばた記念トライアルとして1400メートルで行われるようになったこのレース。今回は他地区からの遠征が、冬季に東海地区に出張していた金沢のホワイトサイクロン、マヤノジャハーンしかないというのはちょっと寂しい。
で、本命は実績的にもキングスゾーンで不動だろう。前々走のダイオライト記念JpnIIこそ距離が長く9着だったが、2000メートルの佐賀記念JpnIII、1400メートルのJpnIIIはともに地方最先着の3着だった。ここは通過点として、どこかでダートのJpnIIIくらいはタイトルをとってほしいところ。
相手は一長一短で難しい。抜けた馬が1頭いるときは、その馬を負かしにいけば惨敗もあるし、伏兵でも着狙いに徹っすれば漁夫の利もある。こういうときは馬券も狙いにくい。
どの馬がどんな勝負に出るかはさすがにわからないので、普通に実力を評価すれば、名古屋大賞典JpnIIIでそれほど差のない7着のマサアンビション、前走春分特別で1、2着のマイネフォクシー、マヤノモーリスあたりということになるだろう。大晦日の尾張名古屋杯を制し、A2を連勝しているコスモスパーブまで押さえるが、キングスゾーンからだとオッズ的には狙いを絞らなければならないだろう。
◎キングスゾーン
○マサアンビション
▲マイネフォクシー
△マヤノモーリス
△コスモスパーブ
岩手競馬の今シーズン開幕となった7日、水沢競馬場で9日まで行われる全国競馬実況アナウンサーサミットにお声がけいただいたので参加した。もちろんぼくはしゃべるわけではなく、予想イベントでご協力しただけだが。
で、本題はやっぱりヤキソバ。
水沢競馬場はダートグレードが行われなくなってからなかなか行く機会がなくなってしまい、たしか2年近くぶりの訪問。そういえばここでヤキソバを食べたという記憶もあまりない。
で、最初にお断りしておくと、今回はちょっとイマイチだったため競馬場内のどこの売店で食べたかは伏せておくことにする。
まずコレ。
350円を払って、このパックを渡されたときに「ありゃりゃ」と思った。
紅しょうがはともかく、豚肉、キャベツ、ニンジンなどの具が、麺とは別に調理され、盛り付けられている。一見、体裁はいいようだが、まずこれはヤキソバのダメなパターン。ヤキソバは、肉や野菜を一緒に炒め、旨みが渾然一体となってこそ。しかもダシが効いているわけでもなく、ただ味が薄いだけ。こう言っちゃなんだが、食べなきゃよかったレベル。
せっかくヤキソバを食べたのにこれでは納得がいかないので、別のお店に突撃。今度はパックに入ったつくり置きではなく、注文してからちゃんと作ってくれそうなところを選んでみた。
で、出てきたのがコレ。
パック売りと同じく350円。できたてをちゃんとお皿で出してくれるなら400円か500円くらいでもよさそうだが、地方競馬にはありがちな、全店同じ商品は同じ値段、という原則を厳守しているのだろう。
作りたてで、ちゃんと具を一緒に炒めている上に、青海苔もかかっているのはいい感じ。が、しかし。ちょっと平べったい麺はさっきの店のと明らかに同じだし、ダシの効いてない薄味なのも大差ない。
濃い目のソースをかけて食べたいところだが、テーブルにはソースが見当たらない。端っこの棚の上にブルドックとんかつソースを発見したのは、ほとんど食べ終わりかけたころだった。
どうやら東北北海道はヤキソバ不毛の地であるらしい。競馬場に限ったことではあるのだが、東北北海道の競馬場で、コレといったヤキソバに当たったためしがない。
本来ならイマイチなヤキソバは紹介しないのだが、たかがヤキソバを食べるのでも、こんな苦労もしてるんですよ、ということで今回は紹介してみた。
そういえば、地方競馬だけでなく、札幌や函館や福島でもヤキソバの記憶がない。というわけで、競馬場でヤキソバを食べるなら、関東以西ってことで。
金沢のスプリングカップは、冬季休催明けのシーズンがスタートしていきなりの重賞。普通なら休養明けの馬たちの対戦となるところだが、冬の間は一時的に東海地区に滞在して出走していたり、他地区に遠征するなどしていた馬たちも何頭かいる。休養明けの馬よりは有利と考えるのが普通だろう。
というわけで、狙いは順調に使われていた馬から。
笠松・スプリング争覇の予想でも同じようなことを書いた気がしたが、マリーンカップJpnIIIに遠征し、善戦(4位入線、5着降着)したチヨノドラゴン不在のここは、ビッグドンが中心。名古屋の梅見月杯では後方追走から4着に押し上げるのがやっとだったが、地元金沢なら9戦して3着を外していないという安定感が光る。
相手には、昨年暮れの中日杯を制したタフネスゴールド。佐賀記念JpnIIIや園田の六甲盃では結果を残せなかったが、厳しい相手に揉まれてきた経験は生きるはずだ。
金沢にとどまった休み明け組からは、中日杯2着のサムソンリンリン。そして名古屋でひと叩きされたマヤノオスカーまで。
連覇を狙うケンゴウザンは、笠松での3戦はまったく精彩を欠いていたので無印としたが、あまり人気がないようなら押さえておく必要があるかもしれない。
そしてまったくの余談だが、マヤノオスカー、ビッグオスカー、ビッグドンと、似たような馬名がいて実況の方にはお気の毒なレースかもしれない。
◎ビッグドン
○タフネスゴールド
▲サムソンリンリン
△マヤノオスカー
高知の二十四万石賞は、黒船賞トライアルのだるま夕日特別とアクアマリン特別を連勝したマリスブラッシュと、高知県知事賞を制したあと南関東に遠征していたサンエムウルフの争い。
やや離れた3番手以下にストロングボスとチェリーキング。今の高知の古馬戦線は目まぐるしく勝ち馬が変わる戦国時代で、A5、A4クラスを楽勝で勝ち上がってきているトサローランも一発があるかもしれない。
◎マリスブラッシュ
○サンエムウルフ
▲ストロングボス
△チェリーキング
△トサローラン
スプリング争覇は、27日のオグリキャップ記念に向けての一戦ということで、さすがに好メンバーが揃った。
昨年はレッドストーンが逃げ切り、本番のオグリキャップ記念も制した。顔触れを見るとその昨年とは一変。なんと、1頭も同じ馬がいない。地区限定の古馬重賞ではめずらしい。12日に行われる名古屋・東海桜花賞にも昨年のスプリング争覇と重なるメンバーがいないので、それだけ勢力図が変わったということなのだろうか。
数頭を除いてどの馬にもチャンスがありそうなメンバー構成で、馬券的にも楽しめそうだ。
ここは昨年末の東海ゴールドカップを制した牝馬ニッシングリンから。続く兵庫牝馬特別ではクビ差の2着に敗れたが、その相手というのが金沢のチヨノドラゴン。4日に行われた船橋・マリーンカップJpnIIIでは5着(4位入線、降着)と好走。勝ったトーセンジョウオーに大外枠から競りかけていって、最後は脚いろが鈍りミリオンベルの進路を妨害することになったが、あのメンバーで勝ち馬から0秒5差は価値がある。そのチヨノドラゴンと同じレベルと考えるなら、ここでは力が抜けている。前走マーチカップは5着に敗れたものの、勝ったクインオブクインの直後の位置どりで厳しいレースだった。
相手はティアマット。ダービーグランプリGIや中央遠征では勝負にならなかったが、地元笠松では、岐阜金賞勝ちを含め、昨年3歳時の8月から8連勝中。まだ4歳なだけに将来への期待も込めたい。
05年9月に笠松転入以来18戦連続連対のエイシンダイオーは、前走マーチカップでは初めて3着となったが、東海ゴールドカップ2着もあり、勝ち負けになっても不思議はない。
昨年3歳時に若草賞、スプリングカップを連勝したイエロージャケット、中央から転入初戦のセイウンドリームまで印はつけるが、上位3頭の争いになると思う。
◎ニッシングリン
○ティアマット
▲エイシンダイオー
△イエロージャケット
△セイウンドリーム
5日には、笠松競馬場で3歳馬による新緑賞が、園田競馬場では今シーズンから兵庫3歳3冠緒戦となった菊水賞が行われる。
注目したいのは菊水賞のほう。しかも馬ではなく騎手。
このレースには名古屋のトップジョッキー、吉田稔騎手と、岡部誠騎手が参戦する。
交流が当たり前のようになった現在ではあまりめずらしくもないかもしれないが、今回は馬の遠征はなく、騎手のみでの参戦となる。
これは、05年から06年にかけて改正が行われた地方競馬騎手の騎乗機会拡大についてのルールで、兵庫では、ダートグレードおよびブロック交流以外の重賞レースで、他地区の騎手が騎乗することができる。
こうした交流は、レース自体のレベルを上げることにもなり、ファンにとっても歓迎すべきもの。どんどん広がっていってほしい。
ここで中心になるのはエンタノメガミ。1月の園田クイーンセレクションを制し、前走牡馬相手の園田ユースカップは1番人気で2着に敗れたものの、先着を許した相手は笠松のマルヨフェニックス。地元の牡馬勢は完封している。
期待したいのは、すでに勝負付けが済んでいる相手よりも新興勢力。オオエヘイローはこれが重賞初挑戦で、ここまで6戦5勝。1700メートルは初距離だが、吉田稔騎手がわざわざ呼ばれたからにはそれだけの期待もあるのだろう。
同じ8枠に入ったテクノマイウエーも昨秋から安定した成績を残すようになり、5戦連続連対中。2歳時に園田ジュニアカップを制したプラチナクラウンを2戦連続で退けての勝利は評価できる。
そのほか、園田ユースカップでエンタノメガミに3/4馬身差まで迫る3着のホクセツファミリーに、岡部誠騎手で変わり身期待のマイシスドリームまで。
◎エンタノメガミ
○オオエヘイロー
▲テクノマイウエー
△ホクセツファミリー
△マイシスドリーム
笠松の新緑賞は、出走馬10頭中6頭が牝馬で、そのうち4頭は前走若草賞組。
中心は、唯一名古屋から参戦のワイティタッチ。2歳時にはゴールドウィング賞を制し、メンバー中、重賞勝ちの実績があるのはこの馬だけ。名古屋ではすでに古馬B3級に格付けされている。
相手には若草賞2着のオーナーズレオン。
重賞初挑戦組にはイマイチぱっとした成績の馬がなく、ここでいきなり勝ち負けは難しい感じ。若草賞組からビヨンザシー、マツノメガミを押さえる。
◎ワイティタッチ
○オーナーズレオン
△ビヨンザシー
△マツノメガミ