25日に笠松競馬場で3歳馬によるゴールドジュニアが行われる。このレース名を聞くと、いよいよ3歳戦線もここからが本番という気になる。
それは過去の勝ち馬には、まさに笠松の歴史を築いてきた馬たちが名を連ねているからだ。
まず80年代では、リュウズイショウに、あのオグリキャプ。そして90年代に入ると、ここを勝った馬はまるで全国区での活躍が約束されているかのような状態だった。その年の秋シーズンには東海桜花賞、全日本サラブレッドカップ、東海ゴールドカップと3歳ながら古馬の主要重賞を制したマックスフリート。その弟で東海ダービー、岐阜王冠賞などを制したマックスブレイン。ダービーグランプリを制したトミシノポルンガ。東海ダービーまで11戦10勝2着1回のサブリナチェリー。神戸新聞杯で3着に入りJRA菊花賞に出走(8着)したベッスルキング。全日本サラブレッドカップGIIIを制したトミケンライデンなどなど。
2000年代に入っても、ダートグレード4勝のミツアキサイレンス、2歳時にJRAのデイリー杯3歳(現2歳)ステークスGIIを制したフジノテンビーと続いた。
しかし近年では、05年の勝ち馬クインオブクインが牝馬限定のダートグレードで善戦している程度で、残念ながらそれほど目立った活躍馬は出ていない。
レベルの高いゴールドジュニア復権、というと大袈裟だが、今年その期待がかかるのがマルヨフェニックスだ。デビューから2連勝で臨んだ暮れのライデンリーダー記念では、好スタートから3番手に控えると、3コーナー過ぎで持ったまま先頭に立ち、直線で楽々と後続を突き放した。久々に連戦連勝の快進撃を続ける馬を見たいもの。
馬券的にはマルヨフェニックスの相手探し。2歳時にジュニアクラウンを制し、ここ3戦は中央への挑戦を続けているトミノハマチャン、ライデンリーダー記念で直線唯一マルヨフェニックスに食い下がったトミノダンディ、金沢のヤングチャンピオンを制したマツノショウマ、名古屋・ゴールドウィング賞の覇者ワイティタッチまで。
マルヨフェニックスからでは配当的にそれほど期待できそうもないので、馬券は絞る必要があるかもしれない。
◎マルヨフェニックス
○トミノハマチャン
▲トミノダンディ
△マツノショウマ
△ワイティタッチ
17日に行われた園田クイーンセレクションは、1番人気の地元エンタノメガミの圧勝となった。3コーナー手前で一気に進出し、同じ兵庫のワイケイリズムと馬体を併せたときは一騎打ちかと思われたが、直線ではアッという間に突き放した。
年末の兵庫ジュニアカップでは、実績馬タッカーテンビーやゴールデンウィークなどを相手に5番人気ながら、勝ったプラチナクラウンに半馬身差の2着と好走。今回のレースぶりからはさらに力をつけた印象だ。
ちょっと驚いたのは、逃げた福山のスターゴールドが、交わされたあとは後退するかと思ったが、3着に粘ったこと。2走前のサンシャインカップでは、アラブのミスジョージの3着に負けているだけに、それほどでもないのではと無印にしてしまったが、認識が甘かった。
しかしだからといって、アラブのミスジョージがこのメンバーに入って好走するかといえば、おそらくその可能性は少ないだろう。それが競馬の奥深さでもある。
さて、前置きが多くなったが21日の重賞は2つ。
四国・九州地区交流の3歳牝馬による花吹雪賞(佐賀1800メートル)は、高知からの遠征がなく、荒尾から2頭の遠征のみ。
中心になりそうなのは、荒尾の九州ジュニアグランプリを勝ったフジヤマロマンと、佐賀のジュニアチャンピオンを勝ったハシリノキョショウ。直接対決では、地元荒尾ではあるものの九州ジュニアグランプリで決定的な差をつけて勝ったフジヤマロマンのほうを本命にしたい
この2頭に対抗できるとすれば既成勢力よりも新興勢力だが、あまりインパクトのある成績を残している馬はいない。デビューから2連勝のグリッタビーコー、ホッカイドウ競馬から移籍し、2、1着のピンクサイレンスあたりが押さえとなりそうだ。
◎フジヤマロマン
○ハシリノキョショウ
▲グリッタービコー
△ピンクサイレンス
福山での重賞は、アラブによる新春賞。重賞とはいえオープンではなく、A2クラスのものだけに難解。
A3を勝って初のA2クラスでのレースとなるが、山口竜一騎手で2、1着と好調のパスカリランナーでどうだろう。
相手には、前走福山大賞典はしんがり負けだが、4走前にA2特別を勝っているベアーズドリーム。前走A1A2特別で、勝ったフエストクインシーから差のない4着のモナクラムセス。前々走A2特別では人気薄ながらベアーズドリームに先着する2着のレッツゴーカップあたりで。
◎パズカリランナー
○ベアーズドリーム
▲モナクラムセス
△レッツゴーカップ
08年のJBC開催場が園田競馬場に決定したことがJBC実行委員会より発表された。西で行われるのは05年の名古屋に次いで2場目となる。
昨年のJBC直前に、大阪の「Gate J.」でJBCの予想イベントをやらせていただき、その後の打ち上げで兵庫の吉田勝彦アナといろいろとお話をさせていただいた。そのときには園田競馬場が08年のJBCの開催場として立候補しているらしいことはわかっていたのだが、もしJBCの開催が園田になったときはどんなイベントをやりましょうかという話で盛り上がった。
まだ2年近くも先の話だが、楽しみができた。
さて、17日には園田競馬場で、東海・北陸・近畿・中国地区のJRA桜花賞トライアル地区代表馬選定競走となっている園田クイーンセレクションが行われる。
笠松、福山から各2頭、金沢から1頭の遠征があるが、地元勢も含め重賞勝ち馬は、福山初のサラブレッドの重賞、ヤングヒーローを制したスターゴールドのみ。目立った成績を残している馬はなく、力関係も比較が難しく、なんとも難解な一戦。
これらの地区の2歳戦線を振り返ってみると、もっとも印象に残ったのが金沢のブラックムーンだった。金沢ではデビュー4戦目から連勝で重賞2勝を挙げ、11月に大井に移籍すると、年末の東京2歳優駿牝馬を豪快な追い込みで制した。
金沢の2歳ナンバー1はこの馬だったが、フアンノネガイ、マツノショウマなどとその2番手争いをしていたダブルアーチャーがここに出てきた。レベルの高い争いをしていた金沢のこの馬を本命にする。
相手というか、どちらを本命にするか迷ったのだが地元のエンタノメガミにも期待したい。紅一点だった園田ジュニアカップでは早めに先頭に立つ積極的な競馬で惜しい2着。今回は川原正一騎手が鞍上なのも心強い。
あとはどの馬が来てもおかしくないようなメンバーだが、笠松に遠征してサラ・プリンセス特別2着だったワイケイリズム、2連勝中のミラクルファンタジあたりにチャンスがありそうだ。
◎ダブルアーチャー
○エンタノメガミ
▲ワイケイリズム
△ミラクルファンタジ
10日に地方競馬の年度表彰であるNARグランプリ2006の受賞馬・受賞者が発表された。
ばんえい最優秀馬は牝馬アンローズ。
ミサイルテンリュウも古馬の重賞を2勝しているが、アンローズは岩見沢記念、北見記念と古馬のBG1を2勝で、文句なしの選出だろう。史上初のばんえい記念4連覇を果たしたスーパーペガサスは、勝ったのがそのばんえい記念のみで、5月以降は出走がなかった。
NARグランプリは暦年の成績による表彰だが、ばんえい競馬の主催者である北海道市営競馬組合による表彰は、年度ごと(4月から翌年3月)の成績によるので、これからの重賞戦線が重要な意味を持つことになる。
最短距離にいるのはもちろんアンローズだが、不得意な帯広コースではこれ以上タイトルを重ねるのは難しい。ほかに可能性があるのは北斗賞を勝ったミサイルテンリュウ、旭王冠賞を勝ったサダエリコ、帯広記念を勝ったトモエパワーあたりで、3月4日のチャンピオンカップ、そして3月25日のばんえい記念の結果次第ということになる。
今のところトップハンデで帯広記念を制したトモエパワーが最有力だと思うのだが、どうだろう。
さて、14日には牝馬による重賞のヒロインズカップが行われる。
11月12日の北見・レディースカップからプリティブライトが抜けて、5月の旭川以来となるエンジュオウカンが加わったというメンバー構成となった。
ここは、レディースカップでは勝ったトカチプリティーより10kg重かったが、今回は同重量となったサダエリコから。なかなか不振から脱出できないが、このメンバーでこの重量差は有利。
扱いが難しいのがフクイズミ。第2障害さえ越えればあとはゴボウ抜きという極端な脚質だけに、第2障害をクリアするタイミング次第で圧勝も惨敗もある。一応対抗という評価にしておく。
あとはレディースカップ1、2着のトカチプリティーとプリンセスサクラコ。
休み明けのエンジュオウカンだが、きっちりと仕上げられていればこのメンバーでも間違いなく好勝負だけに、押さえておく。
◎サダエリコ
○フクイズミ
▲トカチプリティー
△プリンセスサクラコ
△エンジュオウカン
11日(木)に行われる笠松の白銀争覇は、すでに金沢が冬季休催に入っている時期で、例年何頭かの有力馬の遠征があり注目を集める。特別から重賞に格上げされて今年で8回目。その金沢勢は、04年にホシオーが制している。
今年は金沢から3頭、兵庫から1頭の遠征があり、名古屋2頭に、地元笠松4頭での対戦となった。
ここに臨む本気度を想像するに、ケンゴウザンが一番だろう。東海勢は年末に笠松で東海ゴールドカップがあり、年明けに名古屋で新春盃や名古屋記念があった。それから間もないだけに、このレースを目標にということにはならないはず。対してケンゴウザンは、距離適性から地元金沢の年末の大一番、中日杯は使わず、年末に1500メートルのA1特別を勝ってここに臨んできた。笠松への遠征では昨年3月のマーチカップを制したものの、11月の笠松グランプリはミツアキタービンの2着と惜敗した。鞍上の吉原寛人騎手は、昨シーズンに続いてこの冬もオーストラリアに遠征するようだ。昨シーズンが年末からの遠征だったのに対し、今年は1月中旬まで遅らせた。おそらくこのレースに乗ることが決まっていたのだろう。そんなさまざまな意気込みを買ってケンゴウザンが本命。
相手筆頭は名古屋のマイネフォクシー。前走クリスマス特別では、斤量が1キロ軽いクィーンロマンスをクビ差で競り落として勝った。笠松のこの距離は、昨年6月にサマーカップを制している。
元旦の新春盃を楽勝したクィーンロマンスも当然有力な1頭。同じく笠松のこの距離は、昨年10月のスプリントを制している。
そのほかでは、川崎から移籍緒戦となった前走名古屋記念で4番人気とそこそこ期待を集めながら、ブービー9着だったブルーローレンスはもう一度様子を見るため押さえておきたい。
明け4歳となった牝馬のチヨノドラゴンは、ここまで連対をはずしたのはMRO金賞と中央へ挑戦したローズSのみで、まだ底を見せていない魅力がある。
◎ケンゴウザン
○マイネフォクシー
▲クィーンロマンス
△ブルーローレンス
△チヨノドラゴン