先日京王閣競輪で行われた京王閣記念(GIII)を制し、SS班として記念競輪初優勝を飾った埼玉の宿口陽一選手(埼玉・91期)にお話を伺いました。
※22日から開催された「競輪祭(GI)」に出場を予定しておりましたが、欠場となりました。インタビューは、欠場の決定前に収録
山本:京王閣記念優勝おめでとうございます。
宿口:ありがとうございます。
山本:お気持ちはいかがでしょうか。
宿口:ちょっと反省しかないレースだったので・・・。嬉しい部分もあるんですけど、そういう反省の方が大きいかなと思っています。
山本:やはりその辺りは優勝後の色々な記事にもあがっていたような平原さん(平原康多選手・埼玉87期)とのお話の部分でしょうか。
宿口:そうですね。そういった部分をレース後すぐにアドバイスをいただきました。
山本:GIII2回目の優勝が今年の初優勝となりましたが、そこに関してのお気持ちはいかがですか。
宿口:それは本当にラインの皆様のおかげで取らせてもらったという気持ちで、正直嬉しいのは嬉しいです。
山本:嬉しい気持ちはやはりあるのですね。
宿口:はい。嬉しい気持ちはあります。
山本:今回、京王閣記念を迎えるにあたっての状態面はいかがでしたか。
宿口:ちょっと寛仁親王牌ですごくボロボロだったので、本当にどうなるのかなと思ったんですけど、前を走ってくれる選手のお陰で決勝戦にあがれたので・・・。状態面に関しては本当不安でしかなかったですね。
山本:9月に共同通信社杯での落車っていうのもありましたし、その辺りの影響っていうのも多少はありましたか。
宿口:多分、落車の影響はほとんどなかったですね。ちょっと肋骨が痛くて、そこが完全には治ってはなかったのですが、みんな怪我してる中で走っているので、そこはあまり関係ないと思います。
山本:寛仁親王牌の時と比べると、特に状態面が良くなったっていう感じでもなかったっていうことなんですね。
宿口:そうですね。体の件に関してはそんなに変わりはなかったですね。
山本:となると、やはり気持ちの面が違ったっていうのがあるんですか。
宿口:そうですね。寛仁親王牌で平原さんと、自分の同期の神山拓弥(栃木91期)、 あと山口の桑原さん(桑原大志選手・山口80期)、新潟の諸橋さん(諸橋愛選手・新潟79期)にちょっと色々話をしてもらって、自分の弱い気持ちの部分をすごく指摘してもらいました。
まだまだレースに対して気持ちは弱いって平原さんには言われたんですけど、そういう部分では、多分親王牌よりは違ったんじゃないかなと思います。
山本:やはりその部分でだいぶ走りにも違いが出てくるっていうような感じですか。
宿口:脚は当然なんですが、気持ちの面でも負けてたらもう話にならないので、そういうのを4選手の方に言ってもらいました。「気持ちの部分をもっと強く持たなきゃダメだ」って。
山本:元々宿口選手自身は気持ちに関して、他の選手と比べるとちょっと弱い部分があるかなという感じだったんですか。
宿口:今年はちょっと色々あったので・・・もう弱すぎてたかもしれないですね。
山本:少し色々なことが重なって気持ちが弱くなってしまった部分があったということですね。
宿口:でも、もうそういうのを言い訳にしてはいけないんですよ。
山本:そこを言い訳にせず、やっぱり結果でしっかりと答えていかなければっていうような気持ちということですね。
宿口:そうですね。
山本:京王閣自体は過去に優勝もあるように、相性自体悪くないように感じたんですが、ご自身の中でイメージはどうでしたか。
宿口:そうですね、京王閣はすごい走りやすくて、すごくいいイメージがありますね。
山本:レースを振り返っていきたいんですが、初日特選競争に関しては4番手でしたが、これまで4番手での経験っていうのはありましたか。
宿口:ないですね。
山本:実際どうでしたか。
宿口:やっぱりちょっと追走技術がそこまでないので、前が仕掛けるタイミングで自分の口が開いちゃったりするんで、そういう難しい面はありました。
山本:レースでは古性選手(古性優作選手・大阪100期)に掬われる部分だったり、新田選手(新田祐大選手・福島90期)と絡む部分がありましたが、あの辺りはご自身の中で振り返っていかがですか。
宿口:もう古性君に関してはさすがのレースで、新田君はずっと内にいて、ちょっと2コーナーで口が開いちゃってしっかり追走できなかったのは1つの反省点ではあります。
山本:ただ、直線では落車があったのを間一髪で避けました。あの辺り対応としていかがでしたか。
宿口:運良く避けられて、乗り上げなくて良かったですね。
山本:そして、2日目は森田選手(森田優弥選手・埼玉113期)に前を任せてのレースでした。捲り展開になりましたが作戦としては森田選手の好きなように、という感じでしたか。
宿口:もう本当に森田君はガンガン攻めるタイプの選手なので、基本的に任せて緩んだら行きますというレースでした。
山本:そういう感じだったんですね。
宿口:相手もやっぱり森田を7番手に置かないとって思ってるんで、ああいう形になるのはしょうがないですし自分も必死に食らい付いていけたので良かったと思います。
山本:そして準決勝戦です。関東ライン4車の中で3番手を回る競争でしたが、河合選手(河合佑弥・東京113期)は非常に気持ちが入っていましたね。
宿口:そうですね。地元の記念の準決勝で、絶対河合も勝ち上がりたいっていう気持ちはすごくあったと思うんですけど、やっぱりああいう形のレースをしてくれたのですごい嬉しいですし、それに応えられた3人も良かったなと思いますね。
河合の頑張りがあって佐々木と自分と中田(中田健太選手・埼玉99期)の3人が乗れたんで、そういう彼の気持ちに必死に答えられたのは良かったなと。その後河合とは話して「この次は今回の分を返せるように頑張るから」っていうのを伝えました。
山本:やはり競輪は人間関係が現れるものだと思いますが、河合選手に対しても、みんな声をかけて次は恩返しするぞ、という感じだったのですね。
宿口:はい、そうですね。
山本:あのレース、宿口選手は最終ホームから後ろを見て、佐々木選手の番手捲りを追走して、更に最後はコース開けながら、と非常に余裕があったように見えましたけどもその辺りはいかがでしょうか。
宿口:そうですね。脚に余裕を持ててレースが出来たと思います。
山本:ゴール後、中田選手にお尻を触られて声をかけられるようなシーンありましたが、あの辺りはどういう風なことを言われたんですか。
宿口:「やったよー!」みたいな感じでしたね。自分が何と返したかはもう覚えてないですけど。笑
山本:そして決勝戦ですが、まずは関東勢が8車勝ち上がってきましたが、並びに関して時間はかからなかったですか。
宿口:あ、もうすぐに決まりましたね。
山本:そこはやはり準決勝の流れもあってというような感じですかね。
宿口:いや、埼玉が4人乗ってるんで、もう埼玉は固まって走るからあとの関東勢はしっかり話し合って、という感じでしたね。だから僕らは比較的早く決まりました。
山本:作戦としてはいかがだったんでしょうか。
宿口:吉田(吉田有希選手・茨城119期)と森田の2分戦なんで、やっぱり前からの方が組み立てやすいよねという話をしていました。
山本:作戦通り、森田選手が前取って突っ張ってという感じになりましたね。打鐘付近で佐々木選手(佐々木悠葵選手・群馬115期)が内を狙うような動きがありましたが、あの辺りの対応というのはいかがでしたか。
宿口:想定はしていませんでしたが、やっぱり初日も内を掬われていましたからね。でも、こういうことが起きた時にこうやってやればいいというアドバイスを平原さんにもらってはいたので対応出来ました。初日と同じ失敗はしないようにと思って走りました。
山本:そして最終バック、平原選手が番手から出て、坂井選手(坂井洋選手・栃木115期)も自力に転じて結構良いスピードで捲って来たと思いますがあの仕掛けは見えていましたか。
宿口:いや、佐々木と併走していて、もうそこだけ踏み遅れないように集中しすぎちゃって、平原さんにも、後ろを見るなりすれば中田健太も3着に連れ込めたかもしれない。
ちょっとレースに余裕がなさすぎるな、と言われました。やっぱり平原さんが坂井選手を全部止めてるので、自分も少しでもアクションを起こしていれば、そういう結果になっていたかもしれないだろうなと思います。
山本:更に高いレベルのことを、平原選手は宿口選手に求めている感じなんですね。
宿口:そうですね。そういうのを突き詰めてやっていかないと、と言われたので。
山本:そして4コーナー、内が空いたところをついてゴール線を1着で駆け抜けました。ご自身の中でも優勝した時に、もう少し何かできたな、という気持ちもあったんですか。
宿口:ここ最近、レースの余裕がない、って言われていて・・・。あまりにもガチガチすぎでもダメだし、その辺りもう少しできればなとは思いました。
山本:視野を広くというか、周りを見ながらっていう感じでしょうか。
宿口:そうですね。今回も佐々木にとらわれすぎちゃって、吉田が捲ってきたのはわかったんですが、坂井までは見えていなかったですね。なので、その辺りも平原さんからは言われました。
山本:決勝戦もゴール後、次は平原選手が頭をポンポンとするシーンがありましたが、あの辺りはどういう言葉をかけられましたか。
宿口:あれはもう、良かったなあという風に言ってくれました。その後敢闘門に帰ってから、優勝は優勝だけどそういうとこ突き詰めてちゃんとやんないと信頼できる選手にならないぞ、と言われました。
山本:優勝自体を褒めるのは褒めた上で、更にそういうアドバイスもあってっていう感じなんですね。やっぱりファンの方からすると、平原選手と宿口選手の2人の関係性っていうところを注目してる方も結構多いなという印象ですが、その辺りどう感じてますか。
宿口:本当最近は迷惑かけっきりなので・・・。平原さん自身が言いたくないことも言わせちゃってると思います。から頂いたアドバイスを、これからのレースでしっかりとやっていきたいと思います。
山本:そして今年SS班として 1年を過ごされましたが、ご自身の戦いぶりは振り返ってはいかがですか。
宿口:今年に関しては自分で納得いくレースが1つもなかったですね。
山本:今まで以上にこう注目される1年だったと思うんですけど、その辺りファンの期待も結構色々なところで感じる部分もあったかと思いますがいかがでしょうか。
宿口:走れば自分から売れるような状況で、負けてもいいわけじゃないんですけど、勝たなきゃいけないなという気持ちにとらわれすぎちゃって、というのがあったし、悲観的になってしまうし、色々と悪循環でしたね。
山本:宿口選手はやはりお人柄が非常に穏やかで、あまりガツガツされてるイメージがなかったんですが、勝負になると結構燃えるっていう感じですか。
宿口:去年は結構気持ちが入っていて、今年は去年に比べたら、入っていないわけではないですが、その部分が圧倒的に足りないなっていうのは、振り返ると感じますね。
山本:やはりご自身がさらに高いステージに上がったことによって、必要なものも増えてきてっていう。
宿口:急にステージが3ランクぐらいあがっちゃたんで・・・。笑
山本:SS班にいきなりなるっていうのも本当に計り知れない重圧があるとは思いますけど、メンタルのケアの部分やモチベーションを上げる部分っていうところで、お休みの日はどのように過ごされますか。
宿口:なんだろうな・・・まあ物を買ってやる気を出させるみたいなのはやってたんですけどね。一応、今年もそういう風に物買ったりとかは色々やってます。
山本:差し支えなければ最近では何を買われましたか。
宿口:最近だとネックレスとバングルですね。
山本:そういうところでモチベーションをあげているんですね。そして今後、11月下旬に競輪祭も控えております。競輪祭は3年連続の出場という形になりますがそのあたりはいかがでしょうか。
宿口:素直に嬉しいですね。
山本:グランプリ出場っていうところに関してはもう勝つしかないような状況ですが、その辺りは意識されていますか。
宿口:そこに関しては考えてないですね。
山本:もうそこはもう本当に目の前の1戦1戦にっていう感じですね。
宿口:そうですね。言われたことをちゃんと実践でできるように心がけて、レースをするだけですね。
山本:競輪祭は去年も一昨年も準決勝戦に進出をしているように相性のいいような大会に感じますが、小倉バンクっていうのはいかがですか。
宿口:なぜか小倉はすんごい成績良くて。笑
バンク自体は好きですし一番走りやすいかもしれないですね。
山本:それは色々な要素があってっていう感じですかね。
宿口:なんか、全部好きですね。笑
お風呂もいいし食事も美味しいしバンクは走りやすいし、控え室も過ごしやすいし。
山本:もうオールオッケーですね。笑
宿口:よく寝れるしすごい好きですね。ほんと。笑
山本:それはもう小倉のお客さんは非常に喜ぶと思います。そして宿口選手は競輪祭ではこういう走り、こういう部分を見てほしいというようなアピールポイントがあったら、教えてください。
宿口:最近は自力でやることが少なくなってきてるんですけど、自力でやる時はしっかり位置取って、しっかり仕掛けるというレースを心がけることと、人の後ろは今までもらったアドバイスをレースでちゃんと実践できるようにやるのみですね。
山本:最後にオッズパーク読者の皆様、ファンの皆様へメッセージをお願いします。
宿口:今年もそろそろ終わるんですけど、納得できるレースが全くないので、あと2ヶ月、納得できるレースができるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一年発起し脱サラ。今年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
昨年は怪我もあり苦しんだデビュー1年目でしたが、年明けから優勝を積み重ね現在、賞金ランキングは9位という位置につけている吉川美穂選手(和歌山120期)。
ご自身二度目のビッグレース、競輪祭での『ガールズグランプリトライアル2022』へ向けての意気込みや現在の調子を伺いました。
山口:直近の豊橋は完全優勝おめでとうございました。
吉川:ありがとうございました。
山口:近況、何度も優勝をされています。現在の調子はいかがですか?
吉川:調子は良くなってきていると思います。
山口:去年は怪我もあり苦しまれたと思いますが、今年はここまで振り返っていかがでしょう。
吉川:怪我から復帰して調子も戻ってきていると思います。今年の後半で何度か優勝もさせてもらっていますが、脚の感じが良いというよりは、レースに慣れてきたという感じですね。
山口:慣れてきたというのは、具体的にはどういうことですか?
吉川:実は去年は一度も優勝していないんです。(本格デビュー後の初優勝は今年最初の伊東温泉)最初の頃は他の選手がどういう動きをしてくるかわからずに戸惑いもありました。
でもレースを重ねるごとに、それを覚えてきて自分がどのように対処していって良いかがわかってきました。そこから少しずつ結果が出てきたのかなと思います。
山口:今年の7月からは新人選手も入ってきましたが、それはいかがですか?
吉川:新人選手が入ってきても今まで通り、自分の走りをするだけですね。
山口:他の選手がどう、などは気にしないですか?
吉川:上位の選手がたくさんいる開催などはどう走るかはたくさん考えなくてはいけないですが、基本的にはどのレースも自分の力を出すだけです。
山口:取材時は賞金ランキング9位です。この順位はどう受け止めていますか?
吉川:まさか自分が年末になってまでこの順位にいられるとは思っていなかったので、1、2か月前からはオッズパーク杯ガールズグランプリを意識し始めました。
「今年の最初から意識してたらもっと良かったのにな」と思ってしまいました(苦笑)
山口:2年目でのここまで躍進できるとは、ご自身では予想していなかったんですね。
吉川:そうですね。こんなに優勝できるとは思っていなかったです。
9位でグランプリトライアルを走るにあたり、佐藤水菜選手(神奈川114期)など賞金ランキングは下位のナショナルチームメンバーも優勝を狙ってくると思うので、私はちょっと厳しくなるのかなと正直思っています。
山口:ビッグレースは今年はガールズケイリンフェスティバルを経験され、その時は決勝に進みました。その経験は今回に繋がりますか?
吉川:ガールズケイリンフェスティバルとトライアルレースではメンバーも勝ち上がりも違うので、自分にとっては今回の方がやりにくいと思います。
雰囲気も違うと思いますし、レースを想定した時にフェスティバルよりも頑張らないといけないなと感じています。
山口:メンバーをご覧になっていかがでしょうか?
吉川:まだ詳しく全員を見ている訳ではないのですが、強い選手がそろっているのでまずは決勝にのれるように頑張ります。
山口:吉川選手の強みは何でしょうか?
吉川:比較的、自由自在に流れに乗れるところかなと思います。
山口:戦法については意識はどのようにしていますか?
吉川:自分のいけるところから仕掛けたいと思っています。展開によっては位置を取ったりもありますが、基本は仕掛けたいです。
山口:理想の展開はどのようなパターンですか?
吉川:ベストは一番脚のある選手の後ろにいられれば勝ちやすいかなと思うんですが、実際はそう上手くいくことは滅多にありません。その中で自分がどう動いて位置を取って戦っていくかを考えています。
山口:ビッグレースになると動くタイプの選手がたくさんいますが、走りにくさはありますか?
吉川:動くタイプがたくさんいるのは、私にとってはそこまでマイナスにはならないと考えています。逆に全く動きがないレースよりは走りやすいです。
山口:今回、小倉バンクは初めてですね。
吉川:そうなんです。でも前橋は走っていますし、ガールズケイリン選手になる前のナショナルチームの時には伊豆の250バンクも走っています。
ただ400バンクのドームは初めてなのでどんな感じなのかわかりませんが、ドームは苦手ではないので問題ないと思います。初めてのバンクでも「初めてだから嫌だな」というのはないので大丈夫です。
山口:吉川選手は自転車経験が長いですが、それが活かされていると感じる時はありますか?
吉川:経験だけで走っている感じです。競技は長くやっていたので、スキルや考え方などは活かされていると思います。
山口:グランプリトライアルの目標は?
吉川:まずは決勝に乗ることが一番の目標です。
山口:2年目でのグランプリトライアル出場ですが、目標にしていたんでしょうか?
吉川:7月のガールズケイリンフェスティバルも今回のトライアルも「出られたら良いな」とは思っていましたが、具体的に狙っていた訳ではないです。日々のレースを積み重ねて、後半は何度も優勝させてもらっていたので、トライアルは出られるかなと思っていました。
山口:出場が決まった時はいかがでしたか?
吉川:出られて良かったなと思いました。
山口:他の選手のレースは見ますか?
吉川:じっくりとチェックするまではいきませんが、その日にあるレースは全部見ています。
山口:レースでは捲りを差しての1着も多々ありますが、前々にいるよりもそちらの方が得意パターンですか?
吉川:いや、基本的には前々を意識しています。後ろに取り残されたら勝負にならないことが多いですから。でも「この人ならいけるかな」という時は決め打ちでマークしたりしますが、それ以外で後方になった時は、位置を求めて動こうという意識があります。
山口:直近、豊橋の2走目は内側に包まれてピンチのように見えましたが、どうでしたか?
吉川:一旦引こうと思ったんですが、後ろに選手が続いていたので躊躇してしまいました。結局は引いた方が楽だったのかなと思います。
山口:前にいた中野咲選手(愛知110期)の捲りに続いての追い込みでしたね。
吉川:あのまま内に包まれて終わるということもあり得たので、危なかったなと思います。
山口:トライアルレースの前にそういうピンチをしのげたのは経験になりますか?
吉川:トライアルで私のことをわざわざ内に閉じ込めようという選手はいないと思うんですが、でも今後あのような形になった時には落ち着いて対処できるようにしていきたいです。
山口:では最後にグランプリトライアルへ向けての意気込みを、オッズパーク会員の皆様へお願いします。
吉川:トライアルレースは私にとって二度目のビッグレースです。しっかり決勝を目指して頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
先日松山競輪で行われた松山記念(GIII)を制し、デビュー20年目にして記念競輪初優勝を飾った神奈川の福田知也選手(神奈川・88期)にお話を伺いました。
山本:松山記念優勝おめでとうございます。
福田:ありがとうございます。
山本:GIII初優勝となりました。少しお時間経ちましたが、お気持ちはいかがでしょうか。
福田:そうですね。素直に嬉しかったですね。
山本:2003年にデビューをされて20年目、そして40歳でのGIII初優勝というのは、改めてどのように感じますか。
福田:そうですね...長かったようで...あっという間。まあ20年はあっという間だったんですけどね。ようやく、コツコツやってきてやっとGIIIが優勝できたかなって感じですね。
山本:ちなみに福田選手はこのような形でインタビューを受けるのは、経験としてはどうですか。苦手意識とかもないですか。
福田:あ~昔にはありますけど、もう最近ではほとんどないですね。苦手意識も特にはないですね。
山本:今回の松山記念、どのような思いで臨まれましたか。
福田:脇本君(脇本雄太選手・福井94期)が欠場になってしまったということで、どの選手にもチャンスがあるかな、と思いましたね。脇本君は本当に強すぎるんで。
山本:その中で福田選手自身もやっぱり優勝を狙っていきたいなっていうような気持ちはありましたか。
福田:うーん・・・まあ優勝というよりは、今まで裏開催のGIIIには結構呼んでもらっていたんですよね。
去年の松山も呼んでもらったりとか、今年は函館とか他のところでも9レース制の4日間のGIIIを結構走ってきたんですけど、そこで優出することができてなかったんで、やっぱりとりあえずは優出っていう気持ちがありましたね。
山本:そういう気持ちだったのですね。
福田:そうですね。その中でもちょっと今回のGIIIは結構裏開催の中でもメンバーが良かったので、良い勝負ができればなっていうのはありました。
山本:今回のシリーズを迎えるにあたっての状態面がやはり気になっていたファンの方もいらっしゃったと思いますが。
福田:小倉で落車しちゃって、それまでが結構ずっと上り調子だったんで、久しぶりに落車してどうなるかなっていうのもあったんですけど、怪我は幸い擦過傷程度で打撲とかもほとんどなくて。擦過傷は結構ひどかったんですけど、そこまで練習にも影響せずにうまく回復に向かって。松山記念に合わせたっていうわけではないんですけど、うまくケアができたという感じですね。
山本:前回の和歌山の時も着をしっかりとまとめられていて、動きも悪くないように感じましたが、その時と比べてどうだったんでしょうか。
福田:和歌山はまだちょっとなんかピリッとしないっていうか、着はまとまってはいたんですけど、動きがもう少し足りなかったという感じが自分の中でありましたね。
山本:その時と比べると、松山記念の時はかなり戻ってきていたと。
福田:そうですね。
山本:そしてレース初日ですが、鈴木陸来選手(静岡・117期)マークでしたが、鈴木選手が行ってくれましたね。
福田:そうですね。いつも陸来は頑張ってくれて1着も取らせてもらっていますね。
山本:そして鐘のところでは、中西選手(中西大選手・和歌山107期)も後方から早めに上がってきて、踏み合いになりましたが、あの辺りの対応はさすが福田選手だなと感じました。ご自身の中ではいかがでしたか。
福田:想定していた感じでしたね。陸来にも「中西は多分絶対来るから、中途半端にならないように。踏むなら踏むで、踏んでいてもらえれば、番手なり3番手なりをどかしていくことができるから」っていう風には言ってたんで、結構想定通りのレース展開でしたね。
山本:そのお話通り、中西選手が1人で来て、濱田選手(濱田浩司選手・愛媛81期)がもう1回追い上げてきたところもうまく牽制して、という動きもありましたが、あの辺りも福田選手の中では余裕があったというか、想定通りだったんでしょうか。
福田:はいはい、想定通りですね。
山本:そして、最後はコースをしっかりと縫って1着という形のスタートになりました。1走してみての感じはいかがでしたか。
福田:だいぶ冷静に判断もできてたし、3番手に濱田さんが入っちゃったっていうのも確認してたんで、あんまり内を開けれないなっていうのもあって、最後ちょっと陸来にも悪かったんですけど、内のコースを取らせてもらってという感じでした。
山本:そして2日目以降からは根田選手(根田空史選手・千葉94期)との3日連続の連係となりましたが、本当にお2人は相性がいいですね。
福田:そうですね。根田はいつも良いところから仕掛けてくれるし、まあ僕も離れることがないって言ったらあれなんですけど、根田はいつも「福田:さんは離れないから、全力で仕掛けられる。後ろが離れると思ったら仕掛けを躊躇して自分の仕掛けじゃなくなったり出切れなかったりということがあるけど、福田:さんが後ろの時は自分のタイミングで仕掛けて、あとは福田:さんが仕事をしてくれると思えるので、思い切って仕掛けられる」と言ってくれてますね。
山本:じゃあそこはやっぱり今まで何走も連係してきた中で、築き上げてきた信頼関係っていうのがあるんですね。
福田:やっぱり南関東勢の深谷君(深谷知広選手・静岡96期)にしろ根田君にしろ、まあ郡司(郡司浩平選手・神奈川99期)もそうなんですけど、踏み出しにキレがあるタイプが多いので。その辺を自分なりに強化してきたっていうのもあって、スピードに対応する脚力を強化してきたっていうのも自分の中ではあったんで、まあその辺がちょっと結果に現れてきて、離れなくなったっていうのが大きな成長かなと。
山本:そういったトレーニングっていうのは、この1年とか、そのぐらいのスパンでされてたんですか。
福田:うーん、ウエートトレーニング、ワットバイクのトレーニング、ジャンプトレーニングだったりとか、そういう色々なことを試行錯誤しながらやってきましたね。
山本:試行錯誤しながら少しずつ、成長に繋がっていったっていうような。
福田:そうですね。
山本:そして決勝戦のお話なのですが、初手はまず後ろ攻めということになりましたが作戦通りでしたか。
福田:そうですね。まあ根田君はどこでもいいよって感じでしたね。
山本:あ、もう取れたところからっていう感じだったんですね。
福田:はい。
山本:ちなみにそういったところの作戦会議は、ファンの方がなかなか伺い知れないところではあるんですけども、福田選手はご自身で「こうした方がいいよ」とか「こうしようか」って提案するタイプなんですか。
福田:いや、僕はもうなにも(笑)。好きなようにやってもらってって感じですね。
山本:もう自分は自分の仕事をするよっていう感じなんですね。そして、決勝戦残り2周のところで誘導下ろして、根田選手が前を抑えてという形になりましたが、その辺りも佐々木選手は引いていくだろうっていう感じだったんでしょうか。
福田:はい、想定通りでしたね。佐々木選手は地元だったんでね。「勝ちに行きます」と言ってたしまあそこまで突っ張ることはないだろうなっていうのはあったんで。
山本:最終周回の2コーナー付近からはもう福田選手も後ろを見ながら余裕があったように見えましたが、あの辺りはいかがでしたか。
福田:そうですね、まあいつも通りの根田君のかかりがあったんで、最低限の横の動きで止められるかなっていうのもありました。冷静に後ろを見て、判断できましたね。
山本:そして最終バックぐらいに差しかかったあたりから車間を開けていたように見えました。あの辺り、焦りが出てしまう部分もあっておかしくない場面、非常に冷静に見えましたがご自身ではいかがでしたか。
福田:んー、まあ何回も、連携してる根田君なんで。後半の踏み直しとか、その辺の感覚も自分の中でもわかってたんで、 車間的にもね、あれぐらいなら仕事にしやすい車間と、最後抜け出せるような車間を取りつつという形でしたね。
山本:そして最後の3コーナー付近、佐々木選手の捲りが福田選手の外に並びかけるぐらいのところまでは来てましたが、あの辺りはもう根田選手のかかりがやっぱり良かったですか。
福田:はい、良かったですね。
山本:もうご自身でもそんなに大きく振ることなくっていう感じでしたが、あの辺りは止まるなっていうような。
福田:決勝戦なんで、やっぱシビアに阿部君(阿部力也選手・宮城100期)もね、内をついてくると思ってたんで、あんまり大袈裟な動きはしたくないなっていうのが自分であったので、 本当に体が並んでから、体をぶつけに行くような感じで持っていこうというイメージでした。実際、横に来てる感じがなかったんで、冷静に判断できましたね。
山本:そして、直線は一気に前へ踏みましたが、やはり阿部選手の動きが気になったかと思います。あの辺りはいかがでしたか。
福田:うん、そうですね、中を割られないようにギリギリを踏んでって感じで、まあ踏んだ感触も自分的には良かったんで、抜かれることはないかなっていう感じはありましたけど。
山本:そしてゴールした瞬間、「自分が優勝した」というところの感覚、お気持ちはいかがでしたか。
福田:本当はGIIIなんでね、優勝なのでガッツポーズとかしたかったんですけど、なんかもう先行の番手で仕事をすることもなく抜け出して、なんかあっけなく終わってしまった感じで(笑)。 それでまあ何にもしてなくて、根田君さまさまでみたいな感じで終わっちゃったんで最後ちょっと恥ずかしいなと思って。
山本:そうだったんですね(笑)。ただ、ゴール後引き上げてくる時、松山競輪場はファンの方が近いと思いますが、そこでは何度もガッツポーズしたり、手を振ったりされていました。あの辺りのご自身の気持ちや、お客さんの反応はいかがでしたか。
福田:「おめでとう」とか「やったな」みたいな感じでファンの方々が祝福してくれたので、それには答える形で、応援してくれた人たちに対してはアピールさせてもらいました。
山本:そして周りの反応と言いますと、同期の鷲田佳史選手(福井・88期)がTwitterで、学校時代から福田選手はすごく優しかったし、嬉しいというような反応がありましたね。
福田:それを見ましたけど、ああやってSNSとかで反応してくれるとすごい自分も嬉しいし、励みになるっていうか、また頑張ろうって気持ちになりますね。
山本:他の同期の方々からも祝福はありましたか。
福田:あ、そうですね。まあ同期じゃなくても色々な人からLINEとかいただいたりとかして、裏開催のGIIIだったんですけど、でも「GIII初優勝よかったね」みたいな感じで結構メッセージをいただいたんで、それで、なんか実感が湧いてきたって感じですね。
山本:ちなみに福田選手は、TwitterやインスタグラムなどのSNSをあまりされてる印象はないんですけど、実際はどうなんですか。
福田:やってないんですよね。まあ、アカウントは持ってます。
山本:見る専門みたいな。
福田:そうですね。
山本:特に最近、競輪選手の方でSNSをされてる方も増えては来てますが、あまりご自身で発信される予定はないのでしょうか。
福田:あーでも、これを機にちょっとやってみたいなっていうのはありますね。山口幸二さん(岐阜62期(2012年引退))もつぶやいて下さっていて、ああいうの見るとすごいありがたいですね。
山本:お、では今後その辺り、ファンの方も期待をしてよろしいですか。
福田:そうですね、ちょっとやっていこうかなって思います。
山本:あとはご家族の反応はいかがでしたか。
福田:家族はまあ「やったね」ぐらいの感じで、母親はね、喜んでくれてましたけど、妻とか子どもはね、まあそこまで(笑)。まあ内心は喜んでくれてはいるんでしょうけど、「おめでとうおめでとう!!」みたいな感じではなくて「よかったね~」という感じでしたね。
山本:労いのような感じだったのですね。10年以上前のインタビューの記事で、休日はお子さんと遊ぶっていうのも拝見したんですけど、もうお子さんも結構大きくなったのではないでしょうか。
福田:大きいですね。もう大きいんで、あんまりこう色々遊んだり手をかけたりとかしてあげられなくて、最近ちょっと弟子も取ったんで。ちょっと自分のことも忙しくて子どもの面倒見てあげられてないんで、もう少し子どものことに目を向けたいなってのは思いますね。
山本:今回GIII初優勝ということで、家族みんなでご飯に行ったりとか、美味しいもの食べたりとかは。
福田:家族では家でやりましたね。ケーキ買ってきてもらって(笑)。
山本:家でちょっとパーティー的な感じですね。慎ましくというか、どこかのお店でとかいう感じじゃなくて。
福田:そうですね。
山本:いいですね。その美味しいもの繋がりで、ファンの方から1つ質問がありまして、福田選手は甘いものはお好きですか。
福田:あ、好きですね。
山本:ファンの方が美味しいおすすめのスイーツがあったら教えてほしいという質問が来てたんですけど、何かあれば(笑)。
福田:そうなんですね(笑)。あ~あの、「アンジェリーナ」っていうお店のモンブランがあるんですけど、そこのモンブランは非常におすすめです。大人の味ですね。そこまで甘すぎない感じで。
山本:お店はもう全国とかにあるわけじゃなくて、1店舗っていうような。
福田:基本は店舗で、たまにどこかのデパートとかで出していたりしていますね。(アンジェリーナ・モンブランで検索すると出てきました。常設店、催事店の情報がHPにありましたのでぜひご覧ください)
山本:そして今回川崎競輪場が改修工事に入り、愛着があるバンクへの寂しさもあると思いますが、その辺りは福田選手ご自身はどう感じてますか。
福田:やっぱりバンクで練習してる人が多かったので、そこに関しては不便だと思うんですけど。ただ、結構バンクにダメージが来ちゃってたんで、練習する人たちも走り辛いという意見も多くて、まあ、そういう面ではね、改修して綺麗になったバンクで気持ち新たにみんなで練習できたらいいなっていう感じはありますよね。
山本:その川崎競輪場で1番思い出に残ってるレースやレース以外のことで思い出があれば教えていただければ。
福田:この間、10月2日(日)なんですけど、最後にファン感謝祭みたいなもの(かわさき競輪場 選手交流ファン感謝祭)があって、結構な人数、家族連れの人たちも来てくれたんで、競輪場を色んな人に知ってもらえたし、ああいう感じでイベントでできれば、色んな人に競輪を知ってもらえるし、新たなファンの獲得に繋がるんじゃないかなと。リニューアルしたらまた大きなイベント、リニューアルイベントみたいなのはしたいなっていうのは思ってますね。
山本:レースでの思い出は何かありますか。
福田:レースはあんまりないんですよ。でも、それこそ引退された村上さん(村上義弘さん・京都73期(先日引退))と桜花賞で走ったことがあるんですけど、まだ20代で自力でやっているときに先着したことがありますね。
山本:すごい。それは思い出に残りますね。そして今回GIII初優勝となりましたけども、今後はどのようなことに目標を置いていきますか。
福田:そうですね。やっぱり同じGIIIと言えども、次は12レ-ス制のSS班もいるようなGIIIを勝ちたいですね。
山本:その先にはやはり特別競輪というところも見据えてという感じになりますか。
福田:まあ、そうですね。年齢も年齢なんで、もう1戦1戦やっていくだけなんですけど、今回もね、チャンスが巡ってきて取れたんで、そういうチャンスをものにできる体作りは常にしといてって感じですかね。
山本:最後になりますが、オッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。
福田:そうですね。今回皆様の応援のおかげで GIIIで初優勝することができて、本当に嬉しく思うんですけど、これからも1戦1戦、40を超えて弱くなったって言われないように、練習を頑張って努力していきたいと思いますので応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一年発起し脱サラ。今年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
11月になり男子も女子も賞金争いが激しくなってきました。11月22日からは小倉競輪場で『ガールズグランプリトライアル2022』が行われます。
10月末の富山で完全優勝をした久米詩選手(静岡116期)もグループBで出場します。近況の振り返りとトライアルレースへの意気込みを伺いました。
山口:10月末の富山、完全優勝おめでとうございました。
久米:ありがとうございました。
山口:完全優勝は久しぶりだったんですね。
久米:はい、1年以上していなかったので、久しぶりにできて良かったです。
山口:9月の四日市での優勝もありました。こちらも1月以来の優勝と意外でした。
久米:はい、久しぶりに優勝できて少しずつ復調してきているのかなと思います。
山口:ここまでは何か変化はあったんですか?
久米:優勝のない期間に特に変えようと思っていたことはないです。ずっと同じことを続けていたのですが、結果が出るのが少し遅かったですね。いろんなものが良い方へ繋がってきての優勝だと思います。
山口:SNSでウェイトトレーニングの写真を拝見したんですが、重点的に取り組んでいるんですか?
久米:はい、デビュー直後からウェイトトレーニングはこまめに練習メニューに加えるようにしています。
山口:肉体改造も取り組んでいるというお話も聞きましたが、それはいつくらいからですか?
久米:去年の11月、ガールズグランプリトライアルが終わった頃です。
山口:言える範囲で構いません。どのあたりを強化していたんですか?
久米:体格に恵まれている方ではないので、それを筋力でカバーしたいなと思っていました。世界のトップ選手は体格が良い選手が多いので、まずは底上げという意味で筋力の増量を重点的にしていました。
山口:現在も続けているんでしょうか?
久米:そうですね。引き続き取り組んでいます。
山口:いろんな部分が繋がっての優勝というお話でしたが、10月から完全にスポーク車輪に変わりました。久米選手はそれについてはどう感じていますか?
久米:特には変化はないかなと思います。元々スポーク車輪の方が得意でしたし。ただ以前よりスピードは出にくくなるので、力勝負はしやすくなるのかなと感じています。
山口:ウェイトトレーニングなどで筋力アップすると、力勝負もしやすいんでしょうか?
久米:そう思います。
山口:では、完全優勝の富山のレースを振り返らせてください。33バンクというのは意識されましたか?
久米:はい、33バンクなので立ち遅れないように注意していました。前の選手の様子を見つつ、前が仕掛けがないなら自分で仕掛けていこうと準備はしていたの、タイミングよく仕掛けられたと思います。
山口:初日は残り1周からのカマシ先行で、増田夕華選手(岐阜118期)と踏み合いになる形でした。先行も考えていたんですか?
久米:はい。ただ前にいた増田選手はダッシュ力があるので、前で合わされてしまうと嫌だなと思っていました。流れで出てしまう形になり中途半端な仕掛けになってしまいました。
山口:その後、増田選手の後ろにはまった後の判断はいかがでしたか?
久米:私の後ろが車間が少し空いていたので、展開に恵まれてはまったという感じでした。
山口:決勝は近況対戦のあった坂口楓華選手(京都112期)が初手、久米選手の後ろの位置でした。それは意識されましたか?
久米:初手の並びで後ろにいるのは確認していました。後は後ろの選手の仕掛けを気にしつつのレースでした。
山口:前もどんどん仕掛けていっていましたが、差したタイミングも良かったんですか?
久米:そうですね。よかったと思います。
山口:完全優勝での手応えはいかがですか?
久米:連勝で決勝に上がるというのも久しぶりだったので、この完全優勝で良い流れを掴むきっかけになったかなと思います。
山口:9月の四日市、10月の富山と2回の優勝がありますが、ご自身の思いに違いはありますか?
久米:四日市は久しぶりの優勝だったので「優勝できてほっとした」という気持ちでした。富山はそれよりは余裕があって喜びの方が大きかったです。
山口:優勝していない期間は焦りなどもありましたか?
久米:かなりありました。
山口:どんな気持ちで過ごされていたんですか?
久米:結果が出ない以上はやるしかないなと思っていました。「前回の優勝(2022年1月)からもうすぐ1年経つな」と思いつつも耐えていました。
山口:賞金争いも終盤、勝負の時期だと思いますが、ここで結果が出たのは良い流れではないですか?
久米:はい、競輪祭のグランプリトライアルに向けてなんとか間に合わせるように、少しずつできているのかなと思います。
山口:直近のビッグレースのお話も聞かせてください。今年は初めてのガールズドリームレースを走りましたが、いかがでしたか?
久米:繰り上がりで走らせてもらったんですが、「ファンの皆様のおかげで走らせてもらえる」という気持ちが大きかったので、来年も出られるように頑張りたいなと思いました。
山口:アルテミス賞レースは昨年走っていますが、違いはありましたか?
久米:いえ、どちらもファンの皆様のおかげで出られるレースなので、自分の中で差はないです。でも昨年より順位を上げられたというのは、それだけファンの方からの評価をいただけているのかなと感じました。
山口:ナショナルチームの選手もいたレースでしたが、走り終えていかがでしたか?
久米:完全に良いコンディションではなかったというのと、自分のやりたいレースが思うようにできなかったので、自分が思っている以上にトップの選手との差を見せつけられました。
ただそれをモチベーションにして「また頑張ろう」と思える、きっかけのレースになりました。
山口:言える範囲で、具体的な収穫は何かありましたか?
久米:全体的に脚力の差がかなりあるので、技術や展開の作り方などに底上げが必要だなと感じました。
山口:ありがとうございます。では競輪祭でのグランプリトライアルについてですが、グループBですがメンバーを見て印象はいかがでしょうか?
久米:どちらに入っても強い選手ばかりなので、自分のやりたいレースをできれば良いかなと思います。
山口:久米選手は参加選手のレースをVTRなどで見て対策は立てるタイプですか?
久米:対策は、競輪場に入ってメンバーを見てからですね。相手が誰でも、まずは自分のやりたいレースをしたいと思っています。
山口:オッズパーク杯ガールズグランプリへ向けての思いはいかがですか?
久米:優勝もあり、少しずつ調子も上がってきているので、トライアルレースはグランプリへのラストチャンスだと思ってしっかり仕上げて行けたら良いなと思います。
山口:2020年のトライアルレースでは決勝進出もありましたね。
久米:その年は初めて走ったので、みんなから警戒されていなくて比較的走りやすかったんですが、次の年は警戒されていた分、力を出しにくかったです。
どちらのパターンも経験しているのでその中で自分の力を出し切れたら良いなと思います。
山口:直近の3日制のビッグレースだと、7月ガールズケイリンフェスティバル(玉野)と、6月のガールズ10周年記念レース(平塚)も強い選手が揃っていたと思いますが、そこでの経験値は生かされそうですか?
久米:ビッグレースだけではなく、全てのレースで力を出し切ることを前提でやっているので、相手がどうだからというのは関係ないです。
山口:組み立ても走っていて瞬時に考えるんですか?
久米:そうですね。流れを見ながら組み立てています。
山口:直近のレースで「これはうまくいったな」というレースがあれば教えてください。
久米:富山の開催の2日目と決勝は、立ち遅れもせず、仕掛けてくる選手に反応できていたと思います。ビッグレース・通常開催関係なく、同じような動きができたら自分にチャンスが回ってくる可能性が高くなるので、そういうレースをしたいです。
山口:静岡の決勝では石井寛子選手(東京104期)と位置取り争いで並走もありました。その形の場合はどうでしょうか?
久米:あのレースの場合だと技術が必要になってくるので、技術でカバーしないといけないですね。それは課題でもあります。
山口:では現在の調子はいかがでしょうか?
久米:コンディションは上がってきているので、まだ少し時間はあるのでリカバリーをしながら引き続き調子を上げていきたいです。
山口:開催が詰まっていますが、それは問題ないですか?
久米:日程が詰まっていることで、得意不得意はないです。斡旋が出た段階でスケジュールを立てています。
山口:グランプリトライアルへ向けて強化していきたいポイントは何ですか?
久米:短期間で強化することは難しいので、状態を良くすることだけを考えています。
山口:「ファンの皆様のおかげ」という話が何度も出ていましたが、SNSでグッズプレゼントの企画をされていました。お客様から直接メッセージを受け取っていかがでしたか?
久米:ハガキで応募していただく形にしたので、直筆でメッセージをいただくのはSNSとは違った嬉しさがあり新鮮でした。応援を力に変えて頑張りたいです。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の方に、グランプリトライアルへの意気込みをお願いします。
久米:グランプリに繋がるラストチャンスなので、年末に良い走りができるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
122期でデビューした河内桜雪選手(群馬112期)。デビュー戦は納得がいくレースではなかったそうですが、本デビュー後は決勝進出を重ねています。デビュー戦からここまでの振り返りと今後の目標、また選手を目指したきっかけなどもお伺いしました。
山口:デビューからここまで振り返っていかがですか?
河内:ルーキーシリーズはなかなか良い結果が出ず、最後の大宮でようやく決勝に乗れました。そこで良い着が取れてから少しずつ上がってきて、今のところは決勝にのれているので、まずまずかなとは思います。でも9月の岸和田決勝で落車をしてから調子を落としてしまい、少しお休みをもらっていました。函館で復帰する予定です。今の練習では良い感触があるので、復帰したら優勝を目指して頑張りたいです。
山口:ではデビューの頃から振り返っていきます。デビュー前からメディアの取材があったようですが、注目されるのはどう感じていましたか?
河内:あまり良い結果が出ていない中で取材をしてもらっていたのは、「私で良いのかな。この成績だと情けないな」と思っていました。
山口:注目の中でのデビューでしたが、振り返っていかがでしたか?
河内:デビュー戦の松戸、その次の四日市は、かみ合っていませんでした。「自分では懸命に踏んでいるのに何でこんなに結果が出ないんだろう」とすごくもどかしかったです。練習でも良い感触だったし、足も今と比べても悪くはなかったのに、なぜか結果には繋がらず悩んでいました。
山口:緊張感で体が硬くなってしまう、などもなく、今と変わらなかったですか?
河内:最初は確かに緊張はしていました。でもそこまで変化はないと思っていたんです。更に、結果が出なくなればなるほど落ち込んでしまっていました。
山口:ルーキーシリーズでは大宮では決勝進出がありましたが、四日市では失格もありましたね。
河内:結果が出ない中の失格だったので、今まで自転車競技を9年間やってきたんですが、その中で一番落ち込みました。
山口:プロになって、この短い中でいろんな経験をしたんですね。
河内:最初にいろいろな壁にあたるとは思っていたので、これを乗り越えれば良い結果が出ると信じて前向きに頑張っています。
山口:大宮では決勝で2着という成績でルーキーシリーズを終えました。ルーキーシリーズは3開催走り、他の選手よりは多かったと思います。それはいかがでしたか?
河内:本デビューの前にお客さんの前で3開催分走れたのは良かったです。多ければ多いほど良いと思っていたので、3開催走れて良かったです。
山口:養成所の時にはなかった、お客様の前でのレースはいかがでしたか?
河内:デビューの松戸がお客さんもすごく多く、歓声もたくさん聞こえました。これだけ見に来てくれるんだとびっくりしたし緊張しました。
山口:本デビューは地元の前橋でしたね。斡旋が決まった時はどうでしたか?
河内:自転車競技を始めたのも前橋でしたし、そこからデビューまでいろんな方に支えられてここまで来ました。前橋でデビューした姿を見てもらって恩返しをしたかったので、良いスタートが切れたのかなと思いました。
山口:2日目には初勝利もできましたね!
河内:本デビューは苦戦するだろうと思っていたのですが、初日から3着と確定版に入れたことで流れがつかめました。
山口:戦法や性格なども知っている同期とのレースよりも、先輩選手と混ざってのレースの方が走りやすかったですか?
河内:同期はずっと一緒に走ってきたんですが、卒業して一斉に全員の練習環境が変わりました。それで今までの印象と違い読めない部分が多かったです。先輩のレースはVTRを見られるため、たくさん研究してレースへ参加しました。それで流れをつかみやすかったのかもしれません。
山口:なるほど。VTRを見て研究できるのは違うんですね。
河内:でも先輩方はやっぱり強いので、それだけでは勝てないと思います。「挑戦するぞ」という気持ちでいったのか良かったのかもしれません。
山口:手ごたえは感じていますか?
河内:脚だけでは勝てない世界だなと感じています。まだまだ厳しいですね。
山口:1着を取っているレースを見るとすべて捲りを差しての1着ですが、スピードに乗っていく方が得意ですか?
河内:自力を出して勝ちたい気持ちはあるのですが、自力を出して確定版にのれる自信はないです。今はレースの流れを見て、それを覚えていき「もし自力を出すなら、どこから踏めば勝てるかな」と考えて試しています。
山口:「ガールズケイリン」という大きな流れを見ているんですね。
河内:そうですね。
山口:ではデビュー前のお話を聞かせてください。先ほども仰っていましたが、自転車競技経験が長いですね。選手を目指そうと小さい頃から思っていたんですか?
河内:初めてガールズケイリンを見た時から「選手になりたい」という気持ちしかなかったです。競技もやっていたので、オリンピックを目指すという選択肢もあったんですが、私は選手になりたかったので一直線でここまできました。
山口:それはいつ頃だったんですか?
河内:小学校6年生です。もともと父が選手を目指していたんです。なのでまわりに選手がいて環境に恵まれていました。父に連れられて男子のレースはそれまでも見たことがあったのですが、初めてガールズケイリンのレースを見たのは、前橋でガールズケイリンコレクションがあった時です。その時にこれだ!と思い、次の日には自転車に乗っていました。
山口:それは凄いですね!お父様が用意してくださっていたんですか?
河内:家にすでにローラーなどはあり、機材もかなり揃っていました。あとは私が「乗りたい」と言うだけだったみたいです(笑)父は、私が「自転車をやりたいと言うかもしれない」と思っていたのかもしれませんね。
山口:良い環境だったんですね。そこから選手を目指して、壁はなかったですか?
河内:たくさんありました。高校は自転車部のある前橋工業に進んだのですが、男子部員しかいませんでした。一緒に練習するのは男子だけだったのでつらい3年間でしたね。
山口:養成所で「一緒に選手を目指すガールズ」がたくさんいる環境はどうでしたか?
河内:初めて女子の選手と毎日たくさん練習して、女性にしかない体調の変化などみんな同じ悩みをかかえています。それを分かち合えたのはすごく良かったです。良い経験になりました。
山口:しんどいよりも、充実感があったんですね。
河内:もちろん養成所の時は毎日しんどい思いをしていました。人生でこんな経験をすることはないくらい過酷だったので、それを乗り越えられたのは今思えば良い経験だったと感じます。プラスになりますね。
山口:在所成績3位で卒業されましたが、意識はしていましたか?
河内:上は目指してやっていました。
山口:養成所時代は、戦法への意識はいかがでしたか?
河内:競走訓練では、最後方の7番手からでも捲れるかどうかをよく試していました。捲りきれるのが凄く楽しかったんです。訓練後もシッティング(座った状態)でも捲れるよう、自主練をしていました。
山口:長い自転車経験を含めて、今の武器はなんでしょうか?
河内:9年間やってきて一度も「やめたい」と思ったことがないです。たくさんの壁にあたってきても挫折せずに乗り越えてきたので、これからもどんな大変なことがあっても乗り越えた先に未来があると信じて頑張りたいです。
山口:前向きな気持ち、少ししか話していない私にも伝わってきます。
河内:ありがとうございます。
山口:では今の目標は何ですか?
河内:一番の目標はオッズパーク杯ガールズグランプリに出場することです。でもたくさんの目標を立てて一つ一つクリアしていく方が私にあっているので、目の前の目標は初優勝です。
山口:理想のレーススタイルはどのようなイメージですか?
河内:1着を取る時に、人の力を借りてではなく自分で動いて、レースを作って勝つことです。それが自信に繋がるし満足もできると思います。いつかは自力を出して優勝したいです。
山口:憧れの選手はいますか?
河内:加瀬加奈子選手です。
山口:京王閣では加瀬選手を差して1着でしたね!
河内:はい、すごく嬉しかったです。加瀬さんは私が選手を目指した時から活躍をされていて、先日初めて会った時にすごく優しくしてくれました。新人の私に、たくさん話掛けてくれたし、助けてくれました。選手として憧れていましたが、会ってからは私も加瀬さんのような人になれるように、と憧れています。
山口:会って、より憧れが強くなったんですね。
河内:はい、素晴らしい人でした。
山口:プロになってから、流れなどはできてきましたか?
河内:はい。朝8時半ころから前橋のドームで13時半くらいまで練習をします。帰宅してから午後はジムに行くという生活をしています。 後はそれを結果に繋げていきたいです。
山口:賞金をもらっての生活になりますが、今までとの変化はありますか?
河内:決勝で良い着を取れば取るほど賞金は上がるし、その場で手渡しでもらえるので、やる気が上がります(笑)
山口:プロの醍醐味ですね!(笑)大きなお買い物はしましたか?
河内:まだスマートフォンを買い替えたくらいです(笑)養成所の費用があったので、今は貯金しています。
山口:今後が楽しみですね。本デビューしてお客様の支持はオッズであらわれますが、オッズは見ますか?
河内:緊張するので見ないようにしたいのですが、どうしても目に入るので、走る前にちらりと確認するくらいです。人気になっている時の方が緊張しますね。
山口:落車についてはどう受け止めていますか?
河内:落車はいずれあると思っていたので、恐怖心はありません。実は今回については落車が起きた時に「うまく避けれたな」と思いました。でも前の選手の後輪が乗り上げて、私の前輪タイヤが外れてロックがかかって落車してしまったので、その瞬間にハンドルを少しでもきって避けていれば巻き込まれなかったのにと反省しています。
山口:対処はできそうだったんですね。
河内:はい、見えてはいました。
山口:ではそこから今復帰に向けて練習状況を教えてください。
河内:落車後、いわき平を走る前にレントゲンを撮って問題なかったので参加したのですが、1走目終えてから急に痛みが出てきてしまい途中欠場をしてご迷惑をおかけしました。 MRIを撮ったら右鎖骨の下の筋肉や筋が傷んでいたのがわかり、そこから強い痛みで1週間ほどは自転車に乗れませんでした。現状はスピードも以前くらいに戻ってきていますし、問題ないと思います。
山口:競輪選手になり全国あちこち行きますが、それはいかがですか?
河内:私はまだあちこちに行っても慣れないですし、仕事で行っているので観光などはできませんが、家族からは「良いな」と言われます。レース後にご当地のおいしいものを食べられれば良いですね。
山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の皆さんへメッセージをお願いします。
河内:いつも応援ありがとうございます。落車に続きいわき平の途中欠場では迷惑をお掛けしてしまいました。次の開催に向けて、自分の力を全部出せるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社