NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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今年も8月5日の門別からヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンドが始まった。そこからやや間隔が開いたものの、9月15日の金沢からは、ほぼ毎週のように若手ジョッキーたちの争いが全国で繰り広げられる。
昨年からYJSのルールが変更され、地方騎手の出場資格が4月1日の時点でデビュー2年目以降の騎手となった。しかしそうなると、たとえば1年目に101勝に到達して減量がなくなった騎手はYJSに一度も出場できないままとなってしまう。そのため今年さらにルール変更があり、1年目で減量を卒業してしまった騎手は2年目に限って出場資格が与えられることになった。
というのも、昨年4月にデビューした佐賀の長谷川蓮騎手が今年3月7日に101勝に到達し、騎手免許を受けてから1年経たないうちに減量を卒業したため、昨年までのルールであればYJSに出場できないところだった。こうした騎手にも一度はYJSへの出場機会を与えようとのことでのルール変更であろう。
ちなみに2024年4月にデビューし、その年のYJSのファイナルラウンドで2位になった名古屋の望月洵輝騎手も、デビューから1年経たない翌25年1月6日に101勝に到達して減量を卒業した。その望月騎手は8月29日現在、今年197勝を挙げ地方全国リーディングで3位という活躍だ。
今年の新人騎手でも、名古屋の近藤颯羽騎手が、初騎乗(4月20日)から約4カ月で29勝と活躍している(8月29日現在)。
近年、若手騎手の活躍が目立つようになったのには、いくつか理由が考えられる。
どこの世界でもおそらく同じような傾向はあるだろうが、かつては上下関係が厳しくデビューしたばかりの若手騎手は騎乗機会を得ることすら難しかった。しかし近年ではデビューしたばかりでも積極的に騎乗機会を与え、育てていこうという風潮が当り前になってきた。
また多くの競馬場で騎手が不足しているという事情もある。加えて近年では、期間限定騎乗の制度ができ、騎乗機会の少ない若手騎手でも騎手が不足している競馬場で騎乗機会を得るということも可能になった。かつて、日本の高度経済成長期(1950〜60年代)には、中学を卒業して地方都市から東京や大阪などの大都市に働きに出る若者が"金の卵"と呼ばれたことがあったが、近年デビューする騎手も"金の卵"といっていいかもしれない。
さらに、そもそも近年ではデビューする新人騎手の技術が確実に向上したということもあるだろう。2000年頃まで、現在のほぼ2倍の全国30場で地方競馬が開催されていた時代には、半年ごとに十数名、年間で30〜40名ほどの新人騎手がデビューしていた。当時は実際に騎手免許をもらって競馬場に所属してから腕を磨くという風潮だったのが、近年は少数精鋭となって、地方競馬教養センターの候補生のうちにより高い技術を得て卒業する新人騎手が少なくないように思われる。
近年はJRAでも女性騎手の活躍が顕著だが、地方競馬でも若手女性騎手の活躍が目立っている。
昨年名古屋でデビューした小笠原羚騎手は、昨年は4月のデビューから9カ月で31勝を挙げたが、今年は8月29日現在(以下、同)ですでに28勝を挙げている。
2021年4月にデビューした兵庫の佐々木世麗騎手は今年一気に勝ち星を伸ばし、ここまで65勝。兵庫リーディングで6位という活躍だ。
2019年10月にデビューした岩手の関本玲花騎手は、24年41勝、25年43勝、そして今年もここまで24勝と、コンスタントに勝ち星を重ねている。
そして女性騎手で忘れてならないのが、ばんえいの今井千尋騎手。2022年12月にデビューし、23年103勝、24年105勝、そして25年には142勝を挙げ、日本の女性騎手の年間最多勝記録を更新。今年もすでに95勝を挙げている。
さて、YJSの話に戻ると、昨年デビューした小笠原羚騎手は、冒頭で触れたルールによって、YJSには今年初出場となる。昨年は中京競馬場でのファイナルラウンドで誘導馬に騎乗したが、今年はトライアルラウンドで上位に入ってファイナルラウンドに出場したいところだろう。
またすでに減量を卒業している佐賀の長谷川蓮騎手も、今年一度限りのYJS挑戦となるだけに活躍を期待したい。