9頭立ての少頭数ではあるが、二冠を分け合った2頭に加え、別路線組や春以降の上り馬もいたりして、必ずしも2強の一騎打ちではなさそうな感じ。
ただ能力面では春の実績馬を評価しないわけにはいかない。ここまで8戦7勝、2着1回と底を見せていないのがスマイルミーシャ。唯一の敗戦は菊水賞だが、ベラジオソノダラブに主導権を握られ、直線での瞬発力勝負となって差を詰めたものの1馬身半差までと、展開的なところが大きかった。逆にベラジオソノダラブより前の2番手で進めた兵庫ダービーでは、3コーナー手前からの一騎打ちで徐々に差を広げ3馬身という決定的な差をつけて勝った。前走古馬格付けとなって5馬身差の楽勝。3歳のこの時期に古馬B1戦でそのレースぶりはおおいに評価できる。
一方のベラジオソノダラブは、兵庫ダービー以来約2カ月半ぶりの実戦。ここまでスマイルミーシャとの直接対決では1勝2敗。園田ジュニアカップがクビ差2着、菊水賞は前述のとおり1馬身半差で勝って、兵庫ダービーは3馬身差をつけられた。追い切りでは強めに追われてしっかり時計を出しており、お互い秋になっての成長度合いがどうか。
3歳以降、遠征も含めて牝馬路線を歩んだのがマルグリッド。2歳時、門別から転入初戦のアッパートライではベラジオソノダラブを3着にしりぞけて勝った経験があり、中央馬相手の関東オークスJpnIIで勝ち馬から0秒9差の5着は評価できるもの。前走兵庫サマークイーン賞は、牝馬同士とはいえさすがに古馬の壁は厚かった。格上相手の経験で力をつけていれば、2強の間に割って入る可能性も十分。
スネークアイズはここまで重賞は兵庫ユースカップでベラジオソノダラブの7着という経験だけだが、その後は自己条件で3着を外したのは一度だけ。古馬格付けとなってB2特別を6馬身差で圧勝し、前走B1特別でもそれほど差のない3着なら能力的に見劣ることはない。ただ3歳以降は1500メートル以下を使われてきたところでの1700メートルへの距離延長でどうか。
馬券圏内はこの4頭の勝負。
◎7スマイルミーシャ
◯5ベラジオソノダラブ
▲3マルグリッド
△8スネークアイズ
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金沢所属としては初めての他地区遠征となった兵庫サマークイーン賞を制したハクサンアマゾネスだが、地元の読売レディス杯には出走せず。加藤和義調教師によると、そもそもスタートに課題があり、特に金沢の1500メートルでは出遅れるとのこと。距離が長ければある程度リカバリーもきくが、1500メートルではそれも難しい。地元戦は回避して1700メートルのここを狙ってきた。グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンは、ここが終われば最終戦のレディスプレリュードJpnIIを残すのみ。優勝を狙うには負けられないところ。
GDJ古馬シーズンで、目下ポイントトップが大井のジュランビル。初戦の佐賀ヴィーナスカップを制したほか、遠征を重ねてここがシリーズ4戦目。距離は1400メートルから2000メートルまでオールマイティにこなすだけに、ここを勝って15ポイントを加算すれば優勝にかなり近づく。
地元期待がブリーザフレスカ。中央未勝利から昨年秋に転入し、13戦してすべて3着以内。重賞初挑戦となったトリトン争覇を7馬身差で圧勝。今回と同じ1700メートル戦でコースレコードだった。名港盃は3着だったが、いずれも牡馬相手の重賞。牝馬同士なら圧勝まであるかもしれない。
大井のグランパラディーゾは遠征でも常に上位に食い込んでいるが、課題は距離。1600メートルでも成績はいまひとつで、さらに距離が伸びる1700メートルがどうか。
GDJ古馬シーズンでは入着までという兵庫クリノメガミエース、読売レディス杯で2着に入った高知のアンティキティラらも、あらためて上位を狙う。
◎3ハクサンアマゾネス
○6ジュランビル
▲7ブリーザフレスカ
△2グランパラディーゾ
△4クリノメガミエース
△5アンティキティラ
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ネクストスターの新設によって、1カ月ほど時期を繰り上げての実施となった九州ジュニアチャンピオン。地元デビュー馬限定という条件は変わらない。
デビューから3連勝のムーンオブザサマーが圧倒的だ。前走デネブ特別はスタートから先頭に立つと、3コーナーから徐々に後続との差を広げ、2着に2秒1の大差。直線でもムチを入れて追われていたのは、今後のことを考えてのことだろう。
素質の高さを感じさせるのが、デビュー戦を逃げ切ったウルトラノホシ。そのデビュー戦は、スタートこそ互角だったが、200メートルほども進んだところであっという間に後続を3馬身ほども引き離した。その後も徐々に差を広げ、直線を向いて軽く気合を入れられたが、直線半ばでは鞍上がうしろを振り返る余裕。900メートルの勝ちタイム55秒6は、ムーンオブザサマーのデビュー戦よりコンマ5秒遅かったが、最後は流すような感じでのゴールだった。すでに距離経験も積んでいるムーンオブザサマーにどこまで迫れるか。
グッドタイミングは2着に5馬身差をつけて直線独走となったデビュー戦のタイムが55秒7。ウルトラノホシとはコンマ1秒差だが、こちらは直線しっかり追われてのものだけに、タイム差以上に能力差はありそう。中央芝に挑戦したフェニックス賞は、佐賀勢では最先着の6着だが、勝ち馬から1秒1差はまずまずの好走。芝のスピード競馬を経験しての上積みがあれば、◎○に迫るシーンがありそう。
リュウノブライダーは、前走アルタイル特別ではムーンオブザサマーの5着だったが、スタートで躓くような感じで出遅れて最後方からとなっただけに見直しは必要。
ヴァイスネリケの前走デネブ特別10着も、スタートで大きく出遅れてのもの。
アルタイル特別でムーンオブザサマーにコンマ5秒差で3着だったトゥールリーも上位争いの一角。
◎3ムーンオブザサマー
○4ウルトラノホシ
▲1グッドタイミング
△2リュウノブライダー
△9ヴァイスネリケ
△5トゥールリー
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門別から2歳年末に転入したミニアチュールは、岩手では圧倒的な強さで7連勝。しかも3歳になってからは重賞のみ使われて6連勝。一冠目のダイヤモンドカップではリッキーナイトに3/4馬身まで差を詰められたが、東北優駿では4馬身差をつける完勝。牝馬同士のひまわり賞では当たり前のように大差で圧勝だった。2000メートルなら他馬の付け入る余地はなさそうで、岩手三冠の期待は高い。
スプリングカップ、ダイヤモンドカップ、東北優駿とミニアチュールの2着だったリッキーナイトは、ミニアチュール不在となったやまびこ賞で期待されたがまさかのブービー11着。ただ敗因は出遅れとはっきりしている。向正面から徐々に位置取りを上げたが、それで脚を使ったか4コーナーで手応えをなくしてしまった。ここは巻き返しのかかる一戦だが、ミニアチュールを逆転するまではどうか。
転入初戦のやまびこ賞で、あっと驚く直線大外一気の差し切りを見せたのがルーンファクター。道中後方でじっくり脚を溜め、直線勝負に賭けた作戦が見事にはまった。直線の短い水沢コースに変わって、その持ち味を生かせるかどうか。
冬休みがあけて3月以降、9戦して3着以内7回と安定した成績を残しているマツリダワールドだが、一気の相手強化で上位争いに食い込めるかどうか。
◎8ミニアチュール
○5リッキーナイト
▲2ルーンファクター
△9マツリダワールド
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2歳時からショウガタップリのライバルと目されていたノブノビスケッツは、ショウガタップリ不在となった北日本新聞杯で6馬身差の圧勝。そして臨んだ石川ダービーでは逆転もあるかと期待されたが、3コーナー過ぎであっさり勝負をつけられ3着。続く前走、初めての古馬格付でのレースは1番人気に支持されゴール前の接戦で2着だったが、この時期に古馬A2格付での好走は評価できるもの。北日本新聞杯に続いて二冠の期待だ。
石川ダービーでノブノビスケッツに先着する2着だったのがダイヤモンドライン。3コーナー手前の勝負どころ、一か八かという感じで内に進路をとって一旦は先頭に立った中島龍也騎手の思い切った騎乗が光った。その後、加賀友禅賞ではショウガタップリに打ちのめされたが、トライアルの石川門カップを快勝。重賞ではこれまで2着4回、3着1回。初タイトルの期待がかかる。
ロギッシュは、中央未勝利から転入して4連勝。いずれも逃げか先行で完勝という内容だが、今回は一気の相手強化で真価が問われるところ。
ボストンコモンは、北日本新聞杯、石川ダービーで、それぞれノブノビスケッツの後塵を拝してという内容だったが、その後古馬格付となっての連勝。充実ぶりがうかがえる。
ピンクビジョンも3歳になっての重賞では上記の馬たちにやや劣勢だが、上位には食い込んでおり、連下争いに食い込めるかどうか。
中央未勝利から転入して3連勝のホットシップも一気の相手強化でどこまで。
◎7ノブノビスケッツ
○3ダイヤモンドライン
▲2ロギッシュ
△6ボストンコモン
△5ピンクビジョン
△8ホットシップ
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