首都圏では桜が満開となって、いよいよ春本番。競馬でも春を感じさせるものはいろいろあるが、ホッカイドウ競馬では4月14日の開幕を前に能力検査が行われている。
ここまで2歳馬の能力検査(800m)は、3月11、18、25日に行われた、11日は18レースに104頭が出走し全馬合格、18日は19レースに113頭が出走し110頭が合格、25日は6レースに34頭が出走し全馬が合格した。
気になる新種牡馬で目立ったのはコパノリッキー産駒。この3日間で新種牡馬としては最多の14頭の産駒が合格した。この世代の新種牡馬でもっとも種付頭数が多かったのはアメリカから輸入されたドレフォンの207頭だったが、生産頭数ではドレフォンの129頭に対してコパノリッキーの140頭が最多(種付頭数は194頭)だった。
ドレフォンは社台グループによって輸入され、セレクトセールで高額で取引される産駒も目立つため、その多くは中央でデビューすることになるのだろう。一方、ダートGI/JpnI・11勝を挙げ、国内のGI/JpnI最多勝記録を更新したコパノリッキーの産駒は、当然のことながらダートでの期待となる。
すでに合格した14頭の中で血統的な注目馬は、能力検査初日の第1レースに出走したラブミードール(牝)で、母が2012年のエーデルワイス賞JpnIIIを制したハニーパイ。その能力検査では2番目でのゴールだが50秒2の好タイムをマークした。母と同じ角川秀樹厩舎で、馬主はコパノリッキーと同じ小林祥晃氏。デビュー戦から注目となりそうだ。
ゴールドアリュール系の種牡馬では、エスポワールシチーがヴァケーション(全日本2歳優駿)、スマートファルコンがオーヴェルニュ(東海ステークス)というダートグレード勝ち馬をそれぞれ出しており、コパノリッキーもそれらに続く活躍が期待される。
ほかに新種牡馬の産駒では、ここまでの合格頭数が多い順に、ラニ11頭、ロゴタイプ5頭、イスラボニータ5頭、アメリカンペイトリオット4頭、ザファクター3頭、ディーマジェスティ、シルバーステート、ドレフォンが各1頭となっている。
初日はわりと速いタイムが出て、50秒を切った馬が5頭。最速の48秒9をマークしたのはスティールルージュ(牝、父マジェスティックウォリアー、母ディアユリアザミ、角川秀樹厩舎)で、スタート後から徐々に後続との差を広げ、直線で気合をつけられるとあっという間に後続に大差をつけた。
初日の第11レースで50秒0の好タイムをマークしたグレイテストワーク(牡、父グランデッツァ、角川秀樹厩舎)は、2017年のJBCレディスクラシック(大井)を制したララベルの半弟という注目の血統だ。また、続く第12レースで50秒2というこれまた好タイムをマークしたフォラステロ(牡、父ヘニーヒューズ、田中淳司厩舎)は、母のショコラヴェリーヌがララベルの全姉という血統だ。
ラブミードールと同じ初日第1レースに出走(51秒8)していたグリューフィア(牡、父ヘニーハウンド、桧森邦夫厩舎)は、母ハーミアが牝馬ながら戸塚記念を制した。
初日第7レースに出走(51秒1)したティーズグランツ(牡、父ホッコータルマエ、小野望厩舎)は、母が栄冠賞、東京プリンセス賞を制したティーズアライズ。現3歳世代が初年度産駒だったホッコータルマエからはすでに地方で2頭の重賞勝ち馬がおり、2020年の総合ダートおよび地方のファーストシーズンサイアーランキングで1位となった。ホッコータルマエの国内GI/JpnI・10勝という記録を更新したのがコパノリッキーで、現役時代に続いて種牡馬としての対決も興味深い。
そのほか、摂津盃などを制したエーシンアガペーの産駒エイシントゥラン(牝、父ヘニーヒューズ、田中淳司厩舎)、秋桜賞など東海地区で重賞4勝を挙げたシルバーウインドの産駒ヴァンダルジャン(牝、父スマートファルコン、角川秀樹厩舎)、園田ジュニアカップなど兵庫に所属して重賞3勝を挙げたトーコーポセイドンの半弟で父が新種牡馬ロゴタイプのハッチャキコク(牝、松本隆宏厩舎)などにも注目だ。
ホッカイドウ競馬にもいよいよ春が来た。ここで紹介した馬たちがデビューするJRA認定フレッシュチャレンジ競走が待ち遠しい。