荒れる帯広記念とは対照的に、過去5年のうち4回が1→2番人気という堅い決着の天馬賞。明け5歳のこの時期になるとだんだん実力差もはっきりしてきて、その状況での定量戦ゆえだろう。
ここはハクタイホウ中心で堅そうだ。ポプラ賞や柏林賞こそハンデを背負って惨敗だったが、近走は古馬オープンに入って好勝負。同世代同士なら力が違う。
もう1頭、負担重量に苦しめられてきたのがホクショウマサル。柏林賞、はまなす賞、銀河賞での着外は、いずれもトップハンデでのもの。近走でも大差での敗戦が続いているが、古馬一線級が相手では仕方ない。イレネー記念、ばんえいダービーに続いて、3シーズン連続での、定量で争われる三冠目のタイトル奪取に期待がかかる。
キサラキクは、4歳牝馬限定のクインカップでは、トップハンデにもかかわらず僅差の2着に好走。柏林賞の10着も、牝馬の2キロ減を考えれば実質的なトップハンデだった。ちなみにこの3頭は、イレネー記念、ばんえいダービーでも上位3着までを占めていたが、今回はどんな順番でゴールするかも見どころ。
ばんえい大賞典、銀河賞を制しているカイシンゲキ、銀河賞2着のカンシャノココロ、前走地吹雪賞は度外視でA2級で好走続きのシンザンボーイらに一角崩しがあるかどうか。
◎2ハクタイホウ
◯5ホクショウマサル
▲8キサラキク
△1カイシンゲキ
△4カンシャノココロ
△7シンザンボーイ
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姫山菊花賞で2歳時以来久々に地元で重賞を勝ったエーシンクリアーだが、続いて期待された園田金盃では好位を追走しながら直線では他馬と脚色が同じになって4着。道中は内で包まれてしまい、勝負どころで脚の使いどころが難しかった。今回はトップハンデ58キロと条件は厳しくなるが、重賞での実績上位は間違いない。
摂津盃が9番人気で3着、園田金盃も10番人気で3着と、低評価を覆す好走を見せているのがオーケストラピット。常に後方追走から直線勝負。園田金盃でも直線では1頭だけ際立つするどい末脚で追い込んだ。ハンデ53キロだけに今回も得意の末脚で見せ場以上を期待したい。
なぜか新春賞になると、あっと驚きの快走を見せるのがニシノイーグル。2013年こそ1番人気での勝利だったが、2014年は5番人気で勝利、2015年も5番人気で2着と、3年連続で連対。鞍上が川原正一騎手に戻るだけに、向正面からのマクリに期待だ。
A1特別を2連勝して重賞初挑戦となるのがアクロマティック。この馬も末脚勝負の直線一気というタイプ。ただ1400メートルを中心に使われているだけに距離延長がどうだろう。
園田金盃では北海道の五十嵐冬樹騎手で2着に好走したサウスウインドは、今回もハンデ56.5キロなら好走は可能。
3歳時はオオエライジンのライバルであり、重賞5勝の実績があるホクセツサンデーは、前走が1年ぶりの復帰戦。どこまで調子が上がっているか。
◎6エーシンクリアー
◯5オーケストラピット
▲1ニシノイーグル
△4アクロマティック
△3サウスウインド
△7ホクセツサンデー
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前日の新春盃と同じA級でも、より格付け上位馬が出走する名古屋記念だが、重賞勝ち馬が、一昨年の新春盃を勝ったノゾミカイソク、昨年の尾張名古屋杯を勝ったブライトシンプー、中央時代に芝重賞を勝っているレオアクティブの3頭だけで、いずれも近走の成績がイマイチという、やや低調なメンバーによる争いとなった。
ベルラインは中央1000万から転入してここまで6戦3勝。10月のA1特別ではノゾミダイヤに1馬身半差の2着があり、東海菊花賞でも一線級相手に4着と好走。ここでは実力が一枚抜けている。角田輝也調教師は昨年終盤に逆転して2009年以来6年ぶりに地方全国リーディングを獲得。年明け一発目の重賞・尾張名古屋杯もワンダフルタイムで制し、その勢いが続くかどうか
ドナルトソンは、東海地区では今回が重賞初挑戦となるが、昨年7月以降A1〜A2で3着以内を外したのは一度だけと堅実な成績を残している。重賞実績馬の少ないここならチャンスはある。
トップフライアーは、3走前のトパーズオープン、2走前の笠松グランプリが惨敗だったが、前走のもみの木特別で持ち直した。もともと1400メートルのA1特別で上位を争っていた実力だけに、重賞初制覇の期待もかかる。
A1特別で善戦もあるラヴィドール、中央1000万から転入して今回が4戦目のマルカファインも、このメンバーなら上位食い込みも可能だ。
◎2ベルライン
◯10ドナルトソン
▲7トップフライアー
△11ラヴィドール
△4マルカファイン
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