ここまで6戦全勝というインディウムには、ますます敵なしというメンバー。兵庫のこの世代ではここまでのところ園田ジュニアカップで一騎打ちの末に2着にしりぞけたトーコーヴィーナスが唯一といってもいいライバルだが、トーコーヴィーナスはグランダム・ジャパン3歳シーズンのタイトルを目指し、3月25日の浦和・桜花賞に遠征したためここは不在。そのトーコーヴィーナスだが、桜花賞では勝ったララベルと一騎打ちとなっての惜しい2着。その結果は、インディウムの価値をも高める結果といっていいだろう。今回は勝負付けがどうこう以前に格の違う相手がほとんど。ここは二冠目、三冠目へ向けてどんな勝ち方をするか。
これまでも何度か書いたことがあるが、1頭抜けた馬がいるときの相手探しは難しい。2番手、3番手評価の馬が断然人気の馬に真っ向勝負を挑んだときに、その力の違いから惨敗ということもあるからだ。とはいえそれはレースをする前から我々にわかることではなく、素直に実力を評価せざるをえない。バズーカは3歳A級特別で2着のあと、名古屋に遠征したスプリングCで4着。インディウム以外の馬の中では実績上位。ただ距離経験がないのが不安材料。
グレイスマアナは前走こそ大敗したが、1700メートルの特別戦で4着とまずまずの走りを見せているだけに、この距離で見せ場はあるかもしれない。
前走3歳A級特別を勝って2連勝中のオトコギだが、1700メートル戦での大敗があり、血統的にも距離に不安があり、狙いを下げた。持ちタイム的にもインディウムとの比較では厳しい。
同じく2連勝中のコパノジョージだが、こちらはまだ3歳の条件戦。見た目の着順と鞍上で人気になるなら、むしろ軽視したい。
◎11インディウム
◯8バズーカ
▲7グレイスマアナ
△2オトコギ
△4コパノジョージ
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3歳条件戦を連勝もしくは連続連対で重賞挑戦という上り馬が何頭かいて力の比較が難しいが、ここはライデンリーダー記念を勝っているマルヨバナーヌの実績を評価した。梅桜賞は互角のスタートから位置取りを下げてしまい、そのまま見せ場なくの惨敗で実力を発揮できなかったが、前走、古馬のA4・B3組で好走ともいえる3着。この時期の3歳馬がこのクラスに入ってということでは評価できる。あらためての重賞制覇に期待したい。
スプリングカップで7番人気ながら3着に好走を見せたのがルックスグー。梅桜賞でも4着があり、重賞実績馬がわずかというこのメンバーなら今回も上位争いだろう。
フジノキンメダルは北海道から転入後の2戦は勝ち馬から離されての6着だったが、その後4戦連続連対と充実してきた。初めての重賞挑戦でどんなレースを見せるか。
大井の下級条件を連勝して転入初戦となるヴァイキング、中央で揉まれてきたキモンイーグル、特別戦で3戦連続連対中のフェードロワら、3歳のこの時期だけに成長次第で台頭する可能性はある。
◎4マルヨバナーヌ
○10ルックスグー
▲6フジノキンメダル
△8ヴァイキング
△2キモンイーグル
△1フェードロワ
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黒船賞JpnIIIで地元の期待を背負って果敢に逃げたサクラシャイニーが中1週で出走してきた。兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで3着という実績もあり、地元でこの距離なら抜けた存在。
ファイアーフロートは、昨年夏には重賞3連勝と勢いがあった。その後、その勢いを失ったわけではなく、JBCクラシックJpnIはさすがに相手が強く、高知県知事賞は距離的なことなど敗因ははっきりしている。1番人気に支持された黒潮スプリンターズでの5着は期待外れだったが、続く前走のA-1特別は5馬身差の圧勝。今回はあらためて力を示す舞台だ。
一発あればワールドブルー。中央から転入後は最下級条件からのスタートとなり、15戦11勝、2着2回、3着2回。前走でようやくB級に上がったが、その1400メートル戦(重)での勝ちタイムが1分29秒7で楽勝なら、いきなり重賞でも通用する可能性はある。
黒潮スプリンターズカップを制したマウンテンダイヤに△の印しかつけられないというのは、それだけ層が厚いということ。
重賞ではやや足りないナムラハンターだが、A-2では強いレースをしているだけに、展開ひとつでという可能性はある。
◎1サクラシャイニー
○3ファイアーフロート
▲4ワールドブルー
△6マウンテンダイヤ
△2ナムラハンター
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B級馬による1800メートルのS2重賞。
キョウワカイザーは、前走黒髪山賞でも中団うしろから3~4コーナーでひとまくり。直線では他馬を寄せつけず、このクラスでは力の違うところを見せつけての4連勝。自身を含め10頭中6頭が黒髪山賞出走組で、そのほかにこれといった強敵もいないため、5連勝は濃厚と見る。
一発あれば別路線組のクラウンアトラス。中央500万下では頭打ちとなって、転入後1400メートルを2戦して3着、1着。中央では芝の長距離を中心に使われていただけに、距離延長となるここでさらに能力を発揮する可能性はある。
ダイワボルドーは前走離されての3着だったが、最後方からの追走で、キョウワカイザーに早めにまくられて差を詰められず。3コーナーあたりで早めに好位にとりつければ前走以上の結果も期待できる。
パブロワは、前走黒髪山賞は逃げ馬をぴたりと追走してそのまま2着に粘り込んだ。転入後もっとも見せ場のある競馬で、いよいよ調子を上げてきたか。
3歳時の昨年から連続連対を続けていたテッドが、前走でひさしぶりに掲示板にも乗れずの6着。この距離での実績がないわけではないが、距離は短いほうがいいのかもしれない。
◎6キョウワカイザー
○1クラウンアトラス
▲8ダイワボルドー
△9パブロワ
△2テッド
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ユニコーンステークスGIIIではまさかの惨敗だったアジアエクスプレスだが、レパードステークスGIIIであらためてその能力の高さを示した。上がり3ハロン35秒6という直線だけの競馬は圧巻だった。その後骨折が判明しての休み明けになるが、別定55キロでJpnIIIのこのメンバーなら目いっぱいの仕上がりでなくても負けられないところ。
地元期待はサイモンロード。いずれダートグレードのタイトルもと期待されていた実力だが、昨年は地元馬相手にも苦戦が続いていたのは、もともとの気性の悪さがさらに悪化したためとのこと。それゆえの去勢手術で、休養明け2戦目の前走梅見月杯はノゾミダイヤを寄せつけずというレースぶりで、あらためて能力の高さを示した。角田輝也調教師は、それでもまだ九分ほどの仕上がりとのことだったゆえ、アジアエクスプレスを負かすまではともかく、中央馬相手でも勝負になると見る。
フィールザスマートは、昨年3歳時のジャパンダートダービーでも、勝ったカゼノコからクビ+1/2馬身差の3着と能力の高さを示していた。前走がオープン初勝利だが、デビュー以来3着以内を外したのが2回だけと、まだ底を見せていないという魅力はある。
兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを逃げ切ったメイショウコロンボだが、今回は内にエーシンモアオバー、サイモンロードという同型の逃げ馬がいて、11番枠からのスタートでどうだろう。
エーシンモアオバーは、昨年末の名古屋グランプリJpnIIを6番人気という低評価ながら制し、2012年に続いての名古屋グランプリ2勝目。2011年にも2着があり、よほど名古屋コースが合うようだ。ただ今回は他馬より3キロ以上重い58キロを背負ってどうか。
中央オープン実績のあるトーセンアレスは、浦和記念3着以降も強敵相手にまずまずのレースをしていて、8歳という衰えは感じさせない。
◎10アジアエクスプレス
◯6サイモンロード
▲5フィールザスマート
△11メイショウコロンボ
△4エーシンモアオバー
△2トーセンアレス
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