地方全国交流として復活してから過去2回のダービーグランプリは、2010年はロックハンドスターが3冠を達成し、その後に桐花賞も制覇。昨年はカミノヌヴォーが2冠に加えて桐花賞制覇と、地元岩手所属馬が強さを見せている。今年は地元のアスペクトに、北海道のニシノファイター、金沢のアルドラ、名古屋のマイネルセグメントと、各地のダービー馬が揃い、ダービーグランプリの名にふさわしいメンバーとなった。
中心は、前走不来方賞を楽勝した地元のロッソコルサ。3走前には芝の桂樹杯で大接戦の3着、2走前にも青藍賞でカミノヌヴォーにアタマ差2着と、古馬の一線級とも互角に渡り合える実力の持ち主だ。
どちらを本命にするか迷ったもう1頭が、名古屋のブライトシンプー。岐阜金賞はスタートで出遅れながらも最後はサカジロスイセイとの叩き合いを制した。この馬も古馬のオープンクラスと互角の勝負。ロッソコルサもブライトシンプーも春のダービーは2着で、秋になって力をつけてきた。
北海道の2冠馬ニシノファイターは、古馬との重賞では苦戦したが、前走のオープン特別では人気のハタノゼフィロス、ステイヤーズカップ2着のサムライジャパンをしりぞけての勝利。道営シーズン終了後にどれだけ余力を残しているか。
マイネルセグメントは、東海ダービー以来勝ち星がないが、もともとムラ駆けのタイプ。東海ダービーも駿蹄賞7着から狙っての勝利。ここ一発の仕上げで臨んでくれば、東海ダービーの再現もあるかもしれない。
大井のショコラヴェリーヌは、3歳になっての勝ち星は古馬B2特別での1勝のみだが、戸塚記念ではアスカリーブルから0秒8差の7着。アスカリーブルといえば関東オークスJpnIIを制すなど、牝馬ながら今年の地方の3歳を代表する1頭。それに4馬身ほどの差なら十分可能性はある。
不来方賞2着のユウキタカラオーは、中央未勝利から転入して5戦連続連対。まだまだ未知の部分はある。
岩手ダービーダイヤモンドカップまで圧倒的な強さを見せていたアスペクトだが、その後は大敗続きで不来方賞も8着。マイペースの逃げに持ち込んで粘る場面はないだろうか。
◎ロッソコルサ
◯ブライトシンプー
▲ニシノファイター
△マイネルセグメント
△ショコラヴェリーヌ
△ユウキタカラオー
△アスペクト
未勝利だがヤーマンミルフィーを狙ってみたい。道営では2着3回と勝ちきれなかったが、転入初戦の1500メートル戦を逃げて2着。差されたのは牡馬で、4馬身差をつけての3着が園田プリンセスカップに遠征したハイパーエンジェルなら、一気に牝馬のトップに立つ可能性はある。
ハイパーエンジェルは、園田プリンセスカップ(5着)後の前々走で、JRA認定上級戦を勝利。転入組との力関係は未知数な部分もあるが、金沢デビュー組の牝馬では最上位。
ガッツオブトップは、牝馬同士のパンジー賞を制したあと、2歳1組戦2着、JRA認定上級戦3着は、ともに牝馬最先着。ここにきて力をつけてきた。
ノコリモノは、道営では下級戦で1勝を挙げ、転入初戦を勝利。道営では1000メートル戦しか使われていないが、前走のレース内容からも、血統的にも、距離延長は歓迎。
フィアドーネは、デビューから8戦してすべて4着以内と堅実な成績。
マツノファインは2勝を挙げているが惨敗もあり、勝つときと負けるときの差が大きい。展開がハマればというタイプ。
◎ヤーマンミルフィー
◯ハイパーエンジェル
▲ガッツオブトップ
△ノコリモノ
△フィアドーネ
△マツノファイン
絆カップでは9着に沈んでしまったカミノヌヴォーの巻き返しに期待したい。その絆カップは、離れた最後方を進んだトウホクビジンが直線で豪快に差し切り、2着トーホクキング、3着シルクダイドウも中団よりうしろを追走と、典型的なハイペースの前崩れ。カミノヌヴォーは好位を進んで3コーナーから前をとらえにいったが、直線の坂のあたりで完全に脚をなくしてしまった。展開での惨敗といっていいだろう。水沢では桐花賞と青藍賞を制しており、あとは1400メートルの距離をこなせれば。
みちのく大賞典以来勝利から遠ざかっているトーホクキングだが、青藍賞3着、絆カップ2着と、地元同士の重賞では常に上位争い。この馬も1400メートルは久々だが、今シーズン2戦目に新緑賞を勝っているだけに、むしろ距離適性ならこちらかもしれない。
中央オープン実績のあるダイワマックワンは、岩鷲賞4着を含め岩手転入後のダートでは5戦してすべて4着以内に好走。上記2頭には実績面で劣るが、連下争いなら。
3歳時に岩手ダービーダイヤモンドカップで2着などがあるトキワノマツカゼは、大井から再転入初戦の前走A級一組特別で3着。上積みがあればここでも。
ライトマッスルは、格上挑戦となったOROターフスプリントを勝利。水沢1400メートルは今季2戦2勝。相手強化のこのメンバーに入ってどうか。
スーパーワシントンは、岩鷲賞、OROターフスプリントともに3着。重賞でも短距離なら上位を争える。
◎カミノヌヴォー
◯トーホクキング
▲ダイワマックワン
△トキワノマツカゼ
△ライトマッスル
△スーパーワシントン