明けて5歳だが、4歳シーズンの3冠最終戦は、定量戦だけに実績にまさるキタノタイショウが不動の中心。昨シーズンの3歳時はばんえい菊花賞とばんえいダービーの2冠制覇。4歳1冠目の柏林賞は7着に負けたが、これは3歳2冠で賞金を稼いだためトップハンデを課されてのもの。しかし2冠目の銀河賞ではトップハンデながら、僅差とはいえ勝ったのだから実力的には抜けた存在。前走、新設のドリームエイジカップでは、ナリタボブサップ、カネサブラックという古馬頂点の2頭に、20キロ軽いだけでそれほど差のない3着に入ったのにも驚かされた。
相手筆頭には、この世代ではナンバー2の存在ともいえるホクショウバンク。3歳時はばんえい菊花賞3着に、ばんえいダービー2着。柏林賞はやはり重量が堪えて8着と惨敗だったが、このレースのトライアルともいえる3走前のイルミネーションカップでは、キタノタイショウに次ぐハンデを背負いながら3着と好走した。今シーズンは11月に1勝を挙げたのみだが、後半はA1やオープンの2組で勝ち馬と10秒差以内にたびたび好走しているだけに、同世代同士の定量戦なら当然上位争いの力はある。
3番手以下は迷うところだが、柏林賞3着、銀河賞4着と、今シーズンここまでの2冠で好走しているアアモンドヤマト。その間には、3・4歳混合の重賞、はまなす賞でハンデに恵まれたとはいえ勝っている。ドリームエイジカップでは3着のキタノタイショウとコンマ6秒差の5着だったが、このときは重量差が30キロもあった。同重量になってどこまで迫れるか。
銀河賞5着のフクドリは、それ以降、14戦して3着以内が10回と好調続き。ホクショウマドンナ、トモエエーカンなどとは、微妙な負担重量の上下で着順が入れ替わっているだけに、いずれも展開次第で連下争いのチャンスはありそう。
◎キタノタイショウ
○ホクショウバンク
▲アアモンドヤマト
△フクドリ
△ホクショウマドンナ
△トモエエーカン
ハンデ戦で2番目に重い55.5キロでも、コスモハレルヤの勢いが止まらない。中央未勝利から昨年秋に転入し、7連勝中。その中には3歳重賞のコウノトリ賞での7馬身差圧勝もあった。前走はB1特別だったが、早め先頭から9馬身差の圧勝。オープンの一線級が不在のここなら一気に突破の可能性は高い。
トップハンデだが、実績で抜けているのはキヨミラクル。こちらは09年のコウノトリ賞の勝ち馬。その後重賞でも掲示板を外さない堅実な走りで、昨年は兵庫大賞典、楠賞でともに3着という成績。コスモハレルヤのほかに重賞級の馬がいないここでは上位争いは間違いない。隣枠のコスモハレルヤとは、ともに先行タイプだけにどんな駆け引きをするのかも見どころ。
3番手にはゴールドピアース。園田金盃で3着のあと、前走A1A2特別を勝利と調子を上げてきている。
休養明けの2戦は今一つだが、昨年前半にはA1特別を2連勝したスペラーレ、前走園田金盃5着のニホンピロリッチあたりも連下争い。
◎コスモハレルヤ
○キヨミラクル
▲ゴールドピアース
△スペラーレ
△ニホンピロリッチ
クラマテングが6月以降連対を外さない安定した走りを続けている。さらに今年は重賞6戦で2勝、2着3回。連対を外したのは距離不足のマイル争覇での5着のみ。今回は明け5歳以上の重賞勝ち馬が道営時代のアドミラルサンダーしかいないというメンバーが相手で定量戦なら負けられないところ。昨年2着の雪辱を果たしたい。
5歳以上で、重賞であと一歩というのがフジノアリオン。昨年、重賞に5回出走して掲示板を外したのは名古屋に遠征したオッズパークグランプリのみ。10月の福山菊花賞ではクラマテングに3/4馬身差で食い下がる2着だった。そのときはクラマテングより1キロ重い57キロだったものが、今回は定量の56キロとなるだけに逆転も狙えそう。
3歳2冠を制し、デビュー以来の通算で重賞5勝のフォーインワンが、初の古馬一線級との対戦でどこまで迫れるか。昨年3歳終盤には、A3特別までは勝ったが、A2特別では2着まで。いきなり定量で歴戦の古馬と同重量は厳しそうだが、善戦を期待したい。
道営時代は短距離路線で活躍したアドミラルサンダーが2600メートルの距離でどうか。09年の道営シーズン終了後に転入し、福山17戦目となった前走での初勝利がクラマテングを2馬身ちぎってのもの。福山ではこれが重賞初挑戦となる。
マルサンサイレンスは重賞初挑戦となった福山菊花賞で、クラマテングからコンマ4秒差の4着。オープンクラスでは展開の助けなどがないとちょっと足りない感じだが、連下争いの可能性はある。
◎クラマテング
○フジノアリオン
▲フォーインワン
△アドミラルサンダー
△マルサンサイレンス