帯広単独開催になって以降の過去3回、いずれもトップハンデの馬は勝てず。特に近2年は1番人気に支持されての敗戦。とはいえ昨年のライデンロックは最軽量馬と50キロの差がありながらの2着はむしろがんばった。
今回はイレネー記念に加え、3歳の2冠を制したキタノタイショウがトップハンデの730キロ。4歳1冠目の柏林賞では2番人気ながら7着。先着された牡馬・セン馬は、いずれも30キロ差があった馬。10キロ差、20キロ差の馬には1頭も先着されていなかった。今回30キロ差がある牡馬はスギノハリアーとフクドリの2頭しかいない。前々走ではオープン2組の特別を勝ち、ゴールデンホース賞も連勝と好調なだけに、相手関係を考えてもチャンスは十分にありそうだ。
しかし本命として狙ってみたいのはトモエエーカン。ここ9戦で7勝と、B1級からA2級まで勝ち上がってきた。4歳1冠目の柏林賞には出走せず、今回キタノタイショウより20キロ軽い710キロなら勝負になると見る。ここ4戦は大口騎手だったが、今回は藤野騎手に乗替った。逆に藤野騎手が主戦だったスギノハリアーは大口騎手に乗替り。このジョッキーの入れ替えはどういう意図があるのか気になるところではある。
穴なら負担重量に恵まれたフクドリ。柏林賞で先着されたジャングルソング、コマクイン、アアモンドヤマトらとの相対比較で、今回は10キロ軽くなっているのは魅力だ。
コマクインは、柏林賞、はまなす賞ともに2着。今回も当然上位争いにはからんでくるだろう。
柏林賞では1番人気に支持されながら9着に敗れたアオノレクサスだが、障害をうまく切れれば上位争いの力は十分にある。
◎トモエエーカン
○キタノタイショウ
▲フクドリ
△コマクイン
△アオノレクサス
ともに2戦2勝のシーグランディとベストマイヒーローの2頭が人気を集めそう。いずれも後続に差をつけての完勝というレース内容だが、ベストマイヒーローのほうを中心にする。デビュー戦の芝1000メートルのJRA認定レースは9馬身差、続く水沢の1400メートル戦は8馬身差と圧勝で、いずれも直線ほどんど追われず楽に突き放していただけに、この先どこまで強くなるのか楽しみなところ。2頭ともに騎乗していた菅原勲騎手がこちらを選んだというのも期待の表れかもしれない。
相手にもシーグランディといきたいところだが、2歳戦といえばやはりホッカイドウ勢が怖い。このレースも一昨年、昨年と連勝中だ。スクランブルエッグはフレッシュチャレンジ勝ちのあとに挑戦した重賞のイノセントカップでは、勝ったモエレフウウンジから1秒4差をつけられて8着。しかしそのモエレフウウンジが続くブリーダーズゴールドジュニアカップも完勝で連勝しているだけに、イノセントカップの出走馬も岩手の2歳戦線と比べれば相当にレベルが高かかった可能性がある。血統的に芝も問題なさそうで、岩手勢をあっさり一蹴してもおかしくはない。
シーグランディには、前走の若鮎賞で今回と同じ盛岡1600メートルを経験しているというアドバンテージがある。その勝ちタイム1分41秒6は、例年のジュニアグランプリの勝ちタイムと比較してもそれほど変わらない。相手のレベルが上がり、さらにタイムを詰めてくるであろうことを考えれば、この馬があっさりという場面も考えられる。
ホッカイドウ勢のもう1頭、フレッシュチャレンジを勝ったのみのスカイキングラブも怖い存在。
岩手で連下候補は、若鮎賞3着で、前走ビギナーズカップを勝っているリュウノフラッシュあたりか。
◎ベストマイヒーロー
○スクランブルエッグ
▲シーグランディ
△スカイキングラブ
△リュウノフラッシュ
近年でも未勝利馬が連対することがたびたびあり、馬券的には難解なレース。
しかし今年は笠松のマルヨコンバットの素質が抜けている。JRA認定新馬戦を6馬身差で圧勝し、続く秋風ジュニアも3馬身差で完勝。秋風ジュニアは重賞ではないものの、過去の勝ち馬にはオグリキャップやライデンリーダーなど歴史に残る名馬が多い。マルヨコンバットもそうした笠松を代表する名馬に続けるかどうか。
相手筆頭はオートフォーカス。中央2戦未勝利から早くもこの時期に名古屋に転厩して2連勝。1勝目は5馬身差の圧勝。2勝目の前走は2馬身半まで差を詰められたが、最後は追うのをやめてのゴールだっただけに、まだまだ余裕はありそうだ。
地元勢で人気を集めそうなのはデビューから圧勝で2連勝のナエマ。前走の2歳1組戦は今回と同じ1400メートル戦で、一旦2番手に控え、直線で後続を突き放すという強い勝ち方。しかし勝ちタイムの1分33秒3は、過去の兼六園ジュニアカップの勝ちタイムを見ると、さらにタイムを詰めなければ勝ち負けまでは厳しそう。コースが違うので単純な比較はできないが、同じ1400メートルでもマルヨコンバットの秋風ジュニアの勝ちタイムとは5秒4もの差がある。それだけのタイムを詰めるのは容易ではなさそうだ。
ダンシングサクラは、デビュー戦ではナエマに6馬身ちぎられての2着だったが、前走のJRA認定戦(1400メートル)の勝ちタイムは、ナエマの前走を上回るもの。さらに力をつけていればあっと言わせる場面があるかもしれない。
デビュー戦を6馬身差圧勝のシンカンタカフジも可能性を感じさせる。
◎マルヨコンバット
○オートフォーカス
▲ナエマ
△ダンシングサクラ
△シンカンタカフジ