霧島賞は、九州産馬限定の中央との交流レースで、1着賞金1000万円は、実は荒尾の最高賞金レースでもある。その次が800万円のたんぽぽ賞で、中央との交流ではない普通の重賞の1着賞金が100万円台であることを考えると、荒尾ではかなり突出している。
近年は3〜4歳の若い世代の活躍が目立つが、97、98年のウットマン以降、連覇した馬はいない。中央勢は1000万円以下という条件なので、連覇できるような実力のある馬は1年のうちに上のクラスに昇格してしまうからという理由もあるのだろう。
そんな中、興味深いのは中央のカシノコールミーの存在。霧島賞はこれまで4回の出走で6、1、2、2着という成績。「カシノ」の冠号のオーナーさんは九州産馬をたくさん所有しているが、まさにこのレースのために走っているといってもいいかもしれない。
さて、7月18日に行われたトライアルのえびの特別からは、1着のテイエムミゴテカ、2着のキングプログレスが出走。
25日の大隅特別からは、勝ったドリームホマレ以下、3着のテイエムトッパズレ、4着のテイエムハエドー、5着のコニヤ、8着のカシノサンデーが出走してきた。
中央勢の力関係を見てみると、だいたい1000万クラスで好走している馬が狙い目になりそう。まあ、条件設定が1000万以下なのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。
本命には、えびの特別を勝ったテイエムミゴテカを推したい。3歳牝馬でまだまだ強くなると思う。
相手にはカシノコールミー。すでに霧島賞を勝っているため、500万条件のえびの特別や大隅特別には出走できないが、ここ3年の好走を見れば今年も勝負になりそうだ。
地方勢で可能性があるのは、一昨年の勝ち馬ベルガモットシール。格付け的にも、地方勢で連対できる可能性があるのはこの馬くらいだろう。
そのほかでは、昨年5番人気ながらレコード勝ちを演じたキングプログレスに、大隅特別を制してここに臨むドリームホマレまで。
カシノコールミーが勝った3年前こそ1、2番人気での決着だったが、人気どおりの決着はむしろ珍しく、馬券はボックスなどで手広く狙いたい。
◎テイエムミゴテカ
○カシノコールミー
▲ベルガモットシール
△キングプログレス
△ドリームホマレ
東海クイーンカップの予想をしようと思い、8月9日のレース一覧を見てまず目が行ったのは、第7レースの「名古屋嬢オープン」。ファンの協賛レースか何かなのだろうか。それにしても「名古屋嬢」では何の宣伝にもならないと思うのだが。
しかしもしかして実は「名古屋嬢」なる言葉が名古屋方面ではちゃんと存在するのだろうかと不安になり調べたら……。
あった。
Wikipediaによると、<名古屋市とその近郊に在住する18歳から20代の女性を指し示す言葉の1つ>なんだそうである。
リカちゃん人形やテレビドラマのタイトルにもなってるらしいので、もしかしてそういう関係者の協賛レースでしょうか。謎だ。
というわけで予想するのは名古屋嬢オープンではなく、もちろん東海クィーンカップのほう。
このレース、ここ2年は兵庫勢に優勝をさらわれているので、地元名古屋勢としては巻き返したいところ。今年、他地区からは金沢3頭、兵庫1頭が挑戦。それに笠松3頭、地元名古屋5頭の計12頭で争われる。
今年はなかなかおもしろいメンバーが顔を揃えた。
金沢のマトリックスは、前走MRO金賞では直線一気の追い込みを決め、同世代の牡馬勢を一蹴した。
笠松のキムタツプリンセスも前走、第1回オッズパーク・ファンセレクション・イン笠松で牡馬勢を相手に勝利。
ちなみに両レースともに、2着は笠松のオクトパスだった。オクトパスは2歳時にはゴールドジュニア(笠松)を制し、重賞でも常に上位に食い込んでいるだけに、これを負かしているキムタツプリンセスとマトリックスはこのメンバーでは実力上位。
この2頭が中心だが、本命はキムタツプリンセスのほう。直線の短い名古屋でマトリックスの末脚が生きるかどうかはちょっと疑問。ただしキムタツプリンセスのほうも、名古屋コースはこれまでに2戦していずれも8着に敗れているだけに心配ではあるのだが……。
連下には、新緑賞でキムタツプリンセスに先着しているタカノハルビー、重賞勝ちこそないものの常に上位争いのマウタン、これが重賞初挑戦も底を見せていないモエレナミムラまで。
◎キムタツプリンセス
○マトリックス
▲タカノハルビー
△マウタン
△モエレナミムラ
今年は岩手ダービー・ダイヤモンドカップがあって、オウシュウクラウンがジャパンダートダービーGIで3着に入って、そして今度はもともと岩手でダービーの位置づけだった不来方賞。次々といろんなダービーがやってきてなんだかワクワクするような。
他地区からの挑戦がないのはもしかしてこのレースだけ岩手限定なのかと思ったらそんなことはなかった。実際に昨年は南関東から2頭が出走していて、今年も全国交流となっている。
この時期は各地でそれぞれ3歳馬による重賞が行われているので、外に出て行く余裕はなかなかないのだろう。それでも普通はその地区の2番目、3番目の存在がなんとか重賞タイトルをとりたいということで遠征してくるものだが、今年はオウシュウクラウンが相手ではと、思いとどまったということもあるのだろう。
とにかくここは地元岩手勢だけの不来方賞となった。
今シーズンの競馬がスタートしたころは、オウシュウクラウン、ブラックショコラ、ダンディキングで3強と言われていたものが、ここに来て完全に馬名を挙げた順にはっきりと序列がついた。
今シーズン岩手では無敗で、ジャパンダートダービーGI3着のオウシュウクラウンはいかんともしがたい不動の本命だろう。無理に不安を探すなら、ジャパンダートダービーGIでの激走の反動くらいしかない。
相手はもちろんブラックショコラ。オウシュウクラウン不在となった芝のオパールカップを制したが、その前は2戦連続してオウシュウクラウンの後塵を拝している。
一角崩しがあるとすればテンショウボス。岩手ダービー・ダイヤモンドカップは3着で、4月のスプリングカップではブラックショコラに先着している。
番狂わせがあるとすれば、正月の金杯でオウシュウクラウンに先着した実績のあるミステリーゴットだが、今シーズンは一度も5着以内がないだけに厳しそう。
◎オウシュウクラウン
○ブラックショコラ
▲テンショウボス
△ミステリーゴット
印がつくのはここまで。人気が集中するだろうから、馬連なら◎−○を本線に◎−▲の2点。3連単でも◎が1着固定で2、3着は○と▲の折り返しで2点に絞る。