7日に盛岡競馬場で行われたシアンモア記念は、好位の外を追走したエアウィードが直線で抜け出し重賞3勝目を挙げた。直後を追走したタイキシェンロンが2着に入り、大井から遠征したインターセフォーが3着という結果となった。
上位人気3頭での決着だが、この3頭は単勝がいずれも3倍台という混戦だった。
ひとつ前のエントリーでも書いたとおり、現在の岩手は上位の何頭かが拮抗していて、重賞でも勝ったり負けたりが続いている。
一時は中央から上山、兵庫を経由して岩手に移籍してきたタイキシェンロンが岩手を代表する存在になるかと期待されたが、ダートグレードで入着というあたりが精一杯だった。
岩手には、少し前にはトーホウエンペラーという絶対的な存在がいた。しかし02年末の東京大賞典(8着)を最後に引退してからは、その後スター的な存在はなく、今に至っている。
トーホウエンペラーの前には地方馬として初めて中央のGI(フェブラリーS)を制して話題になったメイセイオペラがいた。それ以前のスターはというと、43戦39勝、うち重賞15勝という成績を残したトウケイニセイなのだが、トウケイニセイが95年限りで引退してからはやはりスター不在の空白期間が長かった。そしてスター出現が待ち望まれる中で登場したのがメイセイオペラだった。
岩手のすごいところは、これらの歴代スターたちがすべて生え抜きだということだ。地方競馬の活躍馬には、中央で芽が出ず、地方に来て実力を発揮するような活躍馬も少なくないが、トーホウエンペラーもメイセイオペラもトウケイニセイも、さらにはその前のスイフトセイダイも、すべてデビューは岩手の地だった。
そういう意味では、タイキシェンロンは岩手でスターになる条件を備えてなかったのかもしれない。
トーホウエンペラーが引退してからすでに3年半近くが過ぎた。そろそろ岩手から生え抜きのスターが出てきてもいい時期だろう。
5月7日に行われるシアンモア記念は、南関東から5頭、笠松から2頭が遠征してくる。
いきなり余談だが、現在岩手競馬ではごく一部を除いてほとんどの重賞が地方全国交流となっている。来る来ないは別として、地方競馬も重賞くらいは岩手を見習ってもっと全国に門戸を開くべきだと思う。
さて、シアンモア記念だが、きわめて難解な一戦。南関東勢はA2以下のメンバーで勝ったり負けたり。地元岩手勢は出走7頭すべてが前走トライアルのまんさく賞出走馬(そのうちブラーボウッズは取消だったが)。そのまんさく賞は、好位追走の10番人気ローランボスコが先に抜け出して粘り込み、1番人気タイキシェンロンが2着を確保したものの、接戦の3着争いはレストオブセールが制して今シーズンから導入された3連単は86万馬券の大荒れだった。
比較の基準となるのは昨年の青藍賞に川崎から遠征して4着だったシンプウオペラと、昨年一時期船橋に所属していたタイキシェンロン。
シンプウオペラが岩手のこのメンバーで好走できるなら、南関東では格付けが上のインターセフォーやハツラツで十分勝ち負けになるはず。タイキシェンロンは、南関東でのレース内容からこの2頭よりも格下と言わざるをえない。ただし今回は舞台が岩手。地の利で逆転の可能性も十分ある。
そのタイキシェンロンにはシアンモア記念3連覇がかかっている。しかし今年は舞台が盛岡に変わることに注意したい。岩手では実績ナンバー1とも思えるタイキシェンロンだが、不思議なことに盛岡コースでは重賞勝ちがない。
ならば岩手勢ではエアウィードを筆頭にとりたい。まんさく賞は5着だったが、最後は差を詰めてきた。冬季休催明け後ここが3戦目で力を出せるだろう。
しかし中心は大井のインターセフォー。昨年秋に京成盃グランドマイラーズ2着の実績があり、その後も一線級との対戦を続けている。
印をつけるなら、このようになる。
◎インターセフォー
○エアウィード
▲ハツラツ
△タイキシェンロン
△ローランボスコ
しかし岩手同士でも勝ったり負けたりのメンバーだけに、これ以外のメンバーにもチャンスはある。2着や3着に伏兵が来て3連単が大荒れという可能性も十分考えられる。冒頭にも書いたが難解な一戦。
『九州皐月賞 荒尾ダービー』というレース名を見て、「はて、皐月賞でダービーとは?」と、あまり地方競馬になじみのないファンは面食らうかもしれない。
荒尾、佐賀に加え、当時まだ競馬が行われていた中津の3場が「九州競馬」として連携して開催を行うようになったのが2000年6月。翌年には九州全体で3歳3冠路線をつくるため、それまで単に『荒尾ダービー』として行われていたレースが九州3歳の一冠目となり、「九州皐月賞」が冠されるようになったという経緯がある。
さて、3日に行われる九州皐月賞荒尾ダービーだが、まだ単に「荒尾ダービー」だった00年に佐賀のキングラシアンが勝って以降、すべて佐賀所属馬に優勝をさらわれている。
しかし今年は、荒尾所属馬にも有力馬が少なくない。
2歳時に九州ジュニアグランプリ(荒尾)を制したブルーアラオは、中央や園田への遠征では成績を残せていないが、地元荒尾に限ればここまで6戦全勝と圧倒的な強さを誇っている。
逆転の可能性があるとすれば、ナガノコバンだろう。2歳時はパッとしなかったが、年明け3戦目の3歳戦から2連勝。前走4月9日のスイートピー賞はブルーアラオに3/4馬身まで迫った。
佐賀所属馬で最有力はユウワン。2月26日の飛燕賞(佐賀)こそ1番人気に支持されながらナセの2着に敗れたが、その後は古馬B2クラスに編入されて2連勝している。
その他では、九州ジュニアグランプリの2着馬で、通算13戦7勝、2着4回、3着2回と大崩れのない荒尾のケイウンヒーロー。
そして北海道、船橋、さらに佐賀へと転厩してきたスターオブジャパンは、3歳特別を2戦して2、1着と未知の魅力がある。
やはり最初の3頭が有力で、そのうちどれを中心にするか。荒尾勢にもがんばってほしいのだが非情とは思いつつ、本命は佐賀のユウワンを推す。前走、古馬B2のレースで大差圧勝では、力が違うと見るべきだろう。
ユウワンが頭の馬連単で、ブルーアラオ、ナガノコバンへ厚く、さらにケイウンヒーロー、スターオブジャパンに流す。
4月30日に行われた佐賀の古馬A1級による久住山特別(2000メートル)は、中央から転入緒戦のヤマノブリザードが圧勝、2着にも大井から転入したランノホシが入り、1番人気のオンユアマークは5着に敗れた。
ヤマノブリザードはスタートでダッシュがつかず、後方から追走する展開。しかし向正面で仕掛けると一気に先頭に立ち、好位を追走していたランノホシに8馬身差をつけ、楽勝でゴールを駆け抜けた。
ヤマノブリザードと言えば、2歳時に中央初挑戦となったクローバー賞をぼくは現地で見ていた。このときのことは、今でも鮮明に覚えている。
ヤマノブリザードは、たしかタイキブリザードの初年度産駒で、このときはまったく注目されず8番人気にしか過ぎなかった。クローバー賞のレース後、検量室前に戻ってきたヤマノブリザードのもとに藤沢和雄調教師がすごい勢いで近づいてきて、下馬した川島洋人騎手に「タイキブリザードの調教師の藤沢です」と、いきなり挨拶していたのを端から見ていて、ちょっと驚いた。
このレース、実は藤沢調教師はサンデーサイレンス産駒のマチカネアカツキという期待馬を出走させていた。2番人気ではあったが単勝オッズは2.2倍で、1番人気のアグネスソニックとの2頭の組み合わせで間違いなし、勝つのはどちらだろう、というレースだった。
しかし勝ったのはヤマノブリザードで、マチカネアカツキはクビ差で2着、アグネスソニックがやや離れて3着だった。
藤沢調教師はといえば、期待のマチカネアカツキが負けたことはさておき、タイキブリザード産駒が勝ったことのほうに大喜びしていたのが印象的だった。
続く札幌3歳Sも制したヤマノブリザードは、12月を前に藤沢和雄厩舎に転厩。朝日杯FSでアドマイヤドンの2着と好走した。いや、藤沢調教師にとっては好走ではなく、悔しい敗戦だったかもしれない。
中央所属としての勝利は5歳時のエイプリルSの1勝のみ。その後は和田正道厩舎、的場均厩舎と移り、中央では一度もダートを使われないまま佐賀へ転厩してきた。
今回のレースを見るかぎり、むしろ中央でもダートを使ったらどうだっただろうと思わせるような強い勝ち方で他馬を圧倒した。
そして1番人気のオンユアマークだが、昨年は九州大賞典を制し、今年は佐賀記念GIIIで地方最先着の3着と健闘するなど九州のトップに立っていた。今回はやや厳しいペースでの逃げになったとはいえ、ヤマノブリザードとランノホシに来られたところでまったく抵抗できずに後退し、5着に沈んだ。体調に問題があったなどの理由でもない限り、今回のレース内容では転入馬2頭に完全に覇権を握られたと言ってもいいかもしれない。
4月28日、笠松競馬場へ。1カ月のうちに2度も笠松に来るのははじめてかも。
今回は競馬場内でヤキソバを売っているお店をすべてチェック。結果、このブログで紹介するのは2つ目だが、おそらく今回のところで笠松競馬場に現存するヤキソバはすべて食べたことになると思う。
で、今回のヤキソバやさんの場所は、ゴールまで100メートルのハロン棒があるあたりのスタンド2階で、お店の名前はどこにも書いてないので不明。
写真では前回のと同じくらいのヤキソバに見えるかもしれないけど、こっちのお皿のほうがひと回りもふた回りも大きい。
あっ!
前回書いておいた「馬券を一緒に写して大きさがわかるようにするプロジェクト」はいきなり断念。まだこの時点では馬券は買ってなかったので……。
紅しょうがは自分で好きなだけ乗せられるようになっているのだが、例によって笠松仕様のみじん切り。具はシンプルにキャベツと豚肉少々のみ。炒めるときに鰹節を入れてくれるのがポイント。そして最大の特徴は関東風の辛めのウスターソースを使っていること。
名古屋近辺の東海地区は食文化的におもしろい場所で、関東圏と関西圏が入り乱れている。たとえば焼きうどんなんかは関東圏はしょうゆ味で関西圏はソース味がほとんどだと思うのだが、名古屋あたりではお店によってしょうゆ味が出てきたり、ソース味が出てきたりなのだ。
というわけでこのヤキソバは関東文化圏ヤキソバ。
数人分の麺にお湯(たぶんダシではないと思う)をかけて炒め、ソースをかけない状態で鉄板の端のほうに置いてあり、注文ごとにソースをかけて焼くという方式。スタンド裏の食べ物やさん街と違って人通りがイマイチ少ないためか、ところどころ麺が乾いてしまってるのが難点といえば難点。麺を炒めるタイミングをみはからって注文するのがいいかも。400円也。