昨年の12月30日に行われた、競輪界最高峰のレース、競輪グランプリ。そこに13年振りの出場を果たし王者となった佐藤慎太郎選手(福島78期)。ケガや時代の変化で、グランプリ出場さえ見えない苦しい時期もありましたが、支えになっていたのはいつも応援してくれるファンの皆さんの声でした。そんなファンを大切にする佐藤選手に今の心境を伺いました。
星野:グランプリ優勝おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
星野:改めてグランプリを振り返ってはどうですか?
佐藤:もう遠い昔のことのようで忘れてしまいましたね(笑)それくらい終わってからは、取材とかイベントがあって、想像していた以上にバタバタしています。練習する時間もあまりないので、自分ではこれ位なら大丈夫だと思っていたんですが、疲れがでている感じがします。その辺の対策も考えてこれからは修正していかないといけませんね。
星野:グランプリが終わってから、ゆっくりされる時間はなかったんですか?
佐藤:グランプリが終わった日は祝勝会をして、1月1日が毎年恒例の練習初めだったので、ゆっくりは出来てませんね。いつもの事なんですけど、1つレースが終わっても2ヶ月先までレースが入っているので、これが終わったらゆっくりというのはしたことがないんですよ。
星野:では、息抜きなどはどうされてるんですか?
佐藤:若い頃は、飲みに行ったりしても次の日に練習が出来たんです。それがこの年になると次の日の練習に影響が出ます。かといって完全に休んでしまうと罪悪感があるし、それなら練習しようかなと言う感じですね。若い時に比べて息抜きが下手になりました。常に何かに追われていますよ。
星野:そうなんですね。そんな佐藤選手のモチベーションを保つ秘訣って何ですか?
佐藤:やっぱり佐藤慎太郎ファンの皆さんの声援ですかね。
星野:そう言えば、グランプリを優勝された時もファンの皆さんの声で分かったんですよね?
佐藤:そうなんです。場内から自分の名前を呼ぶ声が聞こえて、ビジョンにも自分の姿が映っていたので、「俺か??」と思いましたね。本当はゴールしてすぐにガッツポーズしたかったんですけど、脇本(脇本雄太選手・福井94期)を抜いた確信もなかったし、平原(平原康多選手・埼玉87期)も来ていたので自分が1着だと分かるまでに、半周かかりました。あそこは絶好のアピールポイントじゃないですか。カッコいい所を見せられるチャンスだったのに、半周無駄にしましたね(笑)ただ、あの半周は応援してくださった皆さんと1着を共有している雰囲気があり、それはそれで最高の瞬間でした。
星野:そんなファンの皆さんの声援を受けて、優勝インタビューでは涙もあるのかなと思ってましたが・・・。
佐藤:色々しゃべりたかったんです。皆さんの声にしっかりインタビューで答えたかった。泣きそうでしたけど、ぐっと堪えました。それに、良い年したオヤジが泣いてもね・・・(笑)
星野:笑顔で答えていらっしゃる姿も佐藤選手らしいなと見ていました。最近は、スピード競輪になって自力選手が注目を浴びている中、追い込みの選手が2019の頂点に輝いた。この事についてはいかがですか?
佐藤:そうですね。今思うとグランプリのレースは、世界で戦う脇本、新田(新田祐大選手・福島90期)両選手の中を追い込み屋の自分が割って伸びたと言うことなので、今の時代の競輪を象徴するレースになったのかな?としみじみ感じています。周りの追い込み型の選手からも自信をもらったなんて言ってもらえて。まだまだ追い込み型がやっていけることを証明したなと。ただやっぱり、横だけ、ガッツマーカー、競りと勢いだけではダメなんです。追い込み選手も脚力をつけていかないといけないと思います。自分自身も3年位前からそのトレーニングはしてきました。
星野:しっかり時代に対応されての結果だったんですね。ラインの前を走った新田選手からは何かありました?
佐藤:新田はオリンピックもあって優勝したかったはずなのに、本当に喜んでくれて、それには泣けました。可愛い後輩です。
星野:先ほど、グランプリをとってから想像以上に忙しくなったと聞きましたが、心の面での変化はありましたか?
佐藤:責任のある立場になってしまったなと思っています。検車場でも常に見られているような感覚もありますので、今までみたいにアホなことは言えなくなりましたね。競輪を知っている人は、「佐藤慎太郎」のキャラをわかってもらえてますけど、競輪を知らない人や他の関係団体の人は分からないので、あれが昨年のチャンピオンか??と言われないように、カッコつけていきたいなと思ってます。妻からもその辺は注意されましたので。
星野:さて、今年のスタートは和歌山記念競輪でしたが、振り返ってはいかがですか?
佐藤:良い走りができなかった悔しさが残っています。決勝戦のゴール後に勝ちたかったと強く思ったし、自分はグランプリを獲ったけど、それで満足してなかったことに気付きました。そして、その事に気付けて良かったと思っています。
星野:このあと、地元いわき平の記念開催もありますね。(いわき平記念前にインタビューをしました。)
佐藤:地元記念はまだ優勝したことないですし、悔しさの中でまだまだやれるってことも分かりました。なのて、全力で優勝しにいきたいですね。
※結果は決勝まで進み惜しくも2着でしたが、すばらしい走りをみせていただきました。
星野:王者の走りを楽しみにしています。では、最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
佐藤:昨年のチャンピオンとして自覚を持って皆さんの声援にこたえられるよう走りますので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
2019年後半どんどんバック回数を増やし、今ではバック回数16本。先行・捲りどちらも駆使して周りを翻弄。先日の和歌山記念を終えたばかりの稲毛健太選手(和歌山97期)にお話を伺いました。
森松:和歌山記念お疲れさまでした。
稲毛:ありがとうございます。
森松:まず2019年振り返ってはどのような一年でしたか?
稲毛:落車もなく、点数の上下もなく、平均的に良かった一年だったと思います。2019年初めに岐阜で優勝して、年末の立川で優勝できたので。
森松:最初と最後が優勝はすごいですね!年末の立川の雰囲気はどうでしたか?
稲毛:すごかったです!声援も人の多さもGIと比べても違いましたね。
森松:2019年後半は特に先行のイメージが強かったのですが稲毛選手としてはどうでしたか?
稲毛:それがそんなに意識していなくて(笑)いけるところでいこうと思って走っているだけなんですよ。
森松:そうなんですか!11月の佐世保2日目に高橋晋也選手(福島115期)を相手に主導権を取らせなかったのは意地なのかと思ってました(笑)
稲毛:そんな意識はなかったですよ(笑)
高橋選手の初日の上りタイムが良かったので捲れると思わなかったし、内が開いたからいったんです。タイプ的にはかまし同士で似たタイプと思っていたので、前とってひいてかましていこうと思っていたんですけど、内があいたのでいきました。先行したら翔さん(稲川翔選手・大阪90期)が何とかしてくれると思ったのが大きいですね。
森松:番手につく選手によって戦法がかわることはありますか?
稲毛:僕自身というより周り(別線)が違ってくるかもしれませんね。僕は後ろが誰でもいくようにしています。自分がもつ距離ですけど。ただ修二さん(南修二選手・大阪88期)や翔さんだったら、思いっきり駆けても何とかしてくれるというのはありますね。
森松:かましタイプとおっしゃっていましたが、「もつ距離」、稲毛選手は長いですか?
稲毛:誘導が速いので抑えはきつい、かといって切った上をいっても距離が長い。ただ僕は切った上をいけるように長い距離をいけるように練習しています。
森松:長い距離踏めるようになってきたのが近況の結果に繋がっている部分もありますか?
稲毛:そうですね。長い距離は元々踏めてたんですけど、道中流したり踏み込んだりが分かってきたのが大きいですね。
森松:和歌山記念は決勝まで勝ち上がられましたが手ごたえはどうでしたか?
稲毛:野原(野原雅也選手・福井103期)と潤(南潤選手・和歌山111期)には期待していたのですが残念でした。自分自身の調子は悪くなかったですし、順番が来たから駆けました。出させてくれると思っていたら、菅田選手(菅田壱道選手・宮城91期)が駆けていたので急いで踏みました。踏みあいになってしまいましたね。
森松:和歌山記念は近畿の若手選手も出ていましたね。
稲毛:記念前に大阪の中釜君(中釜章成選手・大阪113期)とも一緒に練習しました。トップスピードはあるので、ペース配分ができるようになれば強くなると期待しています。普段一緒に練習している中では古賀(古賀勝大選手・和歌山115期)に期待しているんですけど・・・練習は強いんですよ(笑)
森松:その強さをレースでも発揮してくれたらという感じですね。稲毛選手自身はこれから強化していきたいところや課題はありますか?
稲毛:トップスピードですね。もうちょっとダッシュが欲しいです。捲りが苦手だったのですが、一年半ぐらい前に捲りもきくセッティングに変えたので2019年はそれで安定できたのかと思います。あとは古性(古性優作選手・大阪100期)みたいに横ができるようになれば問題ないですね(笑)
森松:ということは今年は横の稲毛選手も見られるかもしれないですね!
稲毛:やっぱり2分線のときは横できたらなと思いますね。あとはフタされたときとか。
森松:去年の高松宮記念杯で南潤選手の後ろで初めての番手もありましたし、番手のときは横できたほうがいいですもんね。
稲毛:そのときはもう勉強ですね、粘られても勉強ですね(笑)
森松:2020年はどんな一年にしたいですか?
稲毛:6月に和歌山でGIがあるのでそれに出ることを目標にしたいです。まず2月豊橋の全日本選抜で結果を残したいですね。風が強いのは嫌いではないですし、駆けて捲られたら捲られたとき!という気持ちで走ります。
森松:ではまずは2月豊橋を楽しみにしています。それでは最後にオッズパーク会員の方にメッセージをお願いします。
稲毛:今年はGI決勝とGIII優勝を目標に頑張るので、現地でもご声援よろしくお願いします。
森松:ありがとうございました。
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※インタビュー / 森松さやか
大阪府出身。岸和田競輪初心者ガイダンスコーナーアシスタント、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
ヤンググランプリ2019を制した松本貴治選手(愛媛111期)。「笑わない男」が感情を爆発させたガッツポーズ。その歓びの裏には、自分はまだまだ弱いと先を見据える姿もありました。2020年の目標は記念競輪の優勝とGIの決勝戦に進むこと。ヤンググランプリの覇者となっての心境。そして、これからの抱負も伺いました。
星野:ヤンググランプリ2019優勝おめでとうございます。
松本:ありがとうございます。
星野:ゴールした瞬間はどんなお気持ちでしたか?
松本:優勝したんだな、という感じでした。全員単騎だったので、勝負所の位置取りくらいしか作戦は考えてなかったんですが、昨年にヤンググランプリを経験していた事もあり、リラックスして臨めたのも良かったんだと思います。
星野:最終回の4コーナーでは3番手という良い位置でしたね。
松本:そうですね。最終のバックストレッチからは誰も来ない感じがして脚を溜めていました。そして、4コーナー回って縦に踏んだ時に軽かったので行けるかも、と思いました。
星野:ゴールした時にはガッツポーズをされましたが、あまり感情を出さないタイプかなと思っていたので新鮮でした。
松本:ガッツポーズは咄嗟にでましたね。「笑わない男」なんて言われていますが、プライベートではめちゃ笑いますよ。ただ、レースになるとちゃんとしないといけないってのがあって引き締めているんです。オンとオフの中間点がないんで、そう思われてるのかもしれませんね。
星野:ヤンググランプリの覇者となって何か心境の変化はありましたか?
松本:僕は車番と位置が良かったので、たまたま勝てただけだと思っています。あのレースで強かったのは、先行してあそこまで(結果4着)粘った野口さん(野口裕史選手・千葉111期)ですから。僕はまだまだ弱いです。
でも、昨年は太田(太田竜馬選手・徳島109期)がヤンググランプリを勝って、その後に記念競輪も優勝したり活躍したので、これからは自分もしっかり力があると思ってもらえるようにしていかないといけないなと思っています。もちろん結果も大切ですが、結果が出なくても強いと思われる選手になりたいし、下手なレースはできないと感じています。
星野:昨年はGI戦でも1着がありましたし、一年一年強くなってきている印象もありますがご自身ではいかがですか?
松本:ちょっとずつ成果は出てきているかなと思いますが、GIでの1着は負け戦での1着なので、初日から良いレースをして勝ち上がりのレースで1着をとりたいです。
星野:その為にも今の課題などはありますか?
松本:先行にこだわりがあるわけでもないので、何でも出来る選手を目指しています。近い世代で言うと清水裕友選手(山口105期)とかですね。横の動きも出来てスピードもあって、そんな自分の武器と言えるものを持っていたいです。
星野:武器と言えば先行だと思いますが。
松本:脇本さん(脇本雄太選手・福井94期)程強ければ「先行」と言えるんですが、自分にはあそこまでの力はないので。それに特別競輪に行くと先行させてもらえない事もあります。その時に捲りも出来たら自分のスタイルの幅も広がります。なので、相手から嫌がられるくらい、何をしても強いなと思われる選手になりたいですね。
星野:近況をみていると秋くらいから成績が上向いてましたが、きっかけなどあったんですか?
松本:寛仁親王牌の2日目に同期の南潤(和歌山111期)の自転車に跨がらせてもらったんです。その時にすごく良い感触だったので、南のセッティングを真似してみました。そしたら、その後の成績が1着1着2着と負け戦だったけど良くて、そこからですかね。
星野:その後のFI戦では優勝、そして次に行われたGI競輪祭では2着でのスタートでしたね。好調の要因はセッティングだったんですね。
松本:今までセッティングにこだわりはなかったんですが、結果が出てるので暫くはこのセッティングでいこうと思っています。
星野:これからのレースも期待してます。
ところで、ヤンググランプリの優勝賞金は何か使いましたか?
松本:まだ、使ってないんですけど、時計を買いたいなと思っています。以前から探しているんですが、欲しいものがなかなか売っていなくて、遠征に行った帰りとか良く時計店に行ってるんです。
星野:全国各地に行かれますもんね。それもレースが終わってからの楽しみですね。
松本:見つけたら自分へのご褒美に買う予定です。
星野:では、2020年の抱負も含めて皆様にメッセージをお願いします。
松本:今年の目標は記念競輪で優勝することと、特別競輪で決勝戦に進むことです。四国の先輩に信頼されるような選手になりたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
立川競輪場で開催された年末のガールズケイリン総決算レース、「オッズパーク杯ガールズグランプリ2019」を優勝し、ガールズグランプリ史上初となる連覇を達成した児玉碧衣選手にレース直後、喜びの声を聞きました。
オッズパーク編集部(以下OP編集部):はじめに、優勝して今率直な感想をおきかせください。
児玉:2連覇したいという気持ちで、ここに来たので、その通り、2連覇できて良かったです!
OP:連覇は史上初となりますが。その点についてはどう感じましたか。
児玉:連覇した人がいない中で、今回自分が初めて連覇することができ、歴史に名前を刻むことができたのでよかったです。
OP:レースを振り返っていただきたいのですが、最初の位置取りは6番手でした。これは想定どおり?
児玉:想定外です。本当は3番手か4番手が欲しかったですが、気づいたら6番手になってしまい焦りました。
途中、佐藤水菜選手が動くと思っていましたが、その展開にもならず、その後、優香さんの後ろに行けたので、優香さんよりも何とか先にしかけたいと思って、スタートを切りました。
そして3コーナー前で4者並走(石井寛・梅川・小林・児玉)になっているとは気づいていなかったので、今思えば、あそこを乗り越えて勝てたことは、本当に自信になりましたし、本当に良かったです。
OP:優勝して、もちろん賞金もありますが、レクサスを手にしました。
児玉:ありがとうございます!「レクサスが贈られます」と鍵をいただいた瞬間、ニヤニヤしてしまいました。
ガールズ選手7人の中で私だけ今レクサスに乗っているので、他の人に取られたくなかったのです。
オッズパークさんが私のモチベーションを盛大に上げてくれました(笑)
OP:来年はガールズグランプリ女王として一年間走ることになりますがどんなレースをしたいですか。
児玉:本当はかまして優勝するっているのが理想ですが、特に立川競輪場は直線が長いし、風も強いので1周は持たないだろうと思って先捲りのパターンに持っていたのですが、来年はかましで逃げ切れる選手になりたいです。
OP:これも2年連続ということになりますが、ヤフオクドームでの始球式をお願いしたいのですが・・・
児玉:ありがとうございます!!よろしくお願いします!
OP:始球式もばっちり練習して臨んでいただければと思います。
OP:最後にオッズパーク会員の皆様へ一言いただけますでしょうか。
児玉:オッズパーク会員様いつもたくさんの応援ありがとうございます。
車券に貢献できるように頑張っていきますので、これからも競輪の応援をよろしくお願いします。