2024年12月27日に行われたスーパースターガールズ王座決定戦。この大会も6度目となりました。その中で、第一回大会から出場し続けている高橋絵莉子選手。直前には体調を崩すなど流れが悪い中、周りの助けもありついに掴んだ女王の座となりました。どんな思いで挑んだのか、お話をお聞きしていきました。
(取材日:2025:1月16日)
AKI:スーパースターガールズ王座決定戦、初女王おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
高橋:ありがとうございます。周りからの「おめでとう!」と言う言葉で実感が湧いた感じですね。とにかくホッとしたのが大きかった。「良かった~」という思いが1番強かったです。
AKI:一発勝負のガールズ王座決定戦ですが、振り返るといかがですか?
高橋:全然調子が上がっていなくて不安で不安で。去年1年通してすごく悪い訳でもなかったんですけど、凄く良いわけでもなく。安定して普通のラインにいたかなと言った感じですね。
AKI:そんな中、ガールズ王座の番組が出た時はどう感じましたか?
高橋:やっぱり良い位置にはいるなって言うのは感じましたね。ハンデも枠も。絶好の位置だし、このチャンスを活かさないともう獲れないだろうなと思ったぐらいです。なので、なんとか展開作って頑張りたいと考えていました。
AKI:高橋選手はガールズ王座1回大会から連続で出場してるんですよね!
高橋:そうですね、最初から皆勤賞で出ることは出来ています。ただ、女王にはなれていない。さらに今回は直前でインフルエンザにかかってしまって。ガールズ王座の前に1節あってもうひと仕事しようと思っていたんですがそれが出来ず。地元に車もあったし部品もありました。「これはまずいぞ」と思って、兄貴(伊勢崎27期:生方将人選手)に連絡したら「ヘッドの仕事も梱包もやっとくよ!」と言ってくださって。なんとかガールズ王座の整備日に自分で調整する時間がありました。ガールズ王座の時は兄貴がいなかったんですが心配してくださっていて「何かあったら絵莉子お願いね!」と周りに伝えてたみたいで。吉原さん(伊勢崎31期:吉原恭佑選手)が気にかけてくださって、レース前までずっと声をかけてもらっていました。本当に兄貴たちのおかげでレースもちゃんと出来たし、いつも助けてもらってばかりなので成績で恩返したいと思いながら走っていました。なので、ホッとしたというのはその思いが強かったからですね。
AKI:色んな助けがあって迎えたレースですが落ち着いて臨めましたか?
高橋:そうですね。普段より緊張せずいけましたね。ただ、スタートは先行するつもりだったんですが抵抗されてしまって。川口ではあまりスタートが切れてなかったのもあったんですが、行かれたのは予想外でしたね。消音マフラーというのもあったと思います。ふかしすぎると空回りしてしまうので慎重になりすぎましたね。あとはフライング切らないようにと考えてたら控えめなスタートになってしまいました。だいぶ先に玲依ちゃん(川口35期:伊東玲依選手)が見えてかなり遠く感じました。
AKI:そこから道中はどうでしたか?
高橋:玲依ちゃんの引っ張りがよくなかなか追いつかなくて不安でした。始めは外を回っていたんですが、エンジン的に外が使えなくて、翔子ちゃん(浜松35期:西翔子選手)と松尾ちゃん(山陽34期:松尾彩選手)にも並ばれてしまいました。そこで一旦冷静になれて、自分のコースは元々内なんでインコースで攻めていこうと切り替えたら良かったですね。チャンスを伺ってなんとか盛り返すことが出来ました。
AKI:ラストは伊東選手との一騎打ちでしたがあの辺りを振り返るといかがですか?
高橋:少し差があったんでどうかな?とは思ったんですが、インコースを回る分には良いエンジンだったのでラスト一周に入った時「これ行けるな。」と思っていました。立ち上がりで並ぶことができたら行けると思ったので飛び込みました。ここまでくれば大丈夫だろうと思って、自分の中では気持ち的にもエンジン的にも余裕があったので心配なく飛び込めました。
AKI:ゴールした瞬間というのはどうでしたか?
高橋:一安心というのもあったんですが、1コーナーで滑らしたところがあったので「大丈夫かな?」という心配もありました。戻ったら周りの方が「みんなが滑ってたから大丈夫だよ!」と言ってもらえて、そこで「あ、大丈夫だったんだ!」となりました。
AKI:ウイニングラン、表彰式はいかがでしたか?
高橋:ウイニングラン自体が久しぶりだったのでちょっと恥ずかしくて(笑)でも、嬉しいなって。皆さんの「おめでとう!!」が聞こえたのでガッツポーズさせてもらいました。表彰式は声援がすごく聞こえたので嬉しかったのと、1番はとにかく恥ずかしがり屋なので人前が苦手で緊張してあまり覚えてないです(笑)恥ずかしいのと慣れてないのでどうしようという感じでした。けど、とにかく嬉しかったですね。
AKI:なかなかうまくいかない時もあったと思いますが2024年振り返るとどうですか?
高橋:いい締めくくりが出来たので本当に良かったです。女王ていうのは周りに茶化されます。特に飯塚の選手に(笑)けど、その茶化しも嬉しいですね。良い一年になりました。
AKI:ガールズ王座一回大会からでて6回目で初女王になりましたが改めて振り返っていかがですか?
高橋:こんだけ出てるのに獲れないのはもう獲れないと思ったし、下の子もどんどん速い子が入ってきて。地元伊勢崎の後輩も成績が良くて、不安が1番でした。けど、後輩には負けたくない!という一心でなんとか獲れてよかったです。人よりも闘争心が表に出るタイプではないんですが、基本的には負けず嫌いなのでそれが出て良かったです。入ってくる子入ってくる子みんな早くて、良い刺激なんですがプレッシャーですね。みんな手を動かして練習にい行くし、見習わないとと思っています。
AKI:次の目標は考えていますか?
高橋:最重ハンデから20m前で優勝してないので、まずは今年優勝出来るように。そして、ガールズ王座に今年も乗れるように頑張りたいと思います。連覇出来るように自分も手を動かしたいと思います。
AKI:自分が思う課題はなんですか?
高橋:捲りが苦手なので外を走る練習をしていきたいですね。ビビリなので思いっきり外を走れなくて。開け開けなのが怖いというのがあるので、そこを考えて捲る練習もしていこうと思います。
AKI:今年はどんな1年にしたいですか?
高橋:グレードで優出出来るように頑張りたいです!そして、目標を達成出来るようにですね!
AKI:それでは最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
高橋:いつも応援してくださってありがとうございます。今年もガールズ王座で優勝できるように日々頑張ります。応援よろしく願いします!
(写真は川口オートSNSより)
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川口オート所属の28期・間中大輔選手にお話をお聞きしました。
(取材日12/29)
―オートレーサーになろうと思ったきっかけは何ですか?
若い時にスポーツで食べていけたらなってのがあったんですよ。それまで、ボクシングをやっていたんですけど、これじゃ食えそうになかったんで...。ボクシングが好きだったんですけど、危ないっていうんで家族が(やることを)許してくれなくて。19歳の前くらいからやったので、始めるのが遅かったですね。それで、知り合いがオートレース大好きで見に連れていってもらって、いいなって思って。最初見た時はすげ~と思いましたよ。速いなって。すぐ受けようと思ったら27期の募集が終わっていて、それで、年齢制限ギリギリでしたが、28期の募集に応募して、受かりました。本当に良かったです。合格通知が来た時は人生で一番嬉しかったと思います。めちゃくちゃ嬉しかったです。
―その後の養成所生活はどうでしたか?
養成所はきつかったですね。規則正しい生活は大丈夫だったんですけど、自分は結構甘いものが好きだったので、それもなかなか食べられなかったりだとか、あとはやっぱり、訓練以外はやる事もないじゃないですか。外とは手紙以外は連絡する手段がないのできつかったですね。帰りたいと思いました。ボクらの時は(養成期間が)11ヶ月で長かったんですよ。体力訓練はきついと思ったことはなかったです。朝も別に、きつくなかったというか、寝るのも21時くらいでしたし。テレビも談話室で何時から何時までって決まっていて。僕らの時はちょうど2002年のワールドカップがあったので、それは見せてもらったんですけど。あとは本を読んだりしましたね。
―デビュー戦のことは覚えていますか?
デビュー戦は覚えていますね、1着を取れたので。良かったなって思います。家族や友達が見に来てくれましたね。
―ここまでレースを重ねてきて、一番印象に残っているレースはありますか?
ずっとGIの決勝に乗れなくて、GIIは何回か決勝に乗っているのに、ずっとGIは乗れなくて、6、7年前に乗った時があって、それは嬉しかったですね。初めて優勝したのもよく覚えています。2級の時だったんですけど嬉しかったです。
―2級車から1級車に乗り換わった時はどう思いましたか?
1級車ってパワーがすごいなって思いました。もう、直線の行き方が、開けた時の行き方がもう、つんのめっちゃう感じだったので、そのくらい力が違うなって思いましたね。今は全くなにも思わないですけど(笑)。いやー、全然違いますね。練習をいっぱいしていたので、1級車でデビュー前には慣れました。けっこう、いいラップも出てましたし。
―ここまでオートレーサーとしてやってきて苦しかった事はありますか?
苦しかったことって...、あんまり悩まないようにしてるので、忘れちゃうんですよ。そんな苦しかったとは思ってなくて、楽しくやらせてもらってるとは思っていて、感謝しています。この業界に。
―逆に嬉しかった事はありますか?
いい成績を取れれば嬉しいですし、今は岡崎さん(川口16期・岡崎秀二選手)がいて、広瀬(川口30期・広瀬勝光選手)がいて、今度新しいのが入ってくるんですけど、この3人でやるようになってから、いい環境でやらせてもらっているので、それが一番ですね。人間関係というか、家族ぐるみでみんな付き合っていて、それでやれているのが幸せだなと思いますね。必ず年に1回は家族みんなで集まって忘年会をやったり、たまに新年会もしたりとか。
―オフの日はどんな感じで過ごしていますか?
今はまだ子どもが小さいので、その子どもに対して時間を使うことが多いですね。(家に)居る時はなるべく送り迎えもそうですし、子どもに対してやる事はやるようにしています。子どもはもう、癒しですね。公園とかにも子どもが行きたい所には連れていっています。
―今、自分の中で課題を挙げるとしたら何かありますか?
もうちょっと整備力をつけないといけないのかなと。もう50近くなってきたので、乗る方はある程度固まっちゃってると思うので、あとはもう整備のうまさを身につけて、その感覚をもっと研ぎ澄ましたり、調整をうまくしていきたいなと思います。現状のパーツの中でベストを引き出すにはどうすればいいかなって考えてやっています。
―あと、デビューしてから体形が変わってないように思いますが、気をつけている事はありますか?
体形は変わってないですね。まあ、2キロぐらいは増えたかもしれないですけれど。食べる量は少ないと思います。ただ、甘いものが好きなので食べちゃいますね。それは自分への褒美じゃないですけど、楽しみなので食べちゃうんです。でもやっぱり、食べるものは気を使ってますね。お米を少なくしたりだとか。あと、3食をちょこちょこ5食にしたりだとか。あとボク、(ボクシングで)減量をやっていたので、どういう減量をすればいいのかっていうのも勉強していたので、それがある程度役に立ってますね。
―今現在の目標を掲げるとしたら何かありますか?
前に優勝してから間があいているので、一般戦でもナイトレースでも、出場レースで優勝したいなと思います。理想は年に1回くらいできればいいんですが、ここ数年はしてないので、2025年は優勝できるようにはしたいですね。
―最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
毎走毎走頑張って、1着取れることは少ないとしても、3着以内には頑張って絡めるようにしていきたいです。自分の成績を見ると3着が多いので、本気を出していてそうなっちゃうんですけど、3着絡みがいいかもしれません(笑)。
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飯塚オート所属の33期・木山優輝選手にお話をお聞きしました。
(取材日12/29)
―オートレーサーになろうと思ったきっかけは何ですか?
小学生3年くらいの時に見に行って、格好いいと思ってなろうと思いました。親に飯塚オートに連れていってもらって。高校生になって、その時、ちょうど33期の応募があってので、冒険がてら受けてみようと思って、落ちてもまだ次があると思って、冒険がてら受けてみたら受かっちゃった、みたいな。一発ですね。良かったです。合格通知が来た時は嬉しかったですね。
―そこから養成所に入るわけですけど、そこでの生活はどうでしたか?
いやあ、大変でしたよ。やっぱり最初は押しがけとかですかね。それまで何のバイクも乗ったことがなかったので、押しがけも最初はよく分からなかったですね。苦労しましたね、最初。クラッチとかも全然分からなかったので。規則正しい生活も最初はきつかったですけど、まあ慣れればそんなに...。体力の訓練も、慣れですね。運動は中学の時に野球をしてましたけど、高校の時は特に何もしてなかったです。
―デビュー戦のことは覚えていますか。
やっぱり緊張しましたね。6着で中途ハンパな着でした。でも、憧れの場で走れたので嬉しかったですね。それまで外から見てたので、中にいるのが不思議な感覚でした。友達も見に来てくれましたね。
―そこからレースを重ねてきて、一番覚えているレースはありますか?
特にはないですね。まあ、いつも通りです。初めて優勝した時は嬉しかったですね。地元で2級の時に初優勝して、まさかできるとは思わなかったので、嬉しかったですね。
―逆にここまでやってきて苦しかったことはありますか?
今でもありますよ。悪くなったり良くなったりの差が激しいので、エンジンによっては。今節(川口オート・12月27日からのシリーズ)も良くないので、前節は良かったんですけど。レース場によって変わるので難しいですね。自分は整備はあまり得意じゃないので。
―2級車から1級車に乗り換わった時はどう思いましたか?
ずるいなって思いました。パワーが全然違うので、すごいと思ったんですけど、自分ドドド持ちだったので、それで結構悩みましたね。2級車の時はなかったんですけど、1級車に乗ってからなので、最初の頃は全然勝てなかったですね。それが長かったです。師匠がフレームとかいろいろやってくれたので、今は全く。タイヤによっては来るけど、基本なくなりましたね。気持ち良く乗りたいのでドドドがない方がいいですね。
―お師匠さん(飯塚26期・田中茂選手)からの指導はどうですか?
いい人です。いろいろとアドバイスをもらってます。いいグループに入れました。
―今、課題を挙げるとしたら何かありますか?
とりあえず今、最重ハンで定着してきてるので、もっと頑張って整備してタイトルは欲しいですね。あとは自分の頑張り次第ですね。
―2024年は5回の優勝がありましたね。
びっくりですね。まさか。一時期、良かったけど、落車してダメになって、最近また良くなったかなって感じです。整備は難しいですね。
―目指している選手像はありますか?
もうちょっと捌きを磨いて、エンジンも出せるような選手になりたいですね。前の人も速いので、なおさら頑張らないといけないですね。
―オフの日はどんな感じで過ごしていますか?
まだ子どもが小さいので、子どもと遊んでいます。それが癒しですね。仕事のことは考えず、リセットして切り替えてって感じです。
―同期の人との仲はどうですか?
仲いいですよ。今回も泉田(川口33期・泉田修佑選手)のロッカーに入り浸りで、もう家みたいな感じなので動けなくなります。リラックスできるので。
―当面の目標を掲げるとしたら何かありますか?
やっぱタイトルですかね。G1でもG2でも。優出したことはあるので、チャンスはあると思います。頑張りたいです。
―最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
タイトルを取れるように頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします。
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2024年の佐藤選手は優勝回数も多く、自信初となる10連勝(トータル14連勝)を飾るなど活躍を見せてきました。しかし、レース道中やスタートのミスなどもあり目標のスーパースタートライアル戦に出場することは叶いませんでした。どんな1年になったのか、2024年を振り返っていただきました。
(取材日:2024年12月23日)
AKI:2024年は自身初の10連勝、優出回数18回、優勝回数9回(2024年12月23日現在)と充実した年になったんじゃないですか?
佐藤:そうですね。自分が思ってる以上に優出、優勝出来ました。2023年のスーパースターシリーズ戦を優勝してから年明けも良かったんですが、夏場がとにかく苦労して。グランプリ辺りですかね。滑るしセッティングも出せてない。それに人間が滑る走路に上手く対応出来てなかったですね。ここ最近、人間がうまく乗るということを重視しています。夏場はとにかくエンジン、エンジン。エンジンが合ってないなと焦ってたんですけど、よくよく考えたら人間が夏場の走路に合わせれていない感じがします。乗り方ですね。グリップ操作が冬場とは全然変わってきますし、バイクの寝かせる角度や人を捌くときにもっと丁寧に車を寝かせないといけないというところが今年1番の課題だと気付けました。グランプリはなにも出来なかったですね。1着が取れなくて焦って落車して。大事な大事なSGを1つ無駄にしてしまいました。来年は同じ失敗をしないぞ!という課題になりました。
AKI:今年は35期新人王決定戦もありましたが振り返っていかがですか?
佐藤:新人王は獲れたけど正直車は良くなかったですね。なんとかギリギリ。新人王になったけど上がりタイムも足りないし、その節は準決で敗れてしまったし、結果的に良い節とは言えませんでした。同期に勝って新人王になれたことは良いことなんですが思うところはありましたね。
AKI:そこから冬場に向けてはまた調子を上げてきましたよね。
佐藤:そうですね。結果タイヤが大きかったです。夏場は良いタイヤが見つからなくて、10月くらいからのタイヤが毎年良いんです。なので、10月に買うタイヤの本数は増えます。そこから良いタイヤに当たり始めて結果に繋がってるという感じ。なので、今は良いタイヤを夏場まで取っておこうという作戦をとっています。来年の夏場に向けた対策、戦いは始まってます!勝ちたいから基本的に良いタイヤはどんどん使ってしまうんですが、年間を通してと考えた時に来年に向けたタイヤの準備はしていこうと考えるようになりました。もちろん冬場でも勝てるようにタイヤはとんでもなく買ってるのでストックはたくさんありますよ。ロッカーはタイヤの倉庫になってます(笑)
AKI:今年は2年ぶりにGII若獅子杯を優勝、2度目の制覇となりましたが振り返っていかがですか?
佐藤:若獅子は本当に良かったですね。同期もいっぱいいて楽しい開催。同期に頭を下げながら、たくさん迷惑をかけながら2回下回りの整備をしたんです。結果仕上がりました。優勝戦は試走タイム3.25も出たし自分が思ってる以上に仕上がってるんだろうなと思ってレースに臨めました。スタート切っての1コーナーは絶望だったんですけどね。バックストレッチ入って前の人数数えたら7人いて「俺1番後ろじゃん。」っとなりました(笑)そこからあのメンバーを捌けたというのはエンジンが仕上がっていた証拠です。スタートは行けなかったんですがあのメンバーを捌けたことは自信になりましたし、今年は捌きの技術が上がったと感じています。1番大きな成長だと思います。
AKI:そして、今年は自身初となる10連勝を飾りました。
佐藤:最後のSGで年末へ望みをかけたんですが準決で迷惑をかけてしまって。その時は勝負で飛び込んだんですけど曲がりきれずに有吉さんに迷惑かけてしまいました。大大大反省です。相手が有吉さんだったから事故にならなかっただけで、有吉さんじゃなかったら事故になってたかもしれない。キレられるとも思っていたんですけど、有吉さんの懐が広すぎて「本当にすごい方だな。」と思いました。5、6回くらい謝りに行って「もう謝らなくていいよ」となった時にアドバイスまで頂いて。「さっきのあの選手のレース見たか?ああやって三角切って切り返すんだよ。」と。自分は有吉さんと繋がりがほとんどないので基本的にアドバイスをもらうことはないんですが、迷惑かけた自分にまでアドバイスをしてくださって「うわぁ、、、!」と感動しました。やっぱ凄いです。当たり前だけど有吉さんは凄い方です。その反省と悔しさで次の日の最終日からはがむしゃらに走ってました。そこからの10連勝です。今年の目標はスーパースタートライアル戦に乗ることだったので準決で敗れた時は正直目標も失ってやる気もなくなってしまったんですが、次の節のミッドナイトの前によく考えて。サウナに入って整いながら考えてましたね。自分はサウナに入りながら考え事をすることが多いんですよ。そこでふっと思った時に、「まだやることはある、ここからのレース全部勝ってやる!」と思ったんです。トライアルメンバーに負けないくらいの成績を残すしかないなと。いつまでもクヨクヨしててもしょうがないなと思って、結果出していこうと気持ちを切り替えて次のミッドナイトに臨むことができました。結果が出せて良かったです。
AKI:10連勝という記録はどの辺りで意識しましたか?
佐藤:ミッドで2節連続優勝して、その後の川口ナイトレースで10連勝がかかっていました。その川口に入ってからめちゃくちゃ緊張しちゃって。「あと2回勝てば10連勝じゃん。」って思ったら(笑)去年も10月くらいに9連勝までしたんですが負けてしまって。ここまで積み上げてきたものが一瞬にして崩れ去ったあの時を川口で思い出してしまいました。記者さんにも言われたりして意識してましたね。10連勝できた時はとにかくホッとしました。「あー良かったー!!」って。嬉しいよりもホッとしたの方が大きかったですね。周りの人にも「当たり前に10連勝するんだろ!」と言ってもらってたのでできて良かったです。緊張の中、エンジンも合わせられたし落ち着いてレースができたと思います。10連勝してからは連勝のことはなにも考えなくなりました。10連勝までがキツすぎたので(笑)また1から頑張ろうという感じ。目の前のレースをがむしゃらに頑張った結果川口も優勝できました。結果がついきてくれたことが本当に良かったです。それに付きます。
AKI:川口の後は飯塚オートのGI開設記念でしたが振り返っていかがですか?
佐藤:2日目まで連勝を伸ばしていたんですが、3日目のスタートで大きく遅れて、エンジンも追い足がなく5着という結果に。あの日だけ何故か勝手に緊張してて。実績はあったんですが低くなってたからかエンジンにタイヤがついてこれなくていっぱいいっぱいになってしまいました。その時に、当たり前なんですが負けるってめちゃくちゃ悔しいと感じて。勝つ人がいれば負ける人もいるわけで、改めて自分は負けることがめちゃくちゃ嫌いなんだなぁと思いましたね。なんでこんなに整備してるんだろうと考えたらただ勝ちたいからなんですよ。連勝を伸ばす中で負けた時に勝てることって当たり前なことじゃないんだなと、負けるってめちゃくちゃ悔しいんだなと気付かされました。がむしゃらに頑張って14連勝までできましたが、自分の中で忘れてたこともあって、改めていろんなことに気付けた連勝になりました。収穫がたくさんありましたね。
AKI:その後、優勝戦までしっかり立て直して勝ち上がっていきました。その中でも、"人間が成長しないと"というようなことを仰ってましたよね。
佐藤:そうですね。人間がうまく乗ることがいかに大切かというところを自分も含めみんな忘れがちだと思っていて。2級車の時は"人間"というのに1級車になるとエンジン、タイヤ、跳ねがきて、とかいうことが多くなっているんです。でもよくよく考えると練習ではいつも通り乗れてるのにレースでは体に力が入って跳ねに繋がっていたりすることがあると思うんです。準決勝も跳ねたんですけどすごく力が入っていて、力を抜いたら跳ねなくなったりしたんです。人間が大事なんだなと。車を仕上げるのはもちろん、しっかり準備した上で人間が乗りこなすことが大事なんだなと思いました。なので、人間の技術向上のためにモトクロスやレーシングカートに行ったりして外のトレーニングをしています。ほぼ趣味になるんですけど、モータースポーツが大好きなんで何か乗り物に乗っていたいんです。そしてどの乗り物にも共通する部分があると思うので、先輩たちとの経験値を埋めるためにと思って行動しています。オートは練習時間も限られてるので、他の人が見てないところで努力することが大事。先輩との力の差を埋めるチャンスだと思っています。
AKI:しかし、優勝戦ではスタート遅れてしまいました。
佐藤:遅れてしましましたね。妙に気合が入っちゃって。普通に切れば良いところをいつもより回転を上げてしまって、クラッチもパンっと離して浮かせてしまいました。完全に人間です。正直優勝できたエンジンだったと思います。人間が乗れてたら獲れていただけにもったいないし悔しかったですね。ただそこからあのメンバーを捌けると思ってなかったので収穫もありました。格上の先輩を捌くって怖いんです。金子選手なんてどうやって抜いたらいいか分からないという怖さです。インコースは厳しいし、オーラもあるし。けど、飛び込んでみたら入っていけて、後半も周りがよく見えて落ち着いていけたのでそれだけエンジンが良かったんだと思います。格上の先輩を捌いたというのは自信にもなりましたし収穫は大いにありました。反省点はもちろんスタートなんですけど、他の面に関しては良かったと思います。とにかく自信につながるレースになりました。これからも場数こなして自信をつけていきたいですね。
AKI:全体的に振り返ると2024年はどんな1年でしたか?
佐藤:どうしても引きずってるのが夏場の悪い成績ですね。あまりにも悪すぎたので。来年に向けた課題につながりました。あとは、浜松で結果が出せなくて。なので、来年は浜松で優勝したいなと思っています。浜松で優勝すると5場全てで優勝できたことになるので来年の目標の一つです。そしてやっぱりトライアルに乗るのが来年1番の目標です。悪くはない1年でしたが思い残すこともある年でした。
AKI:最後に読んでくださった方へメッセージをお願いします。
佐藤:今年1年、悔しい思い、嬉しい思いと色々ありました。きっと来年につながる1年になったと思います。まずは2025年のスーパースタートライアルに出ることを大きな目標に、一つ一つのレースをがむしゃらに頑張っていくので2025年よろしくお願いします。
(写真は川口オートSNSより)
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