成長著しい長田稚也選手。8月29日に行われたGIダイヤモンドレースでGI初優出、初優勝を飾りました!地元の伝統あるレースでのグレード初優勝。表彰式では涙を流しながらの登場となりました。そのダイヤモンドレースを振り返っていただきました。
(2023年9月30日)
インタビュー / AKI
AKI:GIダイヤモンドレースでグレード初優勝おめでとうございます!
長田:ありがとうございます!
AKI:優勝したお気持ちはいかがですか?
長田:嬉しい気持ちと1番はホッとした気持ちが大きいですね。最重ハンデ、34期を引っ張る1人になって、頑張っていかないといけないという思いがあって。周りからも言われたりすることもあったし。他の期のトップはすごい人ばかり。黒川さん(川口33期:黒川京介選手)とか。そんな中、「34期を引っ張っていけるんかな?」と不安があった中で、グレードレースを一本取れたというのは大きかったですね。ダイヤモンドを優勝するまでは自信はなかったし、結果は出てるけど...と悩むことも多かったです。
AKI:意外です!今年の初めから優勝もしていましたし、良い流れできていたので自信がないというのには驚きました。
長田:そうですね。結果は出てたんですけどもっと上を見た時に「SGとか勝てるんかな?」とか思ったり。色々考えましたね。なので、今回の優勝はいろんな意味で大きかったです。自信にも繋がりました。優勝戦は10mのオープン戦と角度はありましたが、「エンジン状態も良く、枠を主張して展開を作っていけば勝てるんだ!」という自信になりました。
AKI:エンジンが良かったというお話ですが、節中は雨で苦労されている印象でした。
長田:そうなんです。乗れないですね(苦笑)前の方が乗れてたと、おやっさん(飯塚27期:城戸徹選手)にも言われます。特に何も変えてないんですがなんか乗れなくなりました。以前1着を取れた感じで行っても次は乗れないとか。難しいですね。いろんな湿走路がありますね。ただ、最近は新走路も増えてグリップを開けて走れるようになったんで少しは走れるようになるかなとは思っています。とにかく雨は練習ですね。
AKI:晴れに関しては安定した着取りでしたが節間通して振り返っていかがですか?
長田:整備日にクランクを買っていて。初日が斑走路で5着。いつもの自分だったら「斑だから晴れを走ってからクランクを替えるか考えよう。」という感じなんですが、なぜかその時は「思い切ってクランク替えます!」と周りに言っちゃって。そこからエンジンは良くなって2日目良走路で1着。全体に上積みがあり、久しぶりに手応えがありました。今年の春前までが良すぎたんでそこを求めていたんですがなかなかそれ以上の結果が出なくなって。新品クランクに替えて「きたぞ、この感じ、懐かしいな!」と良い時の感触になっていました。
AKI:準決も1着でクリアしましたよね!
長田:そうですね。いつもは準決後はエンジンを扱わないかリングを替えるくらいなんですが、ダイヤモンドの時は色々考えた結果「カムやな!」と思って。あの時のエンジンで唯一替えてない部品がカムだったので、「ここで一発上積みするしかない!」と。新品に替えて優勝戦に臨みました。
AKI:優勝戦はまず10mオープンの2枠から。スタートが鍵でしたが良いスタート決まりましたよね。
長田:そうですね!消音マフラーのスタートはしっかり切れてました。いつもは緊張しちゃうんですが、あの時はリラックスできたというか不思議でした。良い緊張感でガチガチでもなく。周りがよく見えてました。初めてのGI優勝戦だったんですが良いメンタル状態で臨めました。10mオープンになって2枠でチャンスだし、ここしかないと思ってはいたんですけど、力み過ぎずリラックスできていました。不思議です。
AKI:トップスタート切ってからの気持ちはいかがでしたか?
長田:岩見さん(飯塚29期:岩見貴史選手)が見えたんですけどなんとか突っ張って「まずは展開作ったぞ!」と思っていました。いつもスタートでやられてるんで先行できて良かったです。
AKI:スタートから8周回先頭を走ることになりましたがいかがでしたか?
長田:いやー長かったですよ(笑)自分のタイプ的に独走タイプではないので長いですね。周回盤は残り3周のところで見ました。その時にもう一回気持ちを入れ直して、周回気にせず限界を超えるくらいの感じで「行け!」と思って走りました。経験値がある人はここから追い込んでくると思っていたんで、守り入らず思いっきり走りました。
AKI:新品のカムの威力はどうでしたか?
長田:レース足が良くなって上積みがありましたね。この新品カム交換なんですが、以前にもしたことがあって。その時もレース足が良くなっていたんです。なので、「あの時、カムを替えて良かったから今回も替えてみよう!」と今までの経験が活きました。最重ハンデで走っているといろんな人と情報交換が出来るし、深い話も沢山聞けるので、一つ一つの話が大切で大きいですね。
AKI:最重ハンデに定着出来てるからこそのお話も多いんじゃないですか?
長田:最重ハンになった頃と今では違いますね。遠征して色んなレース場で色んな話を聞けることもですし、プレミアムカップとかで凄い選手と練習したり情報交換をするといままでにない深いものがあります。
AKI:ダイヤモンドの優勝戦もかなり手応えがある中で臨めた感じですね。
長田:そうですね。エンジンもそうですけど、乗り方を荒尾さん(飯塚27期:荒尾聡選手)に教えていただいて。体の重心とか、力の抜き方など自分の悩みを言って、色々教えてもらったことを「こうかな?」とやってみながら。凄く分かりやすく教えて頂きました。完璧にできてる状態ではなかったんですが、それも良い方向に向いたし、考え方も変わりましたね。
AKI:有吉選手(飯塚25期:有吉辰也選手)が追い上げてきていましたがどうでしたか?
長田:音はなんとなく聞こえてる気がしたんですが、影が見えなかったので「どうなんだろう?あれ?誰も来ない?あれ?」と言う感じでした。残り1~2周くらいは「もう来る?いつ??」と言う感じ(笑)周回盤見たらダメですね。ドキドキでした。
AKI:優勝を決めた瞬間というのはどうでしたか?
長田:走り切った瞬間は「走り切った~。GI獲れたんだ~。」と不思議な感じ。けど、ゴール直後に有吉さんと荒尾さんと清太郎さん(伊勢崎29期:早川清太郎選手)が「おめでとう!」という感じであいさつしてくれて、祝福してくれて、それが涙腺にトドメを刺しましたね(笑)
AKI:大きなガッツポーズも出てましたね!
長田:出てましたね。2回もしちゃいました(笑)東小野さん(飯塚25期:東小野正道選手)に「優勝したら何か考えとけよー!」と言われて。けど、イメージよりかなり大きなガッツポーズになっちゃいました(笑)カッツポーズしながら泣いてました。
AKI:走路を出てロッカーの前で選手が迎えていたと思いますが、その時の気持ちはどうでしたか?
長田:少し涙を流しながら戻ったんですが、ロッカーの前に沢山の選手が集まってくれててそこからさらに涙が「ばーーー。」と出てしまいました。その後の表彰式でも、おやっさんに育ててもらったこととかを考えたらまた涙が出てきちゃって。ステージでの表彰式は初めて。やっぱりお客さんの前で優勝して表彰式では温かい声援を頂けるというのは本当に嬉しかったですね。飯塚のファンの皆さんの前で優勝できるって幸せだなと思いました。
AKI:このオッズパークインタビューを去年の末にもさせてもらったんですが、去年のダイヤモンドはフライング。来年(2023年)はグレードレースでも活躍したいと仰っていました。その言葉通り、しかも地元でのグレード制覇となりました。
長田:今年はずっと「グレードレースで活躍したい!」と言い続けていました。最近思ったのは「口に出して言い続けるって大切なことだな。」と。S級を目指すのはもちろん、グレードを獲りたいと言っていましたが、まさかそれが地元伝統のダイヤモンドレース。今までの歴史に自分の名前を刻めたのはとても嬉しいです。
AKI:S級になれば全てのSGに出れるということも以前お話しされていました。そして、10月からは初のS級!S-17位です!
長田:そうですね。SGに出れず裏開催に出たりと悔しい思いもしてきました。S-17はやりすぎですね(笑)けど、それだけ結果が付いてきたということなので嬉しいですし、頑張って良かったと思います。ただ、ランクは過去の成績なので、このランクを維持するためにここからまた頑張らないとなと思っています。今までは最重ハンのインコースから走っての成績。これから厳しい位置に置かれると思うし、自分の外にいた人が内にいることになって、その人たちを捌いていかないと勝てないんで、この半年もがいて苦しんでいきます。
AKI:飯塚の中で5位ということにもなります。
長田:そうですね。不思議ですね。自分が見て憧れてきた飯塚の選手、その中で5位というのは凄く光栄なことです。
AKI:中村杏亮選手(飯塚33期:中村杏亮選手)とは先輩になりますが、ライバル関係でもあり情報交換をしたりと、とても良い関係ですよね!
長田:杏亮さんの方が全然凄いですけど、付いて行かなきゃと思う先輩です。色々教えてもらいながらやってます。2人で飯塚を引っ張っていける存在になれたら良いですね!
AKI:去年は大きな1年になったと仰っていましたが、今年も飛躍の1年になっていますね。
長田:そうですね。去年があったからこその今年の成績じゃないですかね。去年がベースになって、今年は去年の応用になった1年になってるなと思います。
AKI:今後の目標はなんですか?
長田:このランク、位置の定着。フラットな状態、0mオープンでタイトルを獲りたいですね。その為にはスタートしっかり切らないとですね。なので、今後の課題はスタートが1番だと思います。消音マフラーは安定してきたんですが、通常マフラーのスタートが良くないので改善していきたいです。プレミアムカップの準決はスタートが切れて前を捌けず3着。優出とはならなかったんですが、スタート切れれば0mオープンでも戦えることが分かったので自信になりました。最終的にSG優勝が目標なのでコツコツ頑張っていきたいです。
AKI:お兄さんである長田恭徳選手(山陽32期:長田恭徳選手)とも良くお話されてますよね。
長田:そうですね。ここ1、2年よく話すようになりました。情報交換もですがどうでもいい話もあります(笑)最近は兄ちゃんの車の状態が良くなく、自分が良い状態というのもあったので色々話したり。やっぱ兄ちゃんにも良くなって欲しいので。2人で良い成績残したいし、2人で強くなっていきたいです。ふたりとも良い状態で戦ってみたいですね。この前の川口で特選一緒に走ったんですが、最後は兄ちゃんの得意の差しと気持ちで負けました。次は勝ちたいですね!!
AKI:それこそ、兄弟でGI覇者ですよ!
長田:兄もGI初優出の初優勝。しかも、2、3着が有吉さんと荒尾さんなんです。有吉さんにグランプリの時「兄ちゃんがGI獲った時も2着有吉さん、3着荒尾さんだったんですね!」と言ったら「お前ら~(笑)」と言われました(笑)不思議ですよね。最強兄弟と言われる様にもっと頑張ります。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
長田:今回、GIダイヤモンドレースを獲れて自信になったので、もっと上の舞台で戦えるように。そして、ファンの皆様に喜んでもらえるようなレースをしていきたいと思っています。もっと飯塚オートに足を運んでもらえるよう頑張ります。ぜひ、本場で声援、応援をよろしくお願いします。
(写真は飯塚オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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