川口所属34期の女子レーサー。今年の1月に1級車に乗り換えてしっかりとハンデも重化してきています。特に湿走路ではかなりの人気を集める程に。そして、7月のガールズ王座予選では同期とデットヒートを繰り広げました。ガールズ予選のお話から、課題、目標、選手になったきっかけなどお聞きしてきました。
(取材日:2021年7月31日)
インタビュー / AKI
AKI:ガールズ予選の浜松ステージ(6月19日)1着おめでとうございます!
本田:ありがとうございます!
AKI:得意の雨でのレースでした!振り返っていかがですか?
本田:車の状態はぼちぼちくらい。後は自分が頑張るしかないと思っていました。
AKI:雨、湿走路の方が好きですか?
本田:そうですね。雨の方が着を取れるし、自信持っていけるのは雨ですね。
AKI:雨はいつ頃から乗れるようになったんですか?
本田:2級車の後半からですね。当時はとにかく練習を頑張っていました。あとは周りの先輩方に雨が速い選手が多くって。師匠の谷島さん(川口25期:谷島俊行選手)や増田さん(川口23期:増田伸一選手)、田辺さん(川口27期:田辺誠選手)、瑞季さん(川口32期:小林瑞季選手)とか。なので、雨の乗り方を聞いたりしていました。周りがみんな速いので自分も頑張ろうと思っていました。
AKI:デビュー当時、湿走路は苦手という意識などはありませんでしたか?
本田:苦手意識や恐怖心はなかったんですが行き過ぎちゃう感じで。晴れでもそうなんですが、どこまで突っ込んでいいか分からないから行ってだめなら経験にして次に繋げていくという感じ。なので、失敗することが多かったですね。師匠には「落ち着いて行け!」と言われていました。
AKI:勢いすごいですね!
本田:勢いだけは凄いです(笑)けど、それが結果的に雨の成績にもつながってると思います。
AKI:その雨で、ガールズ予選の川口ステージ(7月8日)で同期の信澤選手(川口34期:信澤綾乃選手)とデットヒートを繰り広げましたね!
本田:そうですね。のぶを追いかける立場だったんですが、すぐ後ろにいるのが私だってのぶは分かってたと思います。私も逃すならのぶだけだなと思っていました。負けちゃったんで悔しいですが良いレースだったと思います。レースが終わったあと宿舎で「良いレースだったね。楽しかったね!」という話はしました。
AKI:楽しいと思えたんですね!!!
本田:んー。悔しいの方が大きいですね(笑)レース終わってロッカーに戻ったら周りの先輩に「何やってんだよー」と言われちゃいました。けど、この悔しさを次に繋げたいと思います。
AKI:女子戦は通常のレースとは違いますか?
本田:2級車の時は女子戦ということを意識しすぎて、フライングしたり落車したりしてしまいました。なので、今年は"何も思わないようにしよう。いつも通りのレースだ"と考えるようにしていました。後は、女子戦になると後ろから走ることが多く、前に人が多くなるので違いますね。なかなか難しいです。
AKI:ただ、やはり雨はしっかり自信を持って走れているんですね!
本田:そうですね。特に雨は自信がないと走れないと思うので、調子が良くなくても自信だけは持つようにしています。けど、「自信だけで行くと転ぶから冷静さも持てよ!」と周りからは言われます(笑)後は、雨だったら本田が来るだろうと選手もお客さんも思う方が多いので少しプレッシャーになることもありますね。けど、嬉しいことなのでこれからも頑張ります。
AKI:デビュー当時の本田選手の印象は割と落ち着いているという印象だったんですが、意外とそうでもないんですね。
本田:2級車の時が特にでしたね。落ち着きがなく自分から失敗してしまっていました。師匠には「練習を100%で行って、レースでは120%で行くから失敗するんだよ。」と言われていました。気合が入りすぎちゃうんですよね。けど、1級車になってだいぶ落ち着いてレースが出来る様になりました。
AKI:雨のお話を聞きましたが、良走路に関してはいかがですか?
本田:んーーー。ぼちぼちですかね。スタートしてからの展開が作れなくって。以前は逃げるだけだったんですが、並びがいたり、捌く立場になって自分のコースを行けずにそのまま下がって終わっちゃう感じで。今の位置はかなり勉強になります。
AKI:今、どのあたりを1番良くしたいですか?
本田:スタート、その後の展開作りですね。展開が良ければ1着取ることも出来るし、雨なんかはスタートで前を食っちゃえば楽になります。元々スタートが速くないので練習して、まずは並くらいに切れるようになればと思っています。少しずつではありますが、スタートの速い選手に聞いて色々試して良くなってきているとは思います。
AKI:エンジンの整備に関してはいかがですか?
本田:この前、新品のシリンダーを入れました!交換前は色々自分で扱ってみたんですが上手くいかなくって。なので、先輩に聞いて交換しました。自分が乗ってる1級車は先輩達のパーツで作った競走車で、自分で買ったパーツが少ないんです。もうそろそろパーツの交換時期だったので自分でパーツを買って入れました。良い方向にいってると思います。
AKI:師匠の谷島さんや先輩選手とは密にお話しされているんですね。
本田:そうですね。みなさん親切に教えてくださいます。周りの先輩みんな明るいですね。自分で扱っても結果が出ない時は周りに聞くようにしています。聞けば師匠も親身になってくれますし、自分が上手く言葉にできない時も頑張って聞こうとしてくれます。「コーナーで"わー!"ってなっちゃうんです。」と言っても理解しようと考えてくれます(笑)恵まれてると思います。ただ最近は師匠と同じ斡旋にならない時も多いので、自分で考えてエンジンを扱ったりするようにしています。
AKI:女子選手の中で身長が高い方ですが、身長に関してレースに影響することはありますか?
本田:やっぱり体重とか、他の女子選手と比べると車の伸びとかは関係あるかなぁとは思っていました。2級車の時は特に。けど、1級車になって女子の中では高いけど男性選手に混ざったら特に目立つ訳でもないし、周りに山際さん(川口26期:山際真介選手)や田辺さんなど身長が高い選手がいるので色々とアドバイスをもらえています。なので、"小さくて分からない"と言われるよりは恵まれてるのかなと思います。
AKI:乗り方に関して、飯塚の解説"釜本和茂さん"が「綺麗な乗り方をしてるね!」とよく褒められていますよ!
本田:そのことを周りの選手から「めちゃくちゃ褒められてたぞ!」って聞いて恥ずかしくなりました(笑)釜本さん好みの乗り方なんですかね?(笑)他の選手にもフォームを褒めてもらえているんでそこは強みというか、このフォームのまま速くなれたらいいなと思っています。けど、速くなってくるとフォームが崩れてくると思うのでしっかり意識して練習していきたいですね。
AKI:目標などは決められるタイプですか?
本田:今は"優勝してハンデを下げたい"というのが目標です。どうせハンデが下がるなら優勝したいです。
AKI:オートレーサーになって丸2年経ちました。選手を目指すきっかけはなんだったんですか?
本田:元々オートレースも見ていたわけではなくて。ずっと剣道をやっていて、私立の高校でガッツリ体育会系でした。その後1度就職したんですが、父に「せっかくスポーツをやってきたのにもったいなくない?」と言われて。「こういう職業があるよ!」と持ってきたのがオートレースだったんです。父や家族もバイクに乗っていて、私もバイクの免許を持っていました。父のススメもあり試験を受けて合格。なので、最初は選手になりたくて仕方がないという同期には申し訳ないなと思っていました。けど、今は楽しくて好きなので選手になれて良かったと思っています。選手になっての2年間はあっという間。とても充実しています。
AKI:お父様は喜ばれたんじゃないですか?
本田:大喜びです。けど、今ではおばあちゃんの方がレースをよく見ています(笑)今もリビングで父はオリンピックが見たい、おばあちゃんは伊勢崎のレースが見たい、で戦ってます(笑)おばあちゃんの昔の話を聞くと、もう亡くなってるんですがおじいちゃんの友達に船橋の選手がいたみたいなんです。ダート時代にオートを見に行ってたらしいです。
AKI:凄い繋がり!!何か縁があったんでしょうね!!そして、おばあさまは現在のオートにハマっていると!!
本田:ハマってますね!紙に誰が何着とか書いたり、自分の同期が何レースに走るかをしっかり確認してたりします。応援してくれてるんで頑張らないとですね。課題は本当にたくさんあるのでしっかり練習して、出来る限り選手を続けていきたいと思っています。
AKI:それでは、最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
本田:とにかくどんなレースも全力で走っています!これからも応援をよろしくお願いします!!
(写真は川口オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。