川口所属の31期。ロードレースからの転向選手。2021年度前期のランクは自身最高のS-26位(2018年後期のS-42位が最高)となった。しかし、苦手な夏の滑る走路に苦しみ、思う様にいかないレースが続いています。近況の状態、課題、同期のことなどお話をして頂きました。
(取材日:2021年7月28日)
インタビュー / AKI
AKI:インタビューお受けいただきありがとうございます!
岩田:いえいえ。同期の記事読みました!みんな熱く語ってるな!と思いました。同期と話していてもあそこまで熱く語ることってなかなかないので。同期の思ってることが知れて面白かったです。
AKI:岩田選手にも熱く語ってもらいましょう!
岩田:頑張ります(笑)
AKI:2021年度前期のランクがS-26、今までで最高ランクとなりました。前期ここまで振り返っていかがですか?
岩田:思ったより苦労していますね。元々夏場のレースが苦手というのもありますが、S級に上がった後はエンジン状態が下降してしまって立て直せないというのが毎回のパターンです。ただ、今年の冬場は結構調子が良くって、もう少し戦えるかなと思っていたんですが...。やっぱり毎年のパターンにはまっちゃってるなという感じです。
AKI:ランクを見ると冬場はかなり良かったということですよね。
岩田:そうですね。ランクを見た時は自分でもびっくりしましたが。凄く上がっちゃったなって。
AKI:夏場が苦手というのは滑る走路が苦手ということですか?
岩田:そうですね。よく滑らせちゃうというか。エンジン云々よりも滑り。タイヤがうまく使えていない感じ。凄く低いタイヤでも走れる選手もいますが、自分はそれが出来なくって。タイヤ選定の幅がかなり狭く、夏場はかなり苦労しています。今年の夏もまだ上手く対応し切れてないですね。
AKI:エンジンに関してはいかがですか?
岩田:夏場と冬場のクランクを分けてたんですが、ここ1、2年は同じクランクで戦っています。冬場はすごく良いんですが、夏場はセッティングを見つけられなくって。今年もまだ見つけられていないので、次の開催でクランクを入れ替えようかなと考えています。寝かせていた新品のクランクです。飯塚のプレミアムカップが上がりタイム3,450がいっぱいで。自分の整備力では限界なのでパーツに頼ってみようと思います。
AKI:夏を克服したいところですよね。
岩田:そうですね。やっぱり早い人って波が少ない。年間通して安定して走れる選手にはなりたいですよね。冬場に関しては滑りもなく、安定して車が動いてくれるセッティングがあります。周平(伊勢崎31期:青山周平選手)とかそういうレベルではないですけど、自分なりにセッティングがなんとなく見つかっています。
AKI:同期の方が岩田選手に整備を聞きますというコメントをよく聞くんですが、ご自身では整備についてどう思っていますか?
岩田:自分は一人で黙々と整備をするタイプではありません。同期の中でも仕事ができない方で、自分が同期に助けてもらいながら走っているタイプです。特にここ1、2年は同期と深くセッティングの話をするようになりました。自分たちの中の知識が増えてきて、セッティングの理屈がわかってきたというか。今までは「暑いからガスを下げる」などなんとなくガスの上げ下げをしていました。けど、最近は「こういう風になってこうだから下げる」と理屈っぽく考えれるようになりました。丸ちゃん(山陽31期:丸山智史選手)は整備が上手く色々と考えているので整備の話をします。後は同期のLINEグループにぶつけてみたり。
AKI:オートレース選手生活丸10年経ちました。お話し聞いているとオートレースは本当に奥が深いですね。
岩田:そうですね。自分は元々ロードレースをしていました。ロードレースでは自分は乗るだけで、整備とかはメカニックさんにお任せ。なので、オート選手になってメカニックさんへの感謝の気持ちが大きくなりました(笑)昔のメカニックさんに「エンジン組めるようになりました。」と言うと「ええぇっ!!」とびっくりされます(笑)今は自分でやるしかないですからね。エンジンを触り出した養成所の頃は本当にきつかったです。整備の事とか、これからやっていけるのかな...と不安になりました。整備は難しいですし今でも課題です。そう思っている選手は多いと思います。
AKI:となると、岩田選手の1番の課題は"整備"ですか?
岩田:そうですね。整備力が1番の課題です。
AKI:近況のスタートはいかがですか?
岩田:スタートはここ2、3年切れてないと思います。みんなが速くなっているというのもあると思いますし、自分の枠が外目というのもあると思います。内枠だと誤魔化せるんですが。なので、自分ももっと速くなろうと努力して、色々なパーツを交換して...元に戻らなくなっちゃったと言う感じ。扱う前のスタートに戻っても面白くないじゃないですか。ズドーン!といけるくらいのところを探したいです。模索中です。
AKI:雨、湿走路はどうですか?
岩田:雨はですね...これがまた難しくて(苦笑)4年前くらいに師匠の影山さん(川口22期:影山伸選手)に「とりあえず雨乗れないからひたすら内のコースを走れ。」と言われて。そこからインコースを走って、乗れたり乗れなかったりという感じ。けど、最近はみんなが内を走ってライバルが増えました。場所取り合戦という状態です。夏場よりスタートが大事かもしれませんね。特に東のレース場はかなり滑ります。まだまだ練習して、周りに置いていかれないように頑張ります。
AKI:師匠との雨の約束は続きそうですね。
岩田:そうですね。あと、師匠にはデビュー当時から「何か一つ武器を作れ」と言われています。最初の方はスタートだったんですが、今ではそれも埋もれてきて。雨も速くないので、何か武器が欲しい。今はそれがない。だから成績もよくないとは思います。なるべく早めに武器を見つけたいですね。"夏の掛川"みたいな。掛川さん(川口22期:掛川和人選手)は冬も早いんですけどね(笑)そういうイメージを何か作っていきたいです。
AKI:確かに、イメージがあると車券も買いやすくなります!
岩田:そうですよね。お客さんも昔の実績やイメージで買うから、イメージ付けはとても大切だと思います。そうなるとスタートですよね。早く元に戻して、もっと速いスタートを切れるようにならないと。前期も残り2ヶ月。せっかくもがいてもがいて戦っているので何か収穫を手にしたいです。
AKI:平開催のハンデ戦とグレードの短ハンデ戦、どちらが良いなどはありますか?
岩田:断然短ハンデですね。捌きに関してはやはり不安ありです。ただ、嫌いではないです。
6周じゃ足りない感じ。短ハンデだと3周くらいで良いんですけどね(笑)なので、捌きに関してもまだまだ良くしていきたいです。渡辺さん(浜松31期:渡辺篤選手)なんかは誰も通らないような所を走って迷惑かけずに捌いていく。丸ちゃんは正統派というかスタンダードな捌き方。渡辺さんは渡辺さんで、丸は丸であの捌きをするためのエンジン作りをしていると思うんです。みんな10年経って自分に合った整備を見つけてきている。もうそろそろ自分も自分の走りに合ったエンジン作り見つけたいなぁと思っています。同期も早くなってきているのでなんとかみんなで一緒に速くなりたいです。
AKI:岩田選手はロードからの転向ですが、オートの世界に入って乗り方などの苦労や違和感はありましたか?
岩田:2級車の頃は違和感を感じながらも乗れていました。けど、1級車になってタイヤも変わってからどんどん崩れていった感じ。今のタイヤをまだ上手く使えていない感じがしています。思いっきり走るとタイヤが滑ってしまう。けど、気持ちは勝とうとするので前にいこうとする。気持ちをある程度抑えながら、上手く前に進むようにタイヤを使えれば良いんですが。それが非常に難しいですね。エンジンの作り方やグリップワークでどれだけタイヤに負担を掛けずに加速させることが出来るか。そう言うことを考えながら仕事に向かっています。まだまだ出来ていないんですけどね。
AKI:課題のお話をしていきましたが、目標などは設定するタイプですか?
岩田:全然決めないタイプですね。ロードの時から目標はあまり決めずでした。今はとにかく毎レース掲示板に載りたいと思っています。毎日掲示板に載っていれば成績も良くなっていくわけで。とにかくお客さんに貢献したいです。試走が出ていなくてもスタートを考えて買ってくださる方がいるみたいなので。自分も競馬を買ったりします。穴党の方の気持ちはよく分かるというか。なので自分を穴で買ってくれている方のためにも頑張らなきゃと思っています。
AKI:前回優勝が2013年6月17日と少し優勝から離れていますね。
岩田:そうなんです。なかなか優勝出来なくって。けど、この前みのる(飯塚31期:中尾貴志選手の愛称)が7年ぶりに優勝して、自分も同じくらいしていなくって。デビュー当時はみのると自分がバイク経験者ということもあってポンポンと早くなりました。すぐに優勝も。けど、そこから二人とも沈んでしまって。なので、みのるに続いて優勝したいとは思っています。同期が優勝すると同期のグループLINEにお祝いメッセージが入るんですが、最近はずっとおめでとうを打つ側。もうそろそろ打たれてみたいなぁと思っています(笑)
AKI:長年バイクに乗ってきて途中で競技は変わりましたが、バイクの仕事をしていて良かったと思いますか?
岩田:そうですね。やってて良かったと思いますし、やってなかったら何やってるんだろうと考えます。考えるけど何も思いつかなくって。頑張って考えてたとしても「だめだ、出てこない。もういいや!」と途中で諦めて違うこと考えています(笑)オートで生活しているんで当たり前なんですが、オートが生活の中心ですしいつも仕事の事を考えていますね。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
岩田:自分は毎レース3着以内、連に絡めるようにをモットーに走っています。試走が悪くてもスタート決めて粘り込めるようなレースが出来るように、まずはスタートを良い時の状態に戻して。そして、選手10年目で同期がオートレースのコツを掴みだしているので、その波に乗り遅れないように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。
(写真の一部は川口オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。