飯塚所属の31期。今年に入って2度の日中開催優勝!!最重ハンデでも優勝を飾り、勢いに乗る選手の1人です。自分のペースを大切にし、ひたむきに努力する森本選手。優勝した時の思いや、最重ハンデでのレースについてお聞きしてきました。(取材日11月6日)
インタビュー / AKI
AKI:今年は2度の優勝があります。初優勝がミッドナイトだったので、2度目の優勝、山陽での優勝がお客様の前での初優勝となりました。振り返っていかがですか?
森本:あんまり、やった!って感じではなく(笑)。
AKI:そうだったんですか?(笑)初優勝のミッドはどんな感じだったんですか?
森本:ミッドは"優勝!!"って感じではなくって。同期や周りにも言われましたね。「あれは優勝じゃない!」って(笑)
AKI:厳しい!!2度目の日中開催は?
森本:日中だし上位級のメンバーもいたし...まさか自分が優勝出来るとは思っていませんでした。なので、優勝した時は「優勝しちゃったー」って感じ(笑)あまり実感がなかった感じですね。
AKI:なるほど。3度目の優勝が地元飯塚での日中開催。この優勝は?
森本:あの優勝も、良次(飯塚32期:高宗良次選手)か藤川さん(飯塚29期:藤川幸宏選手)やろうなーっと思っていました。
AKI:優勝戦はハンデ0mに6車並んで10mに高宗選手、最重ハンデに森本選手。スタート前は厳しいと感じていたんですね。
森本:はい。優出メンバーはみんな調子良いし、無理やろうと思っていたらスタートも遅れてしまって。あの時は時計を見すぎました。その後レースで追走していたら道が開いて。3番手に立った段階で"優勝出来る"と思いました。あ、これいけるなって。
AKI:最後は長谷選手(浜松23期:長谷晴久選手)を最終周回3コーナーで捉えましたが、追いつけるという感覚はあったんですか?
森本:追いつかないなら無理かなと思ったんですが、残り1周でぐっと追いついたんで、最終3コーナーでいこうと思っていました。優勝戦なんで最後は行こう!って。
AKI:お客様の前でのウイニングインタビューはいかがでしたか?
森本:なんて言っていいのか、淡々と答えてしまいました(笑)慣れないですね。けど、お客さんの前でインタビュー出来るのは嬉しかったです。
AKI:それにしても、エンジン良い状態が続いていますよね。
森本:選手人生で1番良いんじゃないですかね。後ろから追えていますし、タイムも出ていますし。
AKI:試走3.28というタイムも出てますよね!
森本:それは新走路だからだと思います。新走路めちゃくちゃ良い。とにかく食い付きますね。周りは後ろのタイヤが滑ったり、前が滑ったりとか言うんですけど、自分は全然感じません。ハネは多少あるんですけどごまかせる程度。それ以上に食い付きが良く車が進んでくれます。自分には合ってますね。
AKI:新走路は以前から良いイメージだったんですか?
森本:全然です。苦手意識が凄いです。新人の時も新走路で落ちてますし、山陽の若獅子も試走タイムが出ず欠車したり(苦笑)なので、今回新走路になるのも「やだな~」と思っていました。
AKI:いざ走ってみたら良かった!って感じだったんですね!
森本:はい。すごく良い走路です。
AKI:3~4コーナーで膨らむ選手がいると思うんですが、森本選手は走っていて何か感じますか?
森本:自分は何も感じませんね。少し大きなコースを走ったら黒潮がなくタイヤがかかりにくい感じはしますが、3~4コーナーに関しては自分は何も感じません。
AKI:エンジンが良いと言うお話がありましたが、何か良くなるキッカケはあったんですか?
森本:ヘッド交換からですね。新品ヘッドです。山陽の優勝も飯塚の優勝もその新品ヘッドで優勝しています。なので、調整というよりはパーツ交換で良い状態になりました。セッティングも何もしていません。以前のヘッドも悪くはなかったんですが、新品ヘッドにしてグッと良くなりました。止まりがあって直線も行ってくれるエンジンになりました。
AKI:今回はセッティングではないということでしたが、森本選手は先輩選手に「エンジン確認して!」とお願いされることが多くないですか?頼られているというか!
森本:雰囲気しか分からないんですけどね。エンジンを確認してと言われた時は「あんまり良くないですね」とか「こういうエンジンです」とかは言ったりします。けど、何をしたらいいかとかは分からないです。そのエンジンがどういうものなのかを伝えるだけです。そこは整備力の問題ですね。自分はセッティングよりもパーツ交換なので。
AKI:なるほど。解決策は分からないけど、どういうエンジンかは音を聞いて分かるんですね!!
森本:いや、自分は空吹かしとかしなくて。自分のエンジンの音とかも聞きません。
AKI:え!?どうやってエンジンの良し悪しを感じるんですか?
森本:練習で乗ったり、あとは暖気の時のフィーリングです。
AKI:"音"じゃないんですね!となると、消音マフラーもそこまで苦労しないというか...。
森本:音を聞かないですし、消音は大きなことをしません。雰囲気です。練習で良くないなと思ったら、キャブを少ししてという感じです。昔からスタンスは変わりません。レース前にバタバタしたくないですし。
AKI:近況の雨。湿走路に関してはどうですか?インコースを固める走り方が定着しました!
森本:インコースの勉強をしました。大木さん(川口28期:大木光選手)や荒尾さん(飯塚27期:荒尾聡選手)の走りを見て、練習して。今年の梅雨入る前くらいに徐々に乗れる様になりました。インコースは神経は使いますが体力は使いませんね。けど、最近はみんなインコースを走る様になったので、それをどう捌いていくか。こういうのを考えたり練習したりするのが楽しいです。
AKI:森本選手は我慢強いというか、飽きっぽくない性格ですか?
森本:本当はタイプ的には飽きっぽいし、すぐに諦める性格だと思います。なので、そうならないように自分で気を付けて。オートは好きなことだし。それに、同期の坂井ちゃん(船橋31期:坂井宏朱選手)のこともあるし。坂井ちゃんのことは大きいと思います。31期が仲良くて速いのは。綺麗事じゃないですけど、坂井ちゃんの分まで走ってます。
AKI:それは何年経っても変わらない想いですね。
森本:そうですね。この想いは絶対みんなあると思います。
AKI:近況捌きの腕もメキメキと上がってきている印象ですが?
森本:いや、まだまだですよ。荒いというか、焦って失敗したり。周平(伊勢崎31期:青山周平選手)にどこが悪い?と聞くと「焦りすぎ!」と言われました。けど、早く行かないと後ろもすぐ来るしと思ってしまって。まだ、この最重ハンという位置に慣れてないです。
AKI:最重ハンという位置はいかがですか?
森本:去年も1度最重ハンになったんですが、そのときは全然だめで。ボッコボコ。けど、今回はこの位置で優勝出来てるし去年よりは良いですね。けど、今はS級不在の開催で、S級が帰ってきたら勝てなくなると思うので、なんとか食らいついて着を拾って。ついていきたいです。
AKI:となると、今はS級不在だししっかり勝たないと!という感じなんですか?
森本:それは凄くありますね。3連単には入らないといけないし、売れてるはずだし...と。
AKI:以前、ミッドの準決で人気を背負うも被害にあってかなり厳しいレースになりましたが、怒涛の追い上げがありましたよね!
森本:あの時は、「これは3着にいかなやばいぞ!」と思っていましたね(苦笑)
AKI:けど、厳しい場面でも追い上げていけたっていうのは自信になるんじゃないですか?
森本:そうですね。少しは自信になってます。ただ、まだまだ捌きは課題ですね。分かってはいるんですが、レースになると焦っちゃいます。みんなの動きを見なきゃいけないし。けど、楽しいです。最重ハンから頭に行けたら。
AKI:課題は他にもありますか?
森本:スタートを普通に切れるようになりたいですね。元々速い方ではないのでムラです。今のままじゃ、最重ハン並んだスタートで置いていかれる。特に今はみんな速いので。けど、そんなすぐに速くなることはないので、しっかり練習して。まずは落ちついてレース出来るようにしたいです。
AKI:目標はありますか?
森本:日中開催も2度優勝出来たし、ここまできたらS級になりたいですね。でも、この壁が厚いんですよね。
AKI:同期にはNo.1の青山周平選手や佐藤摩弥選手(川口31期)などいますよね。
森本:そうなんです。なので、自分はレースの事とか「どうだった?」ってどんどん聞くし、聞くと教えてくれるし。これは昔からですね。同期だけじゃなく、浦田さん(飯塚23期:浦田信輔選手)とか先輩選手と練習で合わせてもらってどうだったか聞いたり。それは関係なく後輩の特権かなと思っています。誰でも喋っちゃいます(笑)。
AKI:今年はその成果が表れた感じですね。同期がどんどん上のランクに行くのはどう見ていたんですか?
森本:全然なんとも!どんどん行け行けー!って思っていました。同期に負けて悔しいとかではなく、どんどん行けー!という感じでしたね。焦りとかはなく、自分は自分という感じ。
AKI:なるほど。森本選手は自分のペースを乱さず、徐々に徐々に、けど確実にレベルアップしている感じですね。
森本:はい。自分はちょこちょこ、少しずつ。細く長くのタイプです(笑)。
AKI:後輩が自分を抜いていくことに関してはどうですか?
森本:んー。別に、ですね。勝負師としてはダメなのかもしれないけど、「ええい、くっそー!!!」と思っても強くはならない。そうではなく、その速い後輩の技を盗む。なんでそんな風に速く走れるかを考えます。なので、後輩にも聞きます。「何かやったの?」と。
AKI:先輩後輩関係なく聞かれるんですね!いろんな方と交流がありますね。
森本:そうですね。摩弥の繋がりで若井さん(川口25期:若井友和選手)にも選手としてしっかりやって行きたいなら練習はサボっちゃだめだよ、と面倒を見てもらったり。有吉さん(飯塚25期:有吉辰也選手)や、荒尾さんなんかには、「人は意外と見てないけん!緊張しても無駄」と言われて。頂点に行った人の話を聞くと自分はちっさいなと思いました。それに、自分はそんなレベルにも行ってないと気付きました。師匠の室田さん(飯塚24期:室田泰利選手)には見守ってもらっています。いい所に入りました。派閥関係なく色んな方と話せるのは本当に有難いです。
AKI:選手になろうと思ったキッカケは、小さい時からレース場に遊びにきていたんですよね?
森本:はい。レース場に遊びにきていました。仮面ライダーみたいでかっこいい!!と思って。あんな風に走りたい、選手になりたいと思っていましたね。31期の試験でたまたま受かって。「受かっちゃった」って感じ。
AKI:注目があった31期だと思うんですが、少しずつ追いついてきましたね!
森本:まだまだ力の差がある中、同じハンデ位置に並べられていますが(笑)。
AKI:けど、同じラインに立ててるんじゃないですか?
森本:そうですね。目標のS級もそうですが、安定してSGに回りたいですね。仲良い先輩にも一緒にSG周りしようと言ってもらってますし。本当は選手権も出たかった。なんでA-28で出てないんって感じです。まぁ、自分はムラがあるので出れなかったんで。これは自分のレベル。しょうがない。次は出たいです。
AKI:2020年良い一年になったと思いますが、2021年はどんな1年にしたいですか?
森本:この位置で来年も走れるように頑張りたいですね。去年は最重ハンになってから勝てなくなってモチベーションが下がって。それがダメでした。けど、今回はモチベーションも高いですし、これを続けていきたいです。気持ちが下がることもあると思うけど、オートレースが好きなので、その気持ちを忘れず頑張っていきたいです。
AKI:選手になりたくてこの世界に入ってきて10年。どんな10年でしたか?
森本:選手になれてよかった。これしかないと思えています。凄く楽しいです!
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
森本:自分より上のランクの選手がいても、試走タイムが出ていたら買ってみてください。人気がなくても試走が出れば3着に。メンバー濃かったら万車券になると思います!応援よろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。