川口所属31期の女子レーサー。オートレース転向前はモトクロスで活躍。2011年7月に川口オートレース場で44年振りの女子レーサーとしてデビューし、2016年にはGII川口記念を制覇しタイトルホルダーに。昨年はSG初優出を決めファンを沸かせた。今年は年末に行なわれるスーパースタートライアル戦へのポイントを3点獲得中。ルックスだけでは無く、実力共に注目の女子レーサーです。着実にレベルアップをしていく彼女にスポットライトを当てました。
インタビュー / AKI
AKI:近況は大きな大会でも活躍が目立ちますね!今年は飛躍の年になっているんじゃないですか?
佐藤:そうですね。S級も維持出来ていますし、コンスタントにGIの優勝戦にも乗れています。特に、3月に行われた特別GIプレミアムカップ優勝戦で3着が取れたのが大きかったですね。周りの選手より、自分のエンジン状態が良ければ何とか戦えているし、後ろから追い上げたりも出来ています。
AKI:やはり、佐藤摩弥選手と言えばスタートですよね。
佐藤:ここ最近、周りの選手のスタートが早くなってきてる。新型クラッチになったという事もあると思うけど、全体的な底上げが凄い。なので、昔ほどオープン戦も絶対的に切っていくことができてないですね。とは言っても、スタートは自分の武器だと思うし、切れるのと切れないのじゃ全然違う。それに、オープン戦の方が結果が出ています。
AKI:追い上げたりも出来ている、という事でしたが御自身での捌きはどうですか?
佐藤:んー。少しずつですかね。デビューして急に捌ける人はいないと思っていて。青山くん(青山周平選手 伊勢崎・31期)や鈴木圭一郎くん(浜松・32期)みたいな人もいますけど(笑)普通はそうじゃない。後ろで走り続けて勉強していかないと捌きも上手くならないと思うんです。最近はそういう場面が多くなったかな。捌かないと連に絡めない状態が増えたので勉強になっています。けど、まだまだ切り返しのタイミングとか、車の付け位置とかは下手。勉強中です。
AKI:ここ数年、特にレベルアップされているように感じるのですが、何かきっかけはあったんですか?
佐藤:怪我で引退してしまったんですが、同じ川口所属だった32期の益 春菜さんの存在は自分にとって大きかったです。益さんが1級車に乗り出して、どんどん活躍するのを見て「勝てない。」と思った。活躍する姿をみて危機感を覚えました。それ以前は、「女子なのに凄いね!」と褒めてくれる人が多かったので、このままやっていけば良いのかな、なんて思っている時期もありました。でも、彼女の存在のおかげで、「このままじゃダメなんだ。」と思う様になったんです。彼女は気持ちが違った。男女関係なく、全選手と比べても肝が座っているというか。先に女子初のS級にもなられてすごく悔しかった。けど、それで危機感を持てた。この思いがあったからGII川口記念も優勝出来たと思います。彼女の存在が自分の中での転機になりました。
AKI:益さんの引退を聞いた時は?
佐藤:怪我が原因なので仕方がないけれど、益さん自身まだまだやれたと思うし悔しいだろうなぁと思いました。見てくれてるかも、と思うと情けない走りは見せられない。この話は今だから話せます。今でも一緒に走っていたら闘志メラメラだったかもしれないですしね(笑)けど、その感じが良かったんだと思います。女子選手同士お互いに刺激を受けながら、後輩の女子選手にも頑張って欲しいです。もちろん私もうかうかしていられないのでこれからも頑張っていきます。
AKI:後輩女子レーサーがここ数年で増えましたが、どう感じていますか?
佐藤:女子レーサーが活躍すると、オートレースが尚更盛り上がると思うんです。この間、伊勢崎GIムーンライト準決で2着に入り、レース後の公開優出インタビューは早川清太郎さん(伊勢崎・29期)と一緒でした。もちろん、地元ですし早川さんへの声援が凄かったんですが、それに負けないくらいアウェーの私の時も凄く盛り上がってくれて「マヤちゃん!」と言ってもらえて凄く嬉しかった。自分に限らず女子選手が活躍するとお客さんが盛り上がるんだなぁ、と感じました。女の子皆、男の人には負けてないと思う。女子だから勝てないと言うことは無いと思います。それに、自分が出ていない女子戦を見ていて凄く面白かった。やりあっていて、ああいうレースはお客さんも面白かったんじゃないかな、と思いました。
そして、最近は他の女子選手と一緒にグレード周りをしたいなと思っています。これは夢では無いと思うんです。自分はバイクの経験があってスタートとかで活かせている部分もあるけど、他の選手にもチャンスはある。ある程度はセンスで乗れると思うけど、あとは自分の気持ち次第。努力が大切だと思います。私もそうでしたが、やっぱり危機感が大事。
地元の後輩、片野選手(片野利沙選手 川口・32期)とは仕事の事もプライベートの事も話すんですが、最近は仕事のことでグループ関係なく面倒見ていて、気にかけている後輩です。なので特に頑張ってもらいたくて。女子一人はやっぱり寂しいですし。なので、「一緒にグレード回ろうよ!」と言いました。本人も頑張りたいと言っていたし、実際頑張っているので期待したいです。
AKI:今年は既に年末のSSトライアル戦へのポイントを獲得していますよね。
佐藤:SSには出たいです。去年が1ポイント。今年は3ポイント。もう一回自力でポイントを取れればSSに大きく近づきますし、ポイント獲得したいですね。去年は、SGの優勝戦に乗った時に、周りの選手からSSポイントの話をされたけど現実味がなくて。SSに行きたいけど厳しいなと思っていました。チャレンジする側だから、優出を出来ただけで満足という気持ち。だから優勝戦の結果は8着だったんだと思います。けど、今年はSGの優勝戦に乗りたい、と思うようになった。現実的に無理ではないと思えるようになったんです。やっぱり凄く気持ちが大事ですね。こういう風に考えれるようになったのは、いつも指導してくれる若井さん(若井友和選手 川口・25期)のお陰です。レースの結果で気持ちがどれくらい大事かを見せてくれています。若井さんは凄い。若井さんは整備が上手ではないけれど、それでも安定してS級の10番代にいる。レース後半の追い上げも若井さんの気持ちが大きいと思うんです。どんなレースでも最後まで仕掛けていく。そういうところを見せてくれています。
AKI:スタートや捌き、気持ちに関して教えていただきましたが、整備の面ではどうですか?
佐藤:たまに周りの選手にアドバイスをもらったりしますが、基本的に自分の中で考えたことをしていくタイプ。負けたら悔しいけど、自分の整備で負けたなら後悔はない。なので、「よし、これで行こう。」という最後の決断はなるべく自分でくだしたいです。自分で失敗する事が一番成長すると思いますし。そういう風にさせてくれるのが師匠の吉田さん(吉田幸司選手 川口・21期)と若井さん。「自分の好きなように、やりたいと思った事は全部やってみろ。」と新人の頃から言われてきました。整備をやってもらった記憶はあまりないですね。本当に困った時には助けてはくれると思うけど、自分で整備することが経験に繋がると分かっていて、あえてそういう指導方法を取ってくれているんだと思います。それが自分に凄く合っている。合う人合わない人はいると思うけど、自分はのびのびとさせてもらっていて良い環境でやらせてもらっています。凄く感謝しています。自分は周りの選手に恵まれてる。これは大きいです。
後は、自分は思い立ったらすぐにエンジンを扱いたくなるタイプ。パーツ交換なども気になると「今すぐやりたい!」と思っちゃう。昔は、どんどん部品を買っていた。それも悪いことではなく勉強になったけど、パーツ交換が良いとは限らなくて。今までは、その部分で焦りすぎていた。自分でエンジンを悪くしていたこともありましたね。最近は「落ち着け、落ち着け。」と思うようにしています。前よりは我慢出来ているかな。エンジンも安定しているし良い傾向だと思います。扱って駄目なら元に戻して別のところを扱って、ちゃんと1つずつやろうと、前よりは思えるようになりました。乗るだけではなく、整備も勉強していこうと。ランク上位の選手と戦うとなると、実力的に気持ちだけじゃ勝ちきれない。けど、乗る技術は今日明日で速くはならない。乗る技術は普段の姿勢だと思う。まず、今日勝つために整備力を上げていく事も大切なんだと思うようになりました。
AKI:目標は立てているんですか?
あまり目標を立てるタイプではないです。強いて言うなら、今日1着を取ることが目標かな。SG優勝とかはまだ取れないなと思ってしまうと言うか。まずは、どれだけ自分の持ち味を出して走れるか。SGはまず準決に乗ること。乗れたら着を残していきたい。クリアすると次に繋がって行くと思うんです。なので、一個一個クリアしていく感じで。
最終的な目標として考えるなら、SG優勝じゃないですかね。これは選手皆んな、SGを取りたいと1度は思ったことがあるはず。なので、SG優勝が選手としての最終目標ですかね。そういうとSGを取った後のことを思うけど、きっとそのレベルにいる選手は欲深いので次の目標が出てくると思います。
AKI:課題として上げるなら?
佐藤:まだ自分は成長段階。駄目な時にどれだけ踏ん張れるか。良い時は何もしなくても良いから、悪い時にいかに自分を奮い立たせて手を動かせるか。この仕事で大切なことは、悪い時にどうメンタルを保てるかだと思います。そして、上位ランクの選手を見ていると、とにかく立て直すのが早い。上を維持するのってそういうことなんだなと思います。
圭一郎くんなんかは、どのくらいオートレースが好きなんだろうとか、なんでそんなにずっと手を動かしていられるんだろうとか、分からないことが多い。自分では真似できない事が凄くいっぱいあるし、尊敬しちゃってる部分が多い。それは青山くんに対しても。まだ、足に手が届かない存在と思ってしまっています。同じレースの時に自分の方がエンジンが良い時はついていけている時もあるけど、後ろにつけても捌ける感じがしない。それは、自分の気持ち的に相手を格上の選手と思っているからかもしれないし、抜かせないコースを走られているからかもしれないし...なんか抜けなかった。(笑)
ただ、今は自分が成長段階だと思えているんで、仕事が凄く楽しいんです。仕事自体はずっと楽しいけど、去年から今年にかけてはエンジンがよく、結果を残せている事が楽しさに繋がっていると思います。まだまだこれからです!
AKI:オッズパーク会員の皆様へ
佐藤:一般戦とグレードレースの魅力は違うと思うんです。どっちもオートレースの面白さはあると思います。ハンデ戦を予想するのもオートレースの醍醐味なんですが、私はスタートが活かせる短ハンデ戦が多いグレードレースの方が好きですし結果も残しやすいです。スタート行って強いメンバーの中でも着を残せたりする事があるので、短ハンデ戦の時は特に注目して下さい。オープン戦では3着には入れた方が良いですよ(笑)応援よろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
元祖イケメンレーサー啓様こと佐々木啓選手が弟子を取りこれからの山陽オートを盛り上げるべく色々な事を教えてくれました。これぞ佐々木啓の全てです。啓様の全部をここで知って下さい。あなたも啓様が好きになるはずです。
インタビュー / 内野久照
内野:早速ですが今年ここまで振り返っていかがでしょうか?
佐々木:まぁ悪くはないと思いますよ。季節に関係なく動いています。
内野:これまで今年は8回の優勝戦進出1回の優勝があります。ミッドナイトの優勝や伊勢崎ナイタームーンライト優勝戦進出と夜に強いイメージがありますが?
佐々木:以前も話しましたが夜は出来たら走りたくないというのは本音です。
内野:はい。聞いていましたが何が理由ですか?
佐々木:スタートの針が見えないからです。
内野:これまで結果を残したので克服したのかなと思っていますが。
佐々木:克服はしていない。たまたまエンジンが良かった。気候と走路に合った。スタート遅れても追えるエンジンになっていたからです。結果は出たけど克服はしていないかな...
内野:伊勢崎ナイターSGグランプリはいかがでしたか?
佐々木:本当にスタートが遅すぎる。何で切れないのかなと思ってしまう。スタート遅れるとチャンスが無くなるのがSG。甘くないのがSG。ただスタート行っていたら切れていたら優出のチャンスはあったと思う。
内野:今回34期のお弟子さんを取りましたが?
佐々木:弟子を取ってから自分は変わりましたね。
初心に戻ったというかこのままじゃいけないなという気持ちにさせてくれました。
弟子が走りたい勝ちたいとガンガン来るので若い時のガツガツした気持ちを思い出させてくれました。
内野:一番変わった事は何ですか?
佐々木:仕事の事、レースの事をこれまで以上に考えるようになりました。
減量したのもその一つです。
内野:どのくらい痩せましたか?
5kg程痩せました。いつも以上に食べないようにしようと思ったら食べられなくなって結果痩せましたね(笑)
内野:お弟子さん松尾選手へはどんな事を教えているのでしょうか?
佐々木:自分の持っている物は全て教えます。勝つ為に早くなる為に何が必要か整備もそうですが教え続けます。
内野:佐々木さんのデビュー戦は?
試走タイムが出たので行けると思い力んでしまって1コーナーで落車しました。調子に乗りました。
内野:これまでの思い出のレースは?
佐々木:山陽オート開催2004年の第23回オールスターオートレースの優勝戦2着です。
スタート7・8番手から追い上げて2着。先頭を走る浦田信輔選手(飯塚・23期)に最後ゴール前迫る事が出来たSGの優勝戦です。あの時スタートで行く事が出来ていたらチャンスはあったと思いました。
内野:レース以外で今はまっている事を教えて下さい。
佐々木:ゴルフばっかりしています。丸山智史選手(山陽・31期)や藤岡一樹選手(山陽・29期)がライバルですね...
内野:スコアは幾つくらいですか?
佐々木:80台で回ります。
内野:スポーツ万能の佐々木選手ゴルフ以外では何が得意ですか?
佐々木:小・中・高と野球をしていました。もちろんレギュラーでした。
内野:他に自信ある競技はありますか?
佐々木:ビリヤードを毎日やっていた時があって本気で全国大会を目指していました。山口県代表になりたいと思ってやっていましたよ。
内野:サッカーも好きですよね?
佐々木:はい。地元山口のレノファが好きで応援しています。もちろん練習着はレノファで背番号23(23期なので)だし車名もレノファです。レノファはJFLから応援しています。選手との交流もあったしJ2に昇格して欲しかったので必死で応援しました。山口県にプロチームが出来る事は県民の念願だったと思います。オートと共に盛り上がってくれたら嬉しいのでこれからもレノファを応援します。
内野:レースの事もお話下さい。まずライバルは?
佐々木:もちろんレースに出場する他7人がライバルです。特に誰というのはありません。
内野:自分の性格を一言で言うと?
佐々木:人の事を気にしない。自分の思った通りに進む。マイペースです。
内野:佐々木選手のモットーは?
佐々木:「常に冷静」
全てが冷静である事。すぐ気持ちが熱くなるので冷静になれる様に努めています。100%の力で走りたいと思って120%の力それ以上の力を出してしまうと隙が出る。危ないレースに繋がる事がある。90%の力で行った方が結果100%の実力が出せると思う。自分の中で冷静な人が強いレーサーだと思っている。
内野:レース後何をして気持ちを落ち着かせますか?
佐々木:イラストロジックをするとレースの事を忘れられるし集中できますね。
内野:トレーニング等はしていいますか?
佐々木:特にトレーニングはしていませんがゴルフですかね?ストレッチ効果に繋がっていると思います。
内野:レースに無関係ですが?魚と肉どちらが好きですか?
佐々木:えっ!その質問いるの?まぁ肉かな。釣りは好きなんだけど結構釣りには行くけど魚が嫌い。釣りは好きだけど魚は嫌いって可笑しいよね...
内野:啓様の好きな女性のタイプを教えて下さい。タイプは?
佐々木:自分に持っていない物を持っている人かな(笑)
内野:芸能人ではどなたが好きですか?
佐々木:芸能人ではないけどパク・ソンヒョンが良いね。プロゴルファーでいつもクール。自分も持っていて強いから良いね。
内野:佐々木選手は山口県出身ですが山口の良い所教えてください。
佐々木:海・川・山と自然豊かな所かな...暇さえあればゴルフ・釣りが出来る所です。
内野:そろそろラストの質問になりますが?佐々木選手の売りはどこですか何ですか?
佐々木:スタートが遅いので後半の追い込みを見てもらいたい。車券はマルチで買って欲しい。1着だけでなく2着3着でも買って欲しい。
内野:これから選手としての目標は?
佐々木:ケガをしない様にする為に自分が冷静に立ち回る事です。
内野:佐々木選手にとっての山陽オートとは?
佐々木:山陽オートは自分を育ててくれました。地元でのレースは特に気持ちが入ります。
内野:オートレースとは?
佐々木:人生そのものです。
○お弟子さんの松尾彩選手(山陽・34期)に佐々木選手の事を聞きました。
内野:佐々木選手の事は知っていましたか?
松尾:オート選手はほとんど知らなかったので初めて会った時は格好良い人だなと思いました。
養成所に指導員で来られた時この人に教えてもらいたいと思って自分から質問をさせて頂きました。
内野:どんな師匠ですか?
松尾:何でも教えてくれます。分からない事ばかりなので一つずつ教えて頂いています。
内野:デビュー戦の日は?
松尾:佐々木さんの方が緊張していたみたいですが走り終えて戻って来た自分におめでとうと笑顔で言ってくれました。
今も引き続き乗り易いエンジン作りを教えてもらっています。
いつか師匠と優勝戦に乗って勝ちたいです。でも佐々木選手はお前に負けたら選手を辞めると笑って言っていました。(以上松尾彩選手のお話でした。)
内野:御弟子さんの思いを改めて知っていかがですか?
佐々木:強くなって欲しいので1個ずつ教えていきます。期待されているからね...
内野:9月に山陽オートでプレミアムカップが開催されますが?
佐々木:活躍したいね。とにかくスタートですね...開催まで時間は無いけどそれまでにスタートを切れる様になりたいね。エンジンがずっと良いので感じが良いからこそスタート切って展開作って優勝戦に進出したい。今のエンジンならチャンスは必ずあると思う。
内野:オッズパークを御覧の皆様へメッセージをお願いします。
佐々木:スタートは早くありませんが諦めずどうにかしてでも3着までに車券対象になる様にそこまでガムシャラに走ります。車券はマルチでお願いします。弟子の松尾彩と一緒に応援お願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
飯塚所属の28期。父親は『桝崎 正』元選手。整備の虫と言われ厳しい事でも有名。そんな父の背中を追いかけてオートレーサーへ。しかし、養成所から同期に遅れを取り、デビュー後もなかなか芽は出ずオートレースの世界の厳しさ痛感。そして、2世選手としての苦労も経験。それでも諦めず仕事に向き合い今ではS級レーサーに定着。
オートレーサーになるまでの経緯とデビューしてからこれまでのこと、そして、今後の目標などお聞きしてきました。さらに、桝崎正さんとの現在の関係も聞く事ができました。
インタビュー / AKI
AKI:父親である桝崎正さんのレースはよく観に行かれてたんですか?
親父のレースは大きな大会の時に観に行ったことはあるけど、5回くらいかな?昔は周りの目も厳しかったし、現地に観に行く事は少なかったね。子供の頃に外食した時も「あれ、桝崎やないか?」と言われる事もあって。気づかれたら「おい、出るぞ。」と親父に言われてすぐに出ていました。「えー。パフェがまだきてないのに!」と当時は思ってましたね(笑)
AKI:幼少時代から選手を目指していたんですか?
小さい時からオートレーサーになりたかったですね。親父を見ていたらやっぱりカッコ良いし。けど、親父は試験の話すらしてくれなかった。高校生の時に選手になることを考えて内緒で就職クラスを希望したんです。しかし、当時テニスをやっていたんですが、有難い事に色々な大学からオファーが来ていて。高校の先生から「就職クラス希望というのはどういうことですか?」と言われ、そこで親にもバレました(笑)大学に行け!とめちゃくちゃ怒られました。親も高校の先生も大学に行って欲しかったんでしょうね。なので、試験を受けさせてもらえず大学に進学しました。
AKI:どのタイミングで試験を受けさせてもらえたんですか?
大学の遠征で関東に行ったんですが、高校時代の親友が埼玉にいて会いに行ったんです。その時に親友の先輩がいて、オートレースファンで親父のことも知っていて。その人から、「もう年齢的に試験を受けれるのは最後じゃない?応募した?選手にならないの?」と言われた。「え!?そうなんですか!?何歳までなんですかね!?」と聞きました。その頃は試験を受けるのにも年齢制限があって。当時自分は大学三年生で、チャンスとしては最後だった。なので、家に帰ってすぐに親父に「試験受けたいんやけど。」と言ったんです。最初は相手にされなかったんですけどね。けど、最後はスーツを着て「オートレースの試験を受けさせてもらえないだろうか。」とお願いをしました。親父も最後には「勝手にせえ。」と言ってくれました。チャンスがあればとはずっと思っていたけど最後の最後に受けることを許してくれたんです。
ただ、親父には「オートの世界はもちろんきびしいけど、俺の後に入ってくるのは厳しいぞ。」と言われていた。小さい頃からずっと可愛がってもらっていた元選手の竹村さんにも「お前なんできたんか。ものすごく厳しいぞ。」と言われた。実際に入ってしまったら色んなことがありましたね。まぁ、それも覚悟して入ってきたけど。それがあったから今があるって思います。
AKI:養成所時代は「桝崎選手の息子」ということで注目はされたりはしていたんですか?
周りは聞かない様にはしてたけど「桝崎の息子」として多少なりとも気になるところはあったと思います。自分の中でもあったし。ただ、養成所から出てきた「桝崎の息子」は凄い乗り方で下手くそ。めちゃくちゃ遅いし、周りには「は?」って思われてバカにされていた。色んなことも言われた。なので、とりあえずがむしゃらに頑張ってきたね。
AKI:桝崎選手が養成所に入ってる間に父の正さんは引退されたんですよね?
デビューする前に親父が引退したのは自分が原因でもあると思うんです。当時は基本的に血縁が同じ所属になる事はなかったので、親父が現役のままだと自分は必然的に山陽に行くことになる。それよりも、自分の地元、浦田さんや茂さん(田中茂選手)がいる環境でやった方が一番なんじゃないか、と親父は引退することを考えたんだと思う。親父自身は「目も見えにくくなっているし、事故の後遺症もある、やりきった。」と言っていて、もちろんそれも嘘じゃないと思うけど自分も理由の一つだと思う。親父のことは好きだったし、選手でいて欲しかったね。もちろん一緒に走りたい気持ちもあったし。だけど、親父の選択で今の整備グループに入れたし今の自分がいると思います。
AKI:デビューしてからの環境は?
親父と同じ整備グループの金岡さんが弟子を取る年だったんですが、弟子を取る選手の間で話し合いが行われて、自分は親父がいた整備グループに入ることになりました。師匠は自由奔放な人で一言で言ったら無茶苦茶。面白い人でした(笑)身の回りに関してはすごく厳しく、少しでも散らかってると「片付けんか!」と怒られていた。さっきも話した通り自分は出来が悪く、養成所から出てきた時も下から数えて1、2番の選手。周りの飯塚同期のハンデが下がる中、自分だけずっと0ハンとか。当時は結構辛かったね。あまりにも出来が悪過ぎて師匠には1日何回も怒られてました。それがあったから「この野郎」とか「悔しい」とか思えてるかな。
AKI:デビューして今年で16年目ですが。
なんかまだ若手の気持ちなんやけどね(笑)自分がいる整備グループは自分の下が優輝(33期 木山優輝選手)だけだし。鮮太(29期 岩科鮮太選手)が浦田さんの弟子として自分の1つ下の期として入ってきたけど浜松に移籍になったし。その辺りを考えると気持ちはまだまだ若手。若い気持ちがないとレースも良くないだろうしね。勝ちたいしね、これからも。
AKI:父親の正さんにはオートレースの事で指導を受けたりするんですか?
デビューしてから親父とオートレースの話はしなかった。整備を周りに手伝ってもらう事もあったけど、基本的に自分の考えでやってきた。だけど、結構参った時期があって。ここ5、6年?いや、もっと前かな。その時に親父に頭を下げたんです。すると親父に「やっときたか」と言われました。親父はセア以外のエンジンも乗ってきてるから経験値がとにかく凄い。昔、こういうエンジンに乗ってきた時にこういう症状があった。こうしたら良くなったというのを教えてもらって。そのアドバイスを元に自分ができる範囲でエンジンを扱ってみたり。その結果、今では大体のことは自分で解決できるようになりました。
AKI:父親の存在はどんなものですか?
先生かな。頭下げた時点で親子じゃなくなったところもある。師弟関係になってから自分も成長できたし、考え方も変わってきた。エンジンに対しての姿勢や練習方法も。親父に育ててもらった感は否めないね。もちろん、浦田さんや茂さんにも見てもらってきたけど、仕事はなるべく自分でこなしてきたと思う。親父に頭を下げてから成長したね。一皮向けて。けど、もう一皮向けないといけないね。思いっきりさを出さないと。
AKI:現在の親子関係は?
今は、親父と冗談言いながら仕事の話もするし、親父の家に遊びにいったり、親父から電話もしてくれる。凄くいい関係ですね。親父は自分のレースを毎回見てくれてるみたいで。その分、恥ずかしい走りは出来ないね。たまに「おい、下手くそ」なんて言われる事もあるけど(笑)意外とお茶目なんですよ!選手を引退したのもあるけどだいぶ丸くなりました。
AKI:正さんは整備の虫と言われてましたが、陽介選手も周りの選手にエンジンの音を聞いて欲しいと、整備の面で頼りにされてますよね!
整備も沢山してきたし、お金もかけてきた。その分、整備力が身についたのかな。後は他の人より少しだけ耳がいいのかも?音的なものか、感覚的なものか、ちょっと説明が難しいんだけど。浦田さんが良い時のエンジンと自分が良い時のエンジンの音は全然違う。それは、茂さんもそう。その人にあった良い時のエンジン音を覚えています。なので、エンジンをかけてみて「良い時の状態よりもこういう状態やないですか?」というのをアドバイスしたりしています。もちろん自分は音を聞くだけで整備はそれぞれ行なっていますよ。
AKI:整備には人一倍向き合ってる感じがありますね。
整備はやればやるだけ身につくもの。最初は誰だって0からのスタートでそれをやるかやらないか。自分はそう思うんです。なので、どんな簡単な仕事でも自分でやる事が大切。それは先輩だろうと舐めた感じできたら「やりません。」とはっきり言う。
これは、後輩の優輝に対しても一緒です。やってあげたい気持ちもあるけど、そこで自分がやってしまうと優輝のプラスにならない。手を動かすことで覚えていくし出来ないことはない。とにかく自分の手を動かす事が大切。これは親父にも言われてきました。
その努力もあり、今では大きな波もなく一定のところはエンジンを維持できているかな。不具合などはあるけど、大体は対処出来ている。エンジンのことに関しては早めに気づけるかな。良いところで安定させないと勝てないしね。常に最重ハンにはいたいし、その為にも仕事は毎回行ないます。
AKI:自分の中で思う課題はなんですか?
ここぞというチャンスで迷いが出てしまうところ。最近はだいぶ迷わなくはなってきたけど躊躇する感じ。あと一周待とうかな、と思ってしまうところ。チャンスを掴みきれてない。親父にも「お前は優し過ぎる。」と言われるし、これは自分でも良くわかっている。この野郎と思う部分をレースで出せるか出せないか。その辺りが自分の課題ですね。
AKI:今後の目標などありますか?
やっぱりまずはGIを取りたい。常に優勝戦に乗りたいとも思っているけど、優勝しないと記録として残らないから。名前が残るのは優勝した人だけ。数年前の飯塚のGI開設記念で青山周平選手が優勝して自分は2着。GI優勝戦の経験不足の差が出ましたね。レースもだけどぶち走路で走路的にも緊張してしまった。コースを外してから焦ってしまったかな。次こそチャンスがあれば頑張りたい。
AKI:それでは最後に、オッズパークをご覧の皆さんへ。
良い配当出したいです。エンジン的には基本的に良いところで安定しているので、穴党の方は是非買って下さい。そして、信頼できる選手になりたいと思っていますので、応援をよろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
小さな体に大きなパワー!身長153.5cmのミニヒーロー鈴木宏和選手がスーパーヒーローになる時が必ずやってきます。日本一のスタートを武器にSGファイナルステージを目指す鈴木宏和選手に2019年ここまでを振り返って頂きました。これからのオート界を必ず引っ張って行く選手の一人です。この機会に浜松32期鈴木宏和選手の事を覚えて下さい。
インタビュー / 内野久照
内野:本日は宜しく御願いします。早速ですが今年はこれまでどんな流れで来ていますか?目標に対していかがでしょうか?
鈴木:今年はというか毎回ですが『準決勝戦出場』を目標にしています。
ここまで何回か取り逃しましたがこれからも毎回・毎節『準決勝戦出場』を目標にしていきたいです。内野:昨年の今頃と比較してどうですか?
鈴木:今年をここまで振り返ると昨年の方が良かった気がします。
少し前まで足回りの不安があり跳ねが続き苦しい時期がありました。
その跳ねが軽減してからは安定した成績が残せて晴れの場合は結果が出ています。
内野:そもそもオートレーサーを目指したきっかけを教えて下さい。
鈴木:子供の頃の夢がF1レーサーになる事でした。高校生からカートを始め夢に向かっていました。勤めていた会社の人から教えて頂いたのがオートレースです。
ギャンブルとしての関心はありませんでしたがボートやオート自体のレースに興味がありました。走る事や競走に憧れていました。
内野:競走車名 『ナアーモ』に込められた意味は?
鈴木:ネットで検索をした時に鈴木宏和の名前しか出ない物にしたかった。造語になるのでしょうが自分だけの物が欲しかったので『ナアーモ』になりました。
内野:ナアーモで検索すると『鈴木宏和選手プローフィール』とトップに出てきます。
鈴木:はい。そうなんですよ(笑)これがやりたかったんです。
内野:色々質問させて頂きますが...レースに向かう時は何を考えていますか?
鈴木:気合いを入れ過ぎない様に極力気を付けている。気持ちがすぐ一杯一杯になるので無心でいられる様にいつも心がけています。
内野:レースが終わってからは何をするのでしょうか?どう取り組むのでしょうか?
鈴木:レース後はまず1番にVTRで振り返ります。そして分析しています。これは毎レース行っている事で整備の方向性を決める事にも重要で凄く役に立っています。
内野:32期の中では同期では誰と仲良しですか?
鈴木:同期32期の中ではわりと年齢が高いメンバーと仲良くさせてもらっています。ゆうじ君(佐藤裕児選手)ヤッシー(松本康選手)良次くん(高宗良次選手)と話が合うというか仲が良いですね。
内野:同期でのライバルはズバリ誰ですか?
鈴木:選手としてライバル視しているのは中村友和選手です。
友和には絶対に負けたくない気持ちは強いですね(笑)
地元浜松の同期ですしデビューから一緒だったので特に意識しています。友和にはデビューからずっと負けていたけどやっと追いつく事が出来て今ではお互い最高ハンデで戦っているので良い刺激になっています。
内野:お互いが刺激になって切磋琢磨しているのですね。
鈴木:良きライバルと僕が思っているだけですが...
内野:鈴木圭一郎選手の事はどう思っていますか?
鈴木:圭一郎の存在ですか?業界を引っ張り続けている大きな存在です。圭一郎がいるから32期は注目されているし、だから皆が頑張っていると思う。圭一郎の存在は大きいですね。
内野:レースの事に話を戻しますがレース中はどこで気持ちが入りますか?
鈴木:人車一体になっている中で1点しか見えていないというかいつも1車か2車を見ながら走るのですがその状態から全体の雰囲気が分かる時は上手く走れている証拠です。凄く良い状態ですね。この時はすでにスイッチが入っていますね。
内野:ファンの皆様は宏和選手のどこ見て今日の調子がわかりますか?
鈴木:試走からドドド(跳ね)が来やすいので直線よりもコーナーの速度と安定感があれば良い状態です。
内野:まずはドドドが来ているか否かですね?
鈴木:ドドドがあるとフワフワしている様に見えるのでフワフしていなければ良いと思います。
内野:他選手とのタイム差は?
鈴木:試走タイム1個2個負けていても大丈夫です。スタート先攻出来るので!
内野:これまで悔しかったレースは?
鈴木:2018年の山陽オート若獅子杯争奪戦の優勝戦でした。
記念初優勝が獲れる位置にいたのに準優勝。2級車新人(中村杏亮選手)に負けたことが悔し過ぎました。
あの時は本当に優勝したかったです。
内野:記念の優勝は別物ですか?
鈴木:これまで記念(8周戦)の優勝が無いので特に意識しています。
絶対に獲りたいですね。8周戦のレースに何回も何回も出場出来る様にしたいですね。
内野:宏和選手にとってのファンとは?
鈴木:ファンの皆様からのご意見は大切にしたい。何を言われても素直に受け止めます。
結果が出なくて『いい加減にしろ』と厳しい事を言われても当然の事ですし良い事も悪い事も言って頂く事に感謝ですね。素直に受け止めます。内野:宏和選手にとってのSGとは?
鈴木:SGは日々のレースと比べるとテンションが上がる開催です。
毎回全てのSGに出場出来る様に頑張りたい。
10周戦(初のSG優勝戦)に出場する為にはもっともっとスタート力を磨かないと!
昨今周りの選手がスタート力を付けてきているのは脅威です。
自分が遅くなったのではなく間違いなく周りが早くなっています。
内野:目標のSGファイナルを目指すには?
鈴木:まずSG開催中5日間雨が降らない事が第一条件です。
ドドド(跳ね)もなく足回りの安定・落ち着く事も条件の一つですね。
毎回トップスタートしかないので色々と研究しています。
クラッチを強くしてドーンっと切れる様に色々と扱って試行錯誤が続いています。
必ずスタート力を安定させて誰よりも早いスタートが切れる様に約束します。
内野:スタートは絶対の自信を持っていると思いますが0mオープンで1番最初に選べるならどの枠ですか?
鈴木:0mオープンはどの枠からでもトップスタート切れる自信があります。
枠番選択の時1番に選べるならが迷わず3枠を選びます。
内側に圭一郎やスタート巧者が入ってきたらトップで切る自信は無いけど3枠だったら真っすぐ切る自信があるので3番を選びます。
内野:ハンデレースでのスタートはどうですか?
鈴木:ハンデレースであっても常に並べば同ハンでトップスタートを目指します。上手く行けば前まで喰ってやると思ってスタートラインに付いています。いつも狙っています。
スタートの切り方はハンデ50mまでは同じです。もちろんどこからでも自信を持って切っています。
内野:宏和選手にとってオートレースとは?
鈴木:人生を変えるきっかけをくれました。日々目標を持つ事が出来て刺激がある中で楽しくレースに取り組む事が出来ています。
内野:モットーは?
鈴木:『人に優しく自分にも優しく』です。基本怒る事がないので人に優しくすれば嫌な気持ちにならないし楽しく過ごせる。自分に優しくする事でプラスにもなるのかなと思っています(笑)
内野:現在のランクS19は初めてのS級ですが?
鈴木:嬉しくて嬉しくて!すごく嬉しかった。友和に追い付いたかなと思っています(笑)
でも、吉田富重選手に3期続けたら本物だからと言われたので満足はしていない。
まぐれだったとならない様にS級を維持して行きたいです。
内野:オッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いします。
鈴木:誰にも負けないスタートを切って勝つ事にこだわってレースに挑みます。
桁違いのスタートを切って逃げられる様にしますので応援宜しくお願いします。
必ずやSGの頂点に立ってみせます。もっともっとスタートを磨いていきます。
今回は特集して頂きありがとうございました。
鈴木宏和選手は8月のオートレースグランプリ・9月のプレミアムカップ・10月の全日本選抜、更には日本選手権の大舞台で研ぎ澄まされた切れっ切れっの豪快なスタートを約束してくれました。今から鈴木宏和選手に注目して頂きNEWヒーロー誕生の瞬間まで『鈴木宏和選手』の応援を宜しくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
飯塚所属の27期。デビュー当時から頭角を現し、デビューから18年目の今も飯塚を代表する選手の一人。今年、5月に行われた「オッズパーク杯SGオールスター・オートレース」で3度目のSG制覇を成し遂げ、飯塚オートに明るい話題を持って帰ってきました。しかし、1度目から2度目のSG制覇には10年の月日を要し長いスランプも経験。その、スランプを抜けて勝ち取った2度目は「SGスーパースター王座決定戦」。そして、今年の「オッズパーク杯SGオールスター・オートレース」で3度目のSG優勝。当時の心境や今年のオールスター優勝時の状況、現在のレースへの姿勢など、お聞きしてきました。
インタビュー / AKI
AKI:今年の4月にSGオールスター・オートレースを優勝。振り返っていかがですか。
荒尾:SGの2節前、地元GIIの優勝戦で落車。その次の節の山陽一般開催は最悪だった。立て直しきれずにズタボロでしたね。そこからのSGオールスターで正直全く期待していなかった。準決すら厳しいと思っていました。なので、SG前検日にクランクとシリンダーを交換したりと色々仕事はしていました。しかし、迎えた初日は被害を受けて未完走。まだまだ流れは悪いなと感じましたね。その後、節間にヘッドを交換し、車はほぼほぼ新車の状態になっていました。2日目に1着でなんとか立て直すも、エンジン自体はそんなに良いイメージはありませんでした。
AKI:そんな状況でも準決進出を決めましたね!
荒尾:なんとか3日目しのげました。準決の日は雨が降っていて少し自分にも流れがきたかなと思ったけど、3日目が終わった段階ではエンジン的に自信は無かった。準決の日の朝の練習も感じもよくならず、その後何度か整備をしてもダメ。厳しいなぁと思いながらレース前に色々セッティング扱っていたら、「あら?良い音出たんじゃない?」とエンジン上向いた感じがあった。浜松の雨はインコース1本なので中仕様にして。レースは乾きかけのブチ走路になってしまったけど、ブチでも意外と乗れるエンジンになってたね。エンジンよくなっていた。準決1着で優出。準決が終わった時点ではエンジンに自信があった。
AKI:優勝戦に関しては?
荒尾:優勝戦は雨が降り流れは向いていた。エンジンも試走から手応えがよく、タイムも1番時計。みんな3.7台の中で自分だけ3.6台と出ていた。ただ、1番時計でも緊張はなく、エンジン的にも自信があった。なんだろうね。取れる時ってそんなもんだろうね。
AKI:スタートも速攻決まりましたね。
荒尾:スタート行けちゃった。(笑)スタート切ってパッと周りを見たら誰もいなかった。あの展開になれば行かれないと思ったし、スタート後の1、2コーナーで優勝を確信した。よし、勝った!と思った。だた、浜松は1コーナーの奥にあるビジョンが見えるんだけど、あのビジョンを見て後ろがすごく離れていて、「ここで一人滑って転けたらめちゃくちゃ恥ずかしいな。」と思ってそこで逆に緊張した。(笑)ぶっちぎりだからこその緊張感はありましたね。
AKI:今回で3度目のSG優勝となりましたが、1度目、2度目と振り返っていかがですが?
荒尾:1度目は26歳の時。若くて勢いもあったし、自分自身おらおらして調子に乗ってた(笑)それはそれで良かったと思う。
2回目は取るまでに10年もかかってしまったし思うところが凄くあったね。正直、2度目のSG制覇は8割9割諦めていた。スーパースターを取る直前の1、2年は特に成績不振で、「俺も終わりだな。」と思っていた。ただ、そのまま腐らずに地道にやればなんとかなるのかなとも思っていた。なので、取れたときは本当に嬉しかったです。涙も出たしね(笑)
そして、3度目は今まで取った2つとはまた違うかな。1、2度目は本命選手では無く、お客さんに信用されず自分自身気負うものがない状態で取ったSG。3度目は本命になっている中でのSG制覇。お客さんに支持されて勝つのはちょっと違うよね。しかもオールスターだし、支持されるって嬉しい事。その部分で感覚は違ったね。
AKI:2度目のSG制覇は諦めもあったというお話でしたが、そこからもう一度頑張ろうとおもったきっかけはあったんですか?
荒尾:SSを取った年に出逢った整体の先生がいるんですが、その先生には何をしてもとにかく怒られる(笑)けど、その先生に色々とアドバイスを言われて、「今までは人と比較し過ぎていた。比較し過ぎて、自分で自分にプレッシャーをかけ過ぎていた。」という事に気付けた。それまでは、流れの良い人を見ると、「あいつ良いのに俺やばくない?」と思って焦っていたけど、アドバイスをもらってからはそう言うのが無くなった。まずは自分ができることをしていこうと思うようになった。そういう考えで臨んだSSは開催中5日間ずっと緊張はなかった。そんな状態で取れた念願の2度目のSG。それまでは、がっついていかないとSGは取れないと思っていたけど、結果は全く逆。ここでやっと気付けた。先生の言ってることも嘘じゃないんだ、こんな感じでもSGが取れるんだと気付かされました。整体の先生に出会ってなかったら今も変わってなかったかもしれない。今でもガツガツしてたと思う。良い意味でガツガツしてたつもりも、それすらもダメだった。今はとにかく人と比較をしない。流れを待つ。そういう風に思う様になりました。
AKI:良い意味で気負わなくなった感じですか?
荒尾:そうですね。今までだったら人気になったらプレッシャーを感じて頑張り過ぎていた。ダメな時でも何とかしなきゃと思っていたんです。けど、そんな状態では結果がついてこなかった。先生と出逢ってスーパースターを取ってから、全てに関して気負わなくなった。今は良い意味で流れに逆らわない。受け入れる。もちろんダメでも諦めたりはせずに手を動かして、流れが来るのをジッと待つ。焦らない。焦らずやるだけやって。心のゆとりができたかな。
AKI:今年の一つ目のSGは荒尾選手が取りましたので、現段階では賞金ランキング1位です!
荒尾:ここまできたら賞金王狙いたいね。賞金王はなった事ないし、SSを取った時も賞金ランキングは2位だった。こんな機会ないし初賞金王目指して!税金は怖いけどね(笑)
AKI:今後の目標や欲しいタイトルはあるんですか?
荒尾:目標はカチっと決めてはないけど、SG日本選手権は欲しいね。欲しいと言うか自分が養成所時代の所長の加藤さんから「選手権を取ってやっと一人前だ」「俺の生きているうちに選手権を取って欲しい。」と言われた。なので、選手権は欲しいタイトル。それに、選手権はみんな取りたいんじゃないかな。ただ、取りたいと思って取れるようなもんじゃないのでここでも流れを大事にしていきます。
AKI:今後、どんなレースをしていきたいですか。
荒尾:1番人気になって応えられる選手。子供に「荒尾みたいになりたい!」と言ってもらえる選手になりたい。それは、自分も子供の頃そうだった様に、ヒーロー的な存在に。
大人には1番人気でちゃんと勝てる選手。子供には、目指される選手になりたいです。
AKI:今年からスポンサー契約も始まりましたね!
荒尾:知り合いの紹介繋がりで「筑豊ラーメン山小屋」さんとスポンサー契約をさせてもらいました。情けないレースは出来ないですね。いろんな人にオートレースをしてもらえたらいいなぁと思っています。コラボTシャツもつくって、いろんな選手にも着てもらってます。今後、コラボ企画も考え中!お楽しみに!!
皆さん、ラーメンといえば筑豊ラーメン山小屋!ですよ!!!
AKI:オッズパーク会員の皆様へ。
荒尾:買いやすい選手を目指して、皆さんの車券に少しでも貢献できる様に日々精進して参ります。今後もオートレースをよろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。