1998年10月10日、【メイセイオペラ】が勝利した南部杯当日。実は私の記念すべき、騎手デビューの日でもあるのです。
16歳で初めて競馬を見てから約4年間、ただただこの日を夢見て頑張ってきたわけですが、いざレースがスタートすると、何がなんだかわからないうちに終わってしまい、私自身は何もすることが出来ませんでした。
この日は2頭の騎乗でしたが、どちらのレースも自分が思い描いていたようなことは全くできず、ただただ先輩騎手たちの間で縮こまって乗っているだけ。自分自身の不甲斐なさに、涙が出るほど悔しかったし、このままでは一生勝つことなんてできない・・・と本気で思いました。
緊張から開放されたことと、精神的な落ち込みによって、控え室に戻って来た時にはもうぐったり。みんなの前では抑えていた涙が、次から次へと流れていきました。
そこで南部杯のファンファーレ。場間場外発売により、高崎の場内テレビでも南部杯が放送されたのです。1番人気は【アブクマポーロ】。その年は1月の『川崎記念』から6連勝中。特に6月の『帝王賞』では並み居る中央馬を退けて、強い勝ち方を見せてくれました。
『帝王賞』当時、私はまだ地方競馬教養センターの生徒で、同期たちと一緒にテレビを食い入るように見たものです。「地方競馬にも、こんなに強い馬がいる!」と本当に勇気をもらいました。
〔地方競馬教養センター終了式にて、同期の繁田健一騎手と〕
そんな【アブクマポーロ】が出場するということで、泣いてはいられないわ!と真剣にレースを見たんですけど・・・なんとなんと、3馬身もの差をつけられて、【メイセイオペラ】に負けてしまったではないですか!しかも【タイキシャーロック】にもハナ差負けて3着。
この時は【メイセイオペラ】が勝ったことよりも、【アブクマポーロ】が負けたことの方が衝撃でした。
「あんなに強い馬でも、負けることがあるなんて・・・」勇気と感動をもらった馬だけに、本当にショックだったんですけど、衝撃が去って落ち着いてくると、考え方が変わりました。
「あんなに強い馬でも、負けることがあるなんて・・・競馬ってやっぱり面白い!!」
その時は、本当におこがましいんですけど、【アブクマポーロ】が先輩騎手たち、【メイセイオペラ】を自分に置き換えて、「いつか私も、上の騎手たちを負かすんだ!」とさっきまで泣いていたことも忘れて、「早くレースに乗りたい!うまくなりたい!」という気持ちになりました。
騎手として最初の障害にブチ当たっていた私を【メイセイオペラ】が救ってくれたのです。デビュー戦の苦い思いと重なって、この年の南部杯は一生忘れられない思い出です。
今年もいよいよ南部杯が迫って来ました!今年は【ブルーコンコルド】の3連覇がかかっていますよ〜。どんなレースになるんでしょうか♪
もうすぐ『白山大賞典』の発走ですよぉ〜♪みなさん準備はいいですか?
2年ぶりの全国交流で、しかもいいメンバーが揃いました!ここは中央馬だけじゃなく、地方馬にも十分チャンスあり!と考えています。
私の予想はこんな感じ。
◎7、マルヨフェニックス
○11、スマートファルコン
▲2、ダイナミックグロウ
△10、トミノダンディ
△9、サカラート
今回はとにかく前に行く馬たちに有力どころが集まりました!『白山大賞典』は小回りコースといっても2100m戦。スピードはもちろんだけど、折り合いも大切なポイント☆
本命にした【マルヨフェニックス】は、前々走の『帝王賞』がとにかく優秀な内容。
〔6月25日帝王賞にて:hoto原山実子さん〕
夏場に無理をしなかったことで、今は馬体が充実。【スマートファルコン】や【ダイナミックグロウ】を見る形で進めるのもいいですね。
対抗は【スマートファルコン】。
〔7月9日JDDにて〕
『ジャパンダートダービー』では、逃げた【ナンヨーリバー】と、中団で折り合いを欠いていた【スマートファルコン】の2頭が1番厳しい展開だったと思うんです。その後の2頭の活躍から見ても、このレースは本当にレベルが高かった!というか【サクセスブロッケン】が強かった!!
11月の『JBC』に繋げるためにも、ここは好勝負を期待してます♪
今日から10月突入!早いですねぇ〜。
今朝は美浦で調教を見てきましたが、いきなり気温が下がって本当に寒かったです。またこれから暑くなるみたいなので、体調管理に気をつけないと・・・・
今日は地方競馬でも活躍している中央馬たちの近況をお伝えします!
まずは【ユキチャン】。この写真は7月に撮影したものです。
今週阪神で行なわれる『シリウスS』に出走予定。今日はその最終追い切りでした。
『旭川ブリーダーズGC』も『白山大賞典』にも出走できなくて本当に残念です。管理する後藤調教師も、
「中央のコースよりも、地方の小回りが合っていると思うんだ。地方を救うシンデレラガールになりたいと思っているんだけど・・・」と嬉しいことを言ってくれました。
今日の追い切りは併せてバツグンの動きでしたよ。ユキチャンは自分でどんどん調子を上げていくということなので、このまま順調に行けば、今後また地方に挑戦するプランがあるということです!楽しみですね〜♪これから年末までたくさんの交流重賞がありますから、どうかユキチャンが出走できますように☆
9月23日の『日本テレビ盃』を快勝した【ボンネビルレコード】は、レース後も問題なく、昨日からキャンターも乗り始めたそうです。
今後は地方競馬最大のレース『JBC』へ直行の予定です!今年は初の園田での開催、大いに盛り上がりそうですね。
そして同じく『日本テレビ盃』に出走して6着だった【ナンヨーリバー】は、放牧に出され休養に入りました。
またあの快速っぷりが見られる日まで、楽しみに待ちたいですね♪