JRAでオープンまで出世した実力のエイシンダッシュに重賞初制覇のチャンス。オープンでは結果を残せなかったものの、転入初戦を快勝。道営の古馬重賞はJRAの準オープンくらいなら十分に勝負になるレベルだけに、ここに入れば能力上位であることは間違いない。
ジョーモルデューは、JRAでは準オープンで頭打ちながら、今季道営に転入して初戦のコスモバルク記念を制し、続く星雲賞でもクラキンコの2着。そのクラキンコと、同3着だったショウリダバンザイが不在というメンバーだけにここでもチャンスは十分。
ダイワルビアは前走のオープンでエイシンダッシュに半馬身差の2着。昨年のこのレースは1番人気に支持されるもブービーの13着だったが、道営オープンでは常に勝ち負けの争いをしているだけに、いつ重賞を勝ってもおかしくない。
サクラサクラサクラは、前走のオープンでジョーモルデュー、コパノカチドキ、ハーミアらに差をつけての勝利。カネマサゴールドは、格下ながら昨年5月から15戦連続して3着以内を確保。ただこのクラスに入ると、ともに胸を借りる立場で、馬券圏内に食い込めるかどうか。
◎エイシンダッシュ
○ジョーモルデュー
▲ダイワルビア
△サクラサクラサクラ
△カネマサゴールド
親しみを込めて「イサオさん」と呼ばれていた菅原勲騎手が「イサオ先生」になり、マーキュリーカップ当日に行われるジョッキーズチームマッチのチーム岩手のメンバーを見ると、村上忍騎手は1977年生まれだが、ほかは80年代の産まれと、岩手の騎手もすっかり世代交代した。
しかし。岩手では大ベテランとなった小林俊彦騎手のヒカルジョディーに期待できそう。トウケイニセイ記念を勝った時は10番人気という大穴だったが、今シーズン初戦の赤松杯を勝ち、シアンモア記念はリュウノボーイの2着に敗れたものの、早池峰賞を勝った。1200~1600メートルの距離をこなし、転入した昨年とは見違えるような安定感。ほかに重賞勝ち馬が、昨年のこのレースを制したマイネルプロートス、4年も前の阿久利黒賞を制したリュウノツバサくらいしかいないメンバーなら、ここは負けるわけにはいかない。
相手は迷うところだが、スーパーヴィグラス。大井時代は東京スプリング盃2着、アフター5スター賞3着など、短距離重賞での実績は十分。兵庫を経由して、転入2戦目となった前走水沢1400メートル戦で2着なら、今回こそはというところだろう。
ダイワマックワンは、中央時代は芝だが短距離オープンで上位を争っていた実績があり、その後の名古屋でも1400メートルのオープンで2着が2回。転入2戦目となった前走早池峰賞3着。岩手での初勝利がかかる。
早池峰賞4着のスーパーワシントン、昨年は盛岡での開催だったがこのレース連覇を狙うマイネルプロートス、前走船橋から転入2戦目でスーパーヴィグラス(2着)にクビ差3着のヒシフラッシーあたりは、上位を脅かすところまでいくかどうか。
◎ヒカルジョディー
○スーパーヴィグラス
▲ダイワマックワン
△スーパーワシントン
△マイネルプロートス
△ヒシフラッシー
今回のメンバー10頭中6頭が出走していた6月23日の仙酔島特別が3連単197万馬券という波乱で、地元勢にこれといった中心馬もいないことから、高知から遠征のシーアクロスに期待してみる。前走園田FCスプリントは着順こそ6着だが、レコード決着からコンマ6秒差。スピード競馬に対する経験値では大きなアドバンテージがある。
仙酔島特別は、人気を分け合った3頭が前で競り合い、揃って討ち死にという結果での波乱。勝ったのは、中団に控えて直線鮮やかに抜け出したストロングジョイスだった。うまくペースを読んでさすがの手綱さばきを見せた内田利雄騎手が今回も引き続き鞍上とあればもう一度期待してみたい。ただ福山では1600メートル以上の距離しか経験していないのがやや不安ではある。
仙酔島特別で1番人気だったグラスヴィクターが不在なら、2番人気だったシルクプレスト、3番人気だったロッキーダイヤをあらためて狙ってみる手はある。2頭が内枠に入り、同じような競り合いになるだろうが、おそらく後続勢は競りかけてこないだろうし、この距離なら粘り込む可能性はある。
重賞常連のビービ―バイラは年明け初戦を勝って以降は不振が続いたが、前走久々の勝利で復調してくるかもしれない。
◎シーアクロス
○ストロングジョイス
▲ロッキーダイヤ
△シルクプレスト
△ビービーバイラ
今年は夏のJRA北海道シリーズの番組が大幅に変更され、それにともなって道営の2歳馬がJRAに挑戦するローテーションや出走資格にも変更があった。7月14日のJRA函館2歳ステークスへは、6月14日と27日のウィナーズチャレンジ、そしてこの栄冠賞、それぞれの1着馬に出走権が与えられる。
経験の浅いこの時期の2歳馬だけに比較は難しいが、アウトジェネラルのデビュー戦は圧巻だった。直線だけで楽に後続を突き放し2着馬に大差(2.1秒)をつける圧勝。ノーザンファームの生産で、父アドマイヤドン、おじにカネヒキリがいるという血統からも、ダートでの活躍が期待できそうだ。
相手にはシーギリヤガール。直線持ったままで先頭に立ち、楽に突き放したこの馬のレースぶりも印象的だった。父スターリングローズで、祖母がダービー卿チャレンジトロフィーを勝ったオギティファニーというスピード血統だ。
コルチナも生産がノーザンファーム。不良馬場とはいえ、今年の馬場を考えれば1200メートル1分13秒4は優秀だ。
ニイカップクイーンは、ウィナーズチャレンジは4着に敗れたものの、デビュー戦のフレッシュチャレンジは楽に逃げ切って9馬身差をつけての圧勝だった。そのスピードなら巻き返す可能性はある。
ラブキンゾウのデビュー戦も直線後続を突き放しての楽勝。ブラックタイドの初年度産駒としても注目度は高い。
◎アウトジェネラル
◯シーギリヤガール
▲コルチナ
△ニイカップクイーン
△ラブキンゾウ
出走8頭中7頭が6月3日のライラック賞に出走していたというメンバーで、負担重量もそのときから全馬が50キロ増。
そのライラック賞は、4頭ほどがほぼ同時に障害を先頭でクリアした中から、トップハンデのオイドンが抜け出しての完勝。1頭だけキャンターのように走っていたのが印象的だった。しかも2着が、今回は不出走だが、メンバー中最軽量でオイドンより60キロも軽いヘイセイオトメだけに、オイドンの強さが際立った。ここは再びオイドンの舞台となりそうだ。
同じメンバーで何度かレースをすれば、その都度着順が変わりそうで難しいメンバーだが、ライラック賞は1番人気に支持されながら7着に敗れたレットフジが相手筆頭。続く前走B1級で差のない2着と、やはり力はある。
ライラック賞で2着争いを演じた牝馬のブラックパール、アアモンドマツカゼも軽ハンデを生かせば好走が期待できそう。
以下は難しいが、タッピイサム、フナノコーネルあたりが3着に入って穴候補。
◎オイドン
○レットフジ
▲ブラックパール
△アアモンドマツカゼ
△タッピイサム
△フナノコーネル