7月13日 第9回オパールカップ(地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
(オパールカップ ゴール 1着・カクテルラウンジ 写真・佐藤到)
1着 カクテルラウンジ
道中は中団インでじっと待機。3コーナーで各馬がスパートをかけてもマイポジションをずっとキープ。4コーナーを回って直線から外に持ち出し、満を持して追い出すとアッという間に他の馬をごぼう抜き。逃げ込みを図ったウィンエヴリーをきっちり捕らえて快勝。瞬発力の差をマザマザと見せつけた。
「調教師の指示どおり前半は貯めていこうとインで我慢した。小回りでコーナーがきついと思ったので直線に入ってからスパートをかけたら一完歩ごとに伸びてくれた」と吉田稔騎手。
カクテルラウンジは昨年大晦日に行われた「東京2歳優駿牝馬」で3着に入り、今年JRA芝へ2度挑戦。春菜賞は4コーナーで不利を受けながら0・6秒差6着、きんせんか賞は折り合いを欠いて14着に沈み、今回が3度目の芝レース。吉田稔騎手のコメントどおり、直線を向くまでずっと抑えたまま。ラスト300mで吉田稔騎手がゴーサインを出すとすばらしい反応を見せてくれた。
父がタニノギムレットで祖母がダイナアクトレスという超良血馬。前日に盛岡に入り、馬体重が前走比マイナス13キロ。412キロでレースに臨んだが、馬体を見る限り細くは映らず、陣営もさほど気にはしていなかった。
きんせんか賞以降、3戦連続で二ケタ着順に沈んでいたが、大井・若竹賞後はこのレース1本に絞って調整。メンバーが甘かったことも確かだろうが、今回披露した切れはさすが良血馬と思わせるもの。秋以降の成長が楽しみになった。
2着 ウィンエヴリー
「折り合いが難しいので前に馬がいる形でレースを進め、できれば逃げたくなかった」(菅原勲騎手)そうだが、ゲートが開いた瞬間、すでに1馬身のリード。抜群のスタートを切り、他も行く気配がなかったため逃げの手に出る。
道中は手綱をガッチリ抑え、後続を引きつけて直線で追い出してセーフティリードを取ったかに見えたが、外を強襲したカクテルラウンジとは脚色の差がはっきり。
「スタートも良かったので行かされる形になったが、仕方がない。切れで相手が一枚上だったということでしょう」と菅原勲騎手。
3着 テンショウベスト
前々走の芝・はまなす賞は中団からの競馬だったが、今回は2番手の積極策に出る。道中もずっと2番手をキープして直線でも自身の持つ脚は使ったが、いわゆる決め手のないタイプ。3着に粘ったことで十分健闘したと言えるだろう。
「調教も自分がつけているが、決して調子はいいとは思わなかった。それでも3着ですから良く頑張った」と村松騎手。
4着 デキシーメイ
前半はカクテルラウンジより後ろで競馬を進め、3コーナーから徐々に進出したが、直線の追い比べで伸びがもう一つ。スピードに乗り切れなかった印象だった。
7着 リュウノツバサ
1周目スタンド前で掛かり気味に4番手外を追走。向正面でも行きたがる仕草を見せて折り合いにちょっと苦労した感じ。芝1600m・はまなす賞、ダート1800m・ミルキーウェイカップと目下2連勝中で単勝1・6倍の1番人気に支持されたが、直線で失速。ダイヤモンドカップから4連闘で臨んだ見えない疲れがあったか。
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7月6日 第40回岩鷲賞(3歳以上オープン 地方競馬全国交流 盛岡ダート1200m)
1着 トーホウライデン
前半は5番手インの経済コースを進み、3コーナーから徐々に進出。内でスパロービートが粘っていたが、ラスト100mで交わして先頭。最内からヤマニンエグザルトが鋭く伸びてきたが、トーホウライデンはまだ脚色に余裕があり、完勝に近い内容で鞍上の高橋悠里騎手はガッツポーズでゴールに入った。
「前回(6月23日 A級)で本来の動きを取り戻して復活を実感。今回も期待して乗ったが、ハイペースの流れにもついていけたし、展開もこの馬に向いていたと思う。直線で追い出したらスッと反応してくれたので、内からヤマニンエグザルトが来るのは分かっていましたが大丈夫、勝てると思いました。このレースで99勝でしたから、できれば区切りの100勝で優勝できれば格好良かったかもしれませんね(笑)」
前半3ハロンが35秒0。早池峰賞より速くなかったが、速いペースにも戸惑うことなく対応。なによりも特筆できたのは追い出してからの反応のすばらしさ。高橋悠里騎手が「これで勝てる」と確信したのもうなずけた。
振り返れば好調時にはマイルでも折り合いを欠くシーンがまま見受けられ、本質的にスプリント決戦、そしてスピード競馬が合ったということ。父がブライアンズタイム、母父ミスタープロスペクターの血統背景ならそれも納得できる。
走破タイム1分12秒1は全国区の強豪が相手では足りないかも知れないが、今の馬場を考えれば非常に優秀。早池峰賞の勝ちタイム(1着 ダイワフォーチュン)が1分12秒6からさらに0・5秒詰めていた。
過去、トーホウライデンの最短レースは水沢1300m戦で、1200m戦は生涯初めて。データ的に未知数だったが、おそらく折り合い、瞬発力などを考えれば短距離がベストかもしれない。
今後の目標は8月16日、水沢1400mで行われるJpn?・クラスターカップ。この1400m戦は昨年、浦和と岩手の交流レース・龍泉洞特別を圧勝した実績もあり、トーホウライデンには望むところの条件。地の利も生かして好勝負を期待したい。
2着 ヤマニンエグザルト
後方8番手を追走は早池峰賞と同じ戦法。しかし3、4コーナーの反応がひと息でもたつき気味。それで板垣騎手は最内を突いて強襲、クビ差まで肉薄したがそれが精一杯。惜しくも岩鷲賞2連覇はならなかった。
「レースをしたのは直線に入ってから。道中はまったく行く気がなかった。多分、前回(みちのく大賞典2000m)で長い距離を使った影響があったかも」と板垣騎手。
3着 マンジュデンコウベ
早池峰賞は5番手、今回は6番手とほぼ同じポジションを取ったが、勝負どころでヤマニンエグザルトと同様にもたつく。直線は外を通ってジワジワ伸びてきたが、前の2頭との差は5馬身。自己の能力は出し切ったと思うが、如何せん1200m戦の瞬発力勝負は厳しい。それならば中央時代、ダート1400m戦を勝ったことがあるクラスターCの方が好走の目があるかも。
4着 スパロービート
2枠に入って楽に先手かと思ったが、リキアイヤマノオーがハナを譲らない構えを見せてハイペースを形成。それでも枠差から先手を取って直線でも先頭に立ったが、我慢できたのはラスト100mまで。その後は力尽きて4着に敗れた。
「これまでの勝ち星が1000mまでのようだが、これから経験を積めばもっと距離が持つのでは。3歳馬なので今後、もっと成長すると思う」(村上忍騎手)
6月29日 第9回ミルキーウェイカップ(3歳オープン 盛岡ダート1800m)
(ミルキーウェイカップ 1着リュウノツバサ 写真・佐藤到)
1着 リュウノツバサ
1枠に入ったエイプリルボーイが予想どおり先手を奪い、リュウノツバサは2番手を追走。その直後にゴールデンクリークがつけ、淀みないペースでレースが進む。4コーナー手前、馬なりでリュウノツバサが交わして先頭。ゴールデンクリークもエンジンを全開させ、直線は2頭のマッチレース。リュウノツバサはラスト200mで2馬身ほどのリードがあったが、ゴールデンクリークが一完歩ごとに差を詰める。この叩き合いは見応えがあったが、半馬身差リュウノツバサがしのいで岩手ダービー・ダイヤモンドカップの雪辱を晴らした。
「1コーナーあたりから掛かり気味になって折り合いにちょっと苦労した。砂を被らせると折り合うだろうが、この展開になったら仕方ないので追い出しをギリギリ我慢させ、相手はゴールデンクリーク1頭だと思って必死に追った。ダイヤモンドCより1ハロン短縮されたのと1キロ軽かったハンデも味方したかもしれないが、後ろから来たらまた伸びてくれた。前回は芝で完勝したときは実感しなかったが、ダートに戻って春より動きがよくなった。折り合いさえうまくいけば2000mの距離も克服できるかもしれません」と村上忍騎手。
この後の3歳路線は芝重賞・オパールカップが7月13日にあり、前々走・はまなす賞の強さからもリュウノツバサが人気を集めるに違いない。
2着 ゴールデンクリーク
枠差もあってリュウノツバサをぴったりマークする形で3番手外を追走。そのリュウノツバサが動くのを見てスパートをかけ、直線でジワジワ差を詰めにかかったが、半馬身差までが精一杯。「今回は完敗でした」の板垣騎手のコメントどおり、ゴールがもう先でも着順は替わらなかっただろう。
3着 テンショウベスト
前半は5番手外につけ、3コーナー過ぎにスパート。直線でもマズマズの脚を使ったものの、2着ゴールデンクリークとの差は5馬身。これが現状の力関係だろうが、このメンバーでも3着を確保するのがテンショウベストの持ち味。
6着 エイプリルボーイ
ダイヤモンドCは出遅れもあって4番手に控えたが、今回は絶好の1枠に入り好スタートから逃げの手。道中は13秒前後のラップを刻み、速からず遅からず。いい手応えで逃げていたかに見えたが、4コーナー手前で交わされてしまっては一たまりもなし。直線では格下にも先を越されて6着に沈んだ。
7着 コンバットキック
前半は後方2番手でジックリ待機し、3コーナーから追い出しを開始してその時の反応は良かったが、直線では伸びひと息。レース前、三野宮調教師が「長く脚を使えないので、どこでそれを使うかが難しい」と語っていたが、瞬発力勝負のタイプゆえ今回のように先行馬の流れで決まってしまうとさすがに苦しい。現状はハイペースの手助けがないと突き抜けるのは難しいかもしれない。
6月21日 第11回かきつばた賞(3歳以上オープン 盛岡芝2400m)
1着 ボスアミーゴ
いつもどおり前半はジックリ待機策。流れはスローだったが、ペースに惑わされることなく中団から離れた後方4番手を追走、向正面から徐々に先陣に接近して3コーナーでは早くも先行馬を射程圏に入れる。
スパートをかけたのは4コーナー手前で、アッと言う間に3番手まで進出。ラスト150mで先頭に立ち、あとは若干気合いをつけただけで後続を離す一方。2着に2馬身半差の完勝で芝特別2連勝を飾った。
「久々にコンビを組んだが、(ボスアミーゴは)本当に芝は走る。58キロのハンデが心配だったので、仕掛けがちょっと早すぎたかも知れないが、とにかく反応のいい馬。終わってみればハンデもまったく関係なし。岩手相手で芝なら実力が違いすぎる」と菅原勲騎手。
次走は予定どおり芝の規定路線を歩み、7月20日の芝2400m重賞・せきれい賞へと向かう。
2着 コスモアンファング
サクラエキスプレスの出鼻を叩いて果敢に逃げてスローに落とす。1周目1コーナー、2番手にいたサクラエキスプレスが行きたがるのを見て先手を譲り、じっくり2番手インに控える。その瞬間の判断がズバリ当たり、直線で最内を突いてスルスル進出。一旦、2番手まで上がったクルセイズを交わして2着を確保した。
「ペースが遅いと思ったから前に行こうと決めた」と草地騎手は語ったが、前回・あじさい賞では中団追走から直線ジワジワ伸びて3着。その時に芝が合うと判断した草地騎手のプレーが光った。
中央0勝ながら2着1回3着4回の戦績から南関東へトレード。しかしダートが合わなかったようで9戦すべて着外。岩手入り後も水沢2戦とも着外に沈んでいたが、芝に替わって反応が一変。あじさい賞3着、今回のかきつばた賞2着で芝の活躍は約束された。
3着 クルセイズ
3番手をキープし、外からボスアミーゴに被せられたが、それでも怯まず3着を死守。終いの切れ比較では見劣るが、長くいい脚を使えるのが特長で今回もその良さを発揮した。
7着 サクラエキスプレス
コスモアンファングが意表を突く逃げに出たため2番手に控えたが、馬が掛かりっぱなしで1コーナーで先頭。その後は折り合いがついたが、前半のロスが響いて直線で失速した。「掛かったので先に行かせたが、距離も長かったかも」と関本淳騎手。
6月22日 第36回一條記念 みちのく大賞典(3歳以上オープン地方競馬全国交流 盛岡ダート2000m)
(みちのく大賞典ゴール 写真・佐藤到)
1着 ブラーボウッズ
いつもの出遅れグセは出さなかったが、出たなりでポツンと最後方の位置取り。逃げたニシノグレイシャが出ムチを入れて先手を奪い、4馬身ほどリードしたが、1コーナー過ぎからガクンと減速。そのスローの流れを見るや、菅原勲騎手が向正面から大外を回って先行馬をひとマクリして、3コーナー手前で先頭に立つ大胆な騎乗。誰もが仕掛けが早すぎると思い、直線入り口で後続グループが徐々に差を詰めにかかったが、直線で再び突き放して待望のビッグタイトルを手に入れた。
「3600勝まであと1勝に迫っていたのは分かっていたが、まさかここで勝てるとは思わなかった。ペースが遅くなったし、人気も差ほどではなかったので思い切って先頭に立った。これで負けたら仕方ないと思ったが、最後まで我慢してくれた。3600勝をビッグレースで達成できて素直にうれしい」と菅原勲騎手。
これまでブラーボウッズは豪快にマクって快勝したかと思うと次走は凡走。それを繰り返してムラな面がなかなか解消されなかったが、今季はすべて入着を果たして安定感が出てきたのは確か。
しかしレコード決着の前走・あすなろ賞(水沢1900m)では追走するのに手こずって4着止まり。その結果から今回は4番人気にとどまっていたが、菅原勲騎手の大胆、かつ巧みなレース運びでビッグレースを制することに。これこそ同騎手の真骨頂、そして今後に語り継がれる菅原勲騎手、名勝負の一つに加わった。
2着 マイネルイディオス
前半は中団インをキープし、3コーナー過ぎからスパート。決して反応がいい訳ではなかったが、ばてずにジワジワと伸びてマチカネモエギが終い一杯になったところを外から交わして2着を確保した。
「位置取りは予定どおり。もう少し早めに動いていればもっと差を詰めたかも知れないが、これでオープンでも通用のメドが立ったのでは」と関本浩司騎手。
マイネルイディオスは中央1勝がダート2100m。その後、名古屋に転籍して徐々に頭角を現し5勝をマーク。岩手転入は今年4月で格付けにも恵まれて4連勝中(名古屋時代を含めると5連勝)でみちのく大賞典に臨んだが、B1二組を勝ち上がったばかり。
ここではキャリア不足と判断され5番人気だった。1番人気ノムラリューオー以外は団子の背比べの印象だったが、それにしてもマイネルイディオスの大好走にはビックリ。長距離配合の血を2000mの舞台で発揮した格好か。
3着 マチカネモエギ
ニシノグレイシャにハナを譲って2番手をキープ。向正面で展開がガラリと変わったが、自己のポジションを終始キープ。直線でも最内で渋太く粘っていたが、ラスト100mで脚が上がる。これが距離経験のなさと判断していいだろう。それでも周囲に惑わされない吉田稔騎手の好プレーが光った。
5着 ダンストンリアル
道中は4番手外をキープして4コーナーではブラーボウッズに再接近したが、直線でいつもの伸びが見られず5着。「まだここでは力が足りない。今後の成長に期待」と村上忍騎手。
7着 ノムラリューオー
1枠に入ったので前半は無理をせず4、5番手のインを追走。「スタートは悪くなかったし、位置取りも考えていたとおりだったが、外が動いたのに全然ついていけなかった」(小林騎手)。3コーナー直前から一杯に追っていたが、先陣から離され、それならと小林騎手は外に持ち出したが、シアンモア記念のシャープさがまったく見られなかった。
「レース前、このあいだ(シアンモア記念)みたいな落ち着きがなかったし、フットワークも前回のようではなかった」と小林騎手。
そのシアンモア記念のパフォーマンスがすばらしく、当日は単勝1・6倍の圧倒的な1番人気に支持されたが、見せ場を作れずに凡走。内に入ったのが痛かったか、盛岡コースが合わなかったか、坂も響いたか…改めて競馬の難しさを実感させられた。
10着 サイレントエクセル
当日の馬体重は前走(桐花賞)比プラス10キロ。5ヶ月半ぶりの実戦を考えれば思ったほど太くは映らなかった。担当厩務員いわく「追い切りをしたらレースを分かったようで自分から調整をした。そして馬運車に乗ったら入れ込んで汗をかいていたし、装鞍所でもカリカリしてしまった」。これがオープン馬たるゆえんでレースを感知していたようだが、その気合いが空回り。当日、いつもの板垣騎手から山本聡哉騎手に替わったこともあったが、後方のまま追走するだけに終わった。
6月7日 第2回あじさい賞(オープン 盛岡芝1700m)
1着 ボスアミーゴ
スタートで若干躓いたこともあって後方2番手からの競馬。3コーナーから徐々にスパートをかけ、直線は逃げ込みを図るサクラエキスプレスとのマッチレースに持ち込み、ラスト50mで先頭。あとはセーフティリードのままゴールへ入り、レコードタイの1分44秒5の好タイムで快勝した。
「中団をイメージしていたが、うしろからでも大丈夫だろうとジックリ待機した。追い出してからの反応の良さにはビックリ。ただ、いい脚を使えるのは一瞬なので仕掛けどころを間違えないように乗らなければ」と村上忍騎手。
今回の内容を見て改めて「この馬は芝向き」と鈴木七郎調教師は判断。この後は6月21日、かきつばた賞(盛岡芝2400m)から7月20日の交流重賞・せきれい賞へ向かう予定だ。
2着 サクラエキスプレス
今年3月、北海時競馬を経て岩手転入。水沢4戦すべて着外に沈んでいたが、芝に替わってまるで別馬のように動きが一変。軽快に逃げて直線でも渋太く粘る。中央芝で3勝、準オープンを勝ったこともある実績はダテではなかった。
9着 タイキリオン
ボスアミーゴと人気を分け合って単勝2・5倍(ボスアミーゴは2・3倍)に支持される。レースは3番手外の絶好ポジションをキープして理想的な流れに見えたが、直線でいざ追い出したらまったく反応なし。すでに脚が上がってしまい、一気に失速。大差9着に沈んでしまった。レース翌日、酒井調教師に話を聞いてみると「レース上がりはまったく問題ない。状態的もシアンモア記念よりいい印象だっただけに、この敗因は分からない。しいて捜せば、あまり前に行かなかったほうが良かったかも。昨年みたいに前半は楽をさせるべきでしょうか」とコメント。
6月8日 第34回早池峰賞(オープン 盛岡ダート1200m)
1着 ダイワフォーチュン
前半はじっくり脚を貯めて後方2番手に待機。ジュリア、エイシンボーダンが前半3ハロン34秒7の超ハイペースを形成したため、明らかに追い込み馬には有利の流れ。レース前、草地騎手の宣言どおり、ラスト2ハロンに勝負を賭ける戦法がズバリ。直線半ばで内から先頭に立ったモタモルキングを交わし、また大外から伸びてきたヤマニンエグザルトの追撃を完封。昨年12月、白嶺賞以来の白星をダイワフォーチュンにプレゼントした。
「いい脚を使えるのが一瞬なので、1200mの距離が合った。中央時代にも芝ですが、1200mで3勝していますからね。マークが中団にいたマンジュデンコウベだったから、まさかメタモルキングが抜け出すとは思わなかったので、正直ビックリしたが、最後は決め手の差が出た。これなら次回以降も楽しめるのでは」と草地騎手。
瀬戸調教師は7月7日、福山競馬場で行われる「オッズパークグランプリ2008」遠征の構想もあったが、暑い時期に長距離輸送は酷と判断。当面は地元重賞・岩鷲賞からG?・クラスターカップへ向かいたいという。
2着 メタモルキング
道中は中団インにつけ、追走にてこずっていたようにも見えたが、ジリジリと先陣に接近。内にコースを選んだ村松騎手の好騎乗もあって一旦、先頭に立ってあわやのシーンを作った。しかし、ゴール寸前でクビ差ダイワフォーチュンに交わされてしまった。昨年、相手構わず抜群の連対率を誇っていたが、今季成績がもう一つだったことと短距離適性を疑問視されブービーの9番人気。その低評価を見事に覆して僅差2着に大健闘した。
3着 ヤマニンエグザルト
前走・あすなろ賞と同様、前半は無理をせずに後方待機策を取り、ダイワフォーチュンとほぼ同タイミングでスパート。大外から一完歩ごとに差を詰めたが、あとひと伸びが足りなかった。しかしレコード駆けの反動もなく、自己の能力はきっちり出し切った。
4着 マンジュデンコウベ
前半は5番手を追走。流れを考えると絶好のポジションにつけたが、直線の坂あたりでもたつく。中央時代、1400mで好走実績があったが、1200mの忙しい競馬は逆に合わなかった印象。上位3頭とは決着がついてからの入線だった。