
今シーズンの古馬重賞は、ここまでアオノブラックとメムロボブサップが2勝ずつ。ばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞、旭川記念で1、2着を分け合い、アオノブラックが不在となったばんえいグランプリはメムロボブサップがきっちり勝った。この状況は、オレノココロとコウシュハウンカイの現役時ときわめて似ている。前半の古馬重賞では2頭で1、2着を分け合い、その賞金で後半は重量を課せられるようになると、ほかの馬にも食い込む余地が出てくる。
アオノブラックは今年は夏を休んで、復帰戦となった前走マロニエ賞が障害3番手から差のない3着とまずまずの競馬。別定20kg増の840kgならこの馬が中心。
後半に向けて基礎重量が重くなってくればメジロゴーリキの出番。前走重量が軽い特別戦の大敗は度外視でき、全馬800kgでの争いだったばんえいグランプリで、勝ったメムロボブサップと差のない2着なら、ここでも勝ち負けが狙える。
メムロボブサップはここまでの最高賞金であるばんえいグランプリを制した上に2着を外さないという成績で賞金を稼いだため、今回は別定30kg増の850kg。さすがにこの重量では頭までは厳しそう。
ミノルシャープはばんえいグランプリで3着に好走し、前走の勝利で完全復調といえそう。今回増量なしの820kgで、ばんえいグランプリからさらに調子を上げたとあれば、このメンバーでも上位食い込みは十分考えられる。
ばんえいグランプリ4着だったコマサンブラックは、今年2月に帯広記念で890kgを経験しており、ここでも上位に食い込むことができれば、今後の古馬重賞戦線で楽しみな存在になる。
◎6アオノブラック
○9メジロゴーリキ
▲7メムロボブサップ
△1ミノルシャープ
△8コマサンブラック
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岩手牝馬三冠の最終戦。
二冠目のひまわり賞は、浦和から転入初戦だったトーセンキャロルが、2着のマルルットゥに10馬身差をつけての圧勝。中団からレースを進めると、4コーナー手前で抜群の手応のまま先行勢をとらえにかかり、うしろから追ってきたマルルットゥも気にしながらという、山本聡哉騎手の落ち着いた騎乗も見事だった。今回、これといった新興勢力もなく、そのレースぶりなら200メートルの距離延長も問題ないだろう。
アップテンペストは名古屋から再転入初戦だったひまわり賞では、逃げたカクテルライトをぴたりと追走したものの、直線一杯になって、なんとか5着。そのときは1000メートル通過が1分1秒4というかなりのハイペース。その次走やまびこ賞では、同じく逃げたカクテルライトの2番手追走という展開でも、同じ盛岡1800メートルの良馬場で1000メートル通過が1分3秒9と落ち着いたペース。直線でカクテルライトをとらえると、後続を振り切っての勝ちタイムが、ひまわり賞のトーセンキャロルとまったく同じ1分55秒3。展開やペース次第では逆転の可能性もありそう。
マルルットゥのひまわり賞は、勝ったトーセンキャロルよりもさらにうしろから脚を溜めるレースをして2着に好走。4月のあやめ賞も先行勢総崩れという展開で、マルルットゥは後方からロングスパートで直線前を飲み込んでの勝利だった。距離にかかわらず後半に脚を使えるような展開で能力を発揮するが、展開に左右されるタイプだけに狙い所が難しい。
カラフルフレスコは浦和から転入し、盛岡で5戦して2着3回。一気の距離延長と重賞初挑戦での相手強化に対応できるかどうか。
ダイヤモンドカップ、イーハトーブマイルでともに5着のグラフィアスレディは、牝馬同士となればもう少し上も狙えそう。
ひまわり賞で9着だったシャローナだが、笠松から転入初戦だった盛岡1600メートル戦でグラフィアスレディに半馬身先着しての勝利。笠松時代は1900メートル戦で3着があり、距離には対応できそう。
◎9トーセンキャロル
○5アップテンペスト
▲11マルルットゥ
△6カラフルフレスコ
△7グラフィアスレディ
△1シャローナ
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