年度最初の古馬中長距離重賞として新設された佐賀スプリングカップ。10頭立てではあるものの、この路線のオールスターがほぼ顔を揃えた。
中島記念3連覇を達成したキョウワカイザーは、その後も安定した成績で、連対を外したのは兵庫のエイシンニシパが勝ったはがくれ大賞典だけ(4着)。前走菊池川特別はキングプライドに逃げ切りを許したが、今回は巻き返しのかかる一戦。逃げる可能性のある馬が多く、前が競り合えば、外枠に入って好位に控えるこの馬に有利な展開になりそう。
昨年終盤調子を崩していたキングプライドだが、年が明けてからは5戦オール連対と完全復活。前走菊池川特別ではキョウワカイザー以下を寄せ付けずの逃げ切りは見事だった。その勢いならここでもという可能性は十分考えられる。
スーパーマックスの評価にちょっと悩んだ。12月のチャレンジカップで勝ち馬からコンマ8秒差の5着、さらに阪神大賞典では、その後に天皇賞・春を制したレインボーラインに1秒1差(9着)。中央芝の重賞で互角に渡り合っている。とはいえ中島記念では5着に敗れており、佐賀で古馬一線級と対戦したのはそれだけ。ものすごく芝向きで、もしかするとダートはあまり得意ではなく、3歳時は能力の違いだけで勝ってきたという可能性はある。3歳春の一時期移籍していた大井で勝負にならなかったのも、そう考えれば納得できる。ゆえに中島記念のように勝負にならない可能性まで考えての▲評価。
中島記念でクビ差2着だったウルトラカイザー、A2から格上挑戦のデリッツァリモーネらが連下争いに食い込めるかどうか。
◎9キョウワカイザー
○7キングプライド
▲5スーパーマックス
△1ウルトラカイザー
△6デリッツァリモーネ
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笠松では2006年から2008年までの3年間、7月上旬にオッズパーク・ファンセレクション・イン・笠松という3歳重賞が行われたことがあったが、そこから2カ月繰り上げて3歳重賞が新設された。
クルセイズスピリツは、新緑賞では逃げて6着に敗れたが、終始ユーセイスラッガーにぴたりとマークされて苦しくなり、直線ではすでに脚が残っていなかった。しかしながら3走前には笠松で古馬A3特別を、前走では名古屋で同じく古馬A3特別を快勝しており、この時期の3歳馬としては相当に能力が高いと見る。
その新緑賞を制したのがビップレイジング。3コーナーまで中団でじっくり脚を溜め、先行勢の潰し合いを直線見事に差し切った。中央遠征の2戦は結果を残せなかったが、スピード競馬を経験したことで力をつけた。
ウォーターループの前走東海クイーンカップは、人気薄の逃げ馬を2番手で追いかけて早め先頭、レコパンハロウィーの追い込みを封じるという、展開にも恵まれたが鞍上の好騎乗だった。牡馬との対戦となるこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
新緑賞でやや差のある3着だったユーセイスラッガーは、連下争いまで。
兵庫から遠征のフセノランは、前走菊水賞が2着だったが、勝ち馬には6馬身離された上に、今年の兵庫の3歳勢はレベル的に疑問で、同じく連下まで。
◎8クルセイズスピリツ
○5ビップレイジング
▲4ウォーターループ
△7ユーセイスラッガー
△2フセノラン
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南関東から戻って赤松杯を制したベンテンコゾウにとっては、勝負付けが済んだ相手ばかり。大井から遠征の2頭もB級で苦戦という馬たちなら、船橋のA2特別を2連勝してきたこの馬には敵ではない。ここは今後の大舞台へ向けての通過点。
中央オープンから昨秋転入し、絆カップとトウケイニセイ記念を制したタイセイファントムが実力2番手。
白嶺賞でタイセイファントムを負かしているイーグルカザンだが、その後の桐花賞、赤松杯ではともに差のある4着。ここはタイセイファントムと10歳馬同士で2番手を争う。
A級特別では勝ち負けも重賞ではやや壁があるヒドゥンブレイド、プリンスダムらは、上記の馬たちのいずれかが崩れたときに馬券圏内に食い込む余地がありそう。
◎5ベンテンコゾウ
○3タイセイファントム
▲2イーグルカザン
△4ヒドゥンブレイド
△7プリンスダム
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デビュー以来連対を続けてきたヴァリヤンツリは、土佐春花賞で初めて3着に惜敗し、さらに続く仙台屋桜特別でも2戦続けてレマンコに先着を許した。しかし続く前走、古馬C1戦では3馬身差の快勝と能力の高さを見せた。ここは巻き返しのかかる一戦。
デビューから初勝利まで17戦を要したレマンコだが、その中で世代トップと互角の争いをできるだけの力をつけてきた。3歳2戦目にデビュー以来の初勝利を挙げて以降では、8戦5勝といよいよ本格化。2歳時には2強牝馬に遅れをとっていた第3のオトコが一冠目に挑む。
ネオプリンセスは、金の鞍賞制覇から3カ月ぶりの出走となった土佐春花賞では、逃げたものの3コーナーでヴァリヤンツリにとらえられると直線まったく手ごたえをなくして失速。初めての惨敗だった。それが実力でないことは明らかで、立て直して臨んでくるかどうか。打越勇児調教師は、目下のところ雑賀正光調教師を抑えて全国リーディングのトップ。勝率でも31.2%(5月3日現在)という高い数字をマークしている。
土佐春花賞を制したスターアイリスは、中央から転入後の4戦すべてで手綱をとっていた木村直輝騎手が期間限定騎乗を終えて岩手に戻ったため、今回は佐原秀泰騎手で臨む。
中央未勝利からの転入初戦を制したプラズマディライトもあなどれない存在だ。
◎4ヴァリヤンツリ
○11レマンコ
▲6ネオプリンセス
△9スターアイリス
△1プラズマディライト
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昨年のこのレースを制し、年末には中日杯を制したメイジンはオグリキャップ記念へ遠征、圧倒的な強さでA1特別2連勝のナガラオリオンは登録のみで回避となり、チャンピオン級は不在となった。
であれば、これまで2着3着は何度もありながらあと一歩のところで重賞タイトルに手が届かないまま8歳になってしまったマイネルリボーンにいよいよ初タイトルのチャンスが巡ってきたといえそうだ。冬休み明け初戦を快勝して臨む一戦だけに期待したいところ。
トウショウプライドは昨年6月の百万石賞が7歳にしての重賞初勝利。昨年のこのレースと中日杯は、ともに勝ったのはメイジンだが、マイネルリボーンとは2、3着を分け合った。冬休み明け3戦目での上積みがあるかどうか。
大井から再々転入したプラチナバディは、その2戦目となった兼六園観桜特別でトウショウプライドに2馬身差をつけて完勝。前回金沢に在籍していた2015年にはA1特別でたびたび好走がありながら勝利には至らず、重賞挑戦は3歳時のサラブレッド大賞典(4着)以来となる。
冬季の笠松遠征では白銀争覇3着があったディアグリスター、中央2勝から転入して3戦目となるトウショウコマンチらも争覇圏。
◎11マイネルリボーン
○10トウショウプライド
▲2プラチナバディ
△9ディアグリスター
△6トウショウコマンチ
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