
厩舎で猛威を振るっているコロナウイルスの影響かどうか、連覇を狙うカネサブラックが残念ながら熱発で回避。北見記念を制したギンガリュウセイも回避となった。
今シーズンは狙い続けると言っていたギンガリュウセイだが、帯広記念以降、果たしてばんえい記念でも本命にしていいものかどうかずっと悩んでいたのだが、回避によってちょっと肩の荷が降りた。
よく言われることだが、ばんえい記念だけは特別なレースで、1トン(980キロ)をこなせるかどうかで取捨が決まる。
ズバリ、今年のメンバーで1トンをこなせるのは、ニシキダイジン、フクイズミ、ナリタボブサップの3頭だけ。トモエパワーは07~09年に3連覇という輝かしい記録があるが、09年の北見記念で勝ったカネサブラックから8.1秒差の6着以降、重賞ではすべて20秒以上の大差で負けている。特に今シーズンの重賞ではすべて40秒以上の差をつけられている。残念ながら全盛時の力には程遠い。
カネサブラック不在のここは、2年ぶり2勝目を狙うニシキダイジンが断然の中心。昨年のゴール前、カネサブラックとの大接戦はほんとうに見応えがあった。今シーズンは11月以降勝ち星から遠ざかっているとはいえ、その後はチャンピオンカップで大敗した以外は、いずれも勝ち馬とは10秒以内の差。帯広記念3着は、トップハンデのものだけにむしろばんえい記念に向けてという意味ではプラスにとらえるべきだろう。鈴木恵介騎手のばんえい記念初勝利で、引退レースを飾る可能性はかなり高いと見る。
相手には昨年3着だったフクイズミ。昨年は、前2頭から離されたとはいえ、980キロでも確実に追い込んでくる脚は見せた。乗替りとなった松田道明騎手にとっては連覇がかかる。
ナリタボブサップは長期の休養があって、今シーズンの始動は11月。それでも帯広記念でカネサブラックから11秒9差の4着。ここにきて3連勝と調子を上げている。ばんえい記念は過去に4度挑戦して2010年の3着が最高という成績だが、実績を考えればここで一発という場面はあるかもしれない。代打のアベケンもちょっと怖い。
以上3頭の勝負だろうが、連下候補としてホクショウダイヤを挙げておく。チャンピオンカップで念願の重賞初制覇となったが、800キロ台後半以上の重量はちょっと厳しい。とはいえ、上記以外のメンバーとの比較では、高重量戦の経験が豊富なことはアドバンテージになる。手綱は、現役騎手ではばんえい記念最多の5勝を挙げている藤野俊一騎手。
◎ニシキダイジン
◯フクイズミ
▲ナリタボブサップ
△ホクショウダイヤ
大高坂賞は、クラマテングが地元の意地を見せて逃げ切り完勝。重賞は10勝目だが、他地区との交流となるとなかなか勝つことができず、これが初勝利だった。今回強敵となるのはただ1頭の遠征馬グランシュヴァリエ。グランシュヴァリエは地区への遠征を続け、昨年秋以降でも、日本テレビ盃JpnIIで5着、そしてJBCクラシックJpnIでは地方最先着となる4着と、南関東のトップクラスと互角の勝負をしている。大高坂賞では人気になった高知勢がクラマテングに敗れたが、実力ではそれらより一枚上と見る。
地元勢ではクラマテングが断然なのはあらためて言うまでもない。グランシュヴァリエ相手にどんなレースを見せてくれるか。
3番手にはナリタチャレンジ。福山大賞典ではクラマテングにコンマ1秒差の3着、大高坂賞でも3着と、クラマテングにはかなわないものの、確実に重賞で上位争いをしている。
グラスヴィクターは、マイル争覇5着、いろは丸賞4着のほかは福山で負けなし。3度目の重賞でどこまで上位に迫れるか。
フレアリングマリーは、明けて4歳になったばかりの福山大賞典で、クラマテングにあわやハナ差まで迫って2着。しかしその後の重賞ではいまひとつの成績。福山大賞典の再現があるかどうか。
◎グランシュヴァリエ
◯クラマテング
▲ナリタチャレンジ
△グラスヴィクター
△フレアリングマリー