ジャングルスマイルが断然だ。百万石賞では2着のキタイセユニバースに2秒9の大差をつける圧勝で連覇。今シーズンは、初戦のスプリングカップで2着に敗れたのみで、その後は危なげなく6連勝。金沢所属馬はいまだにダートグレードのタイトルがないが、今年、白山大賞典JpnIIIでこの馬にかかる期待は大きい。
相手には、スプリングカップでジャングルスマイルに土をつけたナムラアンカー。昨年は水沢に遠征したダービーグランプリでロックハンドスターの2着と好走。シーズン終盤には古馬A2特別まで制した。そして今季初戦のスプリングカップでは、ジャングルスマイルを寄せつけず逃げ切り勝ち。今年の金沢の古馬戦線はこの2頭による覇権争いかに思われたが、ナムラアンカーのその後は今ひとつぱっとしない成績。前走のA1特別でスプリングカップ以来の勝利を挙げただけに、どこまで調子を戻しているか。百万石賞では9着と大敗しているように、血統的に2000メートルを超える金沢の古馬四大重賞では厳しそうなだけに、ジャングルスマイルに再び勝負を挑めるのは1900メートルの今回の舞台のような気がする。
昨年の覇者エーシンエヴァンは、さすがにジャングルスマイルでは相手が悪い。今年も地元笠松だけでなく、福山に遠征しての重賞でも上位には食い込んでいるだけに、ジャングルスマイルを別とすれば、やはり有力だ。
高知のアプローチアゲンは、4月の二十四万石賞で重賞初勝利。ダートグレード以外の地方全国交流への重賞は今回が初めてなだけに、高知勢の底力を見せたいところ。
大井で重賞勝ちのあるクレイアートビュンは、期待されての金沢移籍だったが、初戦のA2特別を勝ったのみでその後は期待はずれの成績。前走、ナムラアンカーの2着で復調気配もあるが、ジャングルスマイルのみならず、笠松、高知からも重賞クラスのメンバーが遠征してきているメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎ジャングルスマイル
◯ナムラアンカー
▲エーシンエヴァン
△アプローチアゲン
△クレイアートビュン
ラブミーチャンの半弟として注目されるダブルスターは、6月29日のフレッシュチャレンを圧勝。スタートして先頭に立つと徐々に後続を離し、2着に2秒1の大差をつけた。直線では何発かムチが入っていたが、完全に抜け出したあとだったので、おそらくその後のことを考えて気合を入れたのだろう。ラブミーチャンは父がサウスヴィグラスで、その父のとおり短距離でスピード能力を発揮しているが、ダブルスターは父が新種牡馬のシニスターミニスター。アメリカで3歳時にダート9ハロンのGI勝ちがあり、その父オールドトリエステも8~9ハロンのGII、GIIIを勝った実績がある。母系はもともと底力のある血統だけに、ラブミーチャンのことを知らずに、このダブルスターの血統だけを見ればスピード馬という印象はまったくない。今回は1200メートル戦だが、もう少し距離が延びてさらによくなると思うのだがどうだろう。
グッドタイガーは8月11日のスーパーフレッシュチャレンジで、こちらも大差勝ち。1700メートルのゆったりした流れながら、出負けして向正面に入ったあたりでは離れた後方を追走。しかし3コーナーで一気に先頭に立つと、直線突き放すばかり。今回は、1200メートルの、しかも重賞の速い流れに対応できるかどうかがカギとなりそう。
グランデスボスケは8月10日のフレッシュチャレンジ勝ち。ダッシュがつかないような感じで中団を追走していたが、直線を向いて先頭に立つと楽々と後続を突き放した。勝ちタイムも平凡で、2着馬との着差も4馬身だが、そのレースぶりからは素質を感じさせる。
以上、1戦1勝の馬3頭がいずれも他馬を圧倒したレースぶりで、この3頭のうちのどれかが勝つだろうが、どれが強いのかは実際に一緒に走ってみないとわからないというのが正直なところ。
ゴールドメダルは、フレッシュチャレンジ勝ちのあと、1700メートルのオープン戦で8頭立ての最後方から直線前に迫り、勝ったシーキングブレーヴに3/4馬身差の2着。シーキングブレーヴは、ブリーダーズゴールドジュニアカップ2着に、JRA芝のクローバー賞でもそれほど差のない5着と、この世代でトップを争う1頭。それをモノサシにすれば、ゴールドメダルの力もあなどれない。
◎ダブルスター
◯グッドタイガー
▲グランデスボスケ
△ゴールドメダル