連覇を狙うヴァンクルタテヤマか、前走プロキオンステークスGIIIを制してきたランザローテか、2頭の争いだろう。
ヴァンクルタテヤマは、前走北海道スプリントカップJpnIIIで2番手追走から直線抜け出す強い勝ち方。今年は昨年より1キロ重い58キロのトップハンデだが、他の中央馬とは、もっとも軽いオフィサーとでも2キロ差しかない。連覇の可能性は高いと見る。
ランザローテは、前走プロキオンステークスGIIIで、トーホウドルチェを競り落とし、さらに3キロ差とはいえバンブーエールを完封した。しかも1400メートルはここまで4戦して負けなし。ただし不安がないわけではない。地方遠征が初めてで、中央と違って深い砂がどうか。さらにはオープンクラスで初めて背負う57キロ。勝っても不思議はないが、ヴァンクルタテヤマと比較して未知の部分があるので2番手とした。
一昨年の覇者キングスゾーンが2頭に割って入れるかどうか。最近はダートグレードでは厳しいレースが続いているが、昨年3着のときと比較して、ヴァンクルタテヤマがプラス1キロなのに対して、こちらはマイナス1キロ。斤量差を生かしてどこまで迫れるか。
△は3頭つけたが、いずれも3連単の3着候補。注目は7連勝で福山スプリントカップまで制した高知のファンドリコンドル。中央時は、メイショウサムソンの帯同馬としてフランス遠征まで経験した馬。高知勢は遠征競馬でほんとうにがんばっていて、14日のクラスターカップJpnIIIでも中央勢にはかなわなかったものの、リワードパットンが真っ向勝負で地方最先着の5着に食い込んだ。中央時代は500万下で頭打ちだったが、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎ヴァンクルタテヤマ
○ランザローテ
▲キングスゾーン
△オフィサー
△ファンドリコンドル
△リミットレスビッド
今年は全国的に雨が多い。東北地方なんか結局梅雨明け宣言なしだった。東京辺りでは、近年は最低気温28度とかいう熱帯夜も覚悟しなければならないのだが、今年は寝苦しいというほどの夜はほとんどなく、むしろ油断して窓を開けっぱなしで寝ていると、明け方涼しすぎて眼が覚めてしまうほとだ。
北海道は、雨がいつもの年の2倍以上だそうだ。おかげで門別も帯広も湿った馬場ばかり。門別ではあまりレベルの高くないレースでレコードが出たり、ばんえい帯広では第2障害の手前で止めずにそのまま仕掛けるというような場面が何度もあった。自然現象なので誰を責めるわけにもいかないのだが、競馬としては、どちらもあまりおもしろくない。
しかし、今週末の帯広ははようやくそこそこ乾いた馬場での競馬にもなりそうだ。金曜日もピーカン、土曜日も晴れそうだ。
そういう馬場になれば、勝つのはフクイズミ。今シーズン開幕後の2戦は湿った馬場で出番なし。4.6%まで回復した旭川記念は、なんと第2障害を先頭で越えるという積極的なレースぶりで圧倒。北斗賞は7.4%という馬場でまったく持ち味を生かせず4着だった。傾向ははっきりしている。今シーズン6戦して7%以上だった3戦はいずれも4着以下。そして4%台以下だった3戦はいずれも勝利。あまりにもはっきりした結果だ。金曜日はピーカン。土曜日も晴れ。日曜日まで雨が降りそうな感じはなく、そうなれば勝つのはフクイズミ。万が一、ピンポイント予報が外れて当日の馬場が7%以上になるなら狙いは下げるが、たぶんだいじょうぶだろう。
相手は、昨年あっといわせたニシキダイジン。今季の格付けは準オープンで、昨年より10キロ軽い負担重量は有利。
今シーズン充実目覚しいホクショウダイヤが3番手。旭川記念、北斗賞での2着は、その後のレースぶりを見てもフロックではなさそうだ。
今シーズン、早くも重賞2勝のカネサブラックだが、さすがにトップハンデでは強くは推しにくい。
スーパークリントンは、800キロ以上の負担重量で乾いた馬場になれば出番があるかもしれない。
◎フクイズミ
○ニシキダイジン
▲ホクショウダイヤ
△カネサブラック
△スーパークリントン
盛岡のクラスターカップJpnIIIは、やはり実力どおりといおうか中央勢の上位独占となった。そしてちょっと驚かされたのが、地方最先着の5着が高知のリワードパットンだったこと。兵庫から高知への転厩初戦で、兵庫ではオープンクラスとはいえ昨年11月以降勝ち星から遠ざかっていた。何より驚いたのは、先行する中央勢にからんでいって、それでいて地方最先着に入ったということだ。あのペースでいけば、普通は直線ずるずると後退してもおかしくないのだが、この5着という結果は、あらためて高知勢の底力と勢いを感じさせられた。
というわけで、この金杯も単騎高知から遠征のセトノヒットで中心は不動。3月にはファイナルグランプリを1番人気で勝利。前走、園田で行われたオッズパークグランプリ2009でも、マルヨフェニックス、キングスゾーン、アルドラゴンといった、ダートグレードで実績を残している馬たちに続く4着は評価できる。
地元大将格はナムラベンケイ。今年になってから今ひとつ安定感に欠けるレースが続いているが、前々走マイル戦での勝ち星もあり、大一番での信頼度ならこの馬だろう。ただセトノヒットに真っ向勝負を挑んだときに崩れる可能性はある。
ファイナルグランプリの結果と同じ予想になってしまうが、3番手にはやはりクラマテング。安定度なら、ナムラベンケイよりむしろこちらだろう。前々走の西日本グランプリこそ7着だったが、地元同士の対戦では今年2月以降8戦して3着を一度も外していない。ここも堅実に上位争いだろう。
唯一アラブで参戦のフジノコウザンは、5連勝中。今年は9戦9連対とアラブには敵なしの状態。たしかにこの金杯も07年に制しているが、当時とはサラブレッドのレベルが格段にアップした。サラブレッドと同じ57キロでは厳しいかもしれない。
◎セトノヒット
○ナムラベンケイ
▲クラマテング
△フジノコウザン