薄暮競馬を行う競馬場が各地で増えてきた。
数年前まで薄暮やナイターがあまり積極的に行われなかったのは、「大井や川崎などの首都圏ならともかく、地方都市がナイターや薄暮をやっても効果はないのでは」という考えがあったのではないだろうか。
実際にばんえい競馬がナイターを始めるとなったときに、平日ならともかく週末のナイターでお客さんは来るのだろうかと、ぼくも不安に思った。
しかしいざスタートしてみると、効果はかなりのものだった。
実はかつて10年以上前、ばんえい競馬では夏の岩見沢開催で薄暮競馬をやったことがあるのだそうだ。しかし効果はほとんどなく、1年か2年でやめてしまったのだと。
そういう失敗例が過去に実際にあったため、多くの地方競馬では薄暮やナイターに二の足を踏んでいたのではないかと想像する。
近年の薄暮やナイターの開催が好調なのは、ひと昔やふた昔前とは人々の生活スタイルが想像以上に変化してきているからなのではないか。
というわけで、高知競馬でも今シーズンから「夕焼けいば」(ゆうやけいば)がスタートした。
通常は金曜日の開催だけだが、二十四万石賞のこの日は日曜日でも夕焼けいばとして行われる。おそらく大井のナイター開催で二十四万石賞が発売されることになってのことだろう。こういう臨機応変はどんどんやったほうがいいと思う。
どうやら日曜日で夕焼けいばになるのはこの日だけのようだが、南関東で場外発売が行われない日曜日でも、効果を確かめるために夕焼けいばをやってみたらどうだろう。
ばんえい競馬のナイターが予想以上に好調だったのは、週末の中央競馬が終わったあとに、ネット投票のファンが流れてきたのではないかということだった。実際にそういう調査をしたわけではないが、中央競馬が終わるあたりのレースからネット投票の売上げが上がるのだそうだ。
先日、平成19年度の地方競馬開催成績が発表されたが、高知競馬も売上全体に占めるネット(電話)投票の割合が12.91%にもなっていて、前年比では142.7%とかなり増加している。
中央競馬が終わったあとに「高知で競馬をやってるなら、じゃあそっちも」というファンもけっこういると思うのだが。
さて、二十四万石賞。
黒潮スプリンターズカップを勝って、その後A級特別で3戦連続2着のマリスブラッシュ。そして昨年は建依別賞と珊瑚冠賞を制し、黒潮スプリンターズカップは3着だったものの、その後A級特別を2連勝中のトサローラン。この2頭が中心……だと思ったのだが、そんな簡単に決まるだろうか。
で、気になったのが、昨年10月以来の地元戦となるケイエスゴーウェイだ。昨年夏前にJRAから転入して以来勝ち星はない。しかし秋以降使ってきたレースが、JBCクラシック、浦和記念、東京大賞典、川崎記念、ダイオライト記念と、JpnIとJpnIIばかりで、当然のことながらダートのトップクラスとの対戦。たしかにいずれも2秒以上の差で負けているものの、道中はそれほどついていけないレースをしているわけではない。まだ5歳と若く、こういうメンバーに入っての厳しいレースで鍛えられ、力をつけている可能性はおおいにある。
というわけでケイエスゴーウェイに賭けてみたい。
前走マリスブラッシュに先着したリワードプレイン、05年と昨年に続いてこのレース3勝目がかかるストロングボスにも可能性はありそうだ。
◎ケイエスゴーウェイ
○マリスブラッシュ
▲トサローラン
△リワードプレイン
△ストロングボス
しかし、ちょっと気になったのがコレ。
「2008年4月20日 第24回二十四万石賞」
「2」と「4」がやけに多い。2番はケイエスゴーウェイだからいいとして、4番はマルタカデトリア。重賞初挑戦に加え、A2の一般戦を一度勝っているだけと、ちょっと勝負になりそうもない感じではある。しかしむしろ人気薄だけにちょっとだけ押さえる価値はあるかも、と思ったり。
そしてさらに念を入れるなら、2-4-8の3連複と、3連単ボックスとか。
それにしてもイヌワシ賞でのビッグドンの強さには驚かされた。東海、兵庫、福山からの遠征馬を相手にして休み明けではと、ちょっと不安もあった。しかしフタを開けてみれば、3コーナーで先頭に立つと後続をあっという間に突き放した。地元同士のここは、アクシデントでもない限り負ける要素はないだろう。
ビッグドンの強さにも驚いたが、テンリットルにも驚かされた。2000メートルを越える距離では確実に追い込んでくるのだが、近走ほとんど実績のない1900メートルで直線で追い込んでくるとは。ただやはりこの距離では展開の助けが必要で、今回も△まで。
で、相手には中日杯でテンリットルの2着だったフェスティブドパリ。昨シーズン、徐々にクラスを上げてきて、今シーズンはいよいよ重賞戦線での活躍が期待できそうだ。
イヌワシ賞では離れた最後方からのレースとなったマツノショウマも好位をとれればチャンスはある。
◎ビッグドン
○フェスティブドパリ
▲マツノショウマ
△テンリットル
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福山桜花賞は、ナムラベンケイの相手探し。前走名古屋大賞典JpnIIIは、さすがに相手が強く見せ場をつくれなかったが、年明け後は4戦3勝、2着1回と安定した成績。今回は他馬より3キロ重い57キロだが、2着だったマイラーズカップも他馬より2〜3キロ重く、勝った椿賞も1〜2キロ差があった。ここまでの経験があれば今回の斤量差も問題にはならないはずだ。
昨秋の福山菊花賞でナムラベンケイに土をつけたファニーカイザー、今年の椿賞でナムラベンケイの1馬身差2着があるエンドジョーカーが相手。
ヤングブレイヴは、福山マイラーズカップで2着だったナムラベンケイからはそれほど離されていない5着。ナムラベンケイ以外のメンバーが相手なら上位に食い込む可能性はありそうだ。
◎ナムラベンケイ
○ファニーカイザー
▲エンドジョーカー
△ヤングブレイヴ
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ル・プランタン賞には、満を持してパラダイスセントが出走。前々走、中央への挑戦は残念ながらレースをさせてもらえなかったが、それ以外は地元に限ればここまで敵なしの5戦全勝。デビュー前から関東オークスJpnIIを目指していたという逸材で、さて、ここを勝ったら6月1日の九州ダービー栄城賞に行くのだろうか、それとも6月18日の関東オークスに行くのだろうか。間隔的には両方ということも可能だ。
順当なら花吹雪賞でパラダイスセントの2、3着のオリオンクィーン、オリオンオーロラあたりが相手になりそうだ。花吹雪賞ではオリオンクィーンが8馬身、オリオンオーロラはさらに3馬身離されたが、2月の飛燕賞ではそれぞれ6、5着とはいえ差を詰めてきた。
ただ、完全に勝負付けのすんだ相手よりも、未知の魅力として2連勝中のオペラウィンを相手筆頭としてみたい。全国各地でこの時期に活躍するホッカイドウ競馬出身。佐賀転入後は勝ち切れないレースが続いたが、ここ2戦で力をつけたと見るべきかもしれない。
とはいえここでの楽しみは、やはりパラダイスセントがどれだけ成長しているかということに尽きる。
◎パラダイスセント
○オペラウィン
▲オリオンオーロラ
△オリオンクィーン
4日に行われた笠松のスプリング争覇は、単勝元返しにこそならなかった(110円)ものの、ウイニングウインドが危なげなく貫禄勝ち。2着もトミノダンディで、さらに3着に以下には大差がつき、馬連複110円、馬連単140円という予想通り、というか、予想以上の堅い決着だった。
今回の東海桜花賞も、キングスゾーンの一本かぶりになりそうだ。
ウイニングウインドとキングスゾーンを管理する原口次夫調教師は、2頭を計画的にうまく使い分けているようで、これまでに直接対決となったのは、なんと、昨年のJBCクラシックJpnIのたった一度しかない。地方競馬最高峰のレースであるだけに、それだの意気込みで臨んでいたのかもしれない。ただやはり相手は強く、ウイニングウインドが8着、果敢に逃げたキングスゾーンは11着という結果だった。
おそらく次走は両馬とも昨年と同じく、ウイニングウインドはオグリキャップ記念、キングスゾーンはかきつばた記念JpnIIIとなるのではないだろうか。
いきなり次走の話になってしまったが、東海菊花賞の予想に戻る。
中心はもちろんキングスゾーンだが、相手筆頭は、1月のマイル争覇でキングスゾーンから2馬身半差の2着があるコスモスパーブ。その後も梅見月杯3着、オープンを2、1着と安定した成績を残している。
不気味なのが兵庫のリンガスゲーム。1年ほど前に中央から転入し、その後しばらくはまったくいいところがなかったが、昨年秋からは条件クラスではあるものの5連勝中。その5連勝がいずれも後続を寄せつけずの逃げ切りだけに、未知の魅力はある。ただちょっと心配なのは、主戦の田中学騎手が、先週の船橋で騎乗停止処分を受けたことで乗れないこと。
同じく兵庫のゴールデンキャストもキングスゾーン以外のメンバーとなら十分に勝ち目はありそう。中央から転厩後は勝ち星こそないものの、笠松グランプリで2着という実績がある。中央では芝の短距離を中心に使われていたが、1400メートルまでなら守備範囲だろう。
ただ、この相手なら、唯一のダートグレード勝ち馬であるキングスゾーンにとっては負けられない一戦だ。
◎キングスゾーン
○コスモスパーブ
▲リンガスゲーム
△ゴールデンキャスト
今年から地方全国交流となったオグリキャップ記念の前哨戦、スプリング争覇。
ここは3連勝で前走マーチカップまで制したウイニングウインドで間違いなさそうだ。
過去5走の馬柱を見ても一目瞭然。ほかに連対実績があるのは、トミノダンディとヒカリボラゾンのみで、トミノダンディにしても勝ったのは笠松のA4クラス、ヒカリボラゾンは高知のC級でしかない。
相手もトミノダンディで堅そうだ。前走マーチカップでは2番手を追走し、勝ったウイニングウインドから半馬身+1馬身半差の3着。近走の実績でも、重賞で上位に食い込んでいるのはウイニングウインドとトミノダンディしかいない。
2頭に迫るとすればコスモダークだが、前走マーチカップは6着とはいえ、ウイニングウインドから2秒6も離された。06年6月の川崎在籍時、浦和B1特別以来勝ち星から遠ざかっているだけに、よほど展開の助けなどがなければ連対するのは厳しそうだ。
◎ウイニングウインド
○トミノダンディ
△コスモダーク
人気を集めそうなウイニングウインドだが、ダート1900メートルは笠松・名古屋でこれまで10戦して7勝、2着1回、3着2回というほぼ完璧な成績。もはやどうやってもウイニングウインドは負けそうもない。前走のマーチカップに続いて、単勝元返しとなるのだろうか。
ところで笠松競馬場といえば、今ごろはちょうど土手の桜が満開であろう。お近くの方は競馬場に出かけてみてはいかがだろうか。
せっかくなので、2年前のスプリング争覇当日、笠松駅から競馬場に向かう土手の満開の桜を掲載しておこう。
年度があらたまって最初の重賞は3歳戦が2鞍。まずは笠松の新緑賞。
今年4戦4勝で、レースごとに強さを増しているサチコゴージャスがどんなレースを見せてくれるか。前走の若草賞は牝馬限定とはいえ、後続を引きつけての逃げから直線でもほとんど追われることなく大差の圧勝。前々走の園田ユースカップで東海・兵庫の牡馬トップクラスを一蹴しているだけに、ここは不動の本命。
逆転の可能性があれば、1月のゴールドジュニアを制したケイゾク。ただ、前走スプリングカップでは逃げて6着に沈んでいるように、強いときは強いけどダメなときはさっぱりというアテにしにくいタイプだけに、狙いにくい馬ではある。
サチコゴージャスは、父があのメイセイオペラを出したグランドオペラ。ケイゾクは、宇都宮の二冠馬カルラネイチャーの産駒。いずれも地方競馬になじみの血統だけに、期待したいところ。
ケイゾクが崩れたときの押さえとしては、復調気配のカキツバタフェローに、近走中央遠征以外では好走を続けているプリンセスアイリ。
◎サチコゴージャス
○ケイゾク
▲カキツバタフェロー
△プリンセスアイリ
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兵庫三冠緒戦の菊水賞は、園田ユースカップでまさかの5着に敗れたアルアルアルが回避して混戦模様。
ここは、パセティックシーンに賭けてみたい。ここまで5戦して、敗戦は園田ジュニアカップでアルアルアルの3着のみ。年明け後は1月30日のT1特別を1勝したのみだが、ここまで戦ってきた相手を見れば、ここで一発があっても不思議はない。
実績からは、園田ジュニアカップでアルアルアルの2着だったバンバンバンクが人気となりそう。
前走でそのバンバンバンクを負かしているウタマロボーイ、重賞初挑戦だがデビューから6戦5勝、2着1回のナムラネプチューン、1月の園田クイーンセレクションの勝ち馬で、今回岩田康誠騎手が鞍上のニックバイエフオー、印がまわらなかったもののここ3戦連続2着のディアースパークルあたりまでチャンスがありそうだ。
◎パセティックシーン
○バンバンバンク
▲ウタマロボーイ
△ナムラネプチューン
△ニックバイエフオー