NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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地方競馬の騎手リーディングは、特定の地区の特定の騎手によって上位争いということが多いが、昨年は大井の笹川翼騎手が初めてトップに立ち、今後は群雄割拠とも世代交代ともいえる状況となりそうだ(以下、成績は地方競馬のみ6月19日現在)。
今年も目下のところトップに立っているのは176勝で笹川騎手だが、2位はデビュー6年目の塚本征吾騎手(愛知)が149勝、3位はデビュー3年目の望月洵輝(愛知)が143勝で続いている。4位矢野貴之騎手(大井)、5位吉村智洋騎手(兵庫)は上位の常連だが、6位は渡邊竜也騎手(笠松)で129勝、7位は飛田愛斗騎手(佐賀)で114勝と、若手騎手の台頭が目立ってきている。
所属頭数も騎手の人数も多い南関東ではひとりの騎手が突き抜けるということは難しいが、それほど層が厚くない地区の競馬場では、トップ騎手に有力馬の騎乗が集中するなどで1人だけ勝利数が突き抜けるということがよくある。
しかし今年の名古屋所属騎手では、塚本騎手と望月騎手の2人が競り合いながら全国リーディングのトップを狙えるほどの勝ち星を挙げているという状況はめずらしい。
ここ10年ほどの地方全国リーディングは、300弱から300台後半の勝利数での争いとなっているが、塚本騎手、望月騎手は、このまま休みなく1年間騎乗すれば300勝に届くペースで勝ち星を重ねている。
2人とも笠松競馬場での勝利数も多く、また所属地区以外から重賞などでの騎乗依頼が増えていることも、勝利数を伸ばしている要因だろう。
今年東海地区以外の重賞では、塚本騎手は佐賀、高知、金沢で計5戦に騎乗して、ゴールドスプリント(佐賀)、佐賀ヴィーナスカップ(佐賀)を勝利。同じく望月騎手は金沢、大井、川崎で計8戦に騎乗して、ネクストスター中日本(金沢)、百万石賞(金沢)、日本海スプリント(金沢)を勝利した。
ちなみに、塚本騎手の佐賀での重賞2勝はともに高知所属馬、望月騎手はネクストスター中日本こそ名古屋所属馬での勝利だが、あとの2戦は金沢所属馬での勝利だった。
デビューして数年の騎手が、他場の重賞で有力馬に数多く騎乗して活躍しているということでは、地方競馬が一昔前とは変わってきていることを感じさせられる。
名古屋所属といえば、木之前葵騎手にも注目しておきたい。近年は毎年コンスタントに50前後の勝ち星を挙げているが、ここまで地方通算で686勝。日本の女性騎手といえば、現在は調教師となった宮下瞳さんの地方通算1382勝がダントツのナンバー1だが、2位は別府真衣騎手(現・宮川真衣調教師)の747勝。木之前騎手が今のペースで勝ち星を重ねていけば、来年中には別府騎手を超えて日本の女性騎手で歴代2位となる可能性が高い。
そして最後はベテラン騎手の話になるが、小牧太騎手(兵庫)には今年も注目だ。
一昨年8月、20年ぶりに中央所属から兵庫所属に復帰したが、フルシーズン騎乗した昨年、いきなり兵庫リーディングとなり、地方229勝は全国でも6位という活躍だった。
今年も6月19日に100勝に到達し、年間200勝ペースで勝ち星を重ねている。兵庫リーディングでは吉村智洋騎手(地方137勝)の2位となっている。
小牧騎手で今年スゴイのが勝率だ。28.2%(354戦100勝)は、吉村騎手の25.1%を上回り、全国でも宮川実騎手(高知)の30.4%に次ぐ2位となっている。
ベテラン騎手の場合、体力や精神的なことから騎乗数を絞ることで高い勝率をマークすることはあるが、年間200勝ペースで勝ち星を重ねながらこの勝率はすばらしい。
ちなみに宮川騎手はここまで224戦68勝、小牧騎手に次ぐ勝率3位の赤岡修次騎手(高知)は237戦66勝で27.8%となっている。
これらの比較からも、今年9月に59歳になる小牧騎手の数字がいかにスゴいかがわかるだろう。今年1年を終えて、勝率全国1位となる可能性もある。
メイショウアイクは中央未勝利から転入して下級条件から連戦連勝。3走前のB級特別で3着と躓いたが、その後A2の1400メートル戦を連勝。不良馬場だった2走前は4番手追走からまったく持ったまま4コーナーで先頭に並びかけると直線でもほとんど追われることなく抜け出した。良馬場での前走は、逃げて軽く促されただけで5馬身差の圧勝。不良馬場で1分27秒5、良馬場で1分28秒8。それがほとんど追われずにマークしたタイムということでは、いきなりの重賞でも通用する。
ロードミッドナイトは昨年のこのレースは8着で、ややムラのある成績だが、ここに来て調子を上げている。3走前の錦江湾特別は不良馬場とはいえ1400メートル=1分27秒5の好タイムで勝利。続く菊池川特別はウルトラノホシの3着だったが、前走大分川賞では4コーナー先頭から後続に迫られながらも押し切った。高知からの転入初戦だった一昨年10月の佐賀オータムスプリント以来となる重賞制覇の期待がかかる。
ツークフォーゲルは、中央3勝クラスから転入2戦目の佐賀がばいスプリントを重賞初挑戦で勝利。楽な手応えのまま4コーナーで先頭に並びかけ直線後続を振り切った。ただ前走大分川賞では3番枠からのスタートで馬群に揉まれ、2コーナーでようやく外に持ち出したが、3コーナーから追い通しとなってロードミッドナイトをとらえきれず。今回も内枠をどうさばくか。展開次第といえそう。ここまで3頭の勝負とみる。
南関東B級から転入して1300/1400メートルのA級で4勝を挙げているガルヴァナイズ、前走佐賀かささぎスプリントを制した3歳馬ラウダーティオらに食い込む余地があるかどうか。
◎5メイショウアイク
◯1ロードミッドナイト
▲2ツークフォーゲル
△9ガルヴァナイズ
△8ラウダーティオ
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昨年のこのレースでヒロシクンとの一騎打ちをハナ差で制したリケアカプチーノ。史上初めて3歳馬によるみちのく大賞典制覇となった。その後、3歳馬同士のトパーズカップを制したが、金沢・北國王冠(3着)に遠征して以降は勝ち切れないレースが続いている。冬休み明け初戦となった赤松杯はスタートで出遅れて後方からとなり4着。前走トライアルのあすなろ賞は、これといった逃げ馬がなく、前半は2番手で折り合いを欠いていた。3コーナーで先頭に立って押し切るかに思えたが、ゴール寸前でラッキードリームに差し切られた。今回はヒロシクンがレースを引っ張るだけに、レースはしやすいはず。巻き返しとこのレース連覇に期待する。
そのラッキードリームの転入初戦となったあすなろ賞は、3コーナーから鞍上の手が動いて行きっぷりいまいちに見えたが、直線外に持ち出されるとゴール前で弾けて差し切った。全盛時ほどの勢いはないとはいえ、8歳でもまだまだやれそうだ。
地元同士のマイル戦では無敵を誇ったヒロシクンだが、シアンモア記念ではまさかの2着。それでも続く前走初夏特別ではメンバーに恵まれたとはいえ水沢1600メートルをコースレコードで逃げ切り、格の違いを見せた。ただ2000メートルとなると安定感に欠けるだけに、このメンバー相手にどんな逃げを見せるか。
昨年終盤、北上川大賞典、桐花賞を連勝して岩手の年度代表馬となったサクラトップキッド。年明け、南関東に遠征してのダートグレード挑戦はさすがに相手が強かったが、岩手に戻っての今年初戦あすなろ賞は、2着リケアカプチーノに1馬身差3着。水沢2000メートルは能力を発揮できる舞台だ。
意外性のライアン、昨年末の桐花賞で差のない3着に好走したカナオールウェイズらも連下では押さえておきたい。
◎9リケアカプチーノ
◯10ラッキードリーム
▲4ヒロシクン
△2サクラトップキッド
△7ライアン
△6カナオールウェイズ
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中央未勝利から転入して下級条件から負けなしの10連勝で勝ち上がってきたウィットビーアビーは、前走が名古屋グランプリJpnIIが行われた日の昇竜戦で、ほとんど持ったまま3コーナー過ぎで単独で先頭に立つと、軽く仕掛けただけで他馬を突き放し8馬身差の圧勝。まだまだ底を見せていない。
実績最上位は、昨年重賞3勝をマークしたマッドルーレット。東海菊花賞を勝って以来、7カ月ぶりの実戦となった前走1400メートルのA1特別では、直線単独先頭で逃げ切ろうかというカワテンマックスをゴール前でとらえ、コースレコードでの勝利。休み明けでも状態万全なところを見せた。このレースには連覇がかかる。
アップショウグンは昨年3歳時に10カ月の休養。11月にC級から再スタートすると連勝に近い形でクラスを上げ、前走でいよいよA1特別を1番人気にこたえて勝利。今回、古馬重賞初挑戦だが、ここ2戦の1500メートル、1700メートルの勝ちタイムから、◎◯とも遜色ない。
ザイツィンガーは中央オープンから転入初戦となった中央との条件交流戦で3着。その1500メートルの争覇タイム1分34秒0は、ウィットビーアビーの2走前の勝ちタイムよりコンマ1秒速い。転入2戦目での状態アップがあれば勝ち負けも狙える。
デビューから5連勝で、2-3歳時に重賞3連勝と注目されたカワテンマックスは、一時期調子を落としながらも休養を挟んでのこの春から再び調子を上げてきている。
メルトは2走前のA1特別で8カ月ぶりの勝利。勝つときは強いが大敗も多いという気まぐれなタイプだけに連下では押さえておきたい。
◎12ウィットビーアビー
◯2マッドルーレット
▲10アップショウグン
△7ザイツィンガー
△4カワテンマックス
△6メルト
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中央3勝クラスから佐賀に移籍したテイエムタリスマは、初戦の1400メートル戦こそ逃げて2着だったが、続く前走900メートル戦ではスタートで一瞬後手を踏んだものの、3コーナーで先頭に立つと直線は後続を寄せ付けず。中央での3勝、2着2回もすべてダート1000メートルで、超短距離に特化した馬。佐賀所属馬はこのレース過去15回で3頭が勝利(うち1頭は同着)と活躍が期待できる舞台だ。
ジェネラーレも中央3勝クラスからの兵庫転入で、中央での3勝、2着2回はいずれもダート1000ー1200メートル。転入初戦のトライアルではスタートでダッシュがつかず後方からとなったが、直線大外から豪快に差し切って見せた。中央での3勝はいずれも好ダッシュを決めて早め先頭から逃げ切っており、スタートを決めれば圧勝という場面もあるかもしれない。
そのトライアルで惜しくも2着だったのがルクスランページ。好位追走から直線での追い比べとなってゴール前で一瞬先頭に立った。前述ジェネラーレの大外強襲に屈したが、鞍上の山本咲希到騎手は勝ったと思ったのではないだろうか、というタイミングだった。園田/姫路の820/800メートル戦では12戦して3着以内を外したのは、昨年のこのレースでの4着だけ。中央から移籍組の◎◯は強そうだが、この舞台なら崩れることはなさそう。
前走トライアルで9着だったゴールドボンドだが、この馬を含め先行争いの4頭はすべて8着以下に沈んだというハイペース。昨年のこのレースでは3着に好走しており、ここまで園田・姫路で13勝のうち9勝が820/800メートル戦。展開次第では今年も上位争いは可能。
トライアルで4着だったエイシンテムジンは、直線ラチ沿いから馬群を捌いての伸びが目立った。
このレースで過去6勝(うち1勝は同着)を挙げている高知からは今年も4頭が遠征してきた。高知ではB級までの経験だがプロテアに可能性がありそう。
◎5テイエムタリスマ
◯8ジェネラーレ
▲11ルクスランページ
△4ゴールドボンド
△6エイシンテムジン
△10プロテア
園田FCスプリントの出走表はこちら
