
昨年から1400メートルに距離短縮となり、1着賞金が今年は3000万円に増額された。秋に行われる笠松グランプリと同じ舞台だけに、ローテーション的により密接な結び付きとなりそうだ。
ムエックスは中央3勝クラスから移籍した南関東では、マイル戦で9戦7勝、2着2回とほぼパーフェクトな成績。川崎マイラーズは接戦の2着争いに5馬身差をつける圧勝だった。ダート1400メートルは中央3歳時の未勝利戦以来となるだけにやってみないとわからないとはいえ、小回りのコーナー4つに多頭数でごちゃつくことが多い、大井内回りのマイル戦も問題なくこなしているだけに、笠松1400メートルでも能力を発揮できるとみる。その大井のマイルグランプリでは、テレ玉杯オーバルスプリントJpnIIIを制したスマイルウィに1馬身1/4差で2着、船橋の京成盃グランドマイラーズでは、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを制したフォーヴィスムにクビ差2着。能力はダートグレード級だ。
昨年サマーチャンピオンJpnIIIでグレード初制覇を果たしたのがアラジンバローズ。その後、佐賀のJBCスプリントJpnIで3着、黒船賞JpnIIIでも2着に善戦。中央ではダートの1700/1800メートルで結果を残していたが、兵庫に移籍して新たな活躍の場を開拓した。地方の小回り1400メートルは能力を発揮できる舞台だ。
アウストロも浦和の小回り1400メートルのゴールドカップで重賞初勝利。4コーナーで4、5頭が横に広がった大外から差し切ったが、2着が重賞3勝のエンテレケイア、4着が前述スマイルウィだから、レベルの高いメンバーだった。名古屋遠征でも梅見月杯を勝利。前走フジノウェーブ記念は6着だったが、むしろ小回りコースのほうが合うようだ。ここでも見せ場以上を期待したい。
笠松グランプリを制したストリームは押し出されて△まで。兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで5着だったギガースにとっても得意の舞台で、能力的にもそれほど差はない。
◎9ムエックス
◯5アラジンバローズ
▲10アウストロ
△2ストリーム
△3ギガース
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リケアマロンは昨年3歳時、中央から転入して北日本新聞杯、加賀友禅賞を勝利。石川優駿は惜しくも3/4馬身差2着だったが、勝ったナミダノキスが同じく中央から転入して連戦連勝でサラブレッド大賞典まで制し、金沢二冠馬になった馬なので負けて強しといえる。その後、岩手に移籍してオータムティアラを勝利。秋に南関東で1戦、さらに高知で3戦して、開幕に合わせて金沢に戻ってきた。その初戦でA1特別を勝利。3コーナーからひとまくりで、その後、利家盃を制したマンガンを振り切った。ハクサンアマゾネスが引退した金沢でのあらたな女王候補といえそう。
名古屋から遠征がポンヌフ。中央未勝利だったが2着が2回。南関東を経由しての名古屋では4戦1勝、2着2回。若草賞土古記念は逃げて10着に沈んだが、兵庫のプリムロゼに終始直後で突かれる厳しい展開だった。今回はアルカウンとの先行争いがカギとなりそうだが、マイペース先行なら粘り込む場面がありそう。
一方で、その2頭が競り合って前潰れの展開になれば、末脚生かすダイヤモンドラインの出番となりそう。昨年は重賞タイトルこそなかったものの、百万石賞では4コーナー5番手から、金沢ファンセレクトカップでは4コーナー後方から、ともに直線大外を追い込んで2着。前走利家盃は3着だったが、ゴール前はマンガン、マリンデュンデュンと差のない競馬をしていた。今回牝馬同士なら能力は上位。
笠松のゼンダンキズナは重賞初挑戦となるが、休み明けのここ2戦で上昇気配。
8歳のネオアマゾネスは、かつて金沢に所属し、4、5歳時に徽軫賞を連覇。お松の方賞は昨年まで4年連続出走して4着が最高と、若い頃の勢いはないが、年明け調子を挙げており、笠松のA2特別で上位争いなら上位食い込みの可能性はありそう。
◎8リケアマロン
○6ポンヌフ
▲2ダイヤモンドライン
△3ゼンダンキズナ
△1ネオアマゾネス
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昨年は高知から大挙4頭(ほかに笠松1頭)の遠征があってシンメデージーが制したが、今年は遠征馬が笠松から1頭のみ。
ジーニアスレノンは、兵庫若駒賞、菊水賞で2着、3着。一戦ごとに力をつけていまや兵庫の世代最強となったオケマルには完敗だったが、兵庫若駒賞では3着ベラジオドリームを10馬身引き離し、菊水賞では逆に2着ベラジオドリームに5馬身差をつけられた。いずれにしてもそのうしろの馬たちとは差があり、兵庫の3歳世代のナンバー2、3を争う存在。オケマル不在のここはタイトル奪取のチャンスだ。
ラズライトタッカーも、園田ジュニアカップ3着、兵庫ユースカップ3着(同着)と重賞で善戦。姫路1800メートルの若駒賞トライアルではベラジオドリームに2馬身半差2着と好走。今回は約3カ月の実戦だが、この馬もオケマル不在なら重賞を狙える位置にいる。
笠松から遠征のスターサンドビーチは、重賞では4着が最高の成績だが、前走準重賞の笠松プリンシパルカップ(1900メートル)では3コーナー先頭から、2着馬に4馬身、3着馬には大差をつけて圧勝。ほぼ同じ距離の今回も引き続いての期待だ。
中央未勝利から転入したピコブルーは3歳の条件特別までだが、4戦2勝、2着2回。前走1700メートル(良)の勝ちタイム1分54秒6は、ジーニアスレノンの菊水賞3着の走破タイムを上回る。相手強化でも可能性はありそう。
前走1700メートルの卯月特別を逃げ切ったキミノハート、今回と同距離の中央未勝利との条件交流で2着2回のレイヤーなどもそれほど能力差はない。
◎1ジーニアスレノン
◯7ラズライトタッカー
▲3スターサンドビーチ
△2ピコブルー
△6キミノハート
△4レイヤー
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好走凡走の落差が大きいセラフィックコールだが、負けたのはすべてGI/JpnI。JpnIIのダイオライト記念を連覇した。小回り長距離戦の末脚勝負というタイプで、前走ダイオライト記念がそうだったように、メイショウフンジンが引っ張る展開で、今回も得意のロングスパートを活かせそう。
GI/JpnIタイトルには手が届いていないものの、実績最上位といえるのがサンライズジパング。ただ前走川崎記念JpnIでは、小回りのコーナーに苦戦して、ディクテオン、メイショウハリオの早めのスパートについていくのに苦労した。それでも直線で盛り返し、際どい3着まで追い詰めた。今度は名古屋の小回りコースをこなせるかどうか。
連覇のかかるノットゥルノは、昨年後続を大きく離しての大逃げでそのまま押し切り、昨年末の名古屋大賞典JpnIIIでも60キロを背負って際どい2着。名古屋コースとの相性は抜群だ。JpnI勝ちの実績で今回も59キロを背負うが、JpnIIゆえ基礎重量が57キロと、相対的な重量差が少ないのは有利。あとはメイショウフンジンに競りかけるのか、佐賀記念のように控えるのかでレース全体の展開を左右することになりそう。
高知のシンメデージーは、名古屋大賞典JpnIIIでは2着ノットゥルノに3/4馬身差と迫って3着、佐賀記念JpnIIIではゴール前でノットゥルノをとらえて2着。ただその2戦でノットゥルノとの斤量差がそれぞれ6キロ、4キロあったものが、今回2キロ差に縮まることでどうだろう。
ハギノアレグリアスは前走の惨敗は熱中症の症状があったとのこと。それを度外視すれば、実績的にはそれほど見劣ることはない。一昨年の名古屋大賞典JpnIIIを勝ったというコース実績もあり、軽視はできない。
メイショウフンジンは佐賀記念JpnIIIのようにマイペースで逃げられればチャンスはありそうだが、今回はノットゥルノが得意の名古屋コースでそれを許すとは思えず苦戦とみる。
地元期待のフークピグマリオンはダートグレード初挑戦。別定57キロでさすがにこのメンバーでは掲示板があれば上出来だろう。今後の経験になれば。
◎6セラフィックコール
○5サンライズジパング
▲10ノットゥルノ
△7シンメデージー
△11ハギノアレグリアス
△8メイショウフンジン
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コパノエミリアは中央から移籍初戦となった東海クイーンカップを制した。先行2頭前残りの展開ながら、徐々に位置取りを上げて3コーナー手前で先行勢のうしろにとりつくと、直線で力強く差し切った。2歳時は門別→笠松で重賞・準重賞を5戦して2着2回、3着3回。中央に移籍してダート3戦いずれも着外だったが、厳しい相手と対戦して力をつけての重賞初勝利となった。2歳時門別で牝馬限定戦とはいえ重賞で好走していた実績はダテではない。
カワテンマックスはデビューから4連勝。ゴールドウィング賞が2着アップショウグンに1馬身差、新春ペガサスカップはゴール前で迫ったページェントをクビ差で振り切った。そのページェントも重賞3勝を挙げているだけに、東海地区のこの世代では間違いなくトップレベルにある。今回はその新春ペガサスカップ以来4カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。成長があればあっさりというシーンも。
サンヨウテイオウは、2月のスプリングカップまで名古屋・笠松で重賞を5戦して目立った成績はなかったが、その後は特別戦を3連勝と急上昇。特に前走は古馬格付けのB級特別を直線持ったまま抜け出して着差以上の完勝。この3カ月ほどで見違えるほど力をつけた。その前走は2000メートルで、距離延長で力を発揮したと思われ、東海優駿に向けて台風の目となる可能性もある。昨年デビューした望月洵輝騎手はここまで1年ちょっとで、すでに150勝超。重賞初制覇の期待がかかる。
ラガマフィンガールは、東海クイーンカップではコパノエミリアの3着も、中央未勝利から転入して4戦3勝。カムイノウタゲもスプリングカップ5着のあとは3歳1組の特別戦で勝ちきれないながら2着・3着と上位争い。この2頭も上位食い込みの可能性。
◎11コパノエミリア
○1カワテンマックス
▲2サンヨウテイオウ
△3ラガマフィンガール
△6カムイノウタゲ
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