伊勢崎オート所属の28期・三浦康平選手にお話を伺いました。
(取材日:10月8日)
― オートレーサーになろうと思ったきっかけは何ですか?
たまたま選手募集を見つけて、「受けてみようかな」と思ったのがきっかけです。もともとオートレースは知っていて、伊勢崎にも何度か行ったことがありましたが、「ファンです」と言えるほど熱心に見ていたわけではなくて...。2~3回ほど観戦した程度でした。でも、車券を買うよりも「このバイクに乗ってみたいな」と思ったんです。最初に見たのは17~18歳の頃でしたが、試験を受けたのは21歳のとき。頭の中にはずっとあったんでしょうね。
ちょうどその時期にネットで選手募集中っていうのを見かけて、書類を取り寄せて試験を受けました。たまたま目に入ったタイミングが募集期間中だったんです。28期を受験して合格通知が届いたときは、「え~っ!」という感じで、嬉しかったけど実感はあまりなかったです。「ああ、受かったんだ」と不思議な気分でした。
― 選手になると決めたとき、ご両親は何かおっしゃっていましたか?
両親はオートレースのことを全く知らなかったので、喜ぶより心配していましたね。「バイクだから危ないでしょ」という感じで。でも、反対はされませんでした。
― 養成所での生活はいかがでしたか?
楽しかったですよ。やってること自体は体がきつかったですけど、毎日バイクに乗れるのが嬉しくて。つらくて「早く帰りたい」と思ったことは一度もありませんでした。
― それまでバイクには乗っていたんですか?
中型免許でちょこちょこ乗っていました。もともとバイクが好きだったので、それが仕事になって本当に良かったです。
― デビュー戦のことは覚えていますか?
緊張はしていたと思うんですが、あまり覚えていないですね。1着だったのは覚えています。デビューを終えたときは「ヨーシ!」という感じよりも、「はぁ~」とホッとした気持ちの方が強かったです。
― 印象に残っているレースはありますか?
「これだけは忘れられない」というのはないですが、いくつか印象に残っているレースはあります。記念レースで優勝できたときのことはなんとなく覚えていますね。でも、スターライト(GII)を獲ったレースは全く覚えていません(笑)。
平成チャンピオンカップ(GI)のときは、1回目にフライングをして、2回目でちゃんとスタートを切って優勝したんですが、それは覚えています。スターライト(GII)の優勝戦では誰がいたかも覚えていないくらいです。終わったことはあまり気にしない性格なんでしょうね。それはいい面でもありますが、悪かったレースを反省しないという意味では良くない面でもあります(笑)。
― ここまで苦労したり、大変だったことはありますか?
そうですね、あまり苦労していないのかもしれません。骨折は何度かありますが、半年以上の長期休養はなく、休んでも2ヶ月くらいだったかな。今後もそういう長期休養は避けたいですね。ない方がいいです。
― 逆に、この仕事をしていて嬉しかったことは?
やっぱり、レースを通して人に何かを感じてもらえることはいいかもしれませんね。賭けてくれた方に対して、結果を出せないと残念な思いをさせてしまいますが、いい結果が出て喜んでもらえるのは、普通に生きていたらなかなか味わえないことです。
― 現在の課題はありますか?
特に「これ」というものはないですね。現状維持を目指しているわけではありませんが、長くやっていると、いまだに分からないことも多いです。一時的に良くしようとしてもうまくいかないことも分かっていますし、逆にそういうので悩むことはあります。
課題を立てて「これを常にやろう」と考えることは今は少ないかな。エンジンの状態を良く保てるのが理想ですが、その難しさも知っているから。やれることはやるけれど、難しいっちゃ難しいなと。でも、その「難しさ」も面白さの一つだと思います。簡単に淡々とずっとやっているだけだと飽きてしまうので、悩んだりするのも面白さかもしれないですね。根本的につまらない仕事じゃないから、やりがいはあります。
― 近々の目標はありますか?
特に大きな目標はないです。大きいレースの優勝戦を目指すというよりも、1レース1レース、6周をどれだけきちんと走れるかの方が大事です。綿密に準備するタイプでもないので、1走ごとにいい走りができれば。
― 体型は昔からあまり変わっていないようですね?
そうですね。あまり変わっていません。少し太って2キロくらい増えましたが、カロリー計算をしたり、食事制限をしたりはしていません。
― 現在、伊勢崎支部長を務められていますが、いかがですか?
次の4月で丸4年になります。普通の人ならやらないことをやっている感じですね(笑)。
― 支部長を引き受けた理由は?
いやいや、選挙なんですよ。投票で票が入るとやることになるんです。自分から立候補したわけではありません。長いこと役員をやっていたので、そろそろ順番的に来るだろうとは思っていました。仕事の一環として受け止めています。
― 最後に、オッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
感謝の気持ちしかありません。自分たちがどんなに一生懸命走っても、お客さんが車券を買ってくれなければ競技は成り立ちません。それが大前提。いくら技術や努力があっても、ファンの方がいなければ意味がない世界です。
走っている最中はなかなか考えている余裕はないですが、オートレースが存在するのはお客さんのおかげ。いつも感謝の気持ちを持っています。お客さんが車券を買って、負けたとして、納得してもらうのはなかなか難しいかもしれないですが、選手一人ひとりが一生懸命走る姿を見せれば、少しは伝わると思います。自分も含め、みんながそういうレースをして、応援してもらえるように頑張ります。今後ともよろしくお願いいたします。
(オートタイムス編集部)
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