伊勢崎オート所属の34期・横田翔紀選手にお話をお聞きしました。
(取材日5/22)
―選手になろうと思ったきっかけは何ですか?
小さい時から父に、実家の近くの伊勢崎オートレース場に連れていってもらっていて、中学1年生ぐらいから『なりたいなぁ』と思うようになっていました。親から聞かされた話なんですけど、物心つく前からレース場には行っていたみたいです。小学校の時は野球をやっていたので、忙しくて行ける機会が少なくて、中学生になって、中学でも野球をやっていたんですけど、部活が休みの日に『伊勢崎オートやってるから行くか?』って父親に言われて、行ったら改めて格好いいなって思って。オートレースの存在は知っていたけど、そこまで選手になりたいなとは思っていなくて、でも、その中学1年の時に『なろう!』と思って、そこからはずっと毎日のようにオートレースを見てました。好きな選手は特にはいなかったんですけど、伊勢崎だったら自分の師匠である貢さん(伊勢崎22期・高橋貢選手)とかずっと見てたので、やっぱり速いなぁ、格好いいなと思ってました。
―それで、試験を受けたのが何歳の時になりますか?
試験受けたのが高校3年の時ですね。もう本当に終わりの時期で、1次試験が12月だったかな。2次試験が3月末くらいでした。オートレースの選手になろうと思っていたので、工業高校に行っていたんですけど、他の就職試験とか受けずに...。今、思えばちょっと怖いんですけど、受かって良かったですね。受かってなかったら今、何をしているんだろう。で、父もオートレーサーになりたくて、26期の試験を受けて、まあ落ちて、ずっと自分に『(オートレーサーに)なってくれ、なってくれ』って感じだったので...。
―養成所生活はどうでしたか?
まあ、きつかったです。養成所の時、自分はすごく遅かったので...。見てる時はもっと簡単に走れると思っていたけど、実際に乗ったら全然乗れなくて。同期と一緒に養成していて、みんなどんどん速くなっていく中で、落車して怪我したりして、どんどん訳わかんなくなったりして。メンタルじゃないですけど、思うように走れなかったのがきつかったですね。
―デビューしてからもしばらくは苦しんでいましたよね。
そうですね、半年くらい1着を取ってないです。初めて1着を取ったのが12月で、6月デビューだったので半年ですね。
―それまでは結構、焦りましたか?
めちゃくちゃもう...。2着とか3着は確かあったんですよ。どうしても1着が取れなくて。普通に取った同期もいれば、だいたい遅くても1、2ヶ月ぐらいで取るじゃないですか。でも、自分は全然取れないので、才能がないのかな、じゃないですけど、焦ったり落ち込んだりはずっとしていたんです。
―デビュー戦は覚えてますか?
デビュー戦は8着でしたね。地元の人が本場に応援に来てくれて、タオルとか作ってくれて、スタート位置からよく見えました。その時、なぜか分からないんですけど、自分の名前が書いてあるオレンジ色のタオルで、ばーって結構、人数も集まってくれて、後で、先輩選手とかにも巨人の選手じゃないですけど、オレンジなので『巨人軍がいるよ』って言われて(笑)。
―初めて1着を取った時はどうでした?
やっと取れたっていうかもう、もちろん嬉しいんですけど、ホッとしたのが大きかったです。とりあえず、何とか1着取れたって。1着取ると(周りの選手に)拍手で迎えられるじゃないですか。さんざん周りで見てたので、自分だけされてなかったので、(拍手で迎えられて)やっぱり嬉しいなって思いました。
―そこから何年か走ってこられて、自分の中で課題みたいなものはありますか?
整備力ですね。難しいです。場によっても変わったり、その日の時間によっても変わるので、それに対応できないと...。やっぱり開けてても進まないと勝てないので、調整が難しいです。
―お師匠さんからアドバイスもあるんですか?
ホントに悪い時はアドバイスしてくれるんですけど、基本的には『見て学ぶ』という感じです。
―選手になる時に、師匠が貢さんだと聞いてどうでしたか?
自分はもう、誰が師匠になってもいいかなと思ってたんですけど、親がもう、好きだったので、親の方が喜んでいて...。『ホントか!』って何回も聞かれて、自分よりも親の方が喜んでいた覚えがあります。厳しいですけど、おかげさまで、優勝とかもさせていただいて、記念とかにも乗れるようになったので感謝ですね。
―初優勝を決めた時はどんな気分でしたか?
初めて優勝戦に乗って優勝したんですけど、初めて優勝戦に乗ったのでメチャクチャ緊張していて、ピットの中で貢さんに教えてもらったことをずっと思い出して、言われたとおりにやろうと思っていたら優勝できたので、やっぱり、ちゃんと教えてくれてるんだなじゃないですけど、言われたことは間違いじゃないんだな、と思いました。
―重走路の成績が良いイメージありますけど?
好きってほどではないんですけど、成績が悪くないので苦手ではないのかなと。
―ここまでで一番覚えているレースはありますか?
4回目の優勝した時が、自分の一番の上がりタイムを出した時なんですけど、エンジンが良くないとだんだんレース中もタレてきて乗ってる方も疲れてくるんですけど、エンジンが良いのでどんどん伸びるような感覚があって、今までに感じたことないような、もっと行けるもっと行けるって思って走れたので、その時が一番仕上がった時なんじゃないかなと思ってました。
―現在何か取り組んでいることはありますか?
先輩に整備というか、エンジンの作り方を教わっていて、やっと10前になったけど、最重ハンになりきれていないので、人を抜いていくエンジンの作り方を今、教わって学んでいます。
―オフの日に取り組んでいることはありますか?
体調とかはあまり崩さないように、規則正しい生活を心がけています。中学生の時からの体形を変えないように、夜とかも少し節制したりしています。
―これからの当面の目標はありますか?
まずは最重ハンにずっと定着する選手になりたいです。逃げだと今は得意な方だけど、さばきが全然ないので、人をさばく力が欲しいですね。
―最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
自分のモットーじゃないですけど1走1走、どんな時でも少しでも着を上げられるように精一杯頑張ります。
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