8月15日に行われた『オッズパークpresents SGオートレースグランプリ』優勝戦。強烈なスタート功者が揃う中、経験値豊富な1枠からスタート残し先頭キープ、そのまま押し切り!去年に続いての連覇となりました。レース後、表彰式では嬉しさを爆発させました!その時のこと、優勝戦のことを振り返っていただきました。
(取材日:2023年8月17日)
インタビュー / AKI
AKI:SGオートレースグランプリ連覇おめでとうございます!
青山:ありがとうございます!
AKI:レース後、表彰式では嬉しさを爆発させてましたね!
青山:そうですね、自然と。嬉しかったし、気取るのも好きじゃないのであんな風になっちゃいました(笑)
AKI:初日から、車は悪くないけど欲の部分でもう少しというお話が上がっていました。
青山:初日から毎日色々とセッティングをしてレースに行っていました。大きく扱ったのは最終日、下回り、メタルの交換。優勝戦が1番状態は良かったですね。試走で乗った体感はそんなに悪くないけど、タイム3.30くらいなんだ、タイムは悪くなっちゃたんだ、という感じ。レース前かけた感じは良くなっていると思っていたので、もう少しタイムが出るかなと思っていたし、周りと比較して他の選手は試走タイムが上がってる中、自分は上がっていなかったので「あら?」という感じ。ハテナでした。
AKI:ただ、なんと言ってもスタートでしたよね!
青山:優勝戦はとにかくスタートと思っていました。スタート行けなかったら終わりだなというのは分かってたから、練習から集中していました。新走路になってからスタートのタイミングが変わったのか、フライングが多かったし、自分自身もいつものタイミングで出るとフライングだなっという感じがありました。グランプリの前の節も感じていましたし、慎重になってましたね。練習では結構フライングを切っていましたし、優勝戦の朝練でもフライングでした。それでも行かないと、という感じでした。
AKI:外にはスタート功者がずらり並んでいましたよね。
青山:かなり(笑)みんなスタートで潰しに来ると思っていたし、2篠原睦選手(飯塚26期)はもちろんですが、特に後輩の3鈴木宏和選手(浜松32期)4黒川京介選手(川口33期)、5鈴木圭一郎選手(浜松32期)。宏和と京介は「絶対先行してやる!」という感じでスタート切るつもりだったと思うからこっちも「負けないよ?」という気持ちで。100%の気持ちで切らないと対抗できない、押さえつけられたら終わりだなと思っていました。
AKI:実際スタート切ってみていかがでしたか?
青山:外は見えたけど意外と行けたという感じでした。完全に行かれると思っていたので残すことができて良かったです。けど、グランドノート(周回ごとの着順)を見ると3番手スタートでそれは悔しかったですね(笑)やっぱり負けてたんだな、1枠で良かったなと思いました。
AKI:スタート後すぐに先頭に立ちましたが、どんな心境でしたか?
青山:何も考えてなかったんですよね。試走の感じもそんなに悪くはないけどタイムは出てなかったしどうなんだろうという気持ち。スタート行かないと終わりだからとにかくスタート1点集中という感じでした。なので、スタート切ってからレースのことは考えればいいかと思っていました。
AKI:スタート切ってからの10周回、いかがでしたか?
青山:グランプリ予選道中の晴れは跳ねがあって。先頭に立ってから跳ねてペースが上がらなかったりしていました。最近は、新型の先ナットが出て跳ねが少なくタイヤの選択肢が広がるということで流行っていたんです。けど、結果的に成績に繋がってるかって考えた時に旧型に戻す選手もいました。グランプリは新型の先ナットでセッティングを変えて乗ってみたり、エンジンと並行で扱っていました。準決まで新型先ナットで行って、跳ねもなく乗りやすいけどなんか違うんだよなぁという感じ。ただ、上がりタイムが良かったから優勝戦もそのまま行こうと思っていました。けど、考えた結果、少し曲がりづらいのが気になって結局旧型に戻しました。新型は良いところもあるんですけど、まだ1年通して乗っていないし寒い時期に出てきたものなので暑い時期はどうなのか、というところもあります。跳ねが少なくフロントの接地感はあるけど車が曲がりづらい感じ。新型は少し違和感があるけど乗りやすさはある、旧型は慣れてるけど跳ねが来るかもしれない、葛藤ですよね。結果、準決とは違う状態、旧型に戻してのレース、不安がありました。
AKI:優勝戦、跳ねはあったんですか?
青山:優勝戦は跳ねがありませんでした!ただ、跳ねないタイヤを使うと滑る。良いタイヤはグリップ力が強すぎては跳ねてしまうので使えない。難しい選択でした。結果、跳ねはなくの乗りやすい状態、エンジンも良く、優勝戦が1番良い状態で臨めました。
AKI:結果はぶっちぎりだったんですが、ビジョンは見ていたんですか?
青山:見たり見なかったり。スタート直後はスピードが上がらないと思っていたので大きいコースでは無く、コースを守りながら走っていました。宏和がいると思っていたので、仕掛けられないように走っていました。その後、走っていたら「あれ?意外と混戦じゃないな。」となって。エンジンの状態もタイヤの状態も良かったので6日間の中では1番楽に走れたし、もう少しペース上げてみようかなと少しだけ余裕を持って道中は走れていました。残り5周と見えた時に気持ちを入れ替えて「よし、もう1レースだ!」という感覚で行きました。そしたら結果ペースも良く後ろを突き放すことができました。今回の優勝戦はレースをコントロールできてるような、レースが良く見えているような。今年1ベストな状態で臨めました。あ、そうだ。レース前に膝当てが壊れて。検査に出したら「膝当てが折れてます。」と言われたんです。なので、バタバタ直して。これも不安要素でしたね。「大丈夫かな?」って。意外と気にしない方なんですが、かなり急だったし「このタイミングで?」となりました。いざ試走に行ったら「違和感はないかな。普通に乗れたし。」という感じ。まあ大丈夫かな。レース前にかなりバタバタして周りにも迷惑かけたんで優勝することが出来て良かったです。
AKI:ゴールの後、何周かするところで喜びを表現されていましたし場内盛り上げていましたね。
青山:とにかく嬉しかったんです(笑)やっぱり地元ということもありますし。後は、準決で地元が勝ち上がっていないのを見て「なんとか優出しないと。」と思っていました。行くしかないと。結果優出できて良かったです。ただ、寂しさはありましたね。地元一人かぁって。どこの優勝戦に乗っても、貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)や清太郎さん(伊勢崎29期:早川清太郎選手)など、誰か一緒に乗っていたので「なんか寂しいな」って。今まで気づかなかったけど。そんな状態で自分が行かなきゃと思っていたので優勝できて良かったですし、今年に入って思ったように乗れていなく、自分の中ですごくモヤモヤした部分がありました。そんな中で、徐々に上向いてきて、このグランプリで優勝できたことは本当に嬉しかったですね。頑張ってきたことが報われた気がしたし、地元だし、色んなことがあったので嬉しさが出ちゃいました。後は、若い子も速くなってきて勢いに飲まれそうだけど、ここで踏ん張んないと、と思っていたので勝てて良かったです。いつか負ける時がくるし、今も負けることはあるんですが、今回の開催で若い子からたくさん刺激をもらったし、先輩の踏ん張ってる姿とかも見て、得るものがありました。スタートに関して切れた時は自分では1番速いと思っていたけど、ちょっと負けてるかもなと感じたので今後スタートも研究していかないとなと思いました。これから記念も続くので安定して走れるようにしたいですね。
AKI:それでは最後にメッセージをお願いします。
青山:地元優出は一人で寂しかったんですけど、地元での声援を受けて場内も盛り上げてもらえてすごくありがたかったです。今後も期待してもらえるように、期待に応えられるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
(一部写真は伊勢崎オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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女子オートレーサーを牽引してきた川口所属の佐藤摩弥選手。2011年に44年ぶりの女子レーサーとしてデビューし注目を集めた。それから12年、2023年7月17日、地元川口で行われたGIキューポラ杯で女子オートレーサー初のGI制覇を飾りました。その時のお話、今後のこと、女子レーサーについてなど色々とお話していただきました。
(取材日:2023年7月28日)
インタビュー / AKI
AKI:GI初優勝おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか?
佐藤:ありがとうございます!周りの方が「すごい!」「おめでとう!」と言ってくれて嬉しいですね。私自身も嬉しかったです。ただ、SGだったらもっと喜べたのかな、という風にも思えるようになりました。自分の中では、S-1(伊勢崎31期:青山周平選手)、S-2(浜松32期:鈴木圭一郎選手)がいない中で勝てた。誰でもチャンスがあるという中で勝てた、チャンスをものにできたというのは良かったと思います。ただ、やっぱりSGを獲るためにはトップの2人に勝たないといけないので、GIとSGの壁というのをなお感じましたね。あの2人がいなかったから獲れたのかな、とどこかで思っています。もちろん嬉しいんですけどね!今年は本当に調子が良くて、良い状態の時にグレードで勝てるか勝てないかというのは大事なこと。勝てたというのは大きいです。
AKI:優勝した節の車の状態はいかがでしたか?
佐藤:キューポラの時の消音マフラーは、6月末に優勝した時のマフラーとは違って正直厳しいと感じていました。準決まで1着は取れず。あまり良い感触ではなかったですね。セッティングを扱って少しずつ上向いてはいたと思います。後は、下周りを扱ったのも良かったと思います。準決と優勝戦に関しては、以前完全優勝した時のタイヤをはいて走りました。それも良かったですね。優勝戦までに全体的な上積みはあったと思います。
AKI:スタート自体はどうでしたか?
佐藤:スタートで良い位置に行けたのが大きかったですね。凄く良いとは言えないエンジンでもスタートで良い位置が取れれば展開は全く違うので。消音マフラーのスタートも最初に比べると失敗は減りましたね。宏和くん(浜松32期:鈴木宏和選手)が内枠にいたので、そのスタートに乗っていければ、と思っていました。先に行こうとは思ってなかったので展開は予定通り。私自身は良いスタートではなかったんですが、宏和くんが行ってくれたので良い位置につけれました。
AKI:その後、鈴木宏和選手を追う足というのはどうでしたか?
佐藤:多分、宏和くんが立ち上がりでがぶったか滑ったんですよね。失速したとこを捕まえられた感じです。全てはあそこですね。あれがなかったら絶対抜けてなかったです。もちろん気持ちは行きたいんですが厳しいと思っていました。自力じゃ抜けない感じ。エンジンは宏和くんの方が仕上がってましたし。本当にたまたま。相手のミスではあるんですが、そこを捉えられたのが1番ですね。その後、2番手に立ってから先頭に立つまでも時間がかかってしまって。高石さん(川口28期:高石光将選手)の車の状態も良さそうで、後ろにつけた時も最初は隙がありませんでした。慎重になりましたね。けど、その後先頭に立ってからは、抜かれないように走ることに必死。コースを守って。青旗の時に外から音が聞こえたので、懐しっかり取って最後は内に宏和くんが来ると思ったので内をしめて。上手くブロック出来て良かったです。
AKI:ゴールの瞬間というのはどうでしたか?
佐藤:「やったーーー!」という感じ。獲れるチャンスはあると思っていたので、獲れる時にしっかり獲れてホッとしました。ホッとしたという気持ちの方が大きかったかな。期待されてる事は分かってたので、優勝出来て安心しました。
AKI:SGのお話も出ましたし、周りの方からも次はSGという声もあると思います。
佐藤:んー。やっぱりSGはまだ遠いですね。今年はSG優勝戦で2着があったんですが、その時も消音マフラー。消音マフラーもあってか、エンジンが仕上がってるという人がいませんでした。誰が優勝してもおかしくないような感覚がありましたね。私もそうですけど、消音マフラーはまだまだ苦戦してる人は多いと思います。だからこそ、あの時は誰も仕上がっていなかったのでチャンスがあったかもしれません。普通マフラーになると青山くんとか手が付けられないくらいじゃないですか。差は凄く感じますね。
AKI:GIタイトルホルダーになりました、今後の目標は何か掲げているんですか?
佐藤:元々、目標を立てるタイプではなくて。SGを優勝するために何をするか、とかそこまで考えていません。どちらかというと、まずは目の前の一走一走をというタイプですね。ただ、トップ2人はとにかくストイック。とにかくずっと仕事をしています。本当にすごい事だと思うんです。ただ、自分は同じことをしてしまうと仕事に対する楽しさがなくなっちゃう気がするんです。私は仕事を楽しんでした方が結果に繋がるタイプだと思っています。開催も増えてきて、練習もすれば良いとは思っていません。集中力が大事だと思います。集中していないと上手く車をコントロールすることが出来ないと思いますし。女性の30歳を過ぎたら体力的にもピークは過ぎてると思うし、私は割とマイペースに。やる時はしっかり仕事に集中するというやり方です。このスタイルは20代前半の時とは違います。今は成績が良いからモチベーションを保ててるのはあると思います。ただ、1年前はずっと調子が悪かったんですが、メンタルだけは大丈夫でした。この仕事は一喜一憂し過ぎたらダメ。もちろん勝てたら嬉しいんですけどね。ダメな時はダメなことを引きずっても何も良くない。「そのうち良くなるか!」というスタンスで。もちろん部品交換とかいろんなことを試しますが、それでも悪い時は考えすぎても疲れるだけでダメなので、自分のペースで頑張ろうと思っています。
AKI:減量もかなり話題になりましたが、その後もキープされていますよね。
佐藤:そうですね。減量も結果成績に繋がってるかもしれません。体重だけでなく、体を動かすことによって気持ちも前向きになりますし良い方向にいきます。リフレッシュになって良かったかもしれません。全部が良い方向にいきましたね。最近は週1でトレーニングに行ってる感じでなんとかキープ出来ています。
AKI:最近は女子レーサーの活躍も目立つようになりましたが、佐藤選手から見てどう思いますか?
佐藤:私なんかは小さい頃からバイクに乗っていたので、オートレースの世界に入ってもクラッチ操作とか当たり前なことってあると思うんです。けど、バイクに乗ってこなかった女子選手が普通に走れてること自体凄いなと思います。みんなスタートも上手だし。男女の差はないって言いたいんですけど、どうしても筋力的に差は絶対にあるんです。スピードは出せるかもしれないんですけど、競走車を押さえるっていうのは、男性の押さえる力と女性の押さえる力の感覚は違うと思います。消音マフラーは特になんですけど、しっかり押さえないといけないんですよね。最近は慣れてきましたけど、手の力がなくなるくらいいっぱいになるんです。そう思うとやっぱり筋力は必要だなと凄く思うようになりました。女子選手のこれからの課題は筋力的な部分じゃないかなとも思います。もしかしたら、最近の好調の要因は筋トレをするようになって下半身のトレーニングが効いているのかも。車を押さえる力が上がって操作性が安定したことによって成績に繋がってるのかもしれません。1人で走る分には良くても、人を捌くとなると車を押さえて操作するというのが必要になる。女子レーサーって逃げたら速いと思うんですが、捌くとなるとまだまだ苦労してるイメージがあるんです。それって、車のコントロールが出来ていないからじゃないかな。そうすると車を押さえる力というのは絶対的に必要になると思います。逆にその部分ができるようになれば女子レーサーってもっと活躍できると思うんです。今は女子レーサーを教える側が男性で、その辺の教え方も男女の力の違いを考えていけないのかなと思います。日和ちゃん(伊勢崎35期:新井日和選手)なんかは、バイク未経験なのに凄くバイクの使い方が上手いと思うんだけど、まだコントロールが出来てないのかな?と思うところもあります。そこができればもっともっと上があると思います。十分上手なんですけどね。まだまだ女子レーサーが強くなる可能性は十分にあると思いますよ。
AKI:佐藤選手も追い付かれないように!ですね!
佐藤:そうですね。実際、女子戦とか多少意識しちゃうんですよね。みんなで一緒にレベルを上げていきたいと思っていますし、いずれ負けてしまう時がきてしまうとは思うんです。ただ、今はまだ女子No. 1でいたいなと思います。まだまだ負けたくないです。そういう点で、女子レーサーのレベルが上がってきてる事は良い刺激になってます。本当に。今の成績に影響してると思いますよ。日和ちゃんとか、翔子ちゃん(浜松35期:西翔子選手)とか本当に楽しそうに練習に行くんですよ。それは速くなるよなと思っています。そういう姿を見るとまた刺激になりますね。何年か前に女子戦をしてた時と今は全然違います。女子のレベルが全体的に上がってるのは間違いありません。業界全体が盛り上がって、その中で私が1番が良いです(笑)この負けず嫌いが1番の武器だと思います。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
佐藤:GI優勝が話題になって、新聞でも裏一面にしてもらったりして、オートレースを知らない人も「何これ?」と思うキッカケになったと思います。1人でもオートレースを好きになってくれる人がいたら良いなぁと思っています。ファンの皆さんは次のステップ"SG優勝"を期待してくださってる方も多いと思います。選手13年目でここからもっと上手くなるというのはなかなかできることではないと思いますが、自分ではまだ成長できると信じてやってるので、少しずつでも成長できるように、今よりさらに強くなれるように。"現状維持"の考えではそれ以下になると思うので"今よりさらに強くなる"を目標に頑張っていきます。そして、今回の女子レーサーGI初優勝で話題になって、「私もオートレーサーになりたい!」と思ってもらえれば。ちょうど38期の選手候補生も募集してるので、私を目標にと言ってもらえるようにこれからも頑張ります。
(写真の一部は川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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山陽所属の35期。2021年12月11日にデビュー。デビュー戦から3連勝と勢いを見せるが、デビュー3ヶ月後に落車。5ヶ月ほど離脱を余儀なくされました。しかし、1級車に乗り換えた3節目、7月15日に地元山陽でデビュー初優勝を飾りました。初優勝のこと、今後の課題や目標など、お話して頂きました。
(取材日:2023年7月25日)
インタビュー / AKI
AKI:初優勝おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
永島:1番はホッとしましたね。今まで3回くらい優出したんですが全て準優勝だったので、また最後の最後でやられるんじゃないかと思いました(笑)やっと1回優勝できましたし、まずは優勝することが1つの目標だったので優勝できて良かったです。
AKI:優勝戦の節、初日は不安定な走路コンディションでの2着でしたが振り返っていかがですか?
永島:季節的にもよく斑走路を走らされてましたね。山陽は独特の斑走路になるので、2級車の時はコース的に厳しく上手く走れませんでした。けど、1級車になってからはだいぶ乗れるようになったかなと思います。インコースを使えるようになるので、内を走れるように練習してレースでも上手く走れるかなと思います。初日は緒方さん(山陽30期:緒方浩一選手)に負けての2着だったんですが、やっぱりすごいですね。
AKI:2日目は良走路でしたが、エンジン的にはいかがでしたか?
永島:あまりこれと言って"良い"という感じではありませんでしたね。後半垂れるし、タイヤも低く無理ができない状態でしたね。元々、1級車は練習の時からあまり良い感触は得られなかったんです。師匠の福永さん(山陽25期:福永貴史選手)にも「エンジンあまりでてないね。」と言われたりもしていました。自分自身まだ"良い1級車"というのが分からないので、練習を見てもらってアドバイスをもらいながらキャブを扱ったり整備をしたりしています。2級車に乗っていたので、1級車に乗るとどうしても速く感じてしまうんです。
AKI:練習での感触から、1級車デビューはどうだったんですか?
永島:1級車に乗り換えて2日間は雨だったんですが、湿走路は悪い感じはせず。2級車の癖でフワッと外に膨らんでしまったりはあったんですが、変に滑ったりもせず2日目は1着を取ることが出来ました。ただ、最終日の良走路はエンジンは進まないし、コースも定まっていないし、最後は2級車みたいな抜かれ方をしてしまいました。そこから、セッティングと走り方を考えて2節目に臨みました。
AKI:課題を考えながらの2節目、準決は惜しくも3着でした。
永島:その時は斑走路でした。まだ、インコースに自信がなく外を走っていたら、インコースの速い、岡部さん(山陽19期:岡部聡選手)や篠原さん(飯塚26期:篠原睦選手)に捌かれてしまいました。悔しかったですね。篠原さんから「ああいう走路は内走ってた方が良かったよ。」と声をかけてもらって、周りからも「練習あるのみだね。」と言ってもらったのでしっかり夕練をしてきました。やっぱりインコースを使えたら強いですよね。場合にもよりますが、内が乾いた時は内をしっかり走れるようになりたいですね。
AKI:そして、その次の節に優出。2日目の晴れは少し不安が残るレースになりましたが、優勝戦の日は試走からどんな感じでしたか?
永島:試走タイムを見たらみんなほぼ同じタイムで「これは逃げないといけない!」と一気にプレッシャーを感じましたね。けど、その分「試走タイムが出てるしもう逃げるしかない!」と覚悟が決まりましたね。
AKI:スタート振り返るといかがですか?
永島:2級車に比べたら全然良いですね!そつなく切れてる方だと思います。ドカ遅れもありません。
AKI:そこから6周回はいかがでしたか?
永島:もうドキドキでしたね。長かったです。周回盤は4周見てなかったんですが、パッと見たら「2」ってなっていて。「うわー。あと2周!!ここからが問題なんだよなー!!」と思っていました(笑)そこから、2周は人間の垂れもありました。乗る方もまだまだ全然ですね。6周回どう組み立てるかとか課題はまだまだですね。後ろの影も見えていました。ナイター照明は、どの角度からでも影が見えるので「やばい!また最終コーナーでやられる!!」と思いながら、「けど、1級車だから今回こそは逃げないと!」と思っていました。優勝戦の前に行ったリング交換が力強さに繋がって逃げることが出来ました。
AKI:整備を行っていたんですね!
永島:そうですね。1級車に乗り換えて6、7走していたので、底上げを狙ってリング交換を行いました。練習の感じも少しいいなという感触はありました。後は、タイヤをいっぱい探しましたね。雨おろしのタイヤで行こうとしたら跳ねてしまって。なので、優勝戦ということもあり取っておいた1番良いタイヤを付けて行きました。なので、エンジン、タイヤも良い状態で臨めました。
AKI:ゴールした瞬間というのはいかがでしたか?
永島:ゴールした瞬間は実感が湧かなかったですね。「あれ?に、逃げた??」という感じ。その後、2周回っている時に先輩方が祝福してくださっている姿を見て「あ。取れた!」とホッとしましたね。やってることはいつものレースと一緒なんですけど、出迎えてもらった時に「おめでとう!」と声をかけてもらったことが嬉しかったですね。
AKI:去年は怪我をして3ヶ月ほどレースから離れた時もありましたよね。
永島:ちょうど1年くらいに前に復帰前の練習参加で車に乗ったんですが「この先大丈夫なのかなぁ」と心配になりましたね。2ヶ月の入院もあり、"オートレースが出来るかどうか"よりもまずは"自分の足がちゃんと動くのか"ということから考えていましたね。ただ、今となれば右足じゃなくて良かったなと思います。右足だと復帰はもっと遅れていたと思いますし、踏ん張りがきかず車を上手く押さえられなかったかもしれないと。とは言っても、不安はたくさんありましたし、復帰前の練習でも上手く乗れず。そんな時に、師匠や周りの方に沢山助けてもらいました。怪我もあったので、整備のこと、乗り方、レースのこと、より一層厳しく指導していただいています。二度と事故が起きないように見てくださってるんだろうなぁと思います。その怪我もまだプレートは入っているんですが、普通にレースは出来るので落ち着いてはいます。
AKI:"優勝"という1つの目標をクリアしましたが、今後の目標はなんですか?
永島:もっとハンデを重くして、グレードレース常連になって、SGを目標に頑張りたいと思います。
AKI:今の1番の課題はなんですか?
永島:捌きも覚えていかないといけないですし、車を上手くコントロール出来てないので乗り方もです。その中でも1番は整備ですね。モータースポーツなので、整備は覚えていかなきゃいけないことがいっぱいあると思います。元々、ロードレースをしていたんですが、当時は「乗ることに集中しろ!」という感じだったので整備はほぼ出来ませんでした。けど、どうしたら良いかは分からなくても、セッティングの違いとか、乗った感覚というか、良い悪い、進む進まないとか、変化を感じることが出来るのでバイク経験は活きてると思います。
AKI:そのロードもオートレーサーになるために、という感じだったんですよね?
永島:そうですね。バイクに乗るきっかけは父の「バイクに乗ってみるか?」だったんですが、気が付いたら自分がガチになってた感じですね。レースをするようになったのは小学校6年生くらい。その後、オートレースの試験を受けられるようになった年齢ですぐに受けました。オートレーサーになるつもりでバイクに乗っていました。自分の将来の職業はオートレースと思ってやってきました。父の影響が大きいですね。オートレースも小さい頃から見させてもらっていたし、自分の名前の"潤太郎"は二田水潤太郎さん(飯塚3期:二田水潤太郎元選手)から頂いて父が付けた名前です。父が大のオートレースファンで息子ができたら"潤太郎"にすると決めていたみたいです。娘だったら"潤太郎子"だったらしいです(笑)
AKI:憧れて入った世界、オートレーサーになっていかがですか?
永島:思っていた以上に厳しい世界で大変なこともいっぱいあるんですが、成績が残ると楽しいですし、嬉しいです。他の職業とは違った嬉しさがあると思うので、やりがいのある仕事だと思います。夢にしてた仕事なのでオートレーサーなれて嬉しい限りです。
AKI:今後、どんな選手になりたいですか?
永島:お客さんがいてのオートレースなので、期待に応えられるように。悪くても3着以内、1番人気になった時はそれに応えられるような走りをして、コンスタントに成績を残せる選手になりたいです。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
永島:ここまで読んでいただきありがとうございます。1つの目標である初優勝を皆さんの応援のおかげですることが出来ました。まだまだですが、これから上位の選手を目指して頑張っていきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いします。
(写真は山陽オート、川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。