9月にGI連続優勝を飾ったS1鈴木圭一郎選手に戦いを振り返って頂きました。
もちろん今後の事も聞いています。ナンバー1の今を知って下さい。
インタビュー / 内野久照
内野:GI連続優勝おめでとうございます。浜松スピード王決定戦(以下、スピード王)から山陽共同通信社杯プレミアムカップ(以下、プレミアムカップ)優勝までの道のりを振り返って頂いてよろしいでしょうか?
鈴木圭:スピード王の優勝戦は朝早起きをしてクランクを交換しました。
6時から12時まで2台のエンジンをバラシてクランクを入れ換えました。
栗原さん(伊勢崎20期・栗原勝測選手)を中心に同期や周りに手伝って頂きました。
スピード王はスタートどん遅れで離れた8番手からになりました。最後まで諦めず走りました。クランクも換えているし勝たないといけないレースだと思っていたし自信を持って行きました。
プレッシャーはありませんでした。もう落ちる所まで落ちたので...。スピード王連覇出来て良かったです。換えたクランクは最終兵器なんですが開催期間を通して1節に1回しか使えない物になります。
下周りをして1走しか出ないクランクです。
内野:新品のパーツはどうなんでしょうか?
クランクは今年になって7・8個買いましたが準決・決勝で確実に着が取れるクランクには出会っていませんね。予選では勝てるけどメンバー揃うと厳しいです。
だから優勝戦で秘密兵器を出しました。
内野:山陽プレミアムカップでまた中古のクランクに換えましたが。
鈴木圭:色々探して考えた結果。栗原さんの物を頂きました。15年程前のクランクでほとんど乗っていない物でした。少し錆びていて埃まみれでした。(笑)
サイズが好みで自分向きのクランクだったので『化石クランク』を投入しました。
プレミアムカップは初日から音が出ましたが雨だったのでまだ疑っていました。ただ3日目のあのメンバー(プレミアムレーサー戦・9月時点でのランクNO1からNO8までの8人が揃った選抜戦)をスタート5・6番手から2番手まで追って行けたので捌けたのでエンジンは良い状態でしたね。レース後エンジンは良い所まで来ていました。後ちょっとかなと思いましたがスタートも進まず大きく振っていかないと捌けないので上積みを目指してシリンダーを交換しました。準決勝戦はスタートも切れたしエンジンは仕上がった感じでした。浜松スピード王で切れなかったスタートが山陽で切れた事も大きかったし良かったですよ。
内野:優勝戦枠番選択で2枠ではなく4枠を選びましたが?
鈴木圭:春の山陽プレミアムカップ準決勝戦で2枠から落ちたので恐怖心もありました。
準決勝戦4枠でしたがあの目線は蘇りますね。あの場面が...。
それと自分らしく行きたいという事で4枠を選びました。
エンジンは音も出たしタイヤはみずき(川口32期・小林瑞季選手)に借りました。
自分の乗った感じとはタイヤの接地感が違っていたので何度も走ってタイヤも自分向きに仕上げました。優勝戦はスタートが行けたのが大きかった。トップスタートだったのでゴールまで長かったです。これで同期の吉原君(伊勢崎32期・吉原恭佑選手)に追い付く事が出来たので本当に優勝出来て嬉しかったです。
内野:同期の存在は大きいですね。
鈴木圭:同期がいなかったらここまでやれていないと思う。養成所では吉原君と一番仲が悪かったけど今は一番良いのかな...?同期は皆仲良しですよ。
同期がいたからGIもSGも取れたと思う。
吉原君がいなかったらSGは取れていないし今の成績も残せていないと思う。
吉原君の飯塚プレミアムカップGI優勝(2016年9月)は僕のSG優勝(2016年10月)よりも早かったのです。雨の優勝戦で貢さん(伊勢崎22期・高橋貢選手)荒尾さん(飯塚27期・荒尾聡選手)に勝ったあのレースはインパクト強かったです。自分が出来なかった事を吉原君はやってのけた。その時の自分は間違いなく負けていました。その事もあり意識して頑張り続ける事が出来たと思います。
内野:同期(32期)を家族で例えて頂きます。
鈴木圭:えっ!家族ですか...。
父:年齢だとやっしー(伊勢崎32期・松本やすし選手)だけど父親的な人はいないですね。
母:年齢的にはりえぴー(伊勢崎32期・藤本梨恵選手)ですがお母さんではないかな...。
兄:町田君(飯塚32期・町田龍駿選手)です。本気で言い合える仲です。自分が間違っていたらしっかり言ってくれます。町田君が間違っていたら僕が厳しく言うこともあります。(笑)
弟:それは流石にいないですね。
姉:どうかな、いないかな...。
妹:りさ(川口32期・片野利沙選手)です。ポケバイからずっと一緒です。ロードレースの時も32期の養成所の時も何も聞かされずいつも現場で合ってビックリしていました。りさはストーカーじゃないかと思うくらい僕と同じ道を歩んでいます。(笑)
ペット:宏和(浜松32期・鈴木宏和選手)です。ペットみたいじゃないですか...。いたずらを良くするので犬がいたずらしているみたいですよ。だから宏和がペットです。
内野:プライベートは何をしていますか?
鈴木圭:オートレースを見ています。
それとフェンダーやタンクのデザインを考えています。千社札を作ったりしています。
基本はオートレースの事を考えています。
内野:体調管理はどうでしょうか?
鈴木圭:あっ!ユンケルを飲んでいます。サプリメントよりは漢方のような物が僕には合うのでしょう。基本はユンケルです。宿舎の売店で購入します。
内野:圭一郎選手から見て上手いなと思う選手は?
鈴木圭:雅人さん(川口28期・中村雅人選手)です。
雅人さんが優勝した2016年のオートレースグランプリの準決勝戦(2016年8月13日第11R)を見て頂いたら分かります。スタート後4・5番手から捌いてきて前を走る金子さん(浜松29期・金子大輔選手)恵匠さん(伊勢崎30期・新井恵匠選手)までも捌き切って1着を取りました。あのレースは凄いなと思いました。雅人さんの捌きは僕にはありません。もちろんどんな場面でも捌ける様にしたいですね。
内野:ライバルはいかがでしょう?
鈴木圭:金子さんと吉原君とレースをする時はバッチバチですよ。金子さんは意識していますね。吉原君は気持ちが伝わってきます。
自分は意識していませんが...。(笑)
内野:愛車『カルマ・calma』の由来を?
鈴木圭:イタリア語で『冷静』という意味です。『冷静』でいないと事故に繋がる。
だからこの言葉を大事にしているので好きな言葉も『カルマ』です。
デビューからずっと『カルマ』です。
これまで『カルマ』は3K・4K・5Kとありますがこれはポケバイのエンジンの型式です。今のカルマS5KのSはなんだかわかりますか?
内野:簡単です。鈴木のSです。
鈴木圭:ブー!違いますよ。僕の事何も知らないのですね。スペシャルのSです。覚えていて下さい。
内野:はい。解りました。他にこだわっている事も教えて下さい。
鈴木圭:こだわりですか?整備ではエンジンの音を出す事です。あとは周りに流されない事です。
内野:もちろん着用しているチャンピオンもこだわりですよね。
鈴木圭:チャンピオンはナンバー1ではなかった時にチャンピオンになりたい。ナンバー1になりたいと思っていたのでずっと着用しています。チャンピオンが好きです。デザインも格好いいしゴールドの文字が好きですね。
ただ最近は黒の生地にゴールドの文字という物が中々無いので見かけた方は是非プレゼントして下さい。サイズはMです。(笑)宜しく御願いします。
内野:工具もこだわりの金ですね?
鈴木圭:人の物と混ざらない事とゴールドは格好いいですから使っています。
内野:ヘルメットへのこだわりも教えて下さい。
鈴木圭:自分がデザインする事です。ナイターとミッドナイトで被っている物はKEN.JAPANさんにスワロフスキーでデコレーションして頂きました。
内野:この際なので何でも色々聞いて行きますね?好きな食べ物は?
鈴木圭:カレーライスです。大阪の『インデアンカレー』がおすすめです。チキン南蛮の美味しいお店も福岡で見つけました。嫌いな食べ物はイクラです。絶対に食べません。(笑)
飲み物ではジンジャーエールとカルピスが好きです。お酒は飲みません。ジンジャーエールは辛口のウィルキンソンが好きです。
内野:レース場での過ごし方1日の流れを教えて下さい。
鈴木圭:浜松での1日の流れで良いですか。
起床は5時50分です。
5時55分にロッカーです。6時に仲口さん(浜松24期・仲口武志選手)のコーヒー作りから始まります。アイスコーヒーなので作った後冷蔵庫で冷やします。
それからヘッド周りの調整をします。エンジンが冷えていないと出来ない作業です。それとタイヤの準備をします。タイヤウォーマーを巻いたりもします。
8時30分に冷えたコーヒーを仲口さんへデリバリーします。
9時にエンジン始動・暖機をします。それから朝練をしてレースまでタイヤ作りと整備です。調整を行います。
夕方の練習はレース後すぐには行けないので12Rの場合は予備車で練習することが多いです。レース後すぐ練習は行いません。エンジンがダメになるので...。
内野:圭一郎選手の調子はどこを見るといいですか?
鈴木圭:2コーナーから3コーナーに掛けて前の人との動きを比較して離されていたら良くないですね。試走タイムは良い人より5個上回りたいです。
内野:一番喜びを感じる時は?
鈴木圭:エンジンの音が出た時です。(笑)
内野:オートレース以外の質問だったのですが(笑)
鈴木圭:オートレース以外の喜びはないですよ。(笑)
内野:6期連続ナンバー1です。
鈴木圭:JKAから電話を頂きました。移動中だったのですが次もナンバー1です。と聞かされた時は涙が出ました。今年の前半は落車(伊勢崎優勝戦・浜松2級車での練習・山陽プレミアムカップ)が続き周回誤認(伊勢崎)もありました。その時はレースに集中出来ずお客様にも迷惑をかけてしまった。申し訳ない気持で一杯でした。その後は家から一歩も出ず悩みました。オートレースから離れたいと思いました。今年は落ちる所まで落ちたので正直ナンバー1になれないと思っていたので本当に嬉しかったので涙が止まりませんでした。
内野:圭一郎選手にとってオートレースとは?
鈴木圭:仕事ではないですね。まだまだですし...。趣味かな?趣味ですね。僕にはこれしかないです。オートレースしかありません!オートレースは僕の生き甲斐です。
内野:ポケバイスクールは?
鈴木圭:未来のオートレーサーを育てる事とオートレースを知ってもらう為にやっています。バイクを乗る楽しさも知ってもらえると思うので続けて行きます。
僕も7歳からポケバイを初めて青木治親さん(川口29期・元ロードレーサー世界チャンピオン)との出会いがあって今があるので...
内野:次回はSG全日本選抜です。2019年残り3ヶ月切りましたが?
鈴木圭:計画は立てていません。残りのオートレースを楽しみたいと思います。
内野:オッズパークを御覧の皆様へメッセージをお願いします。
鈴木圭:試走を見て下さい。タイムもですがバックストレッチの動きに勢いがあればエンジン良い状態なので自身を持ってレースに挑みます。その時は買って下さい。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。