岩手のフジユージーンについて、管理する瀬戸幸一調教師にお話を伺いました。
赤見:デビューからここまで5戦無敗で来ています。今はどんな様子でしょうか。
瀬戸:南部駒賞のあとはオーナーの牧場(富士ファーム)でゆっくり休養して、栃木県にある地方競馬教養センターで調教してから、水沢に戻ってくる予定です。休養の効果があって、また一回り大きくなりました。馬の様子を見ながらにはなりますが、間に合えば3月20日の京浜盃(大井)に出走したいと考えています。
赤見:いよいよダートグレード競走への挑戦ですね!
瀬戸:こればかりは馬の状態と相談になりますから、まだ確定的なことは言えませんが、ゆくゆくは大きなレースに出走してもヒケを取らない馬だと思っています。今はまだ成長しきっていませんので、馬の成長や状態を見ながら、慎重に進めているところです。全日本2歳優駿に参戦することも考えましたが、今後のことを考えて見送りました。
赤見:昨年からスタートしたネクストスターを勝ったわけですが、当初からそこが一つの目標だったのでしょうか。
瀬戸:実は、もっと奥手だと思っていたんです。もちろん走る馬だという認識はありましたが、何しろ大きな体ですし、気性的にも新馬向きのタイプではないなと。急かすのはよくないですし、実際走りも緩かったので、調教自体もゆっくり進めていました。でもデビュー前のゲート試験、能力検査でガラッと変わって、こちらも驚くほどでした。まだ成長しきっていない中でここまで活躍してくれているので、この先が本当に楽しみです。
赤見:今はマイルまでしか走っていませんが、距離が延びることに関してはいかがでしょうか。
瀬戸:スタートに難があって前半ゆっくりですが、折り合いがつくタイプですし、フットワークも大きくて、さらに延びた方が良さそうですよね。この春からの競馬はもちろんですが、秋には不来方賞がダートグレード競走になりますから、そこで地元代表として戦える力を付けたいです。
赤見:瀬戸厩舎と富士ファームさんといえば、1世代上にフジラプンツェル、そしてフジユージーンと、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』からお名前をつけられたのでしょうか。
瀬戸:そうみたいですね。わたしはよくわかっていなかったのですが、孫に教えてもらいました。オーナーとは学生馬術の頃からお付き合いさせていただいていて、久しぶりに入れていただいた馬がラプンツェルだったんです。ラプンツェルは重賞3勝もしていますし、次のユージーンもここまで走ってくれて、とても感謝しています。これからも大切に成長を見守りながら、さらに強くなるよう育てていきます。
*15日(木)名古屋 第11R『第49回スプリングカップ』 1700m 20:10発走*
この世代の名古屋3歳戦線をけん引している、ミトノユニヴァースVSフークピグマリオンの戦いに、新興勢力+遠征勢が加わっての戦いです。
本命にしたのはミトノユニヴァース。
新春ペガサスカップでは、向正面から上がっていって、早めに先頭に並びかけると、直線力強く抜け出して快勝でした。
同じ舞台だったゴールドウィング賞では最後にフークピグマリオンに差されましたが、今回は並ばせず、この短期間に大きな成長を遂げたと感じます。
まだまだ成長盛りで、さらに強くなっていきそうですが、現状でも安定して上手な競馬ができますし、ここも連勝を期待しています。
対抗はフークピグマリオン。
ゴールドウィング賞では塚本征吾騎手が追って追って、最後の最後でミトノユニヴァースを捉え切りました。
前走もかなり追われて最後伸びて来たものの2着まで。
道中もう少しスムーズにエンジンが掛かるようになれば、相当強くなりそうです。
3番手は兵庫のマルカイグアス。
前走の園田ジュニアカップでは、直線で素晴らしい末脚を使って差し切りました。
まだまだ幼さを感じる場面もありましたが、あの決め手は脅威でしょう。
初の遠征でどのくらい走れるか楽しみです。
JRA1勝クラスからの転入初戦となるキャッシュブリッツ、新春ペガサスカップで3着だったスティールアクター、前走3歳1組を勝ったベアサクシードまで。
◎8、ミトノユニヴァース
〇11、フークピグマリオン
▲4、マルカイグアス
△5、キャッシュブリッツ
△9、スティールアクター
△1、ベアサクシード
*12日(月)佐賀 第10R『佐賀記念』 2000m 18:15発走*
JRA勢も地方勢も一発あっておかしくないメンバーが複数揃って、難解な一戦になりました。
別定戦ということでノットゥルノが59kg、グランブリッジが牝馬ながら56kgというのがポイントになりそう。
本命にしたのは地元佐賀のヒストリーメイカー。
もともとはJRAバリバリのオープン馬。
佐賀移籍初戦となった姫路の白鷺賞を勝ち、どれだけ無双するだろうと思っていたら、そこからまさかの苦戦を強いられることになるとは...。
ただ、佐賀のグランプリレースである中島記念で、早め先頭からの圧勝劇を見せて吹っ切れたのではないでしょうか。
勢いが付いた現在は2連勝中。
相手なりに走れる馬なので、強豪がそろった今回のメンバーに入っても期待は膨らみます。
対抗はグランブリッジ。
前走の名古屋グランプリでも牡馬に混じって1番人気に支持され、2着に負けはしたものの、勝ち馬にマクられてからもしぶとく伸びていました。
今回は56kg、メイショウフンジンやヒストリーメイカーと同斤量というのは楽ではないですが、安定感抜群の馬なので、ここも堅実に頑張ってくれると思います。
メイショウフンジンは勝ち切れないレースが続いていますが、逃げると本当にしぶとい馬。
枠順的にもメンバー的にも、今回は展開が向きそうです。
ケイアイパープルは2022年にこのレースを圧勝しました。
揉まれたくないタイプなので、大外枠は歓迎でしょう。
59kgでも怖いノットゥルノ&武豊騎手、休み明けを一度使ったキリンジ、初の古馬戦となるマンダリンヒーローまで、今回は手広くいきます。
◎9、ヒストリーメイカー
〇2、グランブリッジ
▲3、メイショウフンジン
△12、ケイアイパープル
△11、ノットゥルノ
△7、キリンジ
△1、マンダリンヒーロー
3連単フォーメーション
9,2,3-9,2,3-9,2,3,12,11,7,1 30点
昨年は129勝を挙げて佐賀リーディングに輝いた飛田愛斗騎手。長年山口勲騎手が君臨していた牙城を初めて崩しました。
赤見:佐賀リーディングおめでとうございます!!
飛田:ありがとうございます。リーディングを獲ることができて、頑張ってくれた馬たちや周りの方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
赤見:リーディングはかなり意識していましたか?
飛田:そうですね。勲さんがケガで休養していた時期もありましたし、その時に勲さんから「お前がリーディングを獲るんだぞ」と言っていただいて、絶対に獲りたいという想いが強かったです。ただ復帰した勲さんがものすごい勢いで勝って、最後は5勝差ですからギリギリでした...。リーディングが決まったあと、2人の時に勲さんから「おめでとう」と言ってもらえて、すごく嬉しかったですね。
赤見:昨年は地元佐賀での活躍はもちろん、門別や川崎など、他場の重賞にスポット参戦する機会が増えましたね。
飛田:とてもありがたいです。他場で乗ることは大きな刺激になりますし、いい経験をさせていただきました。初めて川崎で乗った時には左回りできついコーナーを回るのがやっとという感じでしたが、今回(1月30日に行われた佐々木竹見カップ)はスムーズに回ることができました。第2戦は自分なりに考えて早めに仕掛けて行ったのですが、結果的にはもっとゆっくりでも良かったかなとか、実際に乗ることで実感することが多いです。
赤見:では今年の目標を教えてください。
飛田:今年は勲さんも僕もケガなく1年乗って、その上でリーディングを獲りたいです。佐賀は今年JBCを開催するので、盛り上げていけるよう頑張ります!
*4日(日)佐賀 第9R『第20回飛燕賞』 1400m 18:15発走*
ここはもう、トゥールリーが中心でしょう。
前走の佐賀若駒賞では圧倒的なスピードで逃げ切り楽勝。
1400mへの距離対応もまったく問題ないですし、ほとんどが負かして来たメンバー。
大外枠ですがスタートダッシュが速いのでハナに行くと思いますし、もし行かなくても大外枠なので揉まれる不安もありません。
ウルトラノホシが不在であれば、負けるわけにはいかないくらいの存在になりましたね。
トゥールリーが抜けている分、相手探しは難しいところ。
ここ2戦で成長を見せているトレベルオールが気になりますが、おそらくトゥールリーとこの馬だと人気になりそうだな、と考えて対抗はスターオブウーノにしました。
前走は逃げてそのまま粘っての勝利。
今回はトゥールリーがいるのでおそらく好位だと思いますが、逃げなくても競馬ができる馬。
スムーズに先行できれば上位なだれ込みもあるのではないかと期待しています。
3番手はトレベルオール。
先ほども触れましたが、ここ2戦長くいい脚を使って連勝。
末脚のするどさに磨きがかかり、脚の使いどころを覚えたようで、競馬が上手になりました。
前が速くなるような展開になれば、チャンスは大きいと思います。
大きく崩れないカシノルーカス、トレベルオールの2着続きなフェザークイルまで。
◎12、トゥールリー
〇4、スターオブウーノ
▲7、トレベルオール
△5、カシノルーカス
△11、フェザークイル